トリニティセブン-世紀王と7人の魔書使い-   作:雨森

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 大変お待たせしました。雨森です。仕事でのミス続きや倉田てつを氏の発言のこともあって、中々執筆が進みませんでした。
 理由はそれだけではなく、仮面ライダーBLACKをネタにした作品を書いていたら叩かれるのではないかという恐怖もあり書く意欲が起きませんでした。
 後に発言を撤回されたようなんですが、発言の事自体が本当なのか分からない。胸に引っ掛かりがある気分です。でも、調べるのは怖い。待ってくださる方がいるから書かかないといけない。  
 そんな葛藤が続いてからの更新ですが、少しでも読んでくださる方がいるのならば嬉しいです。
 誤字脱字、アドバイス等あれば意見をお願いします。


王立図書館検閲官と世紀王

 結界に閉じ込められたアクシデントが起きた日の翌日のこと。アラタは現在困惑中であった。

 

「......」

「あの....。浅見先生、どういうことなんでしょうかこの状況」

 

 アラタが困惑している理由、それは朝から一人の女子生徒。神無月アリンに付きまとわれているからである。

 授業中でもお構いなしに観察するような視線を向けてくる。リリスもどうすれば良いか分からず。

 

「.....えーっと。どうなんでしょうね?」

 

 その後もアリンはアラタに付きまとい、観察をするようにアラタをじっーと見つめている。

 昼食時でも移動教室の時もピッタリくっついて来るのだ。しかも男子トイレにまで着いてくる。流石にここはまずい。と思ったアラタは話しかける。

 

「...まさか男子トイレまで着いてくる気ですか?」

「問題ないし、私は構わないわ」

「常識的に考えてアウトでしょう!!」我慢の限界が来たのかアリンの言葉に突っ込む。

 

「朝から大変だな」

「他人事みたいに言ってるけど、見られてるのは魔導書さんもだからね?」

 アリンはアスティルの写本に顔を近づけて観察するようにみつめる。

 

「魔導書?」

「よう初めましてだな、私は"アスティルの写本"だ。名前はまだない」

「私は神無月アリン」

「なるほど、アリンちゃんだな」

「そう」

 

 親しげに会話をする魔導書とアリンに突っ込む気がなくなるアラタ。

 

 「ちょっと見せて」

 「あ、はい。どうぞ」

 

魔導書を渡すと興味津々という感じに魔導書を観察するアリン。

 

 -やっぱりこの人、聖にそっくりだ。髪や瞳の色は違うけど。偶然なのか?-

 

 それでも、あまりに似すぎている。アラタは魔導書と話すアリンに視線をむける。アリンを見つめるアラタの視線に気づいた魔導書は「私の主がハナの下を伸ばしてるぜ」とからかうようなような声でアリンに言う。

 魔導書に言われてようやく気づいたアリンは「えっちいの?」と聞き返し、魔導書は「だろうな」と楽しげに言葉を返す。

 

「いや、そんな目で見てないからね。そんなことよりも、何故今日は朝から僕に付きまとうようなことを?」

「付きまとう?」

「朝からずっと、僕を観察するように見てたじゃないですか」

「…自意識過剰?」

 

「第三者から見てもあきらかでしたよね!?…はぁ」突っ込み続きでアラタはため息をつく。

 

「ジョーク、嫌い?」

「正直に答えると苦手です。真面目に聞いてるので、そろそろ質問に答えてほしいんですけど」

「難しいのね...」

 

「私は魔王候補―――を見ていたの」アリンの言葉を聞いた瞬間、アラタの背中に悪寒がはしる。謎の悪寒に戸惑うアラタだが、今は目の前の少女のことが先だ。

 

「この学園に転校してきてから何度も言われるんですけど魔王候補ってなんですか?」

「・・・悪い奴の親玉?」

「魔王ってくらいですしね・・・。後なんで疑問形?」

「そしてそれが貴方」

「なんか淡々と進んでいきますけど、そこは詳しく説明するべきじゃないですか?」

「それは先生の担当」

 

 そう。なんというか、全く説明になっていないのだ。アリンもこれ以上説明する気がないのか話を進めていく。

 

「私は魔王の伴侶になるらしいから」

「伴侶!?」

「そう、伴侶。奥さん、新妻、若妻、幼妻、どれがいい?」

「いや、そうじゃなくて、どういう意味なんですか」

「学園長が『そうなんだよ』って教えてくれた」

「学園長が⁉」

 

 学園長、アラタの恩師でもある魔導士だ。普段はふざけているが重要なことは真面目に伝える人物だが、再開した際の挨拶の一件もあり、またふざけているだけだろうと思った。

 

