デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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大沼くるみ編

 

 くるみはおバカさんなの

 

 すぐ泣くし

 

 子どもだし

 

 頭も悪いし

 

 お胸がおっきいだけ

 

 だから男の子たちから

 

 ひどいこと言われても

 

 何も言い返せなかった

 

 男の子なんてみんな嫌いだった

 

 でもね

 

 今は一人だけ好きな男の人がいるの

 

 ―――――――――

 

「ふぇぇぇん、びぇぇぇんっ」

「いやぁ、くるみちゃんよく泣くねぇ。でも確かに涙が出るよね」

「本当にいい子ねぇ、くるみちゃんは。あたしの娘にしたいくらいよ!」

 

 くるみ、今テレビのお仕事なのに泣いてます。

 でも怒られてません。

 このお仕事はくるみが泣いてもいいってぷろでゅーしゃーが教えてくれた。

 出来るだけ泣かないようにしてたけど、やっぱり泣いちゃうよ。

 

「ぐすっ……ふぇっ、ままにあえて、よかったねぇ……えぐっ」

「そうだね。生き別れたのに、こうしてまた生き会えたのは感動的だもんね」

 

 このお仕事は『今あなたに会いたい』っていうテレビの番組でね、番組の人がお願いしてきた人の大切な人を探す番組なの。

 それでくるみは座ってその様子を見てるだけなんだけど、会えて嬉しそうにしてる人たちを見てると涙が出ちゃうんだよぉ。

 

 ―――――――――

 

 お仕事も終わってスタッフの人たちとか一緒にお仕事した人たちにも挨拶し終わると、カメラの後ろのところにぷろでゅーしゃーがいました。

 さっき撮ってたのを確認してるのかな?

 

「ぷろでゅーしゃー……」

「おぉ、お疲れ様。よく泣いたなぁ」

「ごめんなしゃい……ぐすっ」

「今回は泣くのが仕事みたいな感じだしな。ほれ、鼻チーンしなさい」

「はぁい……ちーん!」

 

 ぷろでゅーしゃーからポケットティッシュをもらって、くるみはお鼻をかみました。そうしてる間もぷろでゅーしゃーはくるみの頭をいい子いい子してくれて、くるみはお胸の奥がドキドキしました。

 

「ここなんて使おうかと思ってるんですけど、どうですかねプロデューサーさん」

「…………いいですね。この泣きじゃくったあとの笑顔がたまりませんね」

「ですよね! 僕もファンになっちゃいそうです♪」

「いいんですよ、ファンになっても? うちのくるみは可愛いんですから」

「あはは、まるで親バカでみたいですね」

 

 ぷろでゅーしゃーとカメラ撮ってた人は楽しそうにしてる。

 泣いちゃってたのに、この人も怒らないし、くるみのこと好きになってくれるみたい……アイドルってすごいなぁ。でもそれだけぷろでゅーしゃーがすごいんだろうなぁ。

 

「ではまたよろしくお願いします。ありがとうございました!」

「あ、ありがとうございましたっ」

「はい。また一緒に仕事出来るの楽しみにしてます!」

 

 ―――――――――

 

 テレビのお仕事もお仕事をくれた人たちとの挨拶も終わると、くるみはぷろでゅーしゃーが運転する車で事務所に帰ってきました。

 ぷろでゅーしゃーと一緒に事務所の偉い人に報告すると、偉い人は「良くやったね、お疲れ様」ってくるみに言ってくれて、アメしゃんをくれました。

 

 それからぷろでゅーしゃーがお仕事してるお部屋に行くと、

 

「んじゃ、お仕事頑張ったご褒美をあげよう」

 

 ぷろでゅーしゃーはくるみのことを優しく抱っこしてくれます。

 

