デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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りあむちゃんの出身地が優しい世界とのことで不明なので、東京に住んでる設定にします。


夢見りあむ編

 

 人と話すのが苦手になったのは

 

 いつからだっただろう

 

 人の温もりに憧れたのは

 

 どうしてだっただろう

 

 自分がアイドルに求めていたのは

 

 そんな寂しさを埋めてくれたから

 

 だと思う

 

 一度挫折した人間だから

 

 輝くアイドルに救われたんだ

 

 でも今はそれよりも

 

 魔法使いサマに救われてます

 

 ―――――――――

 

「………………」

「………………」

 

 ど、どうも、夢見りあむって言います。

 これでも一応アイドルです。

 

 そんなぼくですが、アイドルとしてタブーを犯しました。

 何かと言うと、ぼく専属のPサマをお互いのオフを理由にぼくの実家に招き入れてるから。

 

 実はぼく、事務所には内緒でPサマとお付き合いを始めたの。単純にぼくがPサマの優しさに惚れたの。

 

 ぼくは自他共に認めるドルオタで、同じアイドル事務所所属なのに卯月ちゃんとか凛ちゃんとか未央ちゃんとか……とにかく色んな先輩アイドルに会う度、一緒に写真撮ってもらってるんだ。本人の了承を得たやつは自分のSNSにアップしたりしてる。

 あとは一昔前のアイドルネタも知ってるから、蓮実ちゃんや瞳子さんとよくそういう話で盛り上がったりしてる。

 んで、そんなぼくの話をPサマは呆れずに、いつも優しく微笑んで、うんうんって聞いてくれてた。

 自分の好きなことをちゃんと聞いてくれる人ってぼくの周りにいなかったのもあったけど、Pサマみたいな人は家族にも親戚にもいなくて……だから惹かれたんだと思う。

 

 とまあ、ぼくがPサマに惚れちゃった話は置いといて……今、ぼく、過呼吸になりそう!

 だってしゅきしゅきな人が実家に居て、しかもぼくの目の前に居て……それでいて相変わらず微笑んでくれてるんだもん! 何も気の利いたこと話せない自分にやむ!

 

「…………」

「?」

「っ!?」

 

 ぼくがちらっとPサマの方を見ると、Pサマは首を傾げながらも微笑んでくれる。その笑顔が尊過ぎて脳みそ蕩けそう。

 Pサマはぼくと10歳離れてるから、これが大人の余裕ってやつなのかな? ぼくだったら絶対Pサマと同じ歳になってもクソザコメンタルのままだと思う……。

 

「…………Pサマ」

「ん?」

「……Pサマ」

「はい」

「Pサマ!」

「ここに居るよ」

「くぁwせdrftgyふじこlp!」

 

 あーあーあー! もう! すこ過ぎ! 尊過ぎ!

 このまま何時間でもPサマって呼んでいれちゃうくらいに幸せ空間なんですけどー!?

 うぅ、Pサマが初めてお付き合いした人だから何話せばいいか分かんないよぉ。告白するのだって死ぬ気でやって、しかもOKされてめちゃくちゃ舞い上がってたけど、いざこうなってみると何も出来ないー!

 

「りあむ」

「は、はい!」

「ご招待されるがままに来たんだけど、何かしたいこととかあるかな?」

「し、したいこと……?」

「うん。りあむから家に来ないかって誘われた時、俺は嬉しかった。だからりあむのしたいこととか、りあむが喜んでくれることを今回俺はしたいと思ってる」

「…………♡」

 

 Pサマってどこまでぼくを甘やかせば気が済むんだろ。レッスンとかお仕事とかでも全面的に協力してくれてるのにーでもそこは担当アイドルだからってのが強いだろうけどー恋人として付き合うようになってからは、その時間は毎回ぼくがしたいこととか行きたいとこを必ず訊いてくれるんだよね。

 毎回そうだから今回はぼくがって言う意味で呼んだのに……はぁ、何も出来ない自分にやむ。

 

「きょ、今日はその……いつものお礼ってことで呼んだから……♡」

「うん」

「ぼ、ぼぼ、ぼくがPサマに何かしてあげようかなって……思って、ます♡」

「そんなこと気にしなくていいのに。りあむはただ存在してくれてるだけで、俺の励みになってるんだよ?」

「あぅ……♡」

 

