デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


星輝子編

 

 トモダチなんて

 

 想像上でしかいなかった

 

 根暗な自分には

 

 世間は眩し過ぎるから

 

 日陰で

 

 薄暗い所で

 

 過ごすのが丁度良かった

 

 だけど

 

 そんな私を

 

 眩しい世界に連れ出した

 

 トモダチ以上の人がいるんだ

 

 ―――――――――

 

「フヒ、フヒヒ……♪」

「…………楽しいか?」

「うん……フヒヒヒッ♪」

 

 ど、どうも……私は今、親友……いや、もう違うのか。専属のプロデューサーの住んでるマンションの部屋に来てるんだ。きょ、今日は二人共オフだから、プロデューサーとこの日はいっぱい、一緒にいようねって話してて……。

 だ、だから今、私は居間でプロデューサーの隣に座らせてもらってるとこ。

 

 えっと、念のために言うと、私たちはこれでも付き合ってるんだ。

 だからもう私とプロデューサーは親友じゃなくて……ここっ、恋人なんだ♡

 

 ―――――――――

 ――――――

 ―――

 

 初めは私のただの勘違いからだった。

 アイドルのプロデューサーをしてるって人(今のプロデューサー)にオーディションに参加しないかって言われて、私は「キノコオークション」だと思って参加してしまった。

 でもプロデューサーは『面白いから採用』って言ってくれて、そこから私の世界が目まぐるしく変わったんだ。

 

 キラキラしてて、眩しくて……素の自分を見せても喜んでくれる人がいて、友達も妄想とかじゃなくて本当にたくさん出来た。

 

 それだけでも恵まれ過ぎて怖いくらいだったのに、これまで色んなアイドルのプロデュースを担当してたプロデューサーが、私なんかの専属プロデューサーになってくれて……しかも理由が『輝子が好きだから』って言ってくれたんだ。

 

 最初は友好とかで言ってるのかと思ってた。でもプロデューサーは私を本当に大切にしてくれて、気がついたら私もプロデューサーのことが別の意味で好きになってた。

 

 ―――

 ――――――

 ―――――――――

 

 だ、だから私たちは今をこうして過ごしてる。

 も、もちろん事務所には内緒にしてあるけど、小梅ちゃんとか幸子ちゃんとかあやめちゃんとか珠美ちゃんにはバレた。

 でもみんな私たちを応援してくれてるんだ。も、持つべきものは友達だね……いっぺん言ってみたかった、フヒヒヒッ。

 

「フヒヒ♪」

「……楽しそうだな」

「う、うん、楽しい……好きな人と、一緒だから……フヒヒヒッ♡」

「…………」

(俺の彼女がかわいい)

 

 プロデューサーは楽しくない、のかな? 私は何もしてなくても、プロデューサーと一緒にいられるだけで楽しいけど、プロデューサーは何かしたいのかもしれない。今までボッチだったし、それこそ恋人なんて出来たことないから、こういう時何をすればいいのか分かんない。

 だから―――

 

「プロデューサーは、何かしたいこと、ある?」

 

 ―――プロデューサーに訊いてみることにした。

 分かんないことは訊いてってよく言われてきたし、知らないことを訊くのは悪いことじゃないってプロデューサーも言ってたから。

 

「輝子を抱きしめたい」

「ふぇ?」

「輝子を抱きしめたい」

「あ……う……ヒッ」

「輝子を抱きしめたい」

「ど、どうぞ……♡」

 

 どど、どう反応すればいいか分からないけど、とりあえずずず、プロデューサーに向かって両手を広げてみた。

 

 ぎゅっ

 

「輝子……」

「プロデューサー……フヒッ♡」

 

 ぎゅ〜ってされてる。大好きな人に、力いっぱい。

 苦しいんだけど、もっと苦しくしてほしいかも。

 でも、そんなこと言ったら、引かれるかも……。

 

「……もう少し、強くしてもいいか?」

「っ……うん……フヒヒッ♡」

 

 凄いな、プロデューサーは。私の思ってたこと分かるとか。

 

 むぎゅっ

 

「辛くない?」

「っ……はっ、へ、へいき……ぁ♡」

 

