デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


道明寺歌鈴編

 

 私は人に迷惑をかける

 

 どうしてこうなったんだろう

 

 どうして神様は

 

 私をこんな風にしたのだろう

 

 いつも肝心な時に噛むし

 

 いつも肝心な時にドジをする

 

 そんな自分が嫌だった

 

 なのにそんな私に

 

 特別な魔法を掛けてくれた

 

 偉大な魔法使いさんがいます

 

 ―――――――――

 

「ぷ、ぷろりゅ〜しゃ〜しゃん、だだ大丈夫でふか?」

「言葉以外何も問題ないぞ」

「こ、ここ、こりは緊張してるせいでふ!」

「はいはい。リラックスリラックス。吸って〜……吐いて〜」

「ひっひっふ〜……ひっひっふ〜……」

 

 皆さん、こんにちは。道明寺歌鈴です。今、私はとある神社からのご依頼で巫女服で写真撮影をしてます。このお仕事の写真はそこの系列に属する全神社でパンフレットに使用されるそうです。

 実は私の実家の神社もその系列でして、先日お父さんからは『私の自慢だ』と言ってもらえました♪ 今まで沢山迷惑を掛けてきたから、少しは親孝行出来かなと思ってます。

 

 でも着慣れた巫女服だからといっても撮影となると緊張します。だからさっきからずっと私は専属プロデューサーさんに付いててもらってるんです。

 

 プロデューサーさんはどんなに私がドジを踏んでも冷静に対処してくれて、私を常にポジティブに支えてくれます。

 泣いても優しく支えてくれて、私を笑顔にする天才なんです。

 だから私はプロデューサーさんのことが好き。一人の男性として。事務所には内緒にしてますが、私はプロデューサーさんとお付き合いしてます。仲のいいアイドル仲間とか両親には報告してますけど。

 

 ドジ神様が私には憑いてて、お父さんもそれだけは祓えなかった。それが私は嫌だったけど、この神様のお陰で私はプロデューサーさんに出会えたと思ってます。だから今は感謝の気持ちでいっぱいですし、プロデューサーさんがいてくれればドジっ子でもいいと思ってます。

 

 不幸中の幸いなのか、私とプロデューサーさんが抱き合ってても周りは何も言いません。何故なら私がすぐに転けたりするので、プロデューサーさんはその巻き添えになるから。

 

「よしっ、んじゃいつも通りの笑顔で撮られてこい」

「はいっ♡」

 

 いざ撮影場所に向かおうとしたら、雪駄の鼻緒が切れて私は転けました。もちろんプロデューサーさんの方に。

 

 どんがらがっしゃーん!

 

「今日も絶好調だな……」

「えへへ、ごめんなさ〜い♡」

 

 鼻緒が切れるのは縁起が悪い。けれど私たちにとっては縁起がいいことです。

 どうしてかというと―――

 

「これで撮影中に転けることはないな」

「はいっ♡」

 

 ―――鼻緒が切れてしまったあとの私はドジを踏まないからです!

 それにそれに……

 

「見守ってるから……ちゅっ」

「んっ♡」

 

 ……誰も来ないスキにチュウ出来るからです♡

 

 偶然なのかは分かりませんが、プロデューサーさんと付き合ってから……出会ってからは私、いいこと続きなんです。お父さんもお母さんも驚くくらい。

 だからプロデューサーさんは私の運命の人なんだと思います♡

 

 ―――――――――

 

 今回の撮影も無事に終えました。スタッフさんたちとご挨拶する際にやっぱり言葉を噛んでしましたが、皆さん笑ってくれます。でもやっぱり恥ずかしい……。でもでもプロデューサーさんが優しく微笑んでくれていると、そんな自分でもいいかなって気持ちになります♡

 

「無事に撮影も終わった。しかも予定より早く」

「はい♡」

「事務所に戻る前にどこか寄るか? 喫茶店とか」

「いいですね、喫茶店デートしたいです♡」

「OK♪」

 

 やった、プロデューサーさんと喫茶店デート―――

 

 ―――――――――

 

 ―――のはずが、

 