 うぅ、Pサマの愛で押し潰されそう。Pサマにもしも捨てられたらぼくは二度と社会復帰出来ないと思う。

 

 Pサマの愛の前にぼくが蹂躙されていると、リビングのカラクリ時計が11時を知らせる鐘を鳴らした。

 因みにこれ、お姉ちゃんが渡米先で見つけて可愛いからって衝動買いして、自分のとこに飾れないからって実家に送ってきたやつ。時間になると数字のとこの小窓が開いて人形が動いて、クラシックのオルゴールが鳴るの。人形も12星座をモチーフにしてて、クラシックも12曲が内蔵されてて時間毎に違う曲が掛かって豪華だよ。

 

「あ、もう11時だね。もう1時間もこうしてりあむと見つめ合ってたのか……幸せな時間が過ぎるのは早いね」

「あぅあぅあぅあぅあぅ……♡」

「お昼ご飯はどうしようか? どこか食べに行く? 奢るよ?」

 

 あ、思い出した! ぼくでも出来るPサマへの愛のお返し!

 

「お昼は餃子パーチー……んんっ、餃子パーティしよ!」

「餃子パーティ?」

「うん! Pサマがいっつもぼくのこと甘やかしてくれるから、そのお礼!」

 

 実は昨日から準備してあったんだ!

 

「………………りあむ」

「へ?」

 

 むぎゅっ♡

 

 え、え? Pサマが急にぼくのことモフり出したんだけど!? そんなに餃子パーティするの嫌なの!?

 

「幸せ過ぎてりあむと結婚したい気持ちが限界突破した」

「うぇぇぇぇっ!?♡」

 

 餃子なのに!? まだ作ってないし、美味しいかすら分かってないのに!!?

 いやぼくもPサマと結婚したいよ? 一生Pサマの愛に溺れたいよ? でもちょっと急過ぎるよぉぉぉぉぉっ!

 

「……でも、俺はりあむをトップアイドルにしたい。この世にこんなに可愛い子がいるんだって知らしめたい。だからこの気持ちはまだとっておく」

「う、うん……♡」

「必ずトップアイドルにして、そんなトップアイドルを俺のお嫁さんにするから」

「はいぃ♡」

 

 んはぁ、やばい。耳元でそんな悩殺ボイスで囁かないで。もうそのお声だけで孕んじゃうよぉ。

 

「と、とにかく、餃子パーティするってことでいいよね?」

「もちろん。りあむの手料理を堪能させてもらうよ」

「…………あんまり期待しないでね?」

「大丈夫だ。化石を出されても俺は全て完食する」

「そんなの出さないやいっ!」

 

 ―――――――――

 

 ってことで、ぼくは早速餃子パーティの準備をした。

 準備って言っても、昨日下準備しちゃったからホットプレートを用意して、冷蔵庫から焼くだけにしてある餃子たちを用意するだけなんだけどね。

 ただ―――

 

「随分とたくさん用意してくれたんだね。幸せだなぁ」

 

 ―――自分で思っていた以上に餃子を大量生産してました。

 ラーメン屋さんとかで出てくる餃子の数を5個だとして、ぼくが用意したのは100個は軽く超えてます。

 Pサマのことを考えてて、それでいて今日のことに浮かれてて、思いのままに用意した結果がこれです。やむ。

 

「こんなにいらないよね……」

「いらないなんてとんでもない! 寧ろ少ないくらいだよ! これからイチャイチャしながら焼いて、食べるのには!」

「い、イチャイチャしながら焼くってどういう……?」

「りあむが焼いてくれるんだよね?」

「うん」

「その間、俺は待ってるよね?」

「うん」

「寂しいからりあむに抱きついてても問題ないよね?」

「うん?」

「それに餃子は一度蒸らすのに時間を置くよね?」

「うん」

「ならその間はキスしていられるよね?」

「うん?」

 

 Pサマ……愛が重いお。ぼくPサマ依存症になるよ。既になってるかもだけど。

 

「幸せって怖いね」

「う、うん」

「じゃあお昼までまだ少し時間あるから、キスして過ごそうか」

「…………はい♡」

 

 ―――――――――

 

 凄かった。うん。それはそれはもう凄かった。

 キスって気持ちいいよね。好きな人との距離が近くて、全神経がその人のことでメロメロになる。完全に雌堕ちしてるよぼく、うん。

 

