今回は少しオリジナルの設定を加えていますが、まだ細かい所までは考えついてません。今後、少しずつ設定を追加していこうと思っています。
後、最後に皆さんにアンケートを取ろうと思っています。今後の展開にも関わってくるので、是非読者の皆さんの意見を聞いておこうと思います。
それでは、トリニティセブン-世紀王と7人の魔書使い-
「不思議な少女との出会いと魔導書との対話」ご覧下さい!!
「ふぅ.....」とアラタは溜め息を吐いて、案内された自室のベッドに腰をかける。
「今日は色々あって疲れたなぁ...。先生との再開にトリニティセブンの一人、風間さんとも出会うし、他のトリニティセブンも風間さんみたいに変わった人が多いのかな?まぁ、会ってみないと分からないか」
アラタは当面の目標は他のトリニティセブンと接触してみることを第一に考える。
「そういえば、魔導書は何処だろう?」
アラタはそう言って起き上がり、鞄の中を探そうとした時、
「私ならここにいるぜ」
その声と同時にアラタの首もとに現れた。知らぬうちに首に下げたようだったが、アラタには首に下げた記憶がない。
「なんだ、驚かないんだな」
「いや、驚きのあまり言葉が出ないだけだよ」
すると魔導書は「だったら、面白い反応してくれよ。派手なリアクションとかさぁ」と返す。
「いや、今日まで色んなことがありすぎて、激しいリアクションとれっていう方が無理があるよ。そんなことより、聞きたいことがあるんだけど」
「暗黒結社ゴルゴムのことを知っているか?ってか?」
魔導書はアラタが聞こうとしていた話の内容に感付いていたようだった。
「奴等のことについては、嫌とういうほど知ってるぜ。まぁ、私の元になった魔導書...もとい私の親が毛嫌いするほどさ」
「君の元になった魔導書?親がいるの?」
「あぁ、いるぜ。だがお前さんに話すにはまだ早いな」
アラタはその理由を理解したのか、聞き返す。
「まだ俺が、魔導士としてスタートラインにたったばかりだから?」
「それもあるが、お前さんは魔導についての知識が何もないからな。話した所で理解するのは難しいと思うぞ」
「そっか。それじゃあ、地道に魔導について学んで行くしかないわけか。もし分からないか事があったら魔導書さんの知識を借りてもいいかな?」
「もちろんさ。私の持ってる知識でお前さんをサポートしてやるよ。お前さんを助けて欲しいって聖にも頼まれてるしな」
「頼りにしてるよ」と言いながらアラタはベッドから起き上がり、時計を確認する。丁度7時半を回った頃だった。
「なぁ、疲れただろう?風呂いこうぜ?」
魔導書はアラタのことを気遣ってか、提案する。
「風呂?部屋に備え付けのシャワーがあるから、それでいいんじゃない?」
アラタの言葉に魔導書は少し呆れた声で、
「お前なぁ。初日に色んなことがあって疲れた状態なのに、シャワーが浴びただけじゃあ疲れなんてとれないぞ。ここの寮にはデカい風呂があるらしいから、いこうぜ。ゴルゴムのことについてはそれからでも良いだろう?」
魔導書の言葉に一理あると思ったのかアラタは「それもそうか...」と言って、着替えを持って部屋を出る。
浴場の脱衣場に着いたアラタは全体を見渡す。学生寮に備え付けられている。脱衣場にしては、設備や道具も整っており、かなりの広さだった。
「確かに広い...。女の子が多いって聞いたから、こっちは最低限の設備ぐらいだと思ってた」
「無駄に金かけてんだろうよ。つまり、女湯はもっと豪華かもな。今度私が見てきてやるよ」
魔導書に言葉に「え?魔導書さんってお風呂入れるの?」とアラタの言葉にさらりと「入れるぜ。いちおう人としての姿はあるし。この姿のまま入るとしても、結界を私の回りに展開すれば濡れることもないぞ」と言う魔導書。
そういえば、聖の姿にもなってたな。と思い出しながら、着ている服に手をかけるアラタ。すると「ガラッ」と扉の開く音が聞こえてきた。
先客がいたのかな?と思い、浴場の扉に目を向けるアラタ。
「.....」
視線の先には一人の少女がいた。
「えっと...こんばんは」
「こんばんは」
アラタはそう挨拶すると、少女も挨拶を返す。
アラタは風呂に入るために、再び服に手を掛けようとするが...。
「いやいや!おかしいでしょ!」
アラタの言葉に少女は「何が?」と聞き返す。
