デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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古賀小春編

 

 お姫様はキレイでカワイイ

 

 素敵なドレスを着て

 

 キラキラと輝いて

 

 王子様やナイトさんに守られてる

 

 だからずっと憧れてた

 

 そんな小春に手を差し伸べてくれた

 

 素敵な素敵な魔法使いさんがいます

 

 でもその魔法使いさんの正体は

 

 小春の王子様なんです

 

 ―――――――――

 

「は〜い、そんな訳で今回の『ウチのペット自慢!』のスタジオゲストにはアイドルの古賀小春ちゃんとヒョウくんをお呼びしてお送りいたしました! 小春ちゃん、最後に一言番組の感想をお願い出来るかな?」

「はい〜、初めてのテレビ番組で緊張しましたけど、ヒョウくんも一緒だったのでとても楽しく出来ました。また呼んで欲しいです〜」

 

 パチパチパチパチパチパチ

 

 今日の小春のお仕事はアイドルになって初めてのテレビ番組の収録でした。とってもとっても緊張したけど、ヒョウくんが一緒だったからいつも通りに出来たと思います。

 

「お疲れ、小春……ヒョウくんもお疲れな」

「お疲れ様でした、プロデューサーさんっ」

 

 収録が終わると小春専属のプロデューサーさんがお迎えに来てくれました。ヒョウくんもプロデューサーさんに懐いてて、ヒョウくんは早速プロデューサーさんの肩に移動していきます。

 

「ヒョウくんはすっかりプロデューサーさんの肩がお気に入りになっちゃいましたね♪」

「だなぁ……まあ嫌われてるよりはいいけどな」

 

 そんなお話をしつつ、小春たちは共演者の方々とか番組スタッフさんたちに挨拶をしたあとで、控室でお着替えをしてテレビ局をあとにしました。

 

 ―――

 

「初めてのテレビ番組はどうだった?」

「とっても緊張しました〜」

「そうだろうなぁ。でも俺が見てた限りじゃ自然に振る舞えてたし、自分からも発言出来てたから良かったぞ」

「えへへ、ヒョウくんのお陰です〜♪」

 

 プロデューサーさんに褒めてもらっちゃった♡ でもちゃんと出来たのはヒョウくんがいてくれたからっていうのが大きいし、お家に帰ったらヒョウくんには特別なご馳走(イチゴ)をあげます。

 

「事務所の方にはもう連絡はしておいたから、このまま小春の家に行くからな」

「分かりましたぁ」

「お家の人は誰かいるか?」

「今日はパパもママもお仕事が遅くなる日なんですぅ」

「……なら、ご褒美ってことでこのままどこか行くか」

「え、いいんですか!?」

「ご褒美だからな。ただ、両親にはちゃんと連絡しとけよ?」

「分かりましたぁ♡」

 

 やったやったぁ♡ プロデューサーさんとデートだぁ♡

 

 ―――――――――

 ――――――

 ―――

 

 小春がプロデューサーさんとお付き合いを始めたのは今から1か月くらい前からです。もちろん事務所の大人の人たちには秘密にしてます。じゃないとプロデューサーさんが警察に逮捕されちゃうから、絶対に言いません!

 でも前に一緒にお仕事をしたことがある福山舞ちゃんとか佐城雪美ちゃんとか橘ありすちゃんとかメアリーちゃんとか年が近い子たちにはお話しちゃった。でもでもみんな応援してくれたし、言いふらすような子たちじゃないからきっと大丈夫。

 

 小春はプロデューサーさんのことがとっても大好き。

 小春をお姫様にしてくれて、カワイイドレスとかたくさん着せてくれて、ヒョウくんのことも可愛がってくれるくらい優しいから。

 だから小春をプロデューサーさんだけのお姫様にしてほしくて、いっぱいいっぱいお願いしたの。

 プロデューサーさんも最初は『もっと大きくなったらね』とか『気持ちだけ受け取っとくね』とか『ちょっと早いかなぁ』とか言ってたけど、小春の気持ちが通じてやっとプロデューサーさんだけのお姫様にしてくれたんだぁ♡

