デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


福山舞編

 

 何事も先ずはやってみる

 

 それがお母さんの口癖

 

 そのお陰で

 

 色んな習い事をしてましたし

 

 子役の経験も出来た

 

 だから

 

 "アイドルやってみる?"

 

 って訊かれた時

 

 すぐにやりたいと答えました

 

 その結果

 

 やって良かったって

 

 心から言えます

 

 ―――――――――

 

「ごめんなさい、プロデューサー……」

「これくらい大丈夫さ。それより大怪我にならなくて良かった。日頃から入念にストレッチしてるお陰だな」

「はい……でもぉ」

「怪我くらい誰にだってあるよ。今は安静に過ごすこと」

「はぁい」

 

 私は今、私の専属プロデューサーにおんぶされてます。

 どうしてかと言うと、ダンスレッスン中に転んで足首をひねちゃったからなんです。すぐにトレーナーさんに診てもらって、軽い捻挫だと分かりました。

 歩くくらい平気なんですけど、プロデューサーが「今後のためにもちゃんと医者に診せよう」ってなって、これから病院に行きます。

 

 アイドルをする前の私なら、失敗したことでかなり凹んでいたと思います。でも、今は凹んではいますが前向きになれてます。

 それもプロデューサーが『失敗しても、次に活かせばそれでいい』って言ってくれたからです。

 でもやっぱりおんぶされてるのは申し訳無い気持ちになっちゃいます。

 

「プロデューサー、私歩けますよ?」

「捻挫した足を庇いながら歩いて、その結果転倒して怪我が悪化するのは良くない」

「大げさですよぅ」

「大袈裟くらいでいいんだよ。プロデューサーってのは」

「あう……」

「それに俺、舞の恋人なんだろ? なら彼氏らしいことさせてくれよ」

「っ……もう♡」

 

 プロデューサーにそう言われちゃうと、もう何も言い返せません。

 プロデューサーが言ったように、プロデューサーは私の恋人さんです。事務所にはまだ秘密にしてますが、将来も約束してます♡

 お母さんとお父さんには私の態度でバレちゃったんですけど、『この人なら』ってことで許してもらえました。

 

 ただ、プロデューサーは25歳で私はまだ10歳……それだけ歳が離れてるから私が大人になるまでは気づかれないようにしないと。じゃないとプロデューサーが大変なことになっちゃいますから。

 

 でも、仲良しのアイドルの友達たちとかちひろさんとかが私たちのことを応援してくれて、フォローしてくれてるので心強いです。

 

 ―――――――――

 

「軽い捻挫ですね。ただ、3日程は激しい運動は控えるようにしてください。湿布薬は貼るタイプと塗るタイプがありますが、ご希望はありますか?」

「どうだ、舞?」

「塗る方がいいです」

「分かりました。ではそちらを処方しますね。お大事になさってください」

「ありがとうございました」

「ありがとうございましたっ」

 

 病院で女のお医者さんとお話を終えた私とプロデューサーは、待ち合い室に戻ってきました。

 流石に病院の中ではおんぶされてませんが、プロデューサーは私の手を引いてくれてます。

 

「大事にならなくて良かった」

「はい」

「薬を貰ったら家まで送るね。親に連絡つくかい?」

「うーん、今日はお母さんたち、二人でデートですから」

「ならメールだけでもしておいて。ちゃんと詳しくね」

「は〜い」

 

 プロデューサーはそう言うと、今度は事務所に連絡を入れるために電話をしてもいいエリアに向かいました。

 私はそのプロデューサーの背中を見送ったんですが、さっきまであの背中にいたんだと思うと、ちょっと恥ずかしくなってほっぺが熱くなっちゃいました……。

 

 ―――――――――

 

 お薬もちゃんと受け取り、お母さんとお父さんどっちにもメールをして、私はプロデューサーに家まで送ってもらいました。

 でも今度は車から家までおんぶされちゃいました。

 

「サポーターとかちゃんとある?」

「はい、あります」

「他に何か必要な物はある?」

「ない、と思います」

「そうか。まああったら言ってくれ。俺も事務所には舞の両親が帰ってくるまで側についてるって言ってあるから」

「ごめんなさい……」

 

