下ネタが多め、ダジャレを言わない楓さんになってますが、ご了承ください。
アイドルになるのは夢だった
だからモデルで己の見せ方を学び
事務所にアイドル部門が出来た時
即座に異動願いを出した
そして初めてなのに
初めてとは思えないくらい
思いが通じ合えた
素敵な魔法使いさんに出会い
私はアイドルになれたんです
―――――――――
「プ〜ロ〜デュ〜サ〜……いつまで私の気持ちに気付かないふりを続ける気なんですか〜?」
「………………」
私、高垣楓は恋愛という戦の真っ最中です。
そのお相手は私をトップアイドルに育てあげ、今では私専属のプロデューサーとなってくれた大好きな人。
事務所には内緒で男女のお付き合いする関係になった私たちですが、最近の私は彼氏彼女という関係だけでは満足出来なくなってしまっています。
だからこうして仕事終わりに彼のマンションの部屋へ上がり込んで、お酒で酔ったふりをして、あまり自信はないけれど胸もこれでもかと彼の腕に押し当てて、押し倒してアピールをしているんですが……
「そろそろタクシー呼びましょうか。明日のレッスンに差し支えますから」
……彼は私を一切抱こうとしません!
彼はドや超やク〇が付くほどの真面目人間です。でもオンとオフの切り替えも心得ていますし、普段は飲まないお酒も私のためなら必ず付き合ってくれます。
なのに……付き合って半年も経つというのに……
まだ一度も抱かれたことがない
……というのは如何なものかと。
「今夜は泊まるぅ〜」
「そうですか……ではベッドを使ってください。自分はソファーで寝ますから」
だぁぁぁぁぁっ! そうじゃないんですってば! どうしてこんなに鈍感なんですか! それともあれですか!? おっぱいが小さいからダメなんですか!!? それともイ〇ポなんですか!!!? 本当に私より5つも年上なんですか!!!!?
「プロデューサーと寝るぅ……」
「ははは、またまたご冗談を。もっとご自分を大切にしてください」
「………………」
「自分は貴女と恋人の関係になれただけで恵まれてます。なのでこれ以上自分を甘やかさないでください」
いつものように優しい声色と笑顔で彼は私に囁くと、そっと私の頬を撫でます。その冷たくて落ち着く手が私の火照った頬を優しく包み、私はまた彼の魔法に掛かります。
そう……彼のその魔法に掛かると私はこれまでの勢いが鳴りを潜め、フニャフニャになってしまうんです。
でも今日こそは抱いて欲しい。私はあなたが思っているよりも、悪い女の子なんですから。アイドル失格と言われてもいい。私はそれくらいにあなたが欲しい。私の中にあなたを刻んで欲しいの。
そのために私はあるとっておきを仕込んで来たんです。
「プロデューサー」
「はい?」
「暑いです」
「お酒の飲み過ぎですよ。そもそも来てからずっと上着着たままですし、上着を脱いだらどうです?」
「……分かりました♡」
パサッ
「楓さんっ!!!?」
「どうしたんですか?♡ 私にこんな可愛い格好は似合いませんか?♡」
私が仕込んで来たとっておき……それはセクシーなシースルーのベビードールです。このためにわざわざ前もって、飲み仲間の礼子さんや志乃さんたちに相談して通販で買ったんですからね。
ここに来るまでにちょっと上着で擦れて大変でしたが、彼に押し倒して欲しい一心で着てきたんです。
「似合う似合わないではなく……」
「♡」
良かった♡ この焦り様や目の泳ぎ方……これで彼にとって私は抱く価値のない女ということではないと分かりました。
では、どうしてここまでしても彼は私を抱こうとしないのでしょう? 彼のプライベート用パソコンの中にあるフォルダにはいかにもなお宝動画が保存されてますし、そういう気分にならないということはなさそうなのに……。
「プロデューサー、もっと私を見てください♡」
「だ、駄目です!」
「どうしてですか? 私がアイドルだからですか?」
「……違います……」
「ではどうして私がここまでしても抱いてくれないんですか? この衣装も薄いピンク色を選んだのもあなた好みだと分かってるからなのに……」
「駄目なんです……」
「何がですか?」
どうしてそんなに私を拒むんですか? 教えてください。あなたのためなら私はなんでもします。それくらいあなたが好きなんです。
すると彼は観念したかのように小さく息を吐き、ゆっくりと口を開きました。
「……自分、早〇なんです……」
「へ?」
〇漏……それで今まで私を抱かなかったんですか?
早〇漏って早いってことですよね? 男の人にとってはそんなに重大なことなのでしょうか?
