デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

180 / 196
上京してる設定です。


真鍋いつき編

 

 体を動かすのが好き

 

 楽しく運動して

 

 気持ちいい汗を掻いて

 

 沢山笑うの

 

 最高だよね!

 

 でも最近は

 

 それ以上の楽しいを見つけて

 

 今まで以上に最高の気分なの!

 

 ―――――――――

 

「はい、いつきちゃ〜ん笑って笑って〜!」

「は〜いっ」

「うんかわいいよ〜! そのままのポーズを暫くキープして〜!」

「は〜い♪」

 

 私、真鍋いつきは今、お仕事でアイドルになる前までお世話になっていたスポーツジムに来てます。どうしてかというと、ここのスポーツジムのオーナーさんが私が前に働いていたのを知って、広告キャラクターになってほしいと事務所にオファーをくれたから。

 今はその宣伝ポスターと会員さん募集ポスターの撮影をしてるんだけど―――

 

「いつきちゃん、本当にアイドルなのね〜」

「オーラが違うわ〜」

 

 ―――前にお世話になったインストラクターの先輩たちが見学してるので、とても照れます!

 大丈夫かな。顔赤くなってないかな。みんな気さくで優しい人たちだけど、まさかアイドルになった私の仕事風景を見せることになるとは……。

 

「いつきちゃ〜ん、肘落ちてきてるわよ〜♪」

「元インストラクターの意地見せなさ〜い♪」

 

 も〜、みんなして私をいじる〜!

 

「いつき〜、大丈夫だ〜、今日も可愛いぞ〜!」

 

 というか、なんで自然とプロデューサーまで先輩たちのやじに混じってるの〜! プロデューサーは私の味方だと思ったのに〜! それに可愛いとか大声で言わないで〜!

 

 ―――――――――

 

 私専属のプロデューサーは不思議な人。とても真面目な人なのに、子どもみたいなとこがある。

 あ、別にそれが悪いって訳じゃないの。寧ろその逆。私はそんなプロデューサーだから好きになった。

 

 だから何度も何度も彼女にしてってお願いした。だって私、あの人が私のプロデューサーだからアイドルをやってて楽しいんだもん。毎日顔を合わせるのが楽しみなんだもん。

 これって恋だよね? だからプロデューサーが頷いてくれた時、柄にもなく嬉し過ぎて泣いちゃった。

 

 私たちの関係を事務所で知るのは同じアイドル仲間くらい。

 伊吹ちゃんとか渚ちゃんとか、よく遊ぶメンバーは簡単な相談とか乗ってもらってる。私の方が年上なんだけどね〜。

 でも基本的に私が難しいと判断した相談事はプロデューサーにしてる。だってプロデューサーは私が悩んでると『一人で悩むな』って言うんだもん。そういうとこ、好き♡

 それにプロデューサーは32歳だから、大人な意見をくれるんだよね〜。まあ、ステージ衣装で悩んでて『じゃあバニーガールで』とか趣味全開なことを言われる時もあるんだけど、それはそれでなんか可愛いし、恋人補正のせいもあるんだろうけど許せちゃう。

 

 まだ付き合って数カ月だけど、毎日がキラキラしてて、本当に楽しい。

 だから頑張ってプロデューサーに飽きられない可愛い彼女でいようと努力するんだ♡

 

 ―――――――――

 

 そう思ってる私だけど―――

 

「ぷろりゅ〜しゃ〜♡」

「はいはい、もう少しで着きますよ〜、シンデレラ〜」

 

 ―――今の私はダメダメです。

 

 ポスター撮影を無事に終えて、お仕事が完全に終わったあと、私は見学してた先輩たちに飲みに誘われて、プロデューサーも一緒にってことで参加させてもらった。私もプロデューサーも今日このお仕事が終わったら現地解散ってことだったから。

