『HA-HA-HA-HA HA HA HA! Halo everyone!最近の人々から最古のバケモンまで老若男女貴賤上下関係ないリスナーァ諸ォ君!?今日のBADでGOODなNEWSをお届けするDJサルハラのモンキーレディオ!朝もハヨからゴクローさんってなァ、このこと。さて真面目なニュースからです……』
爆音響くラジオを聞き流すことはあまりできそうにない。
なかったといった方が正しいけれど。
『昨日未明よりバルク市上空666メートルで観測されていた謎のでっけえ飛行物体、あれね?生き物だってさ!しかもハンペンみたいな見た目に反して超硬いって話だ。そして現在進行形でゆっくりと確実に降りて来てるらしいぜアイツ』
「うっそだろオイ…」
バルク市で一番ホットな話題だからこそ、聞き流すことが大切なラジオ番組が一瞬にしてクソ番組になった瞬間である。
ただでさえ奇人変人怪人翼人果てはどこぞの宇宙人やら異世界人が跳梁跋扈する日本において、かーちゃんが始めたこの洋食屋を守っていくのが俺の使命だと思っているわけだが、そうもいかないことになりそうだった。
『まあアレの正体見たり枯れ柳って……あれシダレザクラだっけか?まあいいやさして違いはないだろう!んでアレの正体なんだが実は異界も日本も地球も宇宙も絶賛するほど全世界一美味しいって評判の魔獣ガヴァドンらしいのよコレが』
前言撤回。守っていけそうだ。
大きさはどうであれガヴァドンなら何度か捌いたことがある。
クッソ硬いのは外皮だけなのでオリハルコンのチェンソーでも入れてしまえばこっちのものだ。
問題は降って来てる方だけどな!
降獣確率ほどあてにならない天気予報もないねホント。
ほぼ毎日ドンパチしてる日本全国津々浦々においてここバルク市は波乱混乱騒乱のメッカであるのだけれど、日本一降獣確率がアテになったためしのない市でもあるんだなあコレが。
おそらく“竜の巣”の一番層の厚いところが上空にあるんだと思われるけどね!
『ガヴァドンて言やあ何十年も前に外宇宙の巨人戦士が地球のために戦ったっていう大型魔獣だが、今の日本じゃ北海道あたりに行きゃ小型化して養殖してるわけ、しっかぁしアイツは天然もの!いやあ良かった良かった。つーわけで対処の仕方知ってるリスナー諸君は分かってるな?俺がポリ公に捕まらん程度に俺の名前を売ってジャンジャン美味しいものにありついちゃってくださいな!て感じでリクエスト曲に参りやしょう……』
さて、それでは。
「ちわー今そこでバスがドラゴンに突っ込んで事故ってました…何してるんですか店長仕事してください」
「そんなこと言ってる場合か今すぐガヴァドン狩りの準備するんだよ」
出鼻をバイトに挫かれたがそんなことはどうでもいい。
あの大きさだ降ってくる前に殺しきれば新鮮なら生で良し、そうでなくとも煮て良し焼いて良し蒸して良し炊いて良し俺に良し客に良し。
捨てるところなんてない素敵食材が天然もので文字通り沸いて降ってきやがったんだ店やってる場合じゃねえ!
「これ便利屋くんたちに任せて僕たちはお客さんをですね…」
「便利屋どもに任せたら最悪俺たちに回ってこねえんだよ!」
「え、いやあ、まあ……」
「それにカズマは良い。トウマも良い。レオ坊はうちにカワイ子ちゃん連れてくるからなおさら構わねえ。だがやる夫に任せたらあの黒先輩とやらに褒められるんだろう!?俺は詳しいんだそれが許せねえ!」
「ええ…」
黒髪ロングで黒いセーラー服に黒タイツの先輩属性で巨乳だぞ!?
やる夫がセーラー服いいよね…って言ったからずっと色んな種類のセーラー服を日替わりで着てる巨乳だぞ!?
あれで!つきあって!ないとか!巨乳だぞ!?
「彼女は本当にただの先輩だって言ってたじゃないですか…」
「うるせえ!巨乳美女の先輩ってだけでギルティなんだよ!」
早速だがこれから尋ねるイカしたメンバーを紹介したい。
三軒となりのダゴン焼き屋店主セザン。こいつはデヴだが役に立つ。腕の立つチェンソー野郎だ。
続いてはす向かいの八百屋の明石。主に俺たちの足だ。違法改造軽トラだが日本は違法も合法だから大丈夫。
そしてこの俺、洋食屋店主の田巣たす。かーちゃんから継いだ『ばるく食堂』の二代目だ。
なおセザンと明石にはこれから連絡する。
「営業なんかしてる場合じゃねえ!」
合言葉はします!させます!させません!
商店街ヤロウTASチーム行くぞォ!