デレマス◇ラブストーリーズ《完結》   作:室賀小史郎

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桐生つかさ編

 

 ハンパなことは大嫌い

 

 やるなら全部本気でだろ

 

 だからいつも同級の奴ら見て

 

 腹立ってた

 

 出来ない

 無理

 ダサい

 

 んなこと言ってるてめえらが

 

 一番ダサいって気づいてないから

 

 そんなアタシの前に

 

 このアタシを尊敬させる奴がいた

 

 ―――――――――

 

「はい……はい……ではそういうことでお願いします」

 

「………………」

 

 アタシは今、アイドル事務所のアタシ専属プロデューサーが使ってる個室にいる。いるって言っても、何か仕事の話をしてるとかじゃなくて、個々で自分らの仕事やってる。

 今日のアイドルのアタシは化粧用品の宣伝ポスターの撮影があっただけで、あとはオフ。でもこのオフはアタシとしては自分の会社のために使うって決めてるから、正確にはアイドル業のオフって感じ。

 

 美人で社長でアイドルって正に人生勝ちパ街道爆走中なアタシだけど、アイドル業にいたってはプロデューサーに一任してる。もちろんアタシの意見も言うけど、基本方針はプロデューサー。

 悔しいけどこういうことに関してはアッチの方が上手だからね。適材適所ってことで出来る奴にその得意分野を任せとけばいいって訳だ。

 元々素材がいいからアイドルやっても売れるのは分かってた。でもアタシだけのプランだったら今みたいに多種多様な仕事は来てなかったと思う。

 だからアタシは素直にプロデューサーを尊敬してる。

 

「つかさ、予定変更」

「ん〜、ちょっちタンマ……ほい、いいよ〜」

「明日のロケ地での取材が来週に変更。予定時間は変わらず、日にちがずれる」

「来週……ん、リョーカイ」

「それで明日は――」

「――レッスン?」

 

 やることがないならレッスンしかないしな。つか、コイツならほぼレッスンを入れてくる。ただの無駄な時間をコイツは作ったりしない―――

 

「いや、オフだ。オーバーワーク気味だからな」

 

 ―――え、マジで?

 

「ちょちょちょ、アタシ別に疲れてないから。レッスン入れろよ」

「ダメだ。今月は先月に比べてペースが早い。つかさ自身が大丈夫でも体はそろそろ休息を求めるはずだ」

「……わぁったよ。お前がそう言うなら、アタシはそれに従う」

「ん、いい子だ」

 

 気安くつかさ様をガキ扱いして頭を撫でやがって……コイツマジでない。

 でもそう思ってても、アタシだって女だからコイツに褒めてもらうのは嬉しい。

 

「んじゃ、明日はオフなんだな?」

「あぁ、そうだ。好きなことしろ」

「は、てめマジでんなナメたこと言っていいの? 後悔すんぞ? お?」

「? 何に後悔するのか知らんが、訂正はしないぞ。好きなことして過ごすといい」

「はは、マジで言ったな? ボイレコアプリで言質取ったかんな?」

「? 全く理解が追いつかないが、いいぞ」

「ん、リョーカイ! ならアタシもう帰るわ♪ んじゃまたな!」

 

 こうなれば仕事してる場合じゃないっての。アタシにとってはこれほどの好条件はなかなか巡ってこねぇからな♪

 

 ―――――――――

 

 次の日の朝―――

 

 トントントン

 

「………………?」

 

 〜プロデューサー、マンション自室の寝室で物音により目を覚ます〜

 

 トトトッ

 

 ガチャ

 

「オーッス……て、起きてたのかよ、つまんねー。まあいいや。起きたんなら朝の支度してこいよ♪」

 

「あ、あぁ……」

 

 アイツめっちゃマヌケな顔してた……くくくっ♪

 

 ん? なんでこのアタシがアイツの部屋にいるのかって?

