デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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クラリスさんはシスター。
シスターとはキリスト教の修道女のことです。
そしてキリスト教で修道制度を持つのはカトリック、正教、聖公会の3つです。
因みにクラリスさんがどの宗派なのかは不明です。
クラリスさんはシスターですが、修道院には入院していない、カトリック教徒であるという設定で書きます。


クラリス編

 

 苦しみに会ったことは

 私にとってしあわせでした

 私はそれであなたのおきてを学びました

 詩篇119−71

 

 聖書の教え通り

 

 私はアイドルというものを

 

 教わりました

 

 そしてその教えは

 

 私を大きく成長させ

 

 今の私があります

 

 アイドルを教えてくれた

 

 愛しきお方

 

 私の恩人で掛け替えのないお方です

 

 ―――――――――

 

「お姉ちゃん、またね〜!」

「お姉ちゃん、また日曜日にね!」

「はい、また来週お会いしましょう。気をつけて帰ってくださいね」

『バイバ〜イ!』

 

 本日は日曜日。私は毎回日曜日だけはアイドル業をお休みさせて頂き、修道女としてミサに参加しています。

 ただ、ミサが終わったあとですぐにアイドル業に戻ることもあります。

 ですが今日はミサのあとの奉仕活動(教会内外の清掃)もあるために、プロデューサー様には丸1日お休みを頂きました。

 

 プロデューサー様との出会いで私はアイドルとなり、アイドルとなった私は自ら得たお金で私が通う教会に寄付をし、今ではかなり立て直すことが出来ました。

 床の修繕や外壁と内壁の修繕も私だけでなく、多くの方々のご支援のもとで施すことが出来、神父様もとてもお喜びになられていました。

 

 私の願いがこれほど大きく前進したのは、やはり神様がお与えになられたプロデューサー様との出会いと、プロデューサー様の誠意あるお仕事のお陰。

 ですので、私は神様への感謝は勿論のこと、プロデューサー様への感謝も日々お返ししたいと思っています。

 

「クラリス」

「はい、神父様。何かご用でしょうか?」

「いや、用と言う訳ではない。もう奉仕活動の一般参加者が全員帰ったからね、クラリスも帰って休みなさい」

「ですが、まだ清掃用具等のお片付けが残っています」

「クラリスは働き過ぎだ。私が心配するほどにね。そしてきっとそれは神も同じくご心配されておられるだろう」

「そんな……」

「人手は十分ある。だからクラリスは少しでも早く帰りなさい」

「分かりました。それではそうさせて頂きます。お心遣い感謝致します」

 

 私は神父様に深く感謝をしました。

 するとこの地域の修道院長様がニコニコしながら私の隣にやってきて、

 

「門の所にいつもの方が来ていますよ。早く行っておあげなさい」

 

 プロデューサー様が待っていること教えてくださいました。

 私が門の所を見ると、そこにはプロデューサー様が立っておられ、私に笑顔で手を振っていました。

 ですので、私は神父様と修道院長様、他のシスターの方々に一礼したあとで、自分の荷物を手にプロデューサー様のもとへと向かったのです。

 

 ―――

 

 どうしてプロデューサー様が門の所で私を待っていたのか……それは私がすべきことを終えたあとでプロデューサー様とお出掛けをする約束をしていたからです。

 

 私はシスターでありアイドルでありながら、プロデューサー様を一人の男性として愛してしまいました。

 それは神様と神父様に懺悔し、この恋心は捨てようとしました。

 しかし神父様はこう仰られたのです。

 

『愛は寛容であり、愛は親切です。

 また人をねたみません。

 愛は自慢せず、高慢になりません。

 礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。

 すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。

 愛は決して絶えることがありません。

 コリント人への手紙Ⅰ 13−4~8

 

 このように聖書には書かれている。恋心を抱くことは何も罪ではないと私は思う。だから素直になりなさい。神もきっとクラリスの幸せを考えてるのだから。

 

