デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。
色々とお話盛ってます。ご了承ください。


柳瀬美由紀編

 

 アイドルになりたい

 

 そう思ったのは

 

 楽しそうだったから

 

 みんな笑顔が輝いてて

 

 あたしもこうなりたいって

 

 心から思ったの

 

 だからみゆきね

 

 凄い魔法使いさんにお願いしたの

 

 そうしたら

 

 もっと凄いことになっちゃった!

 

 ―――――――――

 

「…………信じて送り出した愛娘が、知り合いの毒牙にかかっていた件」

「何かのNTRモノ風に言うなよ。俺だって散々考え直すよう言ったんだが、断わる度に凄さが増して……」

「あん?」

「いや、可愛いし、好意を向けられてたら俺だってコロッといく」

「そりゃあそうだ。何せうちの美由紀は天使なんだからな!」

「そうだな。よく分かってる」

「事務所の方とかその時まで隠し通せるのか? 美由紀を不幸にしたら分かってんだろうな?」

「その点は問題ない。トップアイドルへの道は厳しいが、本人もやる気満々で順調。あとはトップアイドルになって20くらいで交際宣言すればとやかくは言われない」

「……はぁ、美由紀が幸せならそれでいい。けど、マジで頼むぞ。アイドルになるって言い出したのが半年前で、次は口約束でも婚約するなんて言い出されたんだからな、こっちは」

「流石は君の娘と言ったところだよな。そういう行動力と一直線なところは」

「止せよ、照れるぜ」

 

「プロデューサーさん、お父さんとお話終わった?」

 

 2人のお話が一段落したタイミングであたしは声をかけた。

 あたしはアイドルをしてる柳瀬美由紀。14歳。

 今日のみゆきはオフなんだけど、お父さんが北海道からわざわざみゆきとあたし専属のプロデューサーさんのことに対して直接話があるからって、寮じゃなくてプロデューサーさんのマンションにやってきたの。

 

 お父さんのお話はプロデューサーさんとあたしが将来結婚することについて。

 みゆき、事務所にはまだ内緒にしてるけどプロデューサーさんと付き合ってるの。

 

 先に好きになったのはみゆきで、とっても優しくて、一緒にいて安心出来るから。

 でもプロデューサーさんとあたしは13歳も歳が離れてる。でもでも本気であたしはプロデューサーさんと結婚したいの。それくらい大好きなの。

 それにお話を聞いてた感じ、お父さんはあたしが幸せならいいみたい。なら問題ないよね? お母さんはプロデューサーさんの人柄が信頼出来るから応援してくれてるもん。みゆきたちの関係に駄々をこねてるのはお父さんだけ。

 

 そもそもプロデューサーさんとお父さんの関係はあくまで知人。

 大学で同じ授業を受けてて、たまたま隣に座って話すようになってから交流がスタートしたみたい。

 お父さんは今のお仕事の発展のために大人になってから東京の大学で経営学を学んでて、授業では結構浮いてたんだって。でもプロデューサーさんはその頃から気さくに話しかけてくれて、お父さんとしては歳の離れた弟みたいな感じなんだって。

 それでお父さんのお仕事が成功して、お母さんと一緒に長い期間お家を開けることが多くなるから、その縁でプロデューサーさんに面倒を見てもらうようにお父さんが頼んで、あたしは今に至る。

 

 あたしの家庭事情の方は事務所にも説明してあるし、こっちでの保護者はプロデューサーさんになってるから、こうしてマンションに遊びに行っても問題ないんだ。

 あたしはそれをいいことにいっぱいプロデューサーさんに『結婚して!』ってお部屋に突撃してってお願いしたの。だってこんなに素敵な人で独身なんだもん。あたしみたいな子と巡り合うのを待ってたってことだもん。

 

「美由紀……お父さん、こいつとお話してる間中気になってたことがあるんだ」

「なぁに?」

「近過ぎやしないか!? 男は獣なんだぞ! なのに何も知らない美由紀が男の膝に頭を乗っけてるなんていくない!」

「プロデューサーさんはそんな人じゃないもん。優しくて素敵な人だもん」

「くぅ、半年前まではこんなに反抗的じゃなかったのに!」

 

