デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


十時愛梨編

 

 今でも不思議に思う

 

 だって最初は

 

 ただのアルバイトだと思ってたから

 

 でもそこはアイドルオーディションで

 

 気がついたら合格してて

 

 気がついたらアイドルになってた

 

 秋田から上京して

 

 何もかも分からなかった私を

 

 優しく導いてくれたのは

 

 優しい魔法使いさんでした

 

 ―――――――――

 

「………………♡」

 

「愛梨〜、まだ講義中だよ?」

「にやけてるぞ〜?」

 

「はっ……ごめんね? ふふふっ♡」

 

『ダメだこりゃ……』

 

 今、私は大学で今日最後の講義を受けてます。そしてこの講義が終われば私はアイドルのお仕事に向かいます。今日は私専属のプロデューサーさんが大学までお迎えに来てくれるので、今から会えるのが楽しみなんです。

 だからケータイでプロデューサーさんとのやり取りを見返すだけで、自然と笑っちゃいます。

 それでさっきから仲良しのお友達に注意されてるんですけど、ダメなんです。

 

 だってプロデューサーさんは私のプロデューサーさんってだけじゃなくて、愛梨の大切な恋人さんなんです♡

 事務所には内緒ですけど、友達と同じ事務所のアイドル仲間にはお話してあります。どういう訳か私が打ち明ける前にみんな知ってたのが不思議でした。それだけ私とプロデューサーさんってお似合いだったりするのかなぁ? もしそうだとしたら嬉しいなぁ♡

 

 今日のお仕事は私のレギュラー番組の『とときんクッキング』の収録なんですけど、その前にプロデューサーさんのためにアップルパイ焼いてきたから、車の中で食べてもらう予定です♡ プロデューサーさんって甘いもの苦手なはずなのに、私が作った甘いものは嬉しそうに食べてくれるから、それだけで私は幸せになっちゃいます♡

 だから早く会いたい……♡

 

「うふふふふ〜♡」

 

 ―――――――――

 

 気がついたら講義は終わってました。でもノートはちゃんと取れたから良かった。

 

「愛梨は相変わらずプロデューサーさん命だね〜」

「まあいずれはこうなるって分かってたけどね〜」

「え〜、そうかな〜?」

 

 大学の門の前で私は友達とお話をしながらプロデューサーさんを待ってます。二人共私が他の男の子たちに声をかけられないように守ってくれてるんです。やっぱりアイドルだし、二人が勝手に私をアイドルオーディションに書類を送ったから、責任感じてるのかも。私はそのことなら気にしてないし、大切な恋人さんも出来たから二人には感謝してるんだけどなぁ。

 

「あ、お待ちかねの王子様が来たんじゃない?」

「お〜、あれは確かに愛梨の王子様だ」

「もぉ、やめてよ〜♡」

「嬉しそうにしちゃってまあ」

「やめてってにやけ顔で言われると腹立つよね」

「そんなことないも〜ん♡」

 

「こんにちは。お二人共、今回も愛梨のボディガードありがとうございました」

「いえいえお構いなく〜」

「それより愛梨のこと大切にしなきゃ訴えますから」

「〇〇ちゃんっ」

「ご心配なく。私の命よりも大切な人ですから」

『………………』

 

「もう、プロデューサーさんったらぁ♡」

「当然のことだからね」

「恥ずかしいですぅ♡」

 

『………………あっま』

 

 こうして私はお友達と別れて、プロデューサーさんの車に乗り込みました。

 

 ―――――――――

 

 撮影するスタジオに到着した私たちですが、集合予定時刻より二時間も前です。でもそれでいいんです。何故ならここの駐車場で私たちは恋人同士で過ごす予定ですから。

 

「はい、プロデューサーさん♡ あーん♡」

「あ〜……んっ」

「どうですかぁ?♡」

「ごくん……スイーティー」

「あはは、心ちゃんみたいですねぇ♪」

 

