デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


前川みく編

 

 アイドルになりたくて

 

 大阪から上京してきた

 

 でもなかなか芽が出なかった

 

 というより

 

 猫キャラは古いからって

 

 路線変更させられそうになってた

 

 キリンアイドルってなんやねん

 

 んんっ

 

 でもそんな時に

 

 拾ってくれた

 

 素晴らしい魔法使いがいたのにゃ!

 

 ―――――――――

 

 今日はもう夕方。みく今日はレッスンだけだったから、それが終わってからは寮に帰らないで、ずっとみく専属のPチャンのオフィスにいたの。

 今度みくを中心にしたライブイベントをやる予定なんだけど、明日はそのイベント前のオフなんだにゃ。

 だからこの日の夜から、みくはPチャンのマンションにお泊まりするの。

 

 どうしてなのかと言うと、みくとPチャンは恋人同士だからなのにゃ♡

 

「……よし、今日は終わりにするか」

「お疲れ、Pチャン♪ はい、コーヒー!」

「お〜、ありがと」

 

 Pチャンにコーヒーの入った猫ちゃんのイラストが描いてあるマグカップを渡すと、Pチャンはみくの耳とか顎の下とかをナデナデしてくれる。

 

「にゃ〜♡」

 

 だからみく、事務所に内緒でお付き合いしてても、この時はついデレデレしちゃう♡

 

 ―――――――――

 ――――――

 ―――

 

 Pチャンに恋をしてると自覚したのは、半年前。

 まだこの事務所が出来たばかりの時に、みくが自分でPチャンに売り込んで、一緒にアイドルデビューを目指して頑張ってた頃。

 

 一緒にトレーニングとしてランニングしてた時に、みくが捨て猫を見つけたの。しかも3匹。

 みくは寮だから飼えないし、保健所に連れて行ってもいいことなさそうだったから、Pチャンに相談した。

 そうしたらPチャンはなんか呆れたようにため息を吐いて―――

 

『いいよ、俺が責任もって飼うよ』

 

 ―――って笑って言ってくれたの。

 その時の笑顔が忘れらなくて、その時にみくはPチャンのことが好きになった。

 みくを今の事務所に入れてくれるって言ってくれた時も、渋々だったけどその時と似た笑顔を見せてくれたから。

 

 だから頑張って好き好きアピールして、1か月前にお付き合いすることになったの♡

 

 ―――

 ――――――

 ―――――――――

 

 ただPチャンは、こう言うのもなんだけど優しいを通り越して、お人好しの域だと思う。頼まれたら断れない人だから、みくもそこにつけ込んで散々アピールした訳で……。

 でもそんなPチャンだから、みくは大好き♡

 だからアイドルとして頑張ってるけど、恋人としても頑張るの!

 

 それにアイドル仲間のみんなもみくの味方だもん♪

 

「帰る前にペットショップ寄っていい?」

「もちろんにゃ!」

「サンキュ〜、一人で猫缶とか持つのしんどくて」

「え〜、か弱いみくに荷物持ちさせるの〜?」

「少しは手伝ってくれよ。発端はみくなんだから」

「にゃはは、は〜い♪」

 

 ―――――――――

 

 一緒に事務所を出て、Pチャンが回してきた車に乗り込んで、ペットショップでお買い物して、Pチャンのマンションのお部屋に到着!

 あ、もちろん、みくは変装してるよ♪ みくもあれからデビューして、CDデビューもしたし事務所もあれから大きくなったから、スキャンダルは良くないからね!

 

「ただいま〜」

「お邪魔しま〜す♪」

 

 玄関のドアを開けると―――

 

『にゃ〜♪』

 

 ―――早速猫ちゃんたちがお出迎えにゃ♪ かわいいにゃ〜♪

 

「お〜、(まつ)(♀の三毛)、(たけ)(♀の茶トラ)、(うめ)(♀の白黒)……ただいま〜♪」

『にゃ〜♪』

 

 でも1番かわいいのはPチャンだにゃ♡

 因みに三毛のマツちゃんなんだけど、お口のまわりが白くて、茶トラのタケちゃんは胴の左側にハートマークみたいな模様があるの。それで白黒のウメちゃんは脚先とお腹が白くてあとは真っ黒な子なの。

 3匹とももう何度も会ってるから、みくのことも受け入れてはくれてるんだけど―――

 

