デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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千葉から東京の事務所に通ってる設定です。


太田優編

 

 それは本当に

 

 今思えば運命的だった

 

 いつものようにアッキーと散歩して

 

 色んな人から声をかけられて

 

 いつも通りだった

 

 でもその日だけは違くて

 

 私までカワイイって

 

 言ってくれた人と出会ったの

 

 ―――――――――

 

「はい、とういうことで、今回のゲストはアイドルの太田優さんでした! ありがとうございました!」

「ありがとうございました〜♪ また是非呼んでくださ〜い♪」

 

 今日のお仕事はネット番組『ペット自慢家ッ!』の生放送出演。今はテレビとかじゃなくてもネットで放送出来るからスゴイよねー☆

 んで、それが無事に終わったとこ。

 今回はアッキーとも一緒にお仕事出来たからとっても満足♪

 このお仕事をもらってきてくれたプロデューサーくんに感謝しなきゃ!

 

「太田さん、お疲れ様でした♪ アッキーちゃんもお疲れ様〜♪」

「お疲れ様でした〜♪」

 

 司会者で番組の進行役をする女性タレントさんと挨拶をして、あたしたちはスタジオを出る。アッキーも満足そう♪

 

 ―――――――――

 

 それからあたしとアッキーは番組のディレクターさんやスタッフさんたちに挨拶して、スタジオが入ってるビルのロビーに来た。

 ロビーには―――

 

「おう、お疲れ様」

 

 ―――あたし専属のプロデューサーくんがあたしたちのことを待っててくれた。

 

「プロデューサーくんもお疲れ〜♡ このお仕事とっても楽しかったよ〜♡ ありがとね♡」

「あ、あぁ、喜んでもらえたなら良かったよ……」

 

 フフフ、彼ってば照れちゃってカッワイイ♡

 

 この人があたしをアイドルにしてくれた運命の人で、今では事務所に秘密で付き合ってるの。

 キッカケは彼があたしの住んでるマンションの近くで外回りをしてたことで、なんでもあたしに一目惚れしちゃったんだって♡

 アッキーが結んでくれた縁なのかな?

 

 アッキーをカワイイって言ってくれる人はたくさんいたけど、あたしのことまでカワイイって言ってくれたのは彼が初めてで、だからあたしもついその気になってアイドルになるって決めた。

 

 そしてアイドルになった今は本当に幸せの毎日♡

 やっぱりそれもプロデューサーくんがあたしのために頑張ってくれてるからなんだよね♡

 

「プロデューサーくん、このあとの予定は?」

「えっと……次のライブに向けてのダンスレッスンとヴォーカルレッスンだよ」

「ん、了解♪ それじゃあさ、レッスンスタジオ行く前にランチしない?」

「うん、そう言うと思っていつものドッグカフェ予約しといたよ」

「さっすがあたしのプロデューサーくん♡ あとでキスしてあげる♡」

「ちょ、大声でそんなこと言わない!」

「別にやましい付き合いじゃなんだしヘーキヘーキ♡ それにプロデューサーくんが動揺しちゃってる方があたしたちの関係バレると思うよ〜? あたしはバレちゃってもいいけどね〜♡」

「ぐぬぬ……」

 

 あはは、プロデューサーくん唸ってるぅ♡

 あたしより全然年上なのにカワイイなぁ、もう♡

 

 こうしてあたしは彼をからかいながら、あたしたち行きつけのドッグカフェに向かった。

 

 ―――――――――

 

 ここのドッグカフェは個室もあって、付き合ってからはここの個室にしてる。

 だってその方が彼とラブラブ出来るもん♡

 

 でも―――

 

「はぁ……カワイイなぁ♪ お〜ヨシヨシ」

「へっへっへっ♪」

 

 ―――彼は絶賛浮気中。

 

 ここにはカフェのオーナーさんの飼い犬で看板娘(黒柴♀5才)のヌンちゃんって子がいて、店内を気ままに歩き回ってるの。

 それで今あたしのプロデューサーくんを誘惑してるところ。

 ここは確かに個室なんだけど、ヌンちゃんが自由に出入り出来るように個室のドアの下のとこにヌンちゃん用自動ドアがあるの。首輪のマイクロチップに反応して開くんだって。

 

