今回は前後半に分けて、投稿させていただきました。
長文にしようと思ったのですが、時間が少ないなかで書いたので短い内容になってしまいました。本当に申し訳ありません。
誤字や脱字、アドバイスがあればお願いします。
アラタがビブリア学園に転入して1週間が経ち、魔導の授業にもどうにかついてきているアラタ。
授業の復習をするために図書室へ行き、1時間ほど復習をして部屋にもどり、休もうと考えていたのだが。
「それで・・・。なんで僕の部屋に皆さんがいるんでしょうか?」とアラタは肩を振るわせながら言った。
そう、部屋に戻ると来客がいたのである。
アラタの質問に「取材です!!」と答えるセリナに続き「その野次馬っス」と答えるレヴィ。
「わっ・・・私はこんな時間に女子が男子の部屋にというのが、教師として見過ごせなかったので・・・」と顔を赤くしながら咳払いをして答えるリリス。
「いや、だったら着いてこないで止めましょうよ・・・」とツッコミをいれるアラタ。
アラタの言葉にリリスは「と、止めたんですよ!!ですが、お二人が辞めなかったので・・・」と慌てながら答える。
「その流れで、一緒に僕の部屋に入ったと」
「はい・・・」
リリスが申し訳そうな顔で答えたので、アラタもそれ以上は何も言えず。「まあ、いいか・・・」と呟くとセリナの方に向き直る。
「今度からはアポぐらいは取ってくださいね、シャルロックさん」
「す、すみません」と謝るセリナ。
「それで、何を聞きたいんですか?」
「えっとですね。学園に転校されたから1週間ほどたちますけど、転入初日の時点ではあまり聞けなかったので改めて聞きますね。アラタさんの趣味はなんですか?」
「趣味ですか・・・。料理やお菓子作り、本を読むことですね。本は特にジャンルは問わないですけど。最近は神話等の本を読むことが多いです。後はたまに運動をしてますスポーツならサッカーとかですね」
「ほほう、文学を好み、運動もする。そして、料理やお菓子作りをする・・・かなり女子力が高めの魔王候補ですね」
「料理やお菓子作りは家庭の事情もあって、自然にできるようになった感じですね」
「ちなみに、好きな食べ物は何ですか?」
「うーん、そうですね。強いていうなら、唐揚げですね」
「ですってよ!?リリスセンセッ!!」とニヤリと笑いながら、リリスに話題をふるセリナ。
「どうして、私にふるんですか!?」と顔を赤らめるリリス。
するとレヴィが「ニンジャ特性唐揚げ食べてみるっスか?」と言う。
「ん?風間さんは料理されるんですか?」と聞くアラタ。
「そりゃあ、自分ニンジャっスからね。料理位はできないと。因みに特性唐揚げは惚れ薬入りっスよ」とニヤリと笑いながら答える。
「いや、遠慮しておきます。食べた後が怖いですし」と若干引き気味に答えるアラタ。
「えー、食べないんスか?」と残念そうな顔をするレヴィ。
「まぁ・・・、それを食べることが常識を覆すことに当てはまるなら食べないこともないですけど。魔導は常識を覆さなきゃならないって聞いたし・・・」
「では惚れ薬を飲んで野獣化したら、まず誰を襲いますか?」
セリナの質問に「えっ!?」と驚くアラタ。アラタの反応に「常識を覆すことに繋がるのなら、惚れ薬を飲むんですよね?誰から襲うんですか?」と押し気味に聞いてくるセリナ。
「そ、それは・・・」と返答に困るアラタ。すると「そりゃあ、決まってるじゃあないっスかぁ。セリナさん」とレヴィ。
「きっ、決まってるって、どなたですか?」とレヴィの言葉に食いつくセリナ。
「この学園に転入してきて、不安なことだらけで押し潰されさそうなアラタさんを常に気にかけて。転校初日には『悩みが不安があれば、頼って下さい。私にできることがれば”何でもします”から』と言ったリリス先生っスよ」とニヤついて笑顔で答えるレヴィ。
するとリリスは顔を赤くして「言い方に語弊があります!私は『自分の協力できる範囲なら』という意味で言ったんです!そこまで意味が深い言い方はしてません!」とレヴィの証言を訂正する。
「風間さんもシャルロックさんも、止めましょうよ。浅見先生が同年代でも、立場は僕らより上の教師なんですから」とアラタが二人に制止の言葉をかける。