「何がって...」とアラタは振り返る。そして固まってしまう。そう、目の前の少女は下着すら着けずに、生まれたままの姿でいたのだ。
アラタは目を手で塞いで叫ぶ。
「なあぁぁぁぁー!!」
「?何か変なものでもいた?」と少女は不思議そうな顔で聞いてくる。
「そうじゃないよ!俺が言いたいのは!なんで...」
すると少女は「あぁ...」と呟いて、「すーっ」と息を吸う動作をすると
「キャー...」
「いや、叫んで欲しいわけじゃないよ!?ってゆうかなんで棒読み!?」とアラタはツッコミをいれる。
ふと、あることに気付く。
「あれ...」
そう、目の前の少女は聖に似た容姿をしていたのだ。
アラタの視線に少女は気づいたのか、
「胸の大きさは82のCよ?」
「いや、そんなことが聞きたいんじゃなくて...」
そういいながら、アラタは今おかれている現状を改めて把握すると顔を真っ赤に染めて、
「すいませんでしたーっ!!」と叫びながら脱衣場から出ていった。
脱衣場から廊下にでたアラタは「ま、間違えてないよね!?」と振り返り、入り口に掛けてある暖簾を確認する。アラタが入った部屋の入り口には「男湯」の暖簾が掛けてあった。
「間違いじゃない...。じゃあ、なんで...」
「あら、何事ですかアラタ?」
後ろから声が聞こえて、振り返るとリリスがいた。
「あ、浅見先生...。えっと...」アラタは先ほど遭遇した状況について説明するべきか迷ってしまう。
「服が乱れていますし...。まさか、また学園長が何か...」
「あぁ、いや違うんです。学園長先生は関係なくて。えっと...実は、さっき男湯に入ったら聖に似た女の子がいたんです!」
リリスはアラタの言う人物に心当たりがあるのか「あぁ...。アリンさんのことですね」と呟く
アラタはリリスの言葉に「知っていたんですか?聖にそっくりな人がいるんですか?」とリリスに聞く。
「私から見れば、聖さんの方がアリンさんに似ているという認識でしたから」
「あぁ...ということはあの女の子は別人なんですね」
「はい、そうなるかと。......ん?」
リリスはアラタが遭遇した状況を聞いて、考え込む。
「お風呂に...アリンさんが?」
リリスの言葉に「そうですよ!ここ男湯ですよね!?場間違えて女湯に入ってしまったのかと思って確認したんですけど、男湯でしたし。そこに丁度、浅見先生が通りかかったので...」
アラタの言葉を聞いたリリスは慌てて、男湯の暖簾をくぐる。そこには、タオルを体に巻いた状態で瓶牛乳をのんでいた少女___アリンがいた。
アリンの姿をみたリリスは顔を赤くして、「アリンさんっ!!こちらは男性用なんですよ!?」と叫ぶ。
アリンと呼ばれた少女は「...誰もいないから、静かでいいと思って...」リリスに言う。
アリンの言葉にリリスは「これからは、誰かいるんですっ!!」と返す。
アラタは二人のやり取りを「そんなことより、早く脱衣場から出さないと不味いんじゃ..」と言いながら見ている。
「私は気にしない」
「気にしてください!!」
アリンは何故怒られているのかが解らず、考え込む。すると理由を理解したのか「ああ...」と呟くと
「きゃー......」と棒読みで叫ぶ。
すると、リリスは「タイミンクが違いますっ!!」とツッコミをいれた。
するとアリンは「難しいのね...」と呟いた。
◆◆◆◆◆◆◆
あの後にリリスはアリンと一緒に脱衣場から出ていき。 アラタは湯船に浸かり、魔導書と話をしていた。
「はぁ...魔導書さん」と呟くアラタに、魔導書は「おいしかったな?」とからかうように言ってくる。
「からかわないでよ...」
「なんだよ。これが俗にいうラブコメってやつだろう?良かったじゃないか」
「今日の出来事で一番驚いたよ。まさか、聖に似た容姿をした女の子がいるんなんて...」
「顔は同じでもまるっきり違う...。それだけでもわかって良かったじゃないか」と魔導書はアラタをに言う。
「まぁ...ね。でもなんとなく....」と呟くアラタ。
「ん?」
「なんとなくだけど。あの女の子、神無月アリンさんか。あの人は聖と何かしらの繋がりがある...ような気がするんだ」
「ふーん。お前さんがそう思うなら、関わってみたらどうだ?」
「...さっき会ったばかりの人を悪く言いたくないんだけど...。一般常識が、所々欠けてそうで会話するのも一苦労しそう...」