 そりゃあ、アタシとアイツがカップルだからに決まってんじゃん。

 お互い仕事があるから色々周りにはヒミツにしてんだけど、アタシとアイツはマジでラブラブだから♡

 

 キッカケはアタシがアイツに惚れたからで、アタシは仕事も恋愛も本気でやる主義。だからアイドルとプロデューサーだろうがアタシにとってはただの肩書きでしかない。

 それにめっちゃファンがいるアタシがプロデューサーと電撃婚約記者会見とかしたらぜってぇ世の中の注目の的じゃん? んでもってアタシもプロデューサーもお互いのこと好き好きアイラビュだから何も問題なしってこと!

 

 にしてもアイツ……アタシが知らぬ間に寝室の壁にアタシのポスター飾ってやがった。なんだよ、マジキモい。どんだけアタシ好き好き星人なんだよ、アイツ……胸の奥がティンってすんじゃん♡

 

 ―――

 

 いやぁ、我ながら完璧な朝食だな。アイツの好みを地道にリサーチしてきた甲斐があるぜ♡ これならアイツも今日はバリバリアタシとラブラブ出来んだろ♡

 ん? アイツは仕事に行くんじゃないかって? んなのアタシが昨晩の内に有給取らせたから問題なし。アタシがオーバーワークならアイツだってオーバーワークに決まってんじゃん。アタシが誰よりも一番アイツのこと理解してんだからな♡

 

「待たせて悪い」

「お、来た来た♡ ん? なんだよ、わざわざ着替えてきたのか? パジャマのままで良かったのに」

「いや……彼女の前でずっとパジャマ姿って訳にはいかないだろ」

「でも別にこれからどっか行くとかないかんな? アタシは好きなことしていいって言われたから、今日はとことんお前とこの部屋の中でラブラブするから♡」

「お、おぉ……相変わらず俺の意見は聞かないスタイルなんだな」

「言質取ったって言ったろ? ああ言った時点でお前の負けな訳。それに言ったはずだろ、アタシはお前との恋愛も本気でするってな」

「あ、あぁ……」

「ふふん、んでもってそんなアタシが好きなのもちゃんと知ってんだからな♡ それよりほら、早く座れよ♡ 近い将来の妻の愛がたっぷり詰まった料理が冷めちまうだろ♡」

 

 こうしてアタシはコイツに有無を言わさず席につかせて、一緒に朝食を食べる……っていうか、食べさせるって言えばいいのか?

 アタシってこれまで本気で人を好きになったことなかったから自分でも驚いてんだけど、どうもアタシって惚れた相手にはとことん尽くしちまうタイプらしい。それまで尽くすタイプって自分に自信がないから相手に媚売って飽きられないように繋ぎ止めてる系な奴だと思ってたんだけど、実際自分がそうなってみて考えを改めた。

 付き合ってる相手にもよるんだろうけど、アタシの場合はコイツに何かしら彼女らしいことして恩を返したいんだよ。コイツがいなきゃ今のアタシはそこそこでしか売れてなかったし、そもそもアイドルなんてやってなかったんだからな。

 

「どうだ、美味いか?♡ てか不味いはずないよな?♡ お前の味の好みは完璧だし、味付けだってお前の母親直伝だかんな?♡」

「え、それは初耳なんだが?」

「あ? あぁそういやまだ伝えてなかったな。この前のオフにお前の実家に挨拶しに行ったんだよ。ちゃんとお前んとこのご両親にも結婚する許可もらってきたぜ♡」

「付き合ってまだ1か月も経ってないんだが……」

「はぁ? ちゃんと段階は踏んでんだしよくね? それともお前、アタシと結婚する気もねぇのにこうして付き合ってんのかよ? アタシ言ったよな? "本気でアタシを愛せ"って?」

「あ、あぁ……でもこんなにもスピードが早いとは思ってなかったからな」

 

 ったく、へつまんねぇことばっか考えてんだなぁ。

 