 お父さんは悔しそうにそう言ってハンカチを噛みしめるけど、あたしは前からお父さんにちゃんと言い返す時は言い返してたよ。

 そもそも今だってあたしのプロデューサーさんを悪く言うから言い返しただけだもん。

 

「お父さん、お話が終わったならお母さんのところ行こうよ。夕方には飛行機で帰るんでしょ?」

「お、おぉ、そうだな! 今日は夕方まで家族で過ごそうな!」

「うんっ」

 

 あたしはちゃんと起き上がってからお父さんにお返事をすると、プロデューサーさんはあたしの頭を優しくなでながら「楽しんでこい」って言ってくれた。お父さんは凄く睨んでたけど、あたしが睨み返すと逃げるように出て行っちゃった。

 

「何もないだろうが、もしもの時は連絡してくれ。俺は今日ここで持って帰ってきてる仕事してるから」

「分かった♡ でもプロデューサーさんもオフなんだから、少しでもゆっくりしなくちゃダメだよ?」

「心配してくれてありがとな。分かったよ」

「うんっ♡」

 

 こうしてあたしはプロデューサーさんにちゅっ♡てしてから、お部屋の外で待ってたお父さんと出掛けた。

 

 ―――――――――

 

 久しぶりに過ごした家族の時間はとても楽しくて、あっと言う間に過ぎちゃった。

 空港でお父さんたちとお別れした時はちょっと寂しかったけど、もう前のあたしじゃないもん。泣かないでバイバイ出来たよ。お父さんの方がボロボロに泣いてて、お母さんに引き摺られて行ったから、余計に泣ける空気じゃなかったのもあったけどね。

 

 それであたしはまた―――

 

「そうか。色々行けて良かったな」

「うんっ♡ 今度はプロデューサーさんと一緒に行くぅ♡」

「そうだな。時間が取れたら行こうか」

「やったぁ♡」

 

 ―――こうしてプロデューサーさんのマンションに帰ってきた。

 今日は寮の方に外泊届け出しておいたから、このままプロデューサーさんのお部屋に泊めてもらうの。親公認だから全然問題ないもんね!

 

「にしても、家業が水産業でも水族館は行くのか」

「スカイツリーにも行ったよ! あたしはお仕事で何度か行ってるから案内してあげたんだ!」

「娘の成長に感動の涙を流してた親父さんのことが目に浮かぶよ」

「わぁ、プロデューサーさんよく分かったね! お父さんってばもうわんわん泣いちゃって大変だったの!」

 

 俺の天使が立派になってるぅ!って。最終的にお母さんが手刀で静かにさせたけど、周りの人たちに見られて恥ずかしかった。

 それにあたしのファンの人たちからも結構声をかけられて、その都度お父さんが感動で泣いて、お母さんにしっかりするようにビンタされてた。さっき確認したんだけど、SNSで結構あたしのこと書いてあった。いくつか写真も出ちゃってたけど、悪質な感じはしてないしプロデューサーさんに見せたら「これくらいなら問題ないだろう」って。お父さんもお母さんも写真に写るのは嫌いじゃないから気にしないと思う。

 

「美由紀はいつも素直だけど、まだ14だもんな。甘えたいだろうに、そんなの感じさせない。本当に偉いよな」

「えぇ、そんなことないよ? みゆき、とっても寂しがり屋さんだよ?」

「本人はそうでも、そう見せないのは立派だと思うよ」

「えへへ、そっかぁ♡」

 

 プロデューサーさんに褒められちゃった。嬉しい!

 でも、あたしが立派なんじゃなくて、プロデューサーさんがあたしのことを寂しくて泣き出す前に甘えさせてくれるから、あたしはそう見えてるだけなんだよ?

 全部全部ぜ〜んぶ、プロデューサーさんがあたしのことを見てくれてるからなんだよ?