「全然進まないな……」

「そうですね……」

 

 今日は近くでお祭りがあるらしく、交通規制で大渋滞。そのせいで喫茶店デートどころか、予定してたレッスンにも遅刻確定です。

 

「……私のせいでごめんなさぁい」

「誰が歌鈴のせいにしたよ?」

「でもこうなったのは私のせいですよ」

「お祭りのせいだろ? それに俺だってこんなに大渋滞になるなんて予想外だ」

「………………」

 

 プロデューサーさんは優しいから私のせいだなんて言いません。でもどんなにプロデューサーさんが私のせいじゃないって言ってくれても、私は自分のせいだと思ってしまいます。ドジ神様の意地悪……。

 

「もういいや」

「え?」

 

 私、嫌われちゃった……?

 プロデューサーさんはスマホを手に取ると、

 

「お疲れ様です。〇〇です。今渋滞にハマってまして―――」

 

 電話を掛けました。レッスンに大遅刻するって言うのかな?

 

「はい、分かりました……はい。では失礼します」

「………………」

「何そんなに不安そうにしてるんだ? レッスンは明日にしてもらった」

「そう、ですか……」

「んで、これから歌鈴はお仕事」

「はい……」

「このお祭りでライブだ。そのあとは俺と二人っきりでデートな♪」

「え?」

「レッスンを休む代わりにこのお祭りでワンステージ披露してくれって上の人に言われた。なんでも予定してたアイドルが怪我した上にこの渋滞だと別のアイドルは用意出来てもステージの時間に間に合わないんだと」

「…………」

「それで会場に一番近い俺らにお鉢が巡ってきた」

「…………」

「行けるよな?」

「はいっ!」

 

 こうして私は急遽ライブをすることになりました。出演予定のアイドルさんは同じ事務所の方で私も仲良くしてる方です。

 ですのでピンチヒッターでも頑張って務めました!

 

 ―――――――――

 

「いやぁ、良かった良かった。お疲れな、歌鈴。お〜よしよし♪」

「んにゃ〜、くすぐったいですよぅ♡」

 

 ライブは無事に成功しました。急に出演するアイドルが変わったとのことで会場に足を運んでくれた方々には申し訳無い気持ちになりましたが、ライブを終えると皆さん笑顔で拍手をしてくれました。良かったです。

 そして出演予定だったアイドルさんに私からご報告の電話をしたら、「ありがとー! でも私のファン絶対何人か取られたー! いつか見てなさいよー!?」って言われちゃいました♪

 

「さて、歌鈴」

「はい?」

「眼鏡と帽子は持ってきてるか?」

「はい……」

「よしっ、では早速それを装備してお祭りに行くぞ!」

「はーいっ♡」

「プロデューサーって呼ぶなよ?」

「気をつけましゅ!♡」

 

 ―――

 

 東京のお祭りというだけあって活気が凄いです。でも私の地元のお祭りよりは静かかな。でもでも地元では見たことのない屋台がたくさんで面白いです!

 

「プロ……んんっ、〇〇さん、風鈴売ってますよ!」

「おぉ、ホントだ。この金魚のいいな」

「私は出目金さんのがいいです♪」

「そんなに高くないし、買うか」

「いいですね♪」

「すみません、この普通の金魚のと出目金のください」

「あれ、私もお金出しますよ」

「いいってこれくらい」

「だ、ダメですよ! いつもそうやって私奢られてばっかで……」

「彼女なんだから大人しく奢られとけ」

「そんなぁ……」

 

「お二人さん、夫婦漫才はそれくらいにしてくれ」

「あはは、すみません。ではこれで」

「はいよ……これ、お釣りね」

 

 あう〜、結局奢ってもらっちゃいました。それにお店のおじさんに夫婦漫才って言われちゃいました……恥ずかしい。

 

「お、りんご飴あるじゃん。歌鈴もどうだ?」

「あ、食べたいです!」

「OK……すみません、小さい方のりんご飴2つ」

「はいよっ!」

 

 あ、また自然に奢ってもらっちゃった……ダメだなぁ、私。

 でも―――

 

