デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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上京してる設定です。


川島瑞樹編

 

 それは本当に偶然だった

 

 30近い私へある人が言った

 

 こんな所で終わる人じゃない

 

 あなたはまだまだ輝ける

 

 その言葉は私の胸に響いた

 

 その時に私は

 

 あの人に魔法を掛けられた

 

 ―――――――――

 

「瑞樹さん、聞いてますか? 瑞樹さんっ」

「………………」

 

 突然ですが、私川島瑞樹は只今専属プロデューサー君に怒られてます。

 何を怒られているのかというと、

 

「あなたは女性なんです。そしてアイドルなんですから、もう少し気をつけてください」

 

 私が昨日ハメを外して飲みまくったからです。

 

 昨日はブルーナポレオンのみんなとライブイベントがあった。もちろんライブイベントの方は大成功だったし、ファン人たちはもちろんのことスポンサーの人たちも喜んでくれたわ。

 でもその後の身内だけの打ち上げで私は悪酔いし、二日酔いで最悪な状態なのに朝から怒られてるの。酷いわ。

 

 因みに私が今いる場所はプロデューサー君のマンションの部屋……加えて寝室にいるわ。

 私とプロデューサー君は三ヶ月前から事務所に内緒で交際してて、昨日は酔った私を放っておけないプロデューサー君がここまで運んでくれたみたい。

 内緒にしてるとは言ったけど、それは事務所の役員とかにってことでアイドル仲間のみんなや他のプロデューサーさんたちには教えてる。出来るだけ味方は作っておいた方がいいからね。

 

「ほら、いつまでそうしてるつもりですか? 早く着替えてください」

「?」

 

 あれ、私どうしてプロデューサー君のワイシャツ一枚だけなの!?

 もしかして……

 

「ぷ、プロデューサー君……嫌じゃないけど、酔った私を押し倒すのはちょっと」

「寝言は寝て言ってください。寧ろ僕は襲われた側ですよ」

 

 ……って思ってた時期が私にもありました。

 

「ったく、本当に散々な目に遭いましたよ。見てくださいよここにここ! 全部瑞樹さんのせいですよ!?」

 

 プロデューサー君の首筋や肩には赤い痕が無数に残ってる。それだけじゃなくて背中には私がやったんであろう爪痕まで……ぐっ、思い出せないっ。プロデューサー君の悲痛に悶える萌え顔をこの私が忘れるだなんてっ!

 

「ご、ごめんなさい……」

「僕だってあなたに求められて悪い気はしません……ですが、本当に今回のようなことは嫌なんです」

「……はい……」

「だって――」

「?」

「――僕だけ恥ずかしい思いをして、瑞樹さんはそんな僕を忘れてるだなんて不公平じゃないですか」

「っ!!!?♡」

 

 胸の奥がドクンって言ったわドクンって。プロデューサー君は私より5つも年上なのに、たまにこういう可愛いことをしてくるからズルい。

 そんなこと言われたら―――

 

「だから、もうあんなことは……」

「えいっ♡」

 

 ―――我慢出来なくなるじゃないの♡

 

「な、なんですか急に!? まだ酔ってるんですか!?」

「もう酔ってないわよ……だから今度は忘れなようにしようと思ってね♡」

「あ、朝からだなんて……破廉恥です」

「プロデューサー君のここは『お願いしますっ』って言ってるわよ?♡」

 

 クリクリ♡

 

「っ……そ、それは瑞樹さんがっ……んっ」

「私が?♡ 何なの?♡」

 

 クニクニ♡

 

「そ、そんな……んぁ、魅力的な姿で……んぐっ、僕を押し倒すからぁっ」

「んふふ、ホントに可愛いわね♡ 今もっと気持ちよくしてア・ゲ・ル♡」

「ま、待ってくださいっ」

「待ちませーん♡」

「……せめて、キスしてからっ」

「っ♡」

 

 ホント、何なのこの可愛い生き物♡

 私の理性をふっ飛ばす天才だわっ♡

 

 ―――――――――

 

「ハァハァ……」

「はーっ、はーっ……素敵だったわよ、プロデューサー君♡」

 

 お互い息が荒い……プロデューサー君のって凄いから、私も余裕があるように見せてるけど腰の方はガクガクよ。

 

「瑞樹さん……」

 

 何? どうしてそんなに切なそうに私の名前を呼ぶの?