 でも私は誤った。だって先輩たちお酒強いもん。私はまあ、人並みかな。

 よって私は早々にダウンして、プロデューサーにおんぶされて私が住んでるマンションに送ってもらってるとこ。

 意識はハッキリしてるんだけど、フラフラするし、何より呂律が回らない。でもプロデューサーにおんぶされてるのが嬉しい。だから余計に酔ってるのかもしれない。

 

「ぷろりゅ〜しゃ〜、こんやはおとまり〜?♡」

「泊まってってほしいのか?」

「えへへ〜♡」

「……その笑顔はズルい」

「えへへへへ〜♡」

 

 大好きなプロデューサーだから、甘えちゃうんだよなぁ、私。こうすればプロデューサーは断れないって知ってるもん。でも仕方ないよね。こんなにこんなに大好きなんだもん。いつもは素直に言うこと聞いてるけど、こういう時くらいわがまま言ってもいいよね。

 

「俺、着換え持ってきてないけど?」

「したぎはぬいだらわらひんとこのせんたくきであらえばらいじょうぶ♡」

「あぁ、あのうん万円もした高機能洗濯機か」

「うん〜、せんたくからかんそうまでしてくれる〜♡ らかららいじょうぶ♡」

「はいはい。とりあえず帰ったら水飲んで落ち着こうな」

「えへへへへ〜♡」

 

 ―――――――――

 

 プロデューサーに運んでもらってマンションに帰ってきた。

 プロデューサーは私をソファーに座らせると、私の上着を脱がせて、水をコップに汲んできてくれた。

 

「少しは落ち着いた?」

「うん、ありがと、プロデューサー♡」

 

 呂律も回復したけど、私は酔ってるのをいいことに隣に座ったプロデューサーの肩にこてんと頭を預ける。プロデューサーは私が酔ってると、普段より過保護になるから―――

 

「気にせず、もっともたれ掛かっていいぞ?」

 

 ―――こんな風に私を甘やかしてくれるの。私はこのプロデューサーの優しい声とか態度がとにかく好きで、言われるがままに甘えちゃうんだ。

 

「んゆ〜、プロデューサー、好き〜♡」

「俺もいつきのことが好きだよ」

「えへへ〜、嬉しい♡」

 

 いつも以上に優しい声と表情のプロデューサー。それだけで私の胸の奥が熱くなって、苦しくなる。

 自分でもこんなに誰かを好きになったことなんてなかった。こんなに素敵なことなら、前から誰かを好きになれば良かったかも。

 …………いや、プロデューサーだから、この人が現れるから私は今まで誰かを好きになることはなかったのかな。

 

 そんなことを考えてると、余計に愛しさが募ってきて、気がついたら私はプロデューサーにキスのおねだりしてた。

 

 プロデューサーは私に愛の言葉を優しく囁くと、私の頬に手を添えて唇を重ねてきた。

 唇と唇が触れ合うと、私はプロデューサーの胸元に置いていた手を、ぎゅっと握りしめる。別に苦しい訳じゃないの。ただ、この時間が永遠に続いてほしいと願って、手に力が入っちゃう。そんなことないって分かってるのに。

 

「……いつき」

「んぁ、もうやめちゃうの?」

「いつまでもしていたいけど、そろそろシャワー浴びないと。明日もスケジュールが午前から詰まってる」

「んぅ〜、プロデューサーともっとキスしてたい〜」

「わがまま言うな。いつきが可愛過ぎて困る」

「じゃあ、もっと困って♡ 今は私だけの王子様でいて♡」

「シャワー浴びたらな」

「いじわる〜」

 

 でも大好き。だから私は素直にプロデューサーの言葉に従って、シャワーを浴びてきた。プロデューサーには一緒に浴びようって誘ったけど、「そうなると長引くのが分かってるから、今日は却下」って笑顔で言われた。

 むぅ、お風呂でもいっぱい甘えようと思ったのに〜。

 

 ―――――――――

 