 好きな人の匂いが近くて、プロデューサーの鼓動も聞こえてくる。"トクントクン"って優しく聞こえてくる。

 でも私の鼓動はちょ、ちょっとヤバいかも。"ドッドッドッドッ"って、めっちゃ早いし、うるさい。プロデューサーに聞こえてないはずなのに、聞こえてるんじゃないかって思うくらいだ。

 

「なんで輝子はこんなにもかわいいんだろうな」

「へっ……し、知らない……♡」

 

 かか、可愛いなんて、アイドルになるまで……いや、プロデューサーに出会うまで言われたことなかったからな。

 というか、私はまだ15だけど、プロデューサーは27だ。だから妹とか、そういう感覚で可愛いって思うんじゃないのか?

 

「こんなにかわいい彼女がいて、幸せだ。輝子大好き」

「う……はっ、わ、私だって……フヘヘヘッ♡」

 

 そんなことなかった。プロデューサーはやっぱり、私のことが好きで、可愛いって思ってくれてるらしい。でも、なら余計にどうして自分が可愛いのかなんて分からない。多分、プロデューサーにしか分からないと思う。

 

「ぷ、プロデューサー……♡」

「ん?」

「き、きき、菌の交換……しないか?♡」

「あぁ、もちろん」

 

 プロデューサーはそう言うと、私の顎を優しく上げた。

 目と目が合うと、プロデューサーは優しく微笑んでくれて……だから、私も頬の筋肉が蕩けたみたいに緩んだ。

 大好きなプロデューサーとずっと見つめ合っていたい……でも、そんなプロデューサーが顔を近づけてくるから、恥ずかしくて私は目を閉じた。

 

 でもそれからすぐに、私の唇に優しく何かが当たった。

 それがプロデューサーの唇だと分かると、私は早くプロデューサーに自分の中に来てほしくて、口を開ける。

 

「んっ、ぁ……んむぅ?」

 

 あれ? 口を開けてるのに、プロデューサーが来てくれない。

 

「んぁ、ちゅぅ……」

 

 なんで? 来てよ。さっきから私はプロデューサーの唇に自分の舌で"早く来て♡"ってお願いしてるのに。

 

「ちゅっ……ん、はぁ、れろっ……ちゅぷ」

 

 来てよ……どうして来てくれないの? こんなにこんなに、たくさんお願いしてるのに。プロデューサー、さっきから私の唇しか相手にしてくれない。

 

「ふぁ……ぷろ、でゅぅ、さぁ……なんれ……?」

 

 どうして? どうして来てくれないの? 教えてよプロデューサー。私はプロデューサーに来てほしいんだ。

 我慢出来ずに、私はプロデューサーと唇を合わせたまま目を開ける。

 すると当然、プロデューサーと目が合った。

 でもその目はいつもの目じゃなかったんだ。

 

 その目を私は知ってる。

 私を時間を掛けて堪能する……そう言ってる目。

 だから私はまた目を閉じた。そうしてほしいから。

 

「ちゅぅ、ちゅっ……んっ、はっ、んっ」

 

 唇と唇が重なるだけ。ちょっと長く重なったかと思うと、今度は何度も軽く重ね合わせるだけになる。

 

「んぁっ……はぅ、ちゅっ、んはぁ……っ」

 

 上唇、下唇、全体……この順番で甘噛みされながら、啄まれていく。

 どこをどうされても、私はプロデューサーのせいで敏感になってしまった。でも嫌じゃない。寧ろ恋人らしくて、なんかいい。

 

「はぁはぁ……ぷろ、でゅうさぁ……♡」

「どうした?」

「も、もっとぉ♡」

「まだ我慢」

「そ、そんなぁ♡」

「まだお昼前だ。時間はたっぷりあるだろ?」

「うん……で、でもぉ♡」

 

 切ない……足りない……焦らされるのはちょっと、もういいかな。

 

「我慢出来なくなった?」

「っ……!♡」

 

 その言葉に、私は必死に何度も頷いた。

 するとプロデューサーはグッと手に力を込めて、私の頭を片手だけで固定したんだ。つまり、

 