 くるみね、ファンの人たちとか事務所の人たちにナイショでぷろでゅーしゃーとお付き合いしてるの。

 最初はぷろでゅーしゃーがくるみが自信を持てるように優しくしてくれてたんだけど……なんかね、この前ぷろでゅーしゃーがくるみをお嫁さんにしたいって言ってくれたの。

 もちろん、くるみも最初はそんなの嘘だと思ってた。

 お胸がおっきいだけで他に取り柄なんてないから。

 でもそんなくるみをアイドルにしてくれたのもぷろでゅーしゃーで、ぷろでゅーしゃーだからくるみはアイドルを続けて来られたし、笑顔も出来るようになった。

 

 くるみをいじめる男の子たちのせいで、男の子ってみんなひどい子しかいないって思ってたけど、ぷろでゅーしゃーは男の子なのに優しくて、くるみが泣いてても怒らないでいてくれて……だから信じてみようって思ったの。

 それでね……信じてからはぷろでゅーしゃーのことがもっと好きになってね。二人きりの時はくるみもぷろでゅーしゃーに甘えちゃうんだぁ。

 それと―――

 

「…………ぐすっ」

 

 ―――嬉しいのに涙がいっぱい溢れちゃうの。

 

「よしよし……くるみは可愛いね」

「泣いてても?」

「勿論……こんなに可愛い子が将来俺のお嫁さんになるんだ。最高の気分さ」

「えへへ……くるみ、ぷろでゅーしゃーのお嫁さんになるぅ♡」

「あぁ、なってくれ」

 

 ぷろでゅーしゃーは出会ってからずっとくるみに優しくしてくれる。

 今ではくるみだけのぷろでゅーしゃーになってくれたし、そんなぷろでゅーしゃーのお嫁さんにくるみはなりたい。

 だからお家ではままにいろいろ教わってるの。お料理とかお洗濯の干し方とかたたみ方とか……くるみも大人になったらぷろでゅーしゃーにしてあげたいから♡

 

「あ、ぷろでゅーしゃー、ちょっといーい?」

「ん、どうした?」

「あのね、ぷろでゅーしゃー、これから時間ある?」

「あるけど……あ、なんか食べたいのがあるのか? もう夕飯時だもんな」

 

 ぷろでゅーしゃーがそう言うから、くるみは違う違うって首を振って教えて、

 

「くるみね、お弁当作ってきたの……だから、良かったら、その……」

 

 うぅ、お家でいっぱいお誘いする練習してきたのに、ぷろでゅーしゃーの前だと恥ずかしいよぉ。

 

「…………大丈夫だよ。ちゃんと待ってるから、くるみの言葉を聞かせてくれ」

「……うん。あのね、ぷろでゅーしゃーの分もあるから、一緒に食べよ?」

 

 言えた……言えたけど、また泣いちゃった。

 でもぷろでゅーしゃーはくるみをいい子いい子してくれて、「是非ともご一緒したいな」って笑って言ってくれたの。

 頑張って良かった♡

 

 ―――――――――

 

 それからくるみはロッカーに置いといたバッグを持ってぷろでゅーしゃーのところに戻ってきた。

 

「ぷろでゅーしゃー、持ってきたよ〜♡」

「ありがとう。じゃあ休憩室に行くか」

「…………ここで食べちゃダメ?」

「いやダメじゃないけど……他の人に見られるのが嫌とか?」

「それもちょっとだけあるけど……」

「あるけど?」

 

 うぅ、やっぱり言うの恥ずかしい……。

 でも前にままが『好きな人には素直な気持ちを伝えるのが一番よ』って言ってたから、言わなきなゃ。

 

「えっとね……くるみね、ぷろでゅーしゃーと二人だけで食べたいな……って思って♡」

 

 言っちゃった……ぷろでゅーしゃー怒るかな? これは本当にくるみのわがままだもん。

 

「そう言ってくれて嬉しいよ。じゃあここで食べようか」

「……いいの?」

「くるみのお願いだからね。くるみがそう望むのなら、彼氏ならその望みを叶えなきゃな」

「うぅ……ぐすっ」

 

 嬉しいよぉ……くるみ、ぷろでゅーしゃーを好きになって良かったよぉ。うぇぇぇぇぇんっ!