 彼って基本動物好きだし、ヌンちゃんはヌンちゃんで人懐っこくてアッキーの次くらいにカワイイから、あたしの目の前でも普通にイチャイチャするんだよねー。

 

「ねぇ、アッキー……あたしの彼氏が目の前で他の女の子と浮気してるんだけど、どうしたらいいかな?」

「………………」

 

《アッキーは呆れたように優の顔を見ている》

 

「もうあたし捨てられちゃうのかな?」

「………………」

 

《アッキーはフッと鼻を鳴らしてそっぽを向く》

 

「やっぱりー? アッキーもそー思うー?」

「あのさ……」

「あ、なぁにプロデューサーくん。浮気タイム終わったの?」

「いや、そもそも浮気してないし……」

「してるじゃん。ヌンちゃん女の子だよ?」

「でも犬じゃないか……」

「犬でもなんでも女の子だもん。あたしが浮気って言ったら浮気なの」

 

 ふーんだ。せっかく恋人同士でランチしてるのに〜。

 しかもヌンちゃんってばちゃっかりあたしのプロデューサーくんの足元にまだ居座ってるし!

 

《ヌンは優を見て得意気に鼻を鳴らす》

 

 うわっ、今の絶対に『羨ましいだろ?』って言ってる顔だ。

 ヌンちゃん、その人はあたしのなんだからね!

 

「だってヌンちゃんカワイイんだもん、仕方ないじゃないか。それにヌンちゃんはライクで優のことはラブだぞ?」

「どうだか……口でならなんとでも言えるもん」

 

 そう言うならもっと恋人らしい行動を―――

 

 ちゅっ♡

 

 ―――されちゃった……♡

 

「…………これで分かってくれた?」

「うん♡」

 

 彼すごく顔赤い……でも多分あたしも赤い。だってとっても熱いもん。

 

《ヌンは空気を読んで他の場所へ行ってしまった》

 

 あ、ヌンちゃん行っちゃった……。

 流石は看板娘。引っ込むとこは弁えてるご様子。

 

「ねぇ、プロデューサーくん♡」

「何?」

「……さっきは不意打ちっぽかったから、今度はちゃんとするって言ってからして?♡」

「…………キス、するよ?」

「うん……ん♡」

 

 ちゅっ……♡

 

 あ、もう……プロデューサーくんてばアッキーがいるのにこんなキスして……♡

 でも止められない……彼があたしにいっぱい『大好き♡』って伝えてるの分かるし、気持ちいいんだもん♡

 

《アッキーは見ていられないとばかりにテーブルの下に移動》

 

「ちゅっ……んっ……っ……んぁ♡ プロデューサーくんのえっち……個室だからってこんなキスしてぇ♡」

「はぁはぁ……ごめん。優が好き過ぎて我慢出来なくて……」

 

 そんなこと言われたら何も言い返せないよ♡

 そもそもあたしは怒ってすらいないんだけど……♡

 

「それだけあたしに夢中になってくれて嬉しい♡ いくらワンちゃんでも、浮気はダメだぞー?♡ ワンちゃんならアッキーを可愛がってね♡」

「うん……少しなら、他の動物を撫でてもいい?」

「早速浮気宣言〜?」

「いや、だから――」

「――あはは、冗談冗談♡ でもでも出来ればオスの子にしてほしいなぁ♪」

「わ、分かった」

 

 こんな感じであとはラブラブしながらランチしたの♡

 とっても楽しかったし、プロデューサーくんの可愛さに癒やされた♡

 

 ―――――――――

 

 その日の夜。

 レッスンもしっかりこなしたあたし。

 もう今日は帰るだけなんだけど、明日はプロデューサーくんと揃ってオフだから今夜は彼の住んでるマンション(ペット可)のお部屋にお泊まりなんだぁ♡

 あ、勿論バレないようにお邪魔するよ。マスクしてメガネかけてね!