「じゃあ、するよ?」

「〜♡」

 

 そういうことだった。

 

 ―――――――――

 

「輝子」

「はぁはぁ、はぁはぁ……♡」

 

 された……存分に。もう暫くは体を起こせないくらい、私はプロデューサーにされた。体が勝手に小刻みに震えて、ビリビリして、何かの中毒症状みたいだ。

 

「なんか、回数を重ねる度に感じやすくなってないか?」

「フヒッ……そうかも、しれない♡」

「キスしかしてないんだけどな」

「き、菌の交換だ……♡」

「はいはい。暫く立てなそうか?」

「う、うん……♡」

「そうか。お昼どうする?」

 

 そうか……もうお昼か。プロデューサーにされてたから、時間のことなんてすっかり忘れてた。

 

「う、動けない……♡」

「何か出前取る?」

「い、いいな、それ♡」

「じゃあちょっと待ってな」

 

 プロデューサーはそう言ってスマホをいじり始める。私も前に小梅ちゃんから教わったけど、東京だとネットで出前が取れるんだ。いや、私の地元でもあるかもしれないけど、使ったことないから分かんない。

 

「何かリクエストは?」

「キノコ……」

「フレンズ食べちゃうの?」

「わ、私のフレンズではないから……」

「そういうとこシビアなんだな」

「まあな」

 

 友達の友達はまた友達……かもしれないが、マイフレンズも成長すれば頂くからな。美味しく頂くのが真の友情だ(キノコとの)。

 

「キノコって言ってもなぁ。どんな系がいい? 中華とか洋食とか」

「な、なんでもいい……」

「だったら俺の特別キノコ食わせるぞ、こら」

「フヒッ……別の意味でお腹が膨れるわけか♡」

 

 それはそれで悪くないな。プロデューサーキノコは私だけしか味わえない味と風味があるし、気持ちいいし。

 

「プロデューサー……♡」

「何にするか決まった?」

「プロデューサーキノコ、にする……♡」

「冗談だったんだが?」

「ひどい……」

 

 ガッカリだ。いつもは夜にしか味わえないから、それがいいと思ったのに。

 

「ちゃんとお昼食べたら、それでもいいぞ?」

「ほ、本当か?♡」

「う、うん……まあ、キスで俺もそんな気分な訳だし」

「フヘヘヘッ、プロデューサー♡」

 

 好きだ……好きなんて言葉じゃ足りないくらいに、私はプロデューサーが大好きだ。

 

「な、なんだよ、急に抱きついて?」

「プロデューサープロデューサー♡」

「……はいはい。俺も輝子のことが大好きだよ」

「フヘッ、フヘヘッ♡」

「で、結局何が食べたい?」

「前に食べた蕎麦屋のキノコあんかけ蕎麦♡」

「相当気に入ったんだな、あれ」

「うん、だって、プロデューサーと初めて……同じテーブルで一緒に食べた、思い出の料理だから♡」

「っ」

「だからそれがいい♡」

 

 私がそう言うと、次の瞬間にプロデューサーが私に覆い被さってきた。

 

「どうした、プロデューサー?♡」

「輝子がかわいい」

「フヒッ、あり、がと♡」

「だから先に輝子食べる」

「い、いいのか?♡」

「もう辛抱堪らん」

 

 そう言ってプロデューサーが私の手をあの場所に持っていくと、プロデューサーの立派なキノコが躍動してた。

 

「おい」

「ど、どうした?♡」

「確認で手を当てただけなんだ。離せ」

「やだね♡」

「離さないと脱げない」

「……脱いだら離さなくてもいい?♡」

「お好きにどうぞ」

「フヒッ、なら今だけは離す♡」

 

 結局、私たちがお昼を食べたのは夕方になってからで、お腹はタプタプになったのに不思議なことに空腹は満たされなかった。

 あぁ、そういえば私、まだアレ来てないからいいけど、来たらあの感覚が味わえないのは残念だなぁ―――。

 

 星輝子⦿完




星輝子編終わりです!

輝子ちゃんは私の中で上位に入るくらい好きなキャラなので、自分の妄想通りのダラダライチャラブにしました!←

お粗末様でした☆

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