「は〜い、ただいまのぎゅ〜♡」

『ゴロゴロ〜♡』

 

 ―――3匹ともPチャンのこと大好きだから、みくの入る隙きがないのにゃ……。

 というか、Pチャンも3匹の前だと声が裏返ってて、正直気持ち悪い。いや、本音のとこはみく以外の猫ちゃんにデレデレしてるから、悔しいんだよね。

 だって3匹とも奇跡的にメスなんだもん。避妊の手術はしてあるけど、3匹ともPチャンが帰ってきたらぴったりくっついてて……。

 それに―――

 

『…………フッ』

 

 ―――みくのこと見て鼻で笑うの! いや、実際はそんなことしてないかもだけど、そう見えちゃうの!

 だって3匹ともPチャンに撫でてもらってて、そこにみくがいると絶対にみくの方見てくるんだもん!

 なんか『ほら、私たちこんなに可愛がってもらってるよ? 羨ましいでしょ?』って言われてるみたい!

 3匹にはちゃんとPチャンとお付き合いする時に「みんなのPチャンの彼女になったよ」って報告はしたんだけどなぁ。

 

「みくも抱っこするか?」

「え、あ、うん……させてくれるなら」

「大丈夫だよ、な?」

『にゃ〜』

 

 うっ、この声は『まあ抱かせてやってもいいだろう』って感じの声だ。でも3匹ともかわいいから、甘んじて抱っこさせてもらうにゃ。

 

「にゃ〜、もふもふにゃ〜……」

「夏はやばかったが、これなら冬は寝る時極楽だ」

「いいなぁ」

「飼い主特権ってやつさ」

 

 自慢げに笑うPチャンだけど、みく本当は猫ちゃんたちが羨ましいの。大好きなPチャンと死ぬまで一緒にいられるんだもん。

 みくもいつかそうなりたいけど、今すぐは無理……だから今Pチャンと暮らせてる3匹が羨ましい。

 

「Pチャン……」

「?」

「待っててね?」

「何を?」

「みくがPチャンのお嫁さんになるの」

「ば〜か、いつでも待ってるよ♪」

「にゃあ♡」

 

 えへへ、Pチャンったらぁ♡ やっぱりみくの将来はトップアイドルでPチャンのお嫁さんだにゃあ♡

 あ―――

 

『……………………』

 

 ―――3匹にめっちゃ睨まれてるにゃ。この目は『私たちは許してない』って目にゃ!

 

「が、頑張るね……」

「俺も頑張るよ♪」

 

 Pチャン、猫ちゃんたちの好意が分かってない。みくはいきなり3匹の小姑が出来る気がしてならないにゃ。

 

 ――――猫サイド――――

 

 アタシは猫。名前は松。三姉妹の長女。

 

 みんなご主人様(P)のことが大好き。

 捨てられてたアタシたちの命の恩人だし、たくさんの愛情を注いでくれるから。

 だからご主人様を悲しませる奴は許さない。

 

 最近のご主人様には(つがい)が出来た。しかし番のくせにそいつはたまにしかこの家に帰ってこない。一体どこをほっつき歩いているのやら。

 

 でも、ご主人様は番がいなくても泣いたりしない。

 寧ろ、いつもアタシたちに『今日はみくと―――』『みくがとても―――』と幸せそうに話してくれる。

 だからアタシたちは安心はしている。

 

 でもね―――

 

「Pチャン……♡」

「今は下の名前で呼んでくれよ」

「じゃ、じゃあ……〇〇さん♡」

「はは、照れんなよ」

「だぁって〜♡」

 

 ―――見てるとなんか腹立つのよね! たまにしかこの家に帰ってこないくせにさ!

 

 ワタシは猫。名前は竹。三姉妹の次女。

 

 姉同様、ワタシもご主人様を愛してる。命の恩人だもの。そんなの当然よね。

 でもワタシは猫。どんなに愛していても、ご主人様とは結ばれることはない。

 だからこそご主人様と結ばれる人間のメスは相応しい人間でないといけない。

 なのに―――

 

「〇〇さん……♡」

「みく」

「〇〇さぁん♡」

「みく〜!」

 

 ―――さっきからこのメスはご主人様のお名前を呼ぶだけ。なのになのに、ご主人様はそれだけで嬉しそうにしている。

 ご主人様の幸せはワタシの喜びでもあるけれど、なんか気に食わない!