「呼ばれて飛び出たーっ!」と窓ガラスを突き破って学園長が飛んできたのだ。だが、受け身をうまくとる事ができず、転がりながら壁に激突した。

 

「・・・詳しい話は適任者を呼んでから、別の場所でしましょうか」

「あれ!?スルー!?今凄い空間の連続性とか無視して大技で入ってきたのにスルー!?」と学園長の叫び声が廊下に響いた。

 

 場所は変わり、保健室。リリスが加わり話をすることになった。

 

「さて、浅見先生も来たところで色々と話してもらえませんか?神無月さん」

「貴方たちを閉じ込めたこと?」

 

 その一言にリリスは驚くが、アラタは感づいていた様子だった。

 

「あれはアリンさんだったんですか!?」

「なんでそんなことを?」

「というより、アラタは驚かないんですね」

「なんとなく、そんな気はしてたんですよ。でも話を聞くなら僕一人よりも浅見先生がいた方が良いと思って」

「保健室に呼んだのはそういうことでしたか。私も昨日のことは気になっていましたし」そう言ってアリンに視線を向ける。

 

「学園長に『君の番だよ』」って言われたから」

「また、学園長なんですか。それで他には?」

「裸を見られたのは貴方だけ」

「そういうのは良いんで、閉じ込めたことに関係のあることを話してください」

「難しいのね・・・」

 

 話を進めるためにアリンの発言をバッサリと切るアラタ。そして詳しく話をする。

 

「はぁ・・・。しかし、この間のアレがアリンさんの仕業だとは・・・」

「あそこに他の人がいたのは事故よ?でも待つのが面倒だったから、つい・・・」

「つい・・・であんな目に遭ったのですね・・・」そういえば彼女はこういう所があった。とリリスは思い出す。

 

「窮地に立たせれば、魔王候補が崩壊現象を起こすんじゃないかって学園長がいってたから・・・」

「そうか・・・。浅見先生、学園長ってどこにいますかね?ちょっと苦情を言いたいんですが」

 

「ご心配なく。うるさそうだったので焼却炉に捨てておきました」

 

リリスの発言通り学園長は手足を縛られ焼却炉にいた。

 

「まあ、学園長のことは後にして・・・。なんで崩壊現象を起こすことになるんです?しかも学園で?何が目的なんですか?」アラタが問う。

 アリンはアラタに近づいて「多分。こういうことだと思う」とアラタの手に触れる。すると二人の間に魔力の光があふれる。

 

「うわっ!?な、なんだ!?」

「なっ・・・!?アっアリンさん!?」

 

 アリンの周りにを術式のようなものが現れる。

 

「憤怒《イラ》の書庫《アーカイブ》に接続。テーマを実行するわ」すると術式のような物はアリンの身体を包み込み、光がいっそうに強くなる。

 

 光が晴れるとそこには、胸元に赤いリボンを結び黒いローブを身に着けたアリンがいた。

 

「あの姿は・・・。あれが神無月さんのメイガスモードってことか」

 

 転校してからアラタは魔導について図書室で勉強していた。勉強していた事柄の一つがメイガスモード。それは魔導士が自身の研究テーマに基づいた魔術を行使、もしくは戦闘行為を行う際の姿である。アラタからすると「BLACKに変身する時と同じようなもの」という認識だった。

 

「私のテーマは崩壊《ルイーナ》」アリンがそう呟いた瞬間、アラタの身体に痛みが走る。

 

「うぐっ!?な、なんだこの痛み!?」

「アラタっ!?」

 

 痛みに苦悶な表情を浮かべるアラタに駆け寄るリリス。原因はすぐに分かった。アスティルの写本がアラタの魔力を制御できなくなっていたのだ。

 

「彼の魔力を抑えている魔導書の制御を崩壊させたわ」

「おいおい、ここでコイツの魔力を暴走させる気かよ!?」

「そんなことをしたら、この学園が!!」

 

 リリスの言葉にアリンは淡々と答える。

 

「そう、崩壊現象につつまれる」

「崩壊現象・・・だと!?」

 

 アラタの背中に翼のような形の黒い粒子状の魔力があふれる。

 

「ぐっ!?ぐあああ!?」アラタは全身を駆け巡る痛みに叫ぶ。同時に物が粒子に変わっていく。

 

「このままでは、危険です、アリンさんっ!!」

「そうね。でも私のテーマ崩壊《ルイーナ》に最も近しい存在。どんなに人の道を外れていてもそれを研究するのが魔導士でしょう?先生」

「ぐッ・・・そうですが」

 