 

「プロデューサーさんはちゃんとお休みした?」

「あぁ、適度にな。お陰で次の企画資料も出来たよ」

「そうなんだ! プロデューサーさん偉いっ! ヨシヨシ♡」

 

 生意気かもしれないけど、あたしはプロデューサーさんを褒めて、プロデューサーさんの頭もなでなでした。本当なら何もしないでお休みしててほしかったけど。それはみゆきのためなんだもんね。

 みゆきが褒めたら、プロデューサーさんは嬉しそうに笑ってくれたから、あたしの方が嬉しくなっちゃった。

 

「はは、ならお互いに偉いってことだな」

「うんっ、えへへ♡」

「それじゃあ、遅くなる前に夕飯にするか」

「する! あたし、お腹ペコペコ!」

「美由紀がお土産に買ってきてくれたやつを一緒に食べよう。ご飯ならすぐに炊けるから」

「じゃああたし、お皿とか用意するね!」

 

 ―――

 

 プロデューサーさんはご飯を炊いて、あたしはお土産に買った美味しいって評判のお惣菜をお皿に盛り付けた。お父さんに並んでもらって買えたんだよ。

 えっと、カニの身がたくさん入ってる高級なクリームコロッケとおっきなイカフライとマグロカツ! 流石に冷めちゃってるけど、衣はまだまだサクサクで冷めても美味しいって評判なの!

 

「ご飯炊けたぞ〜」

「いつもプロデューサーさんってフライパンで炊くよね。みゆき、フライパンでご飯が炊けるなんて知らなかったよ」

「コツさえ掴めば簡単だよ。炊飯ジャーでやるより必要な分だけ炊けるし」

 

 プロデューサーさんってなんでも器用に出来るから凄いなぁ。流石あたしのことをアイドルにしてくれた人だよ。

 

「お父さんが選んでくれたから、きっとどれも美味しいはずだよ」

「そうか。ならあとでお礼のメールを出さないとね」

「うん。あ、ねぇねぇプロデューサーさん」

「ん?」

「あたしたちって、もう婚約者同士なんだよね?♡」

「ん、ああ、書類とかにはしてないけどな」

「ううん、あたしはそれでもいいの。プロデューサーさんが将来、あたしと結婚してくれるって信じてるもん♡」

「これからも悲しませないって誓うよ」

「それは無理だよ。プロデューサーさんと本当に最後のお別れする時に、あたし泣いちゃうもん」

「……そうだな」

「だから楽しい思い出をいっぱい作ろうねって誓って♡」

「誓うよ」

 

 なんの躊躇いもなくそう言ってくれるプロデューサーさん。あたしはそれが凄く凄く嬉しくて、嬉しいのに泣いちゃった。

 

「っ……えへへ、ごめんね♡」

「悲しい涙じゃなきゃいいさ」

「うんっ♡ それでねそれでね、プロデューサーさんっ♡」

「うん」

「今日からあたしたち婚約者だから、食べし合いっ子しよ♡」

「え」

「いいよね?♡ あたしずっとやってみたかったの!♡」

「そんなに目を爛々にしてたら断れないな」

「イヤだった?」

「年甲斐もなく恥ずかしいだけだよ」

「プロデューサーさんは若いから大丈夫!♡」

「美由紀に言われてもなぁ」

「もう、それであーんってさせてくれるの!?」

「どうぞ」

「わぁい♡ じゃあこのイカフライからね!♡ あーんっ!♡」

「せめて一口サイズにしてからにしてくれっ!」

 

 それからあたしもプロデューサーさんからあーんってしてもらって、今まで以上に幸せな夜ご飯になった。

 これからもこうして楽しい思い出が増えるといいな♡―――

 

 柳瀬美由紀*完




柳瀬美由紀編終わりです!

唯一彼女だけアイドルをやる前にプロデューサー(プレイヤー)と接点がある設定なので、スムーズにお付き合い出来るかと!←

お粗末様でした☆
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