 私がシャワーを浴びて出てくると、今度はプロデューサーが入っていった。

 だから私はその間にプロデューサーの下着とかを洗濯機に入れて、洗濯と乾燥のスイッチを押して、リビングのソファーでプロデューサーを待ってた。

 酔いも程よく抜けたけど、やっぱり私はプロデューサーに酔ってる。だってプロデューサーのことを考えるとふわふわして、顔が熱くなるんだもん。

 それに―――

 

「えへ、えへへ〜♡」

 

 ―――自然と顔が緩んじゃう。

 どうしてこんなに好きなんだろう。

 どうしてこんなに愛おしいんだろう。

 どうしてこんなに求めちゃうんだろう。

 

 沢山のどうしてが浮かんで、すぐにそれはプロデューサーだからなんて簡単な答えで落ち着いちゃう。

 あの人の声を聞くだけで、あの人と目が合うだけで、あの人の温もりを思い出すだけで、私はあの人に恋をしてるんだって……愛してるんだって強く思う。

 ほんの数分側にいないだけで、寂しくて切なくなっちゃってる。

 

「プロデューサー、早く来て……寂しいよぅ」

 

「シャワーもゆっくり浴びせてくれないのか? 借りてる側としては失礼だが」

 

「あ♡」

 

 バスタオルを腰に巻いて戻ってきた最愛の人。それだけで私の心のモヤモヤはキレイになくなった。

 

「プロデューサー♡」

「なんだよ……」

「寂しかった〜♡」

「だから早く戻ってきただろ。いつきは酒が入るとふにゃふにゃのよわよわになるからな」

「えへへ〜♡」

 

 プロデューサーになら何を言われても嬉しくなるなぁ。何を言われても好きって気持ちしか湧いてこないもん。

 

「で、バスタオル巻いただけの彼氏に抱き着いて、次は何をさせる気だ?」

 

 いたずらっぽく笑って言うプロデューサーに、私の胸はドキッと悲鳴をあげた。

 いつもかっこ良くて素敵だけど、こういう時の大人の男の色気っていうのかな、そういうのを見せつけられると私はなんて言えばいいのか分からなくなって、なんでかうろたえちゃう。

 

「な、何って……あうあうあうあう♡」

「さっきからこれでもかってくらい、いつきの柔らかいモノが当たってるな〜」

「ご、ごめんなさい……♡」

「最初からそのつもりだっただろ?」

「え、えへへへへ〜♡」

「彼女が可愛過ぎて死ねる」

「だめっ、死んじゃやだ〜!」

「言葉の綾だよ」

「でもやだ……プロデューサーは私と一緒におじいちゃんおばあちゃんになるの」

 

 それでおじいちゃんとおばあちゃんになったら、縁側で一緒に日向ぼっこしたり、公園にお散歩行ったりして、今みたいに仲良く過ごすんだから。

 

「はぁ……」

 

 プロデューサーに大きなため息吐かれた。そんなに嫌なのかな。

 

 私がそんなことを思ってると―――

 

「可愛い」

 

 ―――プロデューサーに抱きしめられて、耳元でそう囁かれた。

 

「いつき、愛してる」

「私だってプロデューサーのこと愛してるよ♡」

「絶対にいつきをトップアイドルにして、いつきと結婚する。トップアイドルにしてやれなくても結婚する」

「二人で夢を叶えようね♡ 私頑張るから♡」

「俺だって頑張るさ」

「うん……ねぇ、プロデューサー♡」

「ん?」

「早く寝室行こ?♡ 私、プロデューサーにもっと愛してほしい♡」

「言われなくても掻っ攫ってくよ」

「なら攫って♡ 早く早く♡」

「この可愛いやつめ!」

「きゃ〜♡」

 

 私はそれからプロデューサーにお姫様抱っこされて、寝室まで連れてかれた。

 そして結局、その日もお仕事があるのに朝まで私たちは愛し合ってた。

 幸せなのは確かだったけど、お仕事のある日は流石に控えようって二人で決めた……えへへ♡―――

 

 真鍋いつき⦿完




真鍋いつき編終わりです!

何事にもまっすぐないつきちゃんならこれがいいと思いました♪

お粗末様でした☆
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。