 

 ボクは猫。名前は梅。三姉妹の三女。

 お姉ちゃんたちと一緒で、ボクはご主人様のことがだぁい好き! だからご主人様に番が出来た時はとっても喜んだんだ!

 でもさ、そのお嫁さんよくお外に行っちゃうんだ。

 一度出ると暫く帰って来なくてさ、ご主人様も寂しそう。

 

 でも帰ってくるとね―――

 

「〇〇さんとこうしてると、幸せにゃ♡」

「俺もだよ」

「もっといっぱいぎゅってしてほしいにゃ♡」

「あぁ、もちろん」

「にゃ〜……♡」

 

 ―――ずっと引っ付いてるの。ご主人様も嬉しそう。

 だけどボクはなんでかこの人を見るとムカつく。

 ボクたちの方がずっとご主人様と一緒にいるのに、それ以上に可愛がられてるんだもん!

 

 ―――――――――

 

「にゃ〜」

「にゃあん」

「みゃ〜」

 

「お、なんだお前たち? 嫉妬してるのか〜? 大丈夫大丈夫。お前たちのことは忘れてないぞ〜♡」

 

 またにゃ。いい雰囲気になるといつも邪魔されちゃう。まあ今に始まったことじゃないし、慣れちゃったけどね。

 それに、あのままだったらみく、Pチャンにきっと色々とされちゃってただろうし……。それはそれでいいんだけどね、今日もかわいい下着にしたもん♡

 

 実は色々と察してみくを助けてくれてるのかにゃ?

 

『………………フッ』

 

 あ、違うにゃ。単に独り占めはするなって言ってるだけにゃ。

 でも、これはこれでいいかも。Pチャンと二人きりだと、好きって気持ちがいっぱいになって気がついたらハグしてるか、ちゅうしてるかのどっちかだもん。

 だから3匹が止めに入ってくれると、丁度良くクールダウン出来るんだよね。

 

 あ、そうだ!

 

「ねね、〇〇さん」

「ん?」

「そろそろご飯あげていい?」

「そういや、もうご飯の時間だな。いいぞ」

 

 今日はみくがお泊まりさせてもらうから、3匹には特別に高級キャットフード買ってきたのにゃ♪

 それにこれあげると、3匹ともどういう訳かPチャンと二人きりの時間をくれるんだよね。

 

「は〜い、どうぞ〜♪」

『っ、っ、っ!』

 

 めっちゃがっついてるにゃ。お高いだけあって、味がいいんだろうなぁ。栄養面もバッチリだし♪

 

 ――――猫サイド――――

 

 悔しいっ、こんなので!

 くっそ! またこんな美味いものを!

 仕方ない……今夜は二人きりにさせてあげるよ!

 

 ―――――――――

 

 もうあとは寝るだけになったみくたち。3匹ともお風呂大好きで、みくたちと一緒に入って、毛を乾かしたら自分たちの遊ぶお部屋に行っちゃった。

 そしてみくたち二人きりになっちゃった♡

 

「ねぇ、〇〇さん?」

「ん?」

「今夜はえっと……いつもより大きな猫ちゃんと、一緒に寝てみない、かにゃ?♡」

「寝るだけでいいのか?」

「…………イヤ♡」

 

 もう、分かってるくせにぃ♡ Pチャンいっつもおねだりさせるんだからぁ……やるの恥ずかしいんだよ?♡

 

 みくはPチャンの前にお腹を向けて、本物の猫ちゃんみたいにして転がる。

 そして―――

 

「みくを構ってにゃん♡」

 

 ―――おねだりするの。

 そうするとPチャンはみくをお姫様抱っこしてくれて、そのまま寝室に連れてってくれるんだにゃ♡

 それで、そのままいっぱい構ってくれるの♡―――

 

 ―――猫サイド―――

 

「〇〇さん、〇〇さん♡ 好きっ、大好きっ♡」

「俺もみくが大好きだ!」

「にゃぁぁぁんっ♡」

 

 どうしてあのメスが来るとこんなにもうるさいのか。

 でもご主人様もハッスルしてるし、幸せそう。

 でもでもなんかムカつくなぁ。

 

 よし、朝方はみんなで寝床に侵入して、雰囲気ぶち壊してやろう!

 

 前川みく*完 




前川みく編終わりです!

猫ちゃんたちとみくにゃんに囲まれる羨ましいプロデューサーのお話にしました!

お粗末様でした!
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