 そして私からはこの御言葉(みことば)をクラリスへ送ろう。

 

 何よりもまず、互の愛を熱く保ちなさい。

 愛は多くの罪をおおうものである。

 聖書、1ペテロ4−8

 

 この御言葉の通り、私はクラリスが抱いた恋心は罪ではないと断言する。だから、その心を捨てる必要はないんだよ』

 

 都合のいい解釈だと言われたらそれまでだと思います。しかし私はその御言葉で救われました。

 神父様のお陰で私はプロデューサー様とお付き合いをする決心をし、神父様たちや両親にも同意を貰いました。流石に事務所の方々にはまだ内緒にしていますが、その時が来たら逃げも隠れもせずにご報告しようと思います。

 そして近い未来……私がシスターを辞めることになろうとも、私はこれまで通り神様への信仰心を忘れません。

 

 ―――

 

「プロデューサー様、お会い出来て嬉しいです♡」

「俺もクラリスに会えて嬉しいよ」

 

 他愛もない言葉。けれど私にとってはそれだけでこの上ない幸せがこの身を震わせます。

 

「ミサにご参加して頂ければ、もっと早くからお会い出来ましたよ?」

「それは……まあ、追々な。俺はクラリスの言う信仰心ってのよく分からないから」

「強要は致しませんわ」

「ありがとう……んじゃ、行こうか」

「はいっ♡」

 

 こうして私はプロデューサー様の車に乗り、出発しました。

 

 ―――――――――

 

「本日はどちらへ連れて行ってもらえるのでしょう?♡」

「今日はちょっと買い物があってね。デパートに付き合ってもらえないかな?」

「勿論大丈夫です♡ プロデューサー様と一緒ならば、そこがどんなに荒れた大地でも私にとっては楽園ですわ♡」

「相変わらず大袈裟だなぁ」

「本当のことですから♡」

 

 今の言葉に嘘偽りはありません。それだけ私はプロデューサー様を愛しています。

 プロデューサー様は以前は多くのアイドルの方々を担当していらしてましたが、シスターの身である私を本格的にプロデュースするために専属になることを決意してくださいました。

 勿論、以前担当していたアイドルの方々との間にわだかまりはありません。事務所でその方々にお会いしても仲良くさせて頂いてます。

 このようにプロデューサー様と出会ってから、私は幸せで怖いくらいです。

 

 ―――

 

 車内でのプロデューサー様との語らいはすぐに時が過ぎてしまいます。もっとも、プロデューサー様と一緒にいるだけで時間が経つのはとても早く感じるのですが♡

 

「ここは……あの時の」

「そ、クラリスが始めて仕事したデパート。ここのデパ地下でイクラ売ってるから買いたかったんだよ」

「まあ……プロデューサー様の大好物ですから、それは是非とも買わねばいけませんわね♡」

 

 ふふふ、こう言っては失礼かもしれませんが、なんだか微笑ましい♡ こうした素直なところがプロデューサー様のお人柄なのでしょうね。そして私はそんな貴方に恋をしたのです♡

 

「でも売り切れてるかもなぁ。残ってれば儲けもんってことで」

「ふふっ、では早く参りましょう♡」

「あぁ、そうだな」

 

 ―――

 

 私たちが地下の海産物販売エリアに向かうと、確かにイクラを求めて長蛇の列が出来ていました。

 プロデューサー様は並んでる間もイクラが売り切れてしまわないかとそわそわしていて、私はまたも失礼だと思いながらそんなプロデューサー様の可愛らしいお姿に目を奪われていました。

 

「俺の番になった途端に売り切れとかやめてくれよ?」

「大丈夫ですよ。見たところまだまだ余裕がありますから」

「うぅ……神様〜。いるならオラにイクラを買わせてくだせぇ」

「もう、そんな言葉遣いをされてはいけませんわよ?」

「は〜い」

 

 普段はとてもしっかりした方なのに、どうしてこうも可愛らしくなってしまうのでしょう。そうしたところがまた私の心を掴んで離さないのですわ。

 