「いやぁ、こういうのもたまにはいいなぁ♪」

「……そうですね♡」

 

 ―――プロデューサーさんが楽しそうにしてると何も言えなくなっちゃいます♡

 

「次はどうする?」

「あ、あっちに面白そうなのがあります!」

「じゃああっちに行くか♪」

「はいっ♡」

 

 幸せだなぁ♡ 好きな人と屋台を回れるなんて♡ それに自然と手も繋げて歩けるし……ドジ神様に感謝しなきゃ。それとさっきは意地悪なんて言ってごめんなさい。

 

 ―――――――――

 

 それからも私はプロデューサーさんと手を繋いでお祭りを堪能しました。気がつけば夕方で帰る頃には花火が上がって、最高の1日になりました♡

 今はまた渋滞にハマってますが、話題はお祭りのことでいっぱいです♡

 

「変装してても分かる人は分かるんだなぁ」

「ですね〜……でもサイン上手に書けて良かったです」

「手を繋いでても逸れないためとか転けて怪我しないためって思われてたしな」

「あはは……」

 

 私のファンの方にもお祭りでお会いしました。でも皆さん、私とプロデューサーさんが手を繋いでても笑ってもらえました。それだけ私が日頃からドジだって思われてる証拠なんですが、こんな時だけはドジで良かったと思いました♡

 

「夕飯用に焼きそばとかも買ったし、今夜は楽でいい」

「プロデューサーさんはもう少し自炊した方がいいですよ」

「向き不向きってあるじゃん?」

「まあ、確かにそれは……でも毎日コンビニのお弁当だと体に悪いです」

 

 私が作ってあげたいけど、包丁持つとか火を扱うのは寮のみんなから禁止されてちゃってますから出来ないんです。とほほ……。

 

「まあ出来るだけコンビニ弁当は避けるよ。最悪ハム1枚あれば俺ご飯いけるし」

「それはそれでどうかと……」

「まあ追々でいいだろ。将来は二人でキッチンに立てばいいしな」

「ふぇ?」

「ありゃ、将来一緒にキッチンに立ってくれないのか?」

「あばばばばばっ♡」

 

 今そんなこと言うのズルいですよ! ドキドキしてたのがもっとドキドキするじゃないですか!

 

「歌鈴〜?」

「……意地悪な人の隣には立ちませんっ♡」

「じゃあ俺は意地悪じゃないからOKってことでいいな♪」

「プロデューサーさんは意地悪ですぅ!♡」

「そりゃ心外だ。俺はこんなにも歌鈴のために毎日プロデュースしてるのに」

「うぅ〜、そういうズルいこと言うのが意地悪なんでしゅ!♡」

「噛んだから今のは無効な」

「むぅ〜むぅむぅ〜♡」

 

 どうしてこういう時ばっかり意地悪になるんですかぁ! いつもの優しいプロデューサーさんに戻ってください〜!

 

「唸ってても可愛いだけだぞ〜?」

「プロデューサーさんだから本気で怒れないだけですぅ!♡」

 

 ふーんだ。意地悪なプロデューサーさんは嫌いではないですけど、苦手です。どんな意地悪されても許せちゃうんですもん。

 

「あはは、こんな可愛い歌鈴がお嫁さんになると思うと幸せだなぁ」

「…………♡」

 

 私も幸せです♡ プロデューサーさんのお嫁さんになら、今からだってなります♡

 でも―――

 

「意地悪なプロデューサーさんとは結婚しましぇん!♡」

 

 ―――意地悪な旦那さんの元へは嫁いであげませんからね! 噛んじゃったけど……。

 

「噛んだから今のは無効な。いやぁ幸せ幸せ」

「意地悪すゆのはい〜や〜で〜しゅ〜!♡」

「また噛んだ」

「はわ〜ん!♡」

 

 これからも私はこの人にいっぱいいじめられると思います。でもきっと私はそれでも今みたいに幸せなんだと確信してます♡―――

 

 道明寺歌鈴*完




道明寺歌鈴編終わりです!

キュートのドジっ子属性歌鈴ちゃんはほのぼのな感じにしました!

お粗末様でした☆
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