 

 ―――

 ――――――

 ―――――――――

 

 それでね、小春の今の夢はプロデューサーさんと結婚式をして、みんなにお祝いしてもらうことなの。

 小春はまだまだ結婚出来ない……でもプロデューサーさんとデートは出来るから、全然辛くないんだぁ♡

 

「どこか行きたいとこはある?」

「えっとねえっとね……プロデューサーさんのお家行きたい!♡」

「え、俺の?」

「うん!♡」

「俺は別にいいけど、俺の部屋にはこれといった物なんて何もないぞ?」

「いいの!♡ 小春はプロデューサーさんとお家デートしたいの!♡」

「まあ小春がそれを望むなら、俺はいいよ」

「やったぁ♡」

 

 お家デート♡ プロデューサーさんのお家でお家デート♡ お家デートならずっとプロデューサーさんとくっついていられるから、小春はどこかに行くよりもプロデューサーさんのお家がいい♡

 あ、でもその前に、

 

「プロデューサーさん、どこでもいいからスーパーに寄って。ヒョウくんのご褒美買うから!」

「はいよー」

 

 イチゴ買ってあげなきゃ♪

 

 ―――――――――

 

 そして私とヒョウくんはプロデューサーさんのお家の近くにあるスーパーに連れてきてもらいました。美味しそうなのあるといいなぁ♪

 

「ヒョウくん、どれがいい?」

「………………」

 

 ヒョウくんの目はキョロキョロしてます。どれが食べたいのか一生懸命選んでるみたいでカワイイ♪

 すると、

 

「あの、アイドルの古賀小春ちゃんですか?」

 

 大っきな男の人に声をかけられました。するとプロデューサーさんがすぐに間に入ってくれます。

 

「はい、こちらはアイドルの古賀小春本人ですが、何かご用でも?」

「あ、すみません。実は大ファンでして……もしよろしければサインしてもらえませんか?」

 

 その人はファンの方でした。ファンの方のお願いにプロデューサーさんは目だけで私に「どうする?」って訊いてきたので、私は「いいですよ」って意味で笑顔を返しました。

 

「はい、大丈夫ですよ。ただあいにくボールペンくらいしか持ってませんが、それでもいいですか?」

「は、はい、もちろんです! えっと……あ、この本の栞に書いてください!」

「分かりましたぁ♪」

 

 サインなんてサイン会以外で書くのは初めてかも……でもこうして声をかけてもらえるのは嬉しいなぁ♪

 小春が一生懸命サインをすると、ファンの方は大きな声で「ありがとうございました!」って言ってサインを書いた栞を大切そうにして小春たちに何度も頭を下げながらスーパーの出入口へ行きました。

 

「良かったな、ファンにサインを求められて」

「はい、でもよく小春がアイドルだって分かりましたよね〜」

「それはギャグで言ってる?」

「ふぇ?」

 

 ギャグで言ってませんよ〜? 変なプロデューサーさん。

 

「あぁ、その顔は分かってないな」

「ん〜、どういうことですか〜?」

「イグアナ抱っこしてるアイドルなんて全国探しても小春くらいだぞ?」

「…………あぁ、言われてみればそうですね〜♪」

 

 ヒョウくんが一緒だから分かったんですね! えへへ、小春だけじゃなくてヒョウくんも有名人になって嬉しいなぁ♪

 

「さて、他の人に声をかけられる前に買い物して店を出よう。人だかりが出来ると店側に迷惑をかけるからな」

「は〜い♪」

 

 それから少しだけヒョウくんに食べたいイチゴを選んでもらって、小春たちは急いで車に向かいました。

 

 ―――――――――

 