「いいか? 今のアタシは今しか味わえねぇんだ。だったらその時その時のアタシをとことん愛せよ。アタシを惚れさせた責任とれって言ってんだよ」

「も、もちろんとるさ。俺だって男だし、つかさのことが好きだからな」

「なら早いとか文句言うな。アタシとお前は年の差が一回りあるんだ。不慮の事故とか不治の病以外アタシの方が高い確率で残されんだから、アタシはそれまでにお前との思い出をたくさん作る必要があんだよ」

「そ、そうか……分かった」

「ん、分かればいい♡ それより早く味の感想くれよ……はい、あーん♡」

 

 パクッ

 

「…………美味いよ、凄く」

「ったり前だろ♡ アタシを誰だと思ってんだ?♡」

「俺の近い将来のお嫁さん」

「惜しいなぁ、美人JKアイドル社長若奥様つかさ様だぜ?♡」

「四拍子……」

「間違えた罰に、食器洗い終わったらうんとラブラブさせろよな?♡」

「お、おぉ……」

 

 ったくしっかりしてくれよなぁ。アタシ自慢の旦那になるんだからさ♡

 

 ―――――――――

 

 それから朝食も終わると、アタシが言ってもいないのにプロデューサーはアタシと食器を洗ってくれた。こういう風に一緒にキッチンに立つのもアリだな。

 んでそれが終われば待ちに待ったラブラブタイム♡

 アタシはプロデューサーを寝室に追いやって、ベッドに押し倒して、アタシはそのままプロデューサーの胸の中に包まれる。この瞬間がマジで最高♡ 結婚したらこれが毎日とかアタシどこまで人生勝ちパ街道爆走したらいいんだろ? ある意味で怖いな♡

 

「おい、お前……」

「ん?」

「アタシの頭寂しがってんだけど?♡」

「はいはい」

 

 ナデナデ

 

「んんっ……はふっ、やっぱお前に撫でられるのは気持ちいいな♡ これだけで妊娠出来んじゃね?♡」

「想像妊娠かよ……」

「だってさぁ……それくらいお前のこと愛してんだよぉ♡」

「妊娠期間中は産休取らせる」

「それでもいい♡ 別に部屋でもアタシの仕事は出来るし♡」

「無理だけはしないでほしい」

「しねぇって。約束する♡」

「ならいいが……」

 

 どこまでアタシのこと心配してんだよ。アタシ、これでもお前の言うこと破ったことないかんな? それくらいお前の意見はアタシにとって最優先事項なんだかんな?

 

「離婚しちまう夫婦って不思議だよな。神様に愛を誓ったのに離婚すんだからさ」

「結婚して見えてくるものもある。人それぞれだから、そればかりは他人がどうこう言えないだろ」

「まあな。何十年も同じ人間といたら普通は飽きるし、結婚前はこうじゃなかったみたいなケースもあるしな」

「………………」

「でもアタシは普通じゃないから、覚悟しとけよなお前♡ お前が離婚したいとか言ってもぜってぇにしてやらねぇかんな♡ 裁判でも弁護団雇ってどんな手を使ってでもお前との離婚はなしにするから♡」

「脅しに聞こえるぞ」

「こんなの脅しになんねぇだろ。アタシはただ、それくらいの自信があるって言ってんの♡」

「一生、つかさを愛すよ」

「知ってる♡ んじゃ、そろそろヤるか♡」

「へ?」

「へじゃなくて、セ♡」

「んんん?」

「んじゃなくて、セだって言ってんだろ♡ 1日は長いようで短いぜ?♡ 今回も腰が抜けるくらいうんと気持ち良くしてやるから、覚悟しとけよ♡」

 

 こうしてアタシはプロデューサーと次の日の朝までラブラブしたし、前から試してみたかったことがたくさん出来た♡ プロデューサーは多分……アレとアレが気に入ったな♡ そん時はナニの張りがバリバリだったかんな♡―――

 

 桐生つかさ♢完




桐生つかさ編終わりです!

いつも強気なつかさちゃんならこれくらい余裕だと思って書きました!
若干ヤンデレっぽくなったのはご了承を。

お粗末様でした☆
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