 それからプロデューサー様の順番が来た時、無事にイクラを購入することが出来ました。その時のプロデューサー様の喜びようがとてもとても可愛らしくて、私はちょっとはしたない言い方ですがメロメロになっていました。ですが、本当に可愛らしかったのでこれはもうどうしようもないでしょう♡

 

 ―――――――――

 

 お買い物が終わると、プロデューサー様のご提案でデパートの屋上へと向かいました。

 夕方ということもあってか屋上には人が少なく、私たちはそのまま屋上のベンチに座り、夕焼け色に染まる空を眺めることにしました。

 

「無事にご購入されることが出来て良かったですね」

「そうだなぁ。これで今夜はイクラ丼決定だ」

「まあ、豪勢ですわね♡」

「クラリスも俺の部屋来て食べてく?」

「ですがそれではプロデューサー様のイクラが……」

「量なんて大した問題じゃないよ。それより、美味しい物は誰かと一緒に食べたいじゃん?」

「っ♡」

 

 もう、そんな言葉を言われては断れないではありませんか♡

 

「では、お言葉に甘えさせて頂きます♡」

「おう。クラリスのはご飯も特盛にしてやるからな♪」

「わぁ〜い♡」

「ははは……俺さ、クラリスって美味しそうに食べるから、一緒に食卓を囲むの好きなんだよ」

「ま、まあ……プロデューサー様ったら♡」

 

 今そんなこと言うのはズルいですわ……はしたないのにお顔が赤くなってきてしまいます♡

 

「クラリス」

「はい?♡」

「俺はクラリスのことが好きだ」

「はい、私もプロデューサー様のことを愛しています♡」

「…………結婚しよう」

「え」

 

 その言葉に私は思わず固まってしまい、辺りの雑音もパタッと聞こえなくなりました。

 そして私はプロデューサー様の目から己の目を逸らすことが出来ませんでした。

 嬉しい……ただただ私はそう思いました。

 

 なので、

 

「…………はいっ♡」

 

 私に迷いはありません。

 シスターでなくなっても、私なりに神様へ出来ることをこれからもすると決めています。

 

「愛してる、クラリス……これからもずっと」

「っ……はいっ」

「結婚式とかはまだ先になることを、先に謝っておく」

「はい……っ」

「でも必ず幸せにするよ」

「私も……私もどんなに辛い時も貴方様への愛を忘れません」

「俺もだよ」

 

 そう言うと、プロデューサー様は私の肩を優しく抱き寄せてくださました。周りには他の人もいるというのに……。

 でもきっと私とこの方がアイドルとプロデューサーだとは誰も思わないでしょう。普通のアイドルとプロデューサーであれば、こんなことはしませんから。

 ですので私からもプロデューサー様の腰に手を回し、うんと抱きつきました。

 するとプロデューサー様の胸の激しい鼓動が私の耳に伝わり、頬にも鼓動が伝わり……私は堪えきれずに涙を流してしまいました。

 

「プロデューサー様……愛しています……ずっと、ずっと……♡」

「俺もクラリスをずっと愛してる」

「この場合、イクラが結婚指輪ということになるのでしょうか?」

「ならないよ! ちゃんと今度指輪渡すから!」

「ふふっ、冗談です♡ ごめんなさい♡」

「ったく、可愛いから許す」

「〜♡」

 

 こうして私たちは気を取り直して日が沈むまで、ずっと抱き合っていました。

 そしてその日の夜、私はプロデューサー様のマンションの部屋にお泊まりさせて頂き、次の日にはプロデューサー様と共に教会の方へご報告をしに向かいました。プロデューサー様と手を繋いで♡―――

 

 クラリス*完




クラリス編終わりです!

色々とツッコミどころはあるでしょうが、二次創作ってことでご容赦ください。
これも数多くある愛のカタチの一つってことで!

お粗末様でした☆
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