「……自分、前に付き合ってた人とそれが原因で別れたんです。別れ際に『貴方との〇ックスはつまらなかった』と言われて……それがトラウマになってて……」
あぁ、そういうこと……。確かにつまらないなんて言われたらショックですよね。それに当時は彼も元カノさんのことを好きでいらしたのでしょうし……。
「話してくれてありがとうございます。またあなたのことを知れて、私は幸せです♡」
「では……」
「……でも、それとこれとは別です♡」
「え!?」
「だって、私はどんなあなたでも大好きですから♡ そんな人と今以上の関係になりたいんです♡」
「………………」
そうは言ってもトラウマをさっきの言葉一つで解消出来る訳ではない。元カノさんも最初は私と同じようなセリフを言っていた可能性だってありますからね。そう言われていたのに別れを告げられたんですから、心に深く残ってしまっているのかもしれません。
「プロデューサー、私のこと好きですか?」
「…………はい」
「間がありました」
「大好きです!」
「ふふっ、嬉しい♡ 私もプロデューサーのことが大好きです……と言っても、私はたくさん言ってますから今更って感じでしょうけど」
「いえ、毎回とても嬉しく思っています。だから今の関係になっている訳ですから……」
あ、照れましたね。かわいい♡
「口だけならばなんでも言えます。でも今の私を見てください。私はあなたに抱かれたいと願って、あなたのためだけを考えて、こんなにもエッチな格好をしているんです」
「………………」
「私の行動に嘘はありません。私の言葉を信じてもらえるように、これから努力します」
「楓さん……」
「だから、抱いてください……私をあなただけの楓に染めてください♡」
そこからの記憶はとても甘くて濃厚なので、私と彼だけの思い出にさせて頂きます♡ でもこれだけは言えます。愛のあるセッ〇スって最高です♡
―――――――――
「………………」
カーテンから差し込む日差しで目が覚めた私。
その眩しさから逃げるように寝返りを打つと、視線の先には彼の寝顔がありました。
「ぐぉ〜……ぐぉ〜……」
普段は物静かなのに、寝ている時はちょっと騒がしい彼。その人間らしい変化に私はつい笑みをこぼしてしまう。
そして同時に……昨晩のことが頭をよぎり、私の体はカァーッと熱くなってきました。
彼は早いからと1回目は怯えていた様子でしたが、私は彼と結ばれたことが嬉しくて、幸せで……涙を流しました。
私の涙の理由を彼が知ると、早いとかそんなの関係ないくらいに私を求めてくれて……今思い返しても頬が緩んでしまいます♡
早いとか遅いとかのことはあまりよく分かりませんが、私で気持ちよくなってくれていると思うと、この上ない喜びを感じました♡ 勿論私も彼にたくさん愛されて気持ちよかったんですが……♡
でもちょっと反省しなくては行けない点があります。
それは私ががっつき過ぎたということです……。
もっと彼色に染められたくて、彼が休憩を求めても私はそれを却下して押し倒して……貪るように彼を求めてしまったんです……。
嫌われてないか、もう私としたくないと思ってしまったのではないか……と、私はさっきまで幸せでいっぱいだったのに今度は不安で頭がいっぱいになります。
「ぐぉ〜……ぐぉ〜……」
なのに彼はそんな私をよそに夢の中。そんな彼の首筋に私はそっとキスをしました。その場所には昨晩私がつけた跡がくっきりと残っていて、今日事務所に行ったらきっと分かる子には分かってしまうでしょう。
でも実は"この人は私の"という意思表示のためにつけてた自分がいたり……♡
彼は鈍感だし、私が猛アタックしてたから気付いてないと思うけど、彼が前に担当していたアイドルの子たちからかなり好意を寄せられていたんです。もっとタイミングが悪かったら、私はこうして彼と結ばれていなかったかもしれない。
本当に私は幸運だったと思う。
彼には悪いけれど、彼が元カノさんと別れていて良かった。
他のアイドルの好意に気付かなくて良かった。
私のプロデューサーをしてくれて良かった。
この人を好きになって良かった。
たくさんの良かったが積み重なって、今の私たちがある。
だから私はこの幸運を何が何でも手放す気はない。
「愛しています、私のプロデューサー♡」
ちゅっ♡
ふふっ、またキスしちゃいました♡ どういう訳か、彼と一緒にいるとキスばっかりしちゃうんですよね、私。そんなにキス魔だった覚えはないんですけど……きっと彼のことが好き過ぎる証拠なのでしょう。うん、きっとそうに違いない♡
「……おはようございます、楓さん」
あら、流石に起こしちゃいましたね。
「おはようございます♡ 私のことは昨晩みたいに"楓"と呼び捨てにしてくれていいんですよ?♡」
「あ、あれは勢いで……」
「私は嬉しかったです♡ よりあなたの女になれたみたいで♡」
「……からかわないでください」
ふふふっ、かわいい♡ 朝からこんなに幸せでこの先どうなってしまうのでしょう♡
「それより楓さん」
「はい、どうしました?♡」
「……大遅刻です」
「まあ……」
外した腕時計を見せてもらうと、時計の針は11時を回っていました。レッスンの予定は9時……確かに大遅刻です。
「うわぁ……不在着信が何件も……ちょっと電話してきます。楓さんは着替えてください」
「は〜い♡」
彼は私にそう言うとズボンを履いてリビングへと向かいました。
そして数分後、彼がちひろさんに謝ってる声が聞こえてきます。彼のことだから必死に謝るんだろうと思っていると彼はすぐに寝室へ戻ってきました。
「早かったですね?」
「えぇ、嘘を吐いてしまいました」
「なんと?」
「お互い深酒して二日酔いなので、午後から出勤すると……」
「あらまあ♡」
「なんでそんなに嬉しそうなんですか?」
「午後まではまだ時間がありますから♡」
そういうことでいいんですよね♡
「時間までまた私と愛し合いませんか?♡」
「…………はい」
こうして私たちはまた幸せな時間を過ごしました♡
ただ、そのせいで足腰が大変なことになってしまったので、レッスン前には控えようと思いました―――。
高垣楓♢完
高垣楓編終わりです!
ガンガン行く楓さんにしてみました!
お粗末様でした☆