 この永遠に続いて欲しいと心から思える時間が私にとって、とても幸せな時間。大好きな人がすぐ隣にいて、私の作ったお菓子を食べて笑顔を見せてくれる。こんなに幸せなことって他にないと思います。

 

「愛梨のお菓子は不思議だなぁ」

「え〜、どこがですか〜? かな子ちゃんたちにも好評なのに〜」

「そういう意味じゃないよ。ほら、俺って甘いものは苦手だろ? なのに愛梨が作ったものは美味しく感じるから、不思議だなってことだ」

「あぁ、そういうことですか。でも確かに不思議ですよね〜? 私はレシピ通りに作ってるだけなのに〜」

「俺って単純だから、彼女の手作りってだけで美味しく感じちまうのかな?」

「私は理由がどんなのでもプロデューサーさんが笑顔になってくれるのが嬉しいです♡」

 

 私がアイドルとして有名になれたのも、初代シンデレラガールに輝けたのもみんなプロデューサーさんのお陰です。そんな掛け替えのない人に笑顔になってもらえるのはとても幸せなことだし、これからももっと幸せにしてあげたいって思います。

 アイドルなのにファンのことよりもプロデューサーさんのことばっかり考えちゃうようになったのは、私が悪い子だからかなぁ?

 でも本当にプロデューサーさんのことばかり私は考えちゃう。

 

 今何してるのかな

 今どんなこと考えてるのかな

 今少しでも私のこと思い出してくれてるかな

 

 私の頭の中は大好きなプロデューサーさんのことでいっぱい。プロデューサーさんのことを考えてるだけで私は幸せな気持ちになるし、もっともっと好きって気持ちが募っちゃう。

 

「プロデューサーさん……♡」

「どうした、愛梨?」

「もっと愛梨って呼んでください♡ プロデューサーさんから名前を呼ばれるの、好きなんです♡」

 

 好き……大好き♡ 前にお願いしてバイノーラルマイクに1時間分くらいプロデューサーさんに名前を呼んでもらうっていうのを録音してもらったんです♡ プロデューサーさんの声は落ち着くから、それを寝る前に聴くのが最近のマイブームなんですよ♡ でも聴いてるとたまに身体が熱くなっちゃって、脱いじゃうこともあるんですけど……♡

 

「愛梨」

「んっ♡」

「……愛梨」

「プロデューサーさぁん♡」

「愛梨……」

「プロデューサーさん、私ぃ……♡」

 

 脱ぎたくなっちゃいました♡

 

「脱ぐなよ?」

「え〜!」

 

 こんなに暑いのに〜。汗掻いて気持ち悪くなっちゃいますよ〜。

 

「せめて楽屋に行って脱いでくれ。ここは駐車場なんだ」

「むぅ、プロデューサーさんのせいなのに〜」

「俺はただ恋人の名前を囁いてただけ」

「確かにそうですけど〜」

 

 プロデューサーさんのせいなのは確かです。私、それだけプロデューサーさんのことが大好きなんですからね。

 

「収録が終わったら俺の部屋に招待するから、それまで我慢してくれ」

「本当ですか!?」

「明日は愛梨も大学休みだし、明日の予定は午後からレッスンが入ってるだけだからな」

「やったぁ♡ プロデューサーさん、だぁい好き〜♡」

「俺も好きだよ、愛梨」

「えへへへへ〜♡」

 

 ―――――――――

 

 収録もちゃんと終わって、事務所にも報告をしに行って、私はプロデューサーさんに連れられてプロデューサーさんが住んでるマンションのお部屋に来ました♡

 プロデューサーさんのお部屋はプロデューサーさんの匂いがして入っただけで、私は幸せな気持ちになります♡

 

「えへへ、プロデューサーさ〜ん♡」

「愛梨は甘えん坊だな」

「大好きな人には甘えたくなるんですぅ♡」

「可愛いからいいよ」

「やったぁ♡」

 

 私はプロデューサーさんをリビングのソファーに押し倒して、その上に覆い被さってます。大好きな人に包まれて、大好きな人に甘えられて本当にこんな時間が永遠に続いてほしいと思っちゃう。