 

「あはは、くるみは本当に嬉し泣きが多くなったな。よしよし」

「くるみの涙腺おバカだからぁ……えぐっ」

「バカじゃないさ……涙の意味が悲しみじゃなければ、俺はいいと思ってるよ」

「ぷろでゅーしゃー……ぐすっ、えぐっ」

「はい、くるみ……ギューッ」

「ぎゅ〜っ……んへへ♡ ぷろでゅーしゃー、温かい♡ 安心すゆ……♡」

「やっぱりくるみは笑うとより可愛いな」

「んやぁ、恥ずかしいから言っちゃダメぇ♡」

「可愛い可愛い♪」

「ぷろでゅーしゃーのいじわゆ〜♡」

 

 でもくるみね、ぷろでゅーしゃーのいじわるは好きだよ。

 だってとっても優しい声だし、くるみのお胸の奥もポカポカするもん♡

 

 ―――

 

「へぇ、これくるみが作ったんだぁ」

「うん……ままみたいに上手じゃないけど」

 

 くるみが泣き止んでから、二人でお部屋のソファーに座ってお弁当を広げました。

 持ってくるまでにちょっと寄っちゃってたりしたけど、ぷろでゅーしゃーは「くるみらしい」って笑ってくれたの。

 朝に作って今は夜だから冷めちゃってたけど、ちゃんとお茶とかあるお部屋(給湯室)にある電子レンジで温めたよ。

 

 それで今はぷろでゅーしゃーにくるみが作った玉子焼きを食べてもらうところなの。

 

「あーん」

「あ〜……んっ」

 

 えへへ、しちゃった♡

 くるみ、前にままとぱぱがこうしてたの見て、憧れてたんだぁ。

 だからぷろでゅーしゃーに悪いことしちゃったけど、くるみもままみたいにしてみたかったから、わざとお箸を一組お家に置いてきたの♡

 

「どう……? まずいかな……?」

 

 ちゃんと入れるお塩もお砂糖と間違えてないか入れる前に舐めて確認したし、味見もしたけどやっぱり不安。

 

「……うん、美味しい」

「ふぇぇっ……♡」

 

 また泣いちゃう……。

 ままが言ってたの本当だった―――

 

『作った料理を美味しいって言ってもらえるのはとても嬉しいことよ』

 

 ―――くるみもぷろでゅーしゃーに言われて、とってもとっても嬉しいもん!

 

「また涙が出てるぞ?」

「んん……だって嬉しかったから♡ ぐすん」

「俺だって嬉しいよ。ありがとう、くるみ……ちゅっ」

 

 んぁ……ぷろでゅーしゃーにお口にちゅうしてもらっちゃった♡

 ぷろでゅーしゃーとちゅうするの好き……いい子いい子されるのも好きだけど、ちゅうするといい子いい子の時よりお胸の奥がキューッてなって、苦しいのに気持ちいいんだもん。

 

「ぷろでゅーしゃー、もう一回♡」

 

 だからくるみはぷろでゅーしゃーにまたちゅうをお願いしちゃう。

 でもぷろでゅーしゃーは怒らないで、優しく笑ってくるみのほっぺを大きなおててでいい子いい子してくれて……またちゅってちゅうしてくれるの♡

 

 好き……ぷろでゅーしゃー大好き♡

 絶対にぷろでゅーしゃーのお嫁さんになるからね♡

 

「ぷろでゅーしゃー、だぁいしゅき♡」

 

 こうしてくるみはぷろでゅーしゃーといっぱいちゅうして、またお弁当が冷えちゃった。

 でもぷろでゅーしゃーとくるみはまた温めて、今度は仲良く食べたんだよ♡

 それでぷろでゅーしゃーは『また食べたい』って言ってくれたから、また明日作ってくるんだ♡―――。

 

 大沼くるみ*完




大沼くるみ編終わりです!

13歳だけど、二次創作だからセーフってことで!

お粗末様でした☆

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