 

 それにお外ではあたしの方がプロデューサーくんを振り回してる感じだけど、彼のお部屋の中だと―――

 

「ご主人さま〜♡ 優の頭ナデナデしてくださ〜い♡」

「優は本当にこういう場面だと甘えん坊になるなぁ」

 

 ―――あたしはプロデューサーくん……ご主人さま大好きなワンちゃんになっちゃうの♡

 

 最初は彼の反応が可笑しくてやってたんだけど、今ではこの主従関係がすごく落ち着くんだよね。

 といってもあたしは彼に甘えて、彼はそんなあたしをうんと甘やかしてくれるだけなんだけど……。

 

「よしよし……優は今日もよく頑張ったね、よしよ〜し」

「ふへへへぇ、顎の下もほっぺもお耳ももっとナデナデしてくださ〜い♡」

「ゆ、優……」

「ん、なんですかぁ、ご主人さま〜?♡」

「えっと、その……さっきから俺の方に体を擦り付けてくるのはいいんだけどさ……」

「うんうん♡」

「今着てる服だと、ほら……」

「この肩出しセーター似合わないですかぁ、ご主人さま?」

「ち、違うよ。そうじゃなくて……胸元が……ね?」

 

 胸元?

 あぁ、あたしの谷間が強調されて目のやり場に困ってるんだ♡

 

「ご主人さま専用のですからぁ、好きなだけ見てくれて構いませんよぉ?♡ 寧ろあたしでもっと興奮してください♡」

「………………」

「ほらほらぁ、ご主人さまぁ♡」

「あ、あ〜、そうだ! 今日は優にプレゼントがあったんだ!」

「あんっ」

 

 プロデューサーくんはわざとらしく話題を逸らすと、ソファーから立ち上がって隣のお部屋に行っちゃった。

 むぅ、プロデューサーくんが好きだからお胸のとこのほくろが見えるようなお洋服着てるのに〜。

 

「アッキー、プロデューサーくんあたしのこと飽きちゃったのかなぁ?」

「………………」

 

《アッキーは呆れているように優を見つめてる》

 

「そうだよねぇ、プロデューサーくんがあたしのこと飽きるはずないよねぇ☆ アッキーは優しいねぇ、いい子いい子♪」

 

《アッキーは迷惑そうにしている》

 

「ごめん、これなんだけど……」

「ありがと♡ 開けてもいい?♡」

「どうぞ」

 

 何かなぁ? 紙袋は結構大きめだけど、重さはそうでもないし……前みたいに犬耳と尻尾のコスプレグッズかな? 彼って意外と過激な趣味持ってるからなぁ。嫌じゃないけど♡

 

 ガサゴソ

 

「犬用の首輪とそれに付けるリード?」

 

 赤い首輪と赤いリード……これあたしにっていうよりはアッキーのなんじゃ……。

 ん〜、でもアッキー用にしてはサイズが大き過ぎるし、まさかあたし―――

 

「どうかな? 優用に買ってきたんだけど」

 

 ―――用だった。

 どうしよう……すごく嬉しくて興奮する♡

 

「つけてもいいかな?」

「はい、ご主人さま♡」

 

 カチッ

 

「苦しくない?」

「はい……♡」

 

《アッキーは二人の空気を察して別の部屋へ避難》

 

「じゃあ……」

 

 ぐいっ

 

「んぁっ♡」

「今夜はずっとこのままでいようか」

「……はい♡」

 

 こんなので喜ぶあたしは変態かもしれない。

 でもそんなのどうだっていい。

 大好きな人が望んでくれてるなら、あたしは―――

 

「ご主人さまの好きなように優を躾けてください♡」

 

 ―――ご主人さまの愛犬になるよ♡

 

「じゃあ、ベッドへ行こうか。おいで」

「わんわん♡」

 

 こうしてあたしはプロデューサーくんにベッドの上でたくさん躾けてもらった。

 今夜はプロデューサーくんもノリノリで気がついたら朝になってたけど♡―――

 

 太田優*完




太田優編終わりです!

なんか変態チックになってしまいましたが、ご了承を。

お粗末様でした☆

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