 

「あ、そういえば」

「今度はなんだ?」

「事務所で愛海ちゃんからロケに行ったお土産のお菓子もらったんです♪ 一緒に食べましょ♪」

「愛海が……不安しかないな」

「そんなこと言っちゃ可哀想ですよ〜」

 

 愛海ちゃんはお肉とかふわふわしたものか好きなだけなんですから。

 

 ―――

 

「…………なんだこれ?」

「おっぱいグミ……って書いてあります」

 

 愛海ちゃんからのお土産……それはご当地のジョークスイーツでした。おっぱいチョコとかおっぱいババロアとか男の人の飴とかは知ってましたが、こんなのまであるなんて知らなかったです。

 

「貧乳から巨乳、美乳まであなた好みの夢が詰まってる……なんてキャッチフレーズなんだ。これを開発したプロデューサーを俺は殴りたい。てか、アイドルがこんなの買うなよ」

「愛海ちゃんのプロデューサーさんが朝から並んで買って来てくれたみたいです」

「あいつ……どんだけ自分のアイドルに甘いんだよ」

「それはプロデューサーさんは言えないですよ〜?」

 

 プロデューサーさんが私に甘々なのは身を持って実感してるんですからね♡ でもそんな甘〜いプロデューサーさんが私は大好きです♡

 

「そもそもこんなの人それぞれだし、柔らかさとかバラつきあって当然だろ」

「まあまあ、とりあえず食べてみましょうよ♪ こういうのって案外美味しいの多いんですよ?」

「まあ、無駄にクオリティ高いからな」

 

 私たちは苦笑いしてそのグミを食べてみました。でも味は本当に美味しくて、あっさりとした甘さでくせになりそうです。

 

「プロデューサーさん、どうでした?」

「う〜ん、悪くはないぞ? グミなんてガキの頃以来食ってなかったが、懐かしい味わいだ」

「なるほど〜。じゃあおっぱいの感じは?」

「そこ訊いちゃう?」

「だって気になるじゃないですか〜。それにプロデューサーさんは私のおっぱいよく食べてるから、違いが分かるかと思って……」

「ナチュラルに言い放ったが、それ他の人には言うなよ?」

「恥ずかしいから言いませんよ〜。それでどうでした?」

 

 するとプロデューサーさんは唸りながら、もう1つのグミをお口に入れます。そして更に唸りました。なんか面白くて、可愛いかも♡

 

「率直な意見でいいんだよな?」

「はい♪」

「……愛梨の胸には遠く及ばない」

「え?」

「なんて言うのかな〜。愛梨の胸はふわふわなのに弾力があるんだ。そう例えるなら低反発かつ高反発みたいな」

「…………」

「それに愛梨の乳首は恥ずかしがり屋さんだから舌でおいでおいでしないと出てきてくれない。なのにこのグミは最初から出ている。だから愛梨の胸には遠く及ばない」

「〜〜〜っ♡」

 

 訊くんじゃなかったですぅ♡ でもとても恥ずかしいのにとても嬉しくなってる私がいます。私って実はとってもエッチな子なのかな〜?

 

「というわけで本物が食べたくなった」

「プロデューサーさんのエッチ……♡」

「男はみんなそんなもんさ。でも俺、胸よりおへそフェチなんだよな」

「知ってます♡ 毎回私のお腹に掛けてますから♡」

「俺色に染まってて大変結構」

「責任取ってくださいね?♡」

「当然さ」

「えへへ、プロデューサーさん、大好きです♡」

「俺も愛梨のことが大好きだよ」

 

 ちゅっ♡

 

 それから私は一晩中プロデューサーさんにじっくりと味わわれちゃいました♡―――

 

 十時愛梨⦿完




十時愛梨編終わりです!

とときんはとにかくエッッッッッ!なのでナチュラルなエッッッで甘々な感じに書きました!

お粗末様でした☆

そしてた行が終わりましたので、次回からな行になります!
お楽しみに☆

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