「若干顔を赤くして言われても説得力ないっスよ、アラタさん」
「顔を赤くしてることに関しては突っ込まないで欲しかったんですけどね」とレヴィから視線をそらすアラタ。
「そ、そうです!そんなことよりも、アラタは私に聞きたいことがあったのではないですか?」と話題をそらすリリス。
急に話題をふられ「え?聞きたいことって・・・。そりゃあたくさんありますけど、何から聞くべきか・・・」と困った様子のアラタ。
その行動にレヴィは「逃げたっスね」とセリナは「逃げましたね」と呟く。
「えーっと、とりあえず聞きたいことは」
「なんでしょうか?」と話を始めるアラタとリリス。
「リリス先生は根っからの教師ですからねー。たまに話題を勉強にそらして誤魔化してますし」
「ああやって、上手く勉強にもっていかれると弱いわけっスね」
二人がそんな話をしてるのを気にせずにアラタは「この魔導書はそもそも、どういうものなんですか?」と聞く。
リリスは答えるべきか迷っている顔をしていた。あまり良くないことを聞いてしまっただろうかと思ったアラタは別のこと聞こうすると「・・・アスティルの写本」とリリスは答えた。
「アスティルの写本!?」「それって本当なんですか!?」とセリナとレヴィは驚いた様子だった。
「ええ...。あくまで学園長が言うにはですよ?」
そう言いながらリリスはアスティルの写本に視線を移して話を続ける。
「伝説の魔導書として有名であり、異世界の知識が宿ると言われてもいます」
「そんな大層な物なんですね。とうの魔導書自体は寝てますけど」
アラタはアスティルの写本を見て、この魔導書が自分が学園に入るきっかけであり元凶であることを改めて認識する。
「その写本については本当に詳しいことは分かっていないんです。何せ、存在自体が伝説のようなものでしたから。そもそも魔導士には”テーマという研究概念が必要なわけですが。これは七つの大罪をアーカイブとしているんです」
「七つの大罪って、キリスト教の教えにある七つの罪源ですよね?それが魔導となんの関係が_!?」とアラタは何かを感じとる。瞬間、部屋が突如として暗闇につつまれる。
「うわわわわわっ、一体なんですか!?」
「地震と停電!?」
急に辺りが暗くなったことで、アラタ達は「ガタンッ!」と音をたててその場で倒れこんでしまう。
暗闇で周りの状況が分からず、もぞもぞと動くアラタ達。
「ちょっと!?どこ触ってんですか!?」
「んん......、そこは...違うっスよ」
セリナとレヴィの声が聞こえるが、暗闇でどうしようもない。下手に動けばマズイと考えたアラタは、とりあえず動くの辞める。
「どうやら結界に閉じ込められたっぽいな。ちっ...しょうがねぇ」
状況を見かねたアスティルの写本は自信を発光させて、灯りをともす。
灯りがともるとそこには、セリナがアラタとリリスの下敷きに、リリスはセリナの上に倒れた状態で顔を赤くしている。
レヴィは下敷きになっていたり、誰の上にも倒れてはいないが何故か顔を赤くしている。一方アラタはリリスの腹部に顔を埋める形で右手はリリスの胸を掴んでおり、左手はレヴィのスカートの上に手を置いた状況だった。
状況を確認したアラタはすぐにその場から離れて、リリス達に謝罪をする。
「す、いません。風間さん!!わざとやったわけじゃなくて!?シャルロックさんもすいません。僕の下敷きになったみたいで大丈夫ですか!?」
慌てるアラタにレヴィは「あの状況じゃしかないっスよ」とセリナは「いえ、大丈夫ですよ。下敷きなったといっても、アラタさんの体の一部しか乗っていなかったので」と許しを得た。
リリスにも謝罪をしようとしたアラタだったが、時既に遅し。
顔を真っ赤にしたリリスの平手が、アラタの左顎から頬にかけて、勢いよく当たったからだ。
咄嗟のことで反応が遅れたアラタは、リリスの見事なスナップをきかせたビンタを受けて、その場に倒れて込む。
的確に顎に直撃したせいか、アラタ意識は薄れていき。
今のは、不可抗力なのに...。
そうして、アラタは意識を失った。