 

「どうしたの、プロデューサー君?」

「抱きしめてもいいですか?」

「許可制じゃないわよ」

「……はい」

 

 ギュッ♡

 

「んぁ♡」

 

 男らしい……力強い、少しだけ乱暴な抱擁。

 苦しい……けど、それがまた心地いい。

 好きな人にされることって、本当に何もかもが嬉しいのね。

 

「あ、ごめんなさい。苦しかったですか?」

「ううん、気持ちいいわ♡」

「良かった……僕も瑞樹さんを抱きしめてると、気持ちいいです。ずっしりと重くて」

「……最後のは聞き捨てならないわね?」

「本当のことですから」

「遺言くらい聞いてあげるわよ?」

「お姫様って案外心地よい重さしてるんですね」

「っ!!!?♡」

 

 だからそういうのズルいってぇぇぇぁぁっ!♡

 

 ―――――――――

 

 今更だけど、今日は私もプロデューサー君もライブイベントのあとってことで事務所に行く必要はない。

 だからあれから一緒にシャワーを浴びて、ゆったりと一緒に居間でブランチを過ごしてる。シャワーの時もアレだったから、殆どランチになっちゃってるけど♡

 

「どう、プロデューサー君? 愛する彼女の手料理は?」

「缶詰め開けただけですよね?」

「んもう。ちゃんとお皿に盛り付けたでしょう? 私の手が触れた物なんだから、これは手料理よ!」

「既製品なので無難なお味ですね」

「むぅ……アレの時は『瑞樹さん、瑞樹さん』って可愛いのにぃ」

「食事中です。止めてください」

 

 顔真っ赤にしちゃって……そういう初心な反応がまた可愛いわ。私より年上なのに私の方がお姉さんみたい。

 

「こほん……それでですね、瑞樹さん」

「何かしら?」

「午後からはどうしましょうか?」

 

 どうするって何が? 何か約束なんてしてたかしら?

 

「ちょっと唐突過ぎましたね。すみません……えっと、午後からデートということで、何かしたいことはありますか?」

 

 あぁ、デートね♡ もうわざわざそんな風に改めて訊かなくてもいいのに……律儀なんだから♡

 

「逆にプロデューサー君は何かしたいことってある?」

「僕ですか……?」

「えぇ。いつもデートの時って私のお願いばっかり聞いてもらっちゃってるし、今回はプロデューサー君のしたいことをしましょうよ」

 

 私もプロデューサー君がどういうことをお願いしてくるか興味あるし♡

 

「……僕ですか。うーん……」

 

 そんなに真剣に悩む必要もないと思うんだけど、本当にプロデューサー君って根っから真面目なのね。

 

「あの……」

「うん、なぁに?♡」

「……そんなに見つめられてると、落ち着きません」

 

 だからそういうの止めてよぉぉぉぉぁぁっ!♡ 萌え狂いそうになるじゃないのぉぉぉぉぉあああっ!♡

 

「ご、ごめんなさいね♡」

 

 心臓の音がうるさい……。

 もう、どうしてプロデューサー君って私のことをこんなにもドキドキキュンキュンさせるのが上手なのかしら♡

 そもそも私が今みたいな甘酸っぱい恋愛をしてきたことがなかったのが原因なのかしら。過去には何度かお付き合いしたこともあるけど、本当にプロデューサー君との恋愛って過ぎ去った青春時代をもう一度体験してるみたいなのよね。不思議だわ。

 