「Pしゃま……♡」

「可愛いりあむ可愛い……ちゅっちゅ」

「んにゃあ、Pしゃまぁん♡」

 

 ほっぺにキスされてるだけなのにぼくとろとろだもん。餃子焼けないよぉ。ずっとキスしてたいけど、Pサマにぼくの特製餃子食べてほしいよぉ。

 

「んぁ、Pしゃま……ぎょうざぁ」

「あぁ、そうだった。じゃあ頼むよ」

「うい……♡」

 

 ふぅ、なんとか抜け出せたぞ、ぼく。まあ食事が終わったらまたチュッチュタイムなんだろうけど、今はぼくのターンだもんね!

 餃子にぼくはにんにく使う派なんだけど、これからのことを考えて今回は入れてない。でもニラは入れた。

 全部普通のじゃ飽きちゃうと思って色々と用意したんだよねー。桜海老餃子に蟹と蟹味噌が入れてある餃子、フカヒレ餃子にたけのこときくらげ餃子でしょー。あとはあきらちゃんから教えてもらったクリームチーズとチョコレートを餃子の皮で包んだスイーツ餃子と、あかりちゃんに好評だった角切りりんごとすりりんごのフルーツ餃子!

 やっぱりこういうところで女子力見せないと! 餃子のレパートリーで見せんなよって思われそうだけど……。

 

「…………Pサマ」

「どうしたの?」

「ずっとこうしてる感じ?」

「…………だめ?」

「ん"ッ……だめじゃないです♡」

 

 いざ焼き始まったはいいものの、Pサマは当然のようにぼくを後ろから抱きしめてる。しかもぼくの右肩にぼくに負担をかけないように顎を乗っけて頬擦りしてくる。いやリア充らしくて嬉しいけどさ、ぼくのクソザコ思考回路がショート寸前なんだわー! しかもちょいちょいぼくのお腹擦ってきて、それがまた気持ち良くて手元狂いそう!

 

「Pサマってお髭ちゃんと剃ってるからチクチクしないよね……」

「毎朝剃ってるからね。りあむがジョリジョリされたいって言うなら伸ばすけど?」

「Pサマならどっちでもすこ♡」

「そっか。ならこのままでいるよ」

「ジョリジョリしないんだ?」

「りあむの肌をむやみに傷つけたくないからね」

「はぅ……♡」

 

 んぁぁん、Pサマが甘くてやむー! すこすこのすこ!

 

「お水入れて……ちょっと待つ!」

「じゃあイチャイチャタイムだね」

「今もイチャイチャしてるよぅ♡」

「頬擦りくらいじゃ足りないよ」

「Pサマのせいでぼくの感覚狂いそう♡」

「いいよ狂って。俺色に染まってて嬉しい」

「んにゃう〜♡」

 

 ふぇぇ、ホットプレートにタイマー機能あって良かったよ。なかったら絶対焦がしてたもん。そんなのPサマに食べさせるだなんてマジやむもん。

 

 ―――

 

「出来たよ、Pサマ♡ 食べて食べて♡」

「うわぁ、美味しい!」

「まだ食べてないじゃん♡」

「匂いからして美味しいって分かるからね」

「ひひっ、嬉しい♡」

「これが夢見家の餃子なんだね?」

「ん〜、にんにく入れてないからぼくの餃子かな?」

「……あぁ、りあむ、結婚して」

「トップになったらするぅ♡」

「じゃあ食べさせて」

「はぁい♡ ふーっ、ふーっ……はい、あーん♡」

「あむ……はふっ、うん、うまうま」

「でへへぇ、良かった♡」

 

 あぁ、良かったぁ。Pサマのお口にあってホッとした。

 

 それからもぼくはPサマに引っ付かれながら餃子を焼いて、食べさせたり食べさせてもらったりしていっぱいイチャイチャして過ごしたんだ。癖になりそう。近い内にまた呼んじゃおうかな。どうせ今はぼくしかこの家にいないし!―――

 

 夢見りあむ⦿完




夢見りあむ編終わりです!

とにかく自己評価が低いりあむたんはこれでもかと甘やかしました!

お粗末様でした☆

これにてアイドル勢は全員書き終えましたので、次からサブキャラ勢を書きます。
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