 本当なら、プロデューサーはプロデューサーでお仕事があるはずなのに。

 

「何謝ってるんだ。舞のためだ」

「うぅ……」

「それにちょっとくらい俺だって舞と二人で過ごしたいからね」

「え」

「たまにはいいだろ? 俺は真面目な大人じゃないんだよ。それとも舞は俺が一緒だと嫌?」

「そ、そんなことありませんっ!」

「なら舞の両親が帰ってくるまで居てもいいよね?」

「はい……♡」

 

 やっぱり私、プロデューサーには弱いです♡

 怪我をしちゃってごめんなさいって思ってたのに、今はプロデューサーと二人で恋人らしく過ごせる時間が出来たから、余計に弱いのかも。

 

「舞は真面目さんだからね。アイドルはいい子ってだけじゃやっていけないんだぞ?」

「は〜い……なら今日はちょっとだけ悪い子になります♡」

「そうだ、悪い子悪い子♪」

「えへへ♡」

 

 いい子じゃない。怪我を理由におサボりしちゃってるのに、プロデューサーは私の頭を撫でてくれます。いいのかなって思っちゃいますが、プロデューサーも一緒ならいいかなって……そう思えます。

 

「あ、そう言えば、舞お腹減ってない?」

「ふぇ?」

「病院行って、薬局で薬貰って……ってやってたから、お昼食べてないだろ?」

「そうでしたね……忘れてました」

 

 だってプロデューサーとずっと一緒にいたから……なんて恥ずかしくて言えませんけど♡

 

「何か買って来ようか?」

「あ、それなら私が何か……」

「怪我人に料理させられると思う?」

「はぅ……」

 

 こうなると私はプロデューサーに勝てません。だって大好きな人に大切にされてるって思うと、何も言い返せなくなっちゃうから。

 でも……せっかくプロデューサーと二人きりなのに、プロデューサーがお買い物に行っちゃうとなんか寂しいなぁ。

 

「舞?」

「ふぇ?」

「その……手を離してくれないと、買い物に行けないからさ」

「あ……っ」

 

 知らない内に、私はプロデューサーの手を両手で掴んでました。恥ずかしい……困らせたくないのに、体が勝手に動いてました。

 

「自分に正直なのはいいことだ。それに俺としては、貴重な舞のワガママを見れて得した気分」

「うぅ〜、プロデューサー……」

「でもどうしようか? お腹減ったろ?」

「冷蔵庫に何かあるかもしれません。ちょっと待っててください」

「あぁ、待った。俺が運んであげるから」

「はい♡」

 

 プロデューサーの言葉に今度は素直に甘えると、プロデューサーにお姫様抱っこしてもらえました♡

 

 がちゃり……

 

「何かあった?」

「卵と牛乳があるくらいです」

「そっか」

 

 プロデューサーは私が冷蔵庫を閉めるまで目を閉じてました。いくら恋人でも冷蔵庫を見るのはプロデューサーのポリシーに反するみたいです。

 でもどうしよう……やっぱりプロデューサーにお買い物してもらってきた方が―――

 

「あ」

 

 ―――ふと、冷蔵庫から視線を移すと、食パンがありました。

 そこで私は思いついちゃいました。

 

「プロデューサー、フレンチトースト好きですか?」

「え、フレンチトースト? 好きだよ?」

「ならそれにしますね♡ 私が作りま――」

「――一緒に作ろうね」

「は〜い♡」

 

 こうして私はプロデューサーとフレンチトーストを作ることになりました。

 

 ―――

 

 ボールに卵を2つ落として、溶いてから……そこに牛乳とバターとお砂糖。バターとお砂糖がちゃんと溶けるまでかき混ぜて、トレーに移す。

 

「プロデューサー、何枚食べます?♡」

「2枚」

「分かりました♡」

「なんかとてもご機嫌だね」

「はい、プロデューサーと二人でキッチンに立ってますから♡」

「正確には舞は椅子に座ってるけどね」

「むぅ……」

「あはは、ごめんごめん。一緒に料理するっていいよな」

「はい♡」

 