「それで、結局プロデューサー君は何をお望み? 遠慮せずに言いなさいな」

「……では、お言葉に甘えて――」

 

 ―――――――――

 

「――やはりいいものですね、膝枕というのは」

 

 えぇぇぇぇぇっ♡

 膝枕なのぉぉぉっ!?♡

 どうしてこんなにも可愛いお願いするのよぉぉぉっ♡

 

「プロデューサー君からちゃんと甘えてくるのって珍しいわね♡」

「変でしょうか?」

「ううん、そんなことないわ♡ ただ、いつものキャラとは違うからちょっと驚いたの」

「僕だってたまにはこうされたい時だってあります」

「なら好きなだけどうぞ♡」

「痺れたりむくんだりしたら大変なのであと5分だけお願いします」

 

 ふふっ、そうとこで引いちゃうのがプロデューサー君よね。もっとワガママ言ってもいいのに。

 そう考えると私ってかなりワガママよね。ちょっと気をつけなくちゃ。

 

「瑞樹さん」

「ん、なぁに?」

「僕はその……この通り、つまらない男です。なかなか素直になれない男です」

 

 どうしたのかしら、急にそんな話して?

 

「そんなことないわよ。気にし過ぎ♡ まあ、確かにもう少しワガママを言って困らせてもらいたいって思うこともあるけどね♡」

 

 でも今のままでも十分……寧ろたまにデレるプロデューサー君の破壊力は身を持って思い知らされてるから。

 だから今朝も二日酔いなんて忘れてプロデューサー君を頂いてしまったのだけれども……。

 

「ではあの……今から困らせることを言います」

「あら、何かしら?♡」

 

 また可愛いこと言って私のことを夢中にさせるんでしょうけど―――

 

「僕と結婚してください」

 

 ―――その言葉に私は固まってしまった。

 

 え、今言う?

 今なの?

 どうして今なの!?

 意味分かんない!

 

 《瑞樹は混乱している》

 

「僕はあなたに一目惚れして、もっともっと輝かせたくてアイドルにならないかと誘いました」

 

 知ってる。本気の目をしてたもの。

 

「だからあなたが事務所に来てくれた時、何が何でもトップアイドルにしようと決めてました」

 

 食い気味で採用されたものね。

 

「そしてあなたをプロデュースしていく内に、僕があなたを独占したいと願うようになっていきました」

 

 告白の時にそれは言われた。でもそれが嬉しかったから私はあなたの恋人になったのよ。

 

「でも今の僕は恋人のままじゃ物足りなくなってしまった……だから僕にあなたの残りの人生の時間をください。後悔させませんから」

 

 ズルい……。ホントにズルい。

 私の胸にこれでもかって響く言葉を選んで、的確に退路を塞いでる。

 

「…………結婚式は盛大にやりたい」

「蓄えはあります!」

 

「……ゴンドラに乗って登場したい」

「特注でお願いしましょう!」

 

「指輪交換はキスしたまましたいわ」

「望むところ――」

「――ずっとずっとあなたに愛されたい!♡」

「もちろんです!」

 

 あぁ、やられた。まさにノックアウトって感じ。

 完膚なきまでしてやられたわ。

 トップアイドルになったら私からテレビで婚約宣言しちゃおうと思ってたのに。

 

「キスしたい♡」

「はい、僕もです」

 

 ちゅっ♡

 

 何が待ってるのか

 誰にも分からない

 

 でもあなたのお陰で

 笑顔の扉はすぐ側に

 

 これからもあなたと

 一緒にその扉を開け

 

 末永く私を虜にして

 夢中にさせてね

 

「愛してるわ、プロデューサー君♡」

「僕もです……今本当に幸せです」

「わかるわ♡」

 

 川島瑞樹♢完




川島瑞樹編終わりです!

ネタにされてるのが多いので、瑞樹さんもコッテコテの純愛にしました!

お粗末様でした☆
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