アラタの言葉に魔導書は「はっはっはっ!!」と笑うと、
「だが、さっきの娘もリリスのねーちゃんと同じトリニティセブンなんだろう?苦労しそうでも関わらなきゃならんだろうさ」
「だよねぇ...。仕方ないか」
「あぁ、仕方ないさ」
「しかし、トリニティセブンか...」
アラタは天井をみあげながら呟く。
「僕にとって重要な位置付けになる。そんな気がする」
◆◆◆◆◆◆
風呂からあがったアラタは部屋に戻ると、魔導書にゴルゴムのことについて聞き始めた。
「さて、さっきの話の続きだけど。ゴルゴムについてどれだけのことを知ってるのかな。魔導書さん?」
「まぁ、待てよ。まずはお前さんが知っている情報と私が知っている情報を照らしあわせることが先だ。ゴルゴムは太古の時代から存在し、これまでの人間社会が発達するまで裏で暗躍していた組織で、政治家や科学者といった著名人と繋がりある。ここまではお前さんもよく知っていることだな?」
「あぁ。奴等は社会の裏で暗躍しては自分達を探る者や、裏切る者、利用価値が無くなった者を消してきた。しかも、その情報が表に漏れないように・・・」
「奴等は目障りになる人間は容赦なく消してたからな。それは、どんな人間だろうが関係なくな」
魔導書の言葉にアラタは引っ掛かる所があった。
「ちょっと、待ってくれ。『どんな、人間だろうが関係なく』って言ったよな?もしかして、魔導士も消されていたのか?」
「あぁ、魔導士の中にもゴルゴムと繋がっている者もいたぜ。自分達の魔導のテーマを研究するためっていう理由が主にだが、その他にも理由はある」
「通常の研究機関よりも、ゴルゴムと繋がっていた方が資金援助や設備に困らないからか・・・」
「その通りだ。そして、魔導の禁忌にも手を出すことが可能になるからな。それこそ、お前さんが体験した崩壊現象を人為的に起こすとかな」
「なっ!?あんな現象を人為的にだって!?」
「そうだ。そして成功した研究成果と技術を譲渡しては、怪人を産み出す為に利用したり、創世王の力を強力にするためにも利用した」
「・・・・・・」
アラタは言葉を失った。ゴルゴムは魔導士とも繋がりがあり、魔導の世界でも暗躍していたのだ。
「驚いている所で悪いが、本題に入るぞ」と言って魔導書は話を続ける。
「そして、ここからがお前さんに一番関係してくる話であり、お前さんの人生を変えた儀式についてだ」
「創世王とそれを決める儀式・・・世紀王同士の戦い。太陽のキングストーンを持つ者と月のキングストーンを持つ者との、次期創世王をかけた戦い。魔導士の中では有名な話なのか?」魔道士とも関わりがあるなら、魔道士の世界でもひろまっているではないかとアラタは考えた、
「...その儀式は魔導士の中でもごく一部の人間しか知らない。お前さんの知り合いのなかでは、学園長がそれに当てはまるな」
「確かに、ゴルゴムの怪人達のなかにも学園長先生を知っているやつがいた・・・。奴等の口ぶりから察するに深い因縁がありそうだった」
「なるほどな・・・。学園長もゴルゴムの被害者かもしれないな」
アラタは学園長と初めて会ったときのことを思い出す。彼がアラタに協力する理由を聞いたときに『親友の仇をとるため』と言っていた。果たして本当にそれだけだったのだろうか?アラタは彼がゴルゴムの三神官と対峙した時の顔を今でも覚えている。
『絶対零度』という表現が的確だろうか。それほどまでの冷たい目で奴等を見ていたのだ。その時の彼からは、どす黒いオーラが溢れている程だった。
「ただの被害者だけなら、あんな目はしない・・・」そうアラタは呟く。
すると魔導書は「相当深い因縁があるんだろうさ。まぁ。私がゴルゴムについて知っているのはこの位だ」と話を終わらせる。
「ありがとう。魔導士がゴルゴムと関わりがあったていう情報だけでも十分な収穫だよ」
「そいつは良かった。んじゃあ、そろそろ寝るか。明日から本格的な魔導の授業がはじまるからな」
「それもそうだね。寝るとしようかな」
アラタは部屋の電気を消すと、ベッドに入る。相当疲れが貯まっていたのか、すぐに眠気が来て、アラタは眠りについた。
アンケートの方は、今月の6月22日までとさせて、頂きます。
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