 大好きな人とお料理するのって、お母さんとする時とはまた違う感じがします。大好きな人と一緒に何かをするのって特別なんですね♡

 

「それで、パンを浸していいの?」

「はい。でもその際にフォークで食パンを何回か刺して、穴を開けてください。そうするとすぐに染み込んです」

「なるほどね〜」

「あ、それくらいで大丈夫です。あとはフライパンを火にかけて、バターを落としてください」

「はいはい」

 

 ジュワーッ

 

「そうしたら、弱火にして、浸した食パンを入れてください」

「ん。あとは?」

「あとは蓋をして、6分間待ってください。絶対に蓋を開けちゃダメですよ?」

「どうして?」

「熱が逃げちゃうからです。そうしないとふっくらにならないんですよ」

「へぇ〜、舞はそういうことも知ってるんだね。凄いね」

「お母さんに習ったんです♪」

 

 えへへ、プロデューサーに褒められちゃいました♡ 今度お母さんにお礼に何か作ってあげようかな♪

 

「にしても、舞は料理も出来て将来はいいお嫁さんになるね」

「えへへ……良かったですね、プロデューサー♡」

「あはは、だね。若くて可愛くて、そんでもってアイドルのお嫁さんだなんて、俺は恵まれてるよ」

「ちゃんと待っててくださいね?♡」

「うん、待ってるとも。というか、待たない選択肢なんてないよ」

「んへへへ〜♡」

 

 早く大人になって、プロデューサーのお嫁さんになりたいなぁ♡ 今だけでもこんなに幸せなら、お嫁さんになれたらもっと幸せだと思います♡

 

 ピピピッ、ピピピッ

 

「6分経ちましたね。プロデューサー、ひっくり返してください。火傷しないでくださいね?」

「うん、ありが……とっ。おぉ、いい焼き色」

「ならまた蓋をして6分です」

「意外と時間取られるんだね」

「美味しい物は手間暇をかけて出来るんですよ♪」

「なるほどね〜。なら舞が大人になったら、今以上に美人になる訳だ」

「もう、プロデューサーったらぁ♡」

「つくづく将来有望だね、舞は」

「褒めても何もありませんよ?♡」

「え、お嫁さんになってくれるんじゃないの?」

「にゃう〜♡」

 

 なりますけど、そういうことじゃないですぅ♡ プロデューサーってばぁ♡

 

「舞は可愛いね〜」

「プロデューサーはカッコいいです♡」

「あんがと。これからもそう思ってもらえるように努力するよ」

「私も、もっと頑張ってプロデューサーのお嫁さんになります!♡」

「いや、舞は今まで通りでいいよ。そんなことされたら、将来本当に引く手あまたになって、俺が霞んじゃう」

「私はずっとプロデューサーだけですぅ!♡」

「あんがと」

 

 プロデューサー以外の人なんて嫌です。プロデューサーだから、私は頑張ってるんですからね。事務所にはプロデューサーのこと好きな人意外といるんですから。

 

 ピピピッ、ピピピッ

 

「出来ましたね♡ お皿に移して、お好みでメープルシロップをかけてください♡」

「舞の『美味しくなぁれ♡』っていうおまじないは?」

「しましょうか?♡」

「是非」

「美味しくなぁれ♡」

 

 ちゅっ♡

 

「……もう美味しい」

「えへへ、プロデューサーにだけの特別な私の魔法ですから♡」

 

 キスするのはまだ恥ずかしいけど、プロデューサーが喜んでくれるからキス大好きなんです♡

 でもキスの魔法は美味しくって意味じゃなくて、これからもプロデューサーが私のことを好きでいてくれますようにっていう、魔法なんです♡

 

 それからも一緒にフレンチトーストを追加で作って、一緒に食べて、二人でずっとお喋りしてました♡―――

 

 福山舞*完




福山舞終わりです!

年の差は目を瞑ってください。
ともあれ、こんな風にラブラブなら将来もきっとラブラブでしょうね!

お粗末様でした☆
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