「小春が有名になってきたのはいいが、中にはマナーの悪いファンもいるかもしれないから注意するんだぞ?」

「は〜い」

「小春はただでさえ可愛いからなぁ。本当に連れ攫われる可能性だってあるんだから、ちゃんと防犯ブザーとか持っとくようにな?」

「ちゃんとプロデューサーさんにもらったのは持ってます〜」

「しっかりな。四六時中守ってやりたいのは山々だが、そうもいかないから」

「むぅ、小春はそんなにお間抜けさんじゃないですぅ」

「お姫様を心配するのは当然だろ?」

「っ……うぅ〜♡」

 

 そんなこと言われたらお顔が熱くなっちゃいますよぉ♡ プロデューサーさんは小春を喜ばせる天才ですね♡

 

「まあそんなにプライベートで声をかけることも少ないだろうが、注意はしておいてくれ。小春だけじゃなくてヒョウくんもかなり目立つからな」

「分かりましたぁ……」

 

 ヒョウくんもストレス溜まっちゃうし、もう少ししたらお散歩用のバッグに入れていかないといけないかなぁ。出来れば抱っこしててあげたいんだけど……。

 

 ペロッ

 

「んっ……どうしたのヒョウくん?」

 

 ヒョウくんにほっぺをペロペロされました。もしかして小春に『大丈夫だよ』って言ってくれてるのかなぁ?

 

「えへへ、うん、ありがとうね、ヒョウくん♪」

 

 だから小春はヒョウくんにお礼を込めてぎゅってしました。やっぱりヒョウくんは優しいいい子です♪

 

 ―――――――――

 

「はい、ヒョウくん……あーん♪」

 

 パクッ

 

「えへへ、ヒョウくん美味しい?」

 

 お返事は出来ないけど、ヒョウくんのお目々はキラキラしてます。きっと美味しいんだよね♪ それに今はプロデューサーさんのお膝のとこにいるから嬉しそう♪

 

「相変わらずめっちゃ汁出るなぁ」

「あ、ごめんなさい、プロデューサーさん。またソファー汚しちゃって……」

「大丈夫大丈夫。どうせ拭けばいいから」

「でも、プロデューサーさんのおズボンにもイチゴのお汁が……」

「これだって洗えば落ちるから大丈夫」

「ありがとうございます♡」

「おう♪」

 

 えへへ、プロデューサーさんはやっぱり優しいなぁ。でもプロデューサーさんって優しい人だから、そんなプロデューサーさんを好きになる人がいそうでたまに不安になっちゃう。

 

「プロデューサーさん」

「どうした?」

「プロデューサーさんは小春のプロデューサーさんでいてくれますよね?」

「もちろん。急にどうした?」

「あぅ……プロデューサーさんって優しいから、ちょっと不安になっちゃって……」

「別に俺は誰にでも優しい訳じゃないぞ?」

「え、そうなんですか?」

 

 事務所の人たちとも笑顔でお話してるのに?

 

「プライベートで俺がここまで優しくするのは小春にだけだよ。俺の大切なお姫様だからな」

「そっか……そうですよね、えへへへ♡」

「それより俺はいつ小春の前にいい男が現れるか心配してるよ」

「え〜、小春はずっとプロデューサーさんのことを大好きでいますよ〜」

 

 そんなこと言われると悲しいですぅ。

 小春がプロデューサーさんのこと大好きなの伝わってないのかぁ?

 

「小春はずっとプロデューサーさんのお姫様で、プロデューサーさんはずっと小春の王子様なんですぅ。ずっとって言ったらずっとなんですぅ!」

「ありがと……これからも小春に飽きられないように頑張るよ」

「小春も頑張りまぁす♡」

 

 これから先に何があるのか小春には分かりません。でも小春がプロデューサーさんと一緒にいるのは絶対に変わらないと思います。

 だってそれだけ小春はプロデューサーさんのことが大好きですから♡―――

 

 古賀小春*完




古賀小春編終わりです!

二次創作だからセーフってことで!
ちゃんとKENZENなお付き合いですから!

お粗末様でした☆

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