 アリンの主張は間違ってはいない。だがこのままでは学園が崩壊現象によって消えてしまうのも事実なのだ。アリンの言葉に反論ができず、言葉がでないリリス。

 

「それにしても、これほどとは・・・」アリンはアラタの魔力の暴走がここまでの被害を生み出すとは想定外だったようだ。

 

 場所は変わり、校舎の何処か。

 

「あわわわ、何事です!?」外の建造物などが黒い粒子になっていく様子に驚くセリナ。

「崩壊現象が発生してるみたいっスね」

「ええーっ!?」

 

 逆にレヴィは冷静だった。二人が窓から空を見上げる。そこには黒い太陽があった。

 

「ふー、やれやれ。いやはや・・・こりゃまた・・・。アリンちゃんも派手にやるよねぇー」学園長は空に浮かぶ黒い太陽を見あげる。

 

「このまま学園崩壊!!っというのも燃える展開だけど、そうもいかないかな?」と不敵な笑みを浮かべる。

 

 場所は戻って保健室。アラタの魔力の暴走は次第に大きくなっていた。

 

「アラタ!!」

「魔王候補の力・・・ここまでとは」

 

 このまま、崩壊現象が続けば・・・。リリスは最悪の事態を想定する。それを回避するには崩壊現象を止めなければならない。だが、その方法は崩壊の原因を消す。アラタを殺すことなのだ。

 

「仕方ありません、こうなったら!」リリスはメイガスモードになり、アラタに銃を向けて狙いを定める。だが、リリスの前にアリンが立ちふさがる。

 

「どきなさい!」

「させないわ先生。彼は私の旦那様よ?」

「ですが、アラタを止めなければ学園も貴方も・・・!」

「私はこの崩壊の先に何があるのか知りたい。それが魔導を追求するということでしょう?」互いに譲らない口論が続く。

 

「あ、浅見先生・・・」

「アラタ!?」アラタの呼び声にリリスは声をあげる。

 

「撃ってください」

「な、何を」

 

 躊躇うリリスにアラタは叫ぶ。

 

「撃ってください!このまま崩壊が広がる前に!僕が意識を保っている今の内に!もう、理不尽なことで多くの人が犠牲になるのは嫌なんです、だから!!」

 

 アラタの訴えに銃の引き金に指をかけるリリス。すると保健室の壁にヒビが入り、吹き飛ぶ。穴のあいた壁の先には二つの人影がいた。

 

「こりゃ、ビックリだな。崩壊現象を止めて帰ってきたら、まさか学園でも崩壊現象が発生してるとはな」

「そんな・・。確か検閲任務中のあなた方が何故ここに!?」

「そんなもん、瞬殺で帰ってきたよ」

 

 リリスの視線の先には二人の女性がいた。黒髪で長身の女性。王立図書館検閲官参関《グリモワールセキュリティサード》不動アキオ。金髪で小柄な女性。王立図書館主席検閲官《グリモワールトップセキュリティ》山奈ミラ。

 

「崩壊が停止されている・・・」

「私の魔術で同等の崩壊の力をぶつけ中和しています」金髪の女性、山奈ミラによる魔術行使により、崩壊現象は停止していた。

 

「私の傲慢《スペルビア》のアーカイブに属するテーマ正義《ユースティア》の名の下に、私の前で一切の不浄は許しません!」

 

 アラタは息を上げながらミラを見つめる。アラタの視線からの訴えを受けとったのかミラは黒髪の女性、アキオに指示を出す。

 

「・・・・・・アキオ。彼を殺してください。この男が崩壊現象の起点です」

「あっさり言ってくれるぜ」と言いながらアキオは右足に魔力を纏わせてアラタに近づく。

 

「いけませんアキオさん!!」

「っ!?身体が動かないわ・・・!?」リリスとアリンは止めようとするが、動くことができない。

 

 人が近づいてくる気配を感じたアラタは顔を見上げる。そこには驚愕の表情になっていたアキオがいた。

 

「お前!?・・・。そっか・・・こっちに来ちまったんだな・・・」

「すいません。再開がこんな形になってしまって・・・」

「謝ることじゃないさ。これも定められたことなんだろうな。お前の・・・世紀王としての」

「そうみたいです。...後の事はお願いします」

 

 アラタの言葉にアキオは短く「分かった」と答え、魔力で強化された足で蹴りを繰り出した。

 

 

 




 いかがでしたでしょうか?原作と違った展開となっていますが、後に明らかにして行く予定です。次回の更新も読んで頂けたらと思います。
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