神を超える者
かつて、この世界には一人の神がいた。その神は宇宙と同時に生まれた”力“であり、 神はまず世界を創った。
そして自らの分身であり、それぞれの力に特化した7体の特別な天使マラークを創り、その子供として別のマラークを作った。後に7体のマラークは「エルロード」その子供達であるマラークは「ロード」と呼ばれる。
更に神はその世界に住まう住人としてマラークに似せて動物を、自身に似せて人間を作った。特に人間は自分の子供としてこよなく愛した。
しかし、時が経つにつれ人類は「自分達は神に似せて創られたのだから動物の頂点に立つ存在だ」と考えるようになり、動物を虐げ始めた。
この事態を知り動物の元になったロード達は怒り狂い、人類に宣戦布告する。そして40年という長い時に渡って繰り広げられる、人類と天使の全面戦争が始まってしまった。
数では劣るものの、超能力や人智を越えた身体能力を持つロード。ロードのように超能力や優れた身体能力はないが、繁栄していくにつれ得た狩りや鉄器で武器を作る技術、元々はまじないや儀式のために生み出されたが魔導を使うことで、ロード達に挑む人類。それでもロード達を倒すことは難しかった。
当初は天使軍が有利であったものの、人間を不憫に思った7人のエルロードの1人である、火のエル・プロメスは自身の部下であり子供達でもあるロード達と共に地上に降り、とある人間の女性と交わる。
その結果。プロメスの力を受け継いだ一人の子ネフィリム(後にギルスと呼ばれる者)が産まれたことで、状況は大きく変わってしまう。
プロメスが人類側に干渉したことで、人類が自分の愛する存在でなくなる事を嫌った神は地上に赴き、プロメスを討つ。その結果人類の敗北は決定的となり、天使側の勝利となった。
そして天使たちの長であるエルロードは、地上の全てをリセットするために洪水を起こし、地上のあらゆるものを洗い流した。
これを悲しんだ神は全人類、全動物、の中からつがいを一組ずつ方舟に乗せて大洪水から救うという行動を起こす。
ところが、プロメスは自信の力を人間に授ける。それを知ったエルロード達は人類は神の愛した存在ではない、いずれまた反旗を翻すだろうと神に訴える。
しかし、神はエルロード達の行動を止められなかったこと、人間達の傲慢さが起こした行動に気付けなかった罪として、自信とエルロード達を封印する。生き残った人間達がプロメスの託した力に目覚めて神を越える者アギト、ギルスとなり、自身に反旗を翻す者達か見定めるために。
プロメスは自身のロード達に、「いつか私の力を受け継いだ者達が覚醒し、アギトもしくはギルスとなるでしょう。それを知った神と他のエルロード、ロード達は力に目覚めた者を抹殺に来るはず。彼らが命を落とさないよう。守り、導いてほしい」そうプロメスは言い残し、光に包まれて消えた。
プロメスのロード達は「プロメスの力を受け継いだ者は自分達にとっての子供である」という考えのもとでアギト、ギルスに覚醒せし者達の守護し、導くことを決意した。
時は経ち、現代。現代では謎の殺人事件が立て続けに起こっていた。その方法は人間を木のウロに埋め込む、コンクリートの壁に埋め込むという。不可能殺人が続いてた。
そんな中、一人の少年がアギトの力に目覚めてしまう。少年の名は宮澤三成。文学好きの少年である。
彼はある事件で両親を失ったことで、アギトの力に目覚めてしまう。それにより、彼は予知夢や透視などの超能力が発現してしまう。
彼は自身が人でなくなることに恐怖と戸惑いを感じていた。家族である、妹の月夜や祖父に自信の変化は隠して過ごしていた。
とある日、三成は一体の異形に命を狙われてしまう。それはアギトが目覚めたと知って、神の命より封印を解かれ地上に降り立ったロードだった。
◆◆◆◆◆◆
人気のない廃工場に三成はいた。
「ハァハァ...。なんなんだよ、アイツら!『人でない者は滅ばねばならい』って!意味わかんねぇよ!」
物陰に隠れながら異形がいないか確認をする三成。どうやら逃げ切ったようだ...。と安堵した瞬間、廃工場の扉が吹き飛んだ。
「ッ!嘘だろ!」
三成の視線の先には豹の姿をした異形がいた。豹の異形、パンテラス・ルテウスは周囲に視線を巡らせて三成を探しているようだった。
どうする!?どうすればいい!?このままじゃあ、あいつに間違いなく殺される!三成は焦っていた。どうすればこの状況を切り抜けられるか考えを巡らせる。
『私の不手際でまだ貴方のような少年にこんな運命を背負わせてしまうとは、申し訳ありません』
「声?」
突然三成の頭の中に中性的な声が響く。
「なんだよ。今度は頭の中に声が響くし、誰だよアンタ!」
『説明をしたいところですが、今は状況がよくありません』
「そうは言っても、どうやってこの状況を切り抜ければいいんだよ!」
三成は謎の声に問いかける。
『私の力を少しですが、貴方に送ります。貴方の中にある“力”を覚醒させます』
「は?力って?」
『時間がありません。貴方はあの異形に対して、意識を集中させてください」
「いや、意識を集中ってッッ!!」気配を感じた三成は物陰から離れる。すると、三成が隠れていた木箱が吹き飛ばされた。
三成の目の前にパンテラス・ルテウスが拳をを構えていた。
「ホントに現実って...クソだなっ!...ん?何だ体が...!?」
三成の体に謎の鼓動が走り、変化が起こる。謎のベルト、オルタリングが三成の腹部に現れる。同時に光が三成を包む。
光の眩しさに目を反らす、パンテラス・ルテウス。光がやむと視線の先には、黒いアンダースーツに金色のアーマ。赤い複眼に2本の金色の角。竜のような姿をした、戦士が立っていた。
戦士をみた、パンテラス・ルテウスは忌々しそうに呟く。「アギト...」と。
「な、なんだこれ。俺どうなったんだ!?なんかすごい力を感じる」状況が飲み込めずにいる三成。
『今は、奴を倒すことが先決です。余所見をしないでください』
「倒すって言われても...」
『大丈夫です。貴方は自身の意識を貴方を包んでいる力に委ねて下さい』
「意識を委ねる...」三成は深呼吸をして力に身を委ねる。
パンテラス・ルテウスは動きを止めたアギトを警戒し、構えはとかずに様子を伺う。
「ッ!!」パンテラス・ルテウスは腹部に衝撃を感じ、数メートルだか吹き飛ばされる。
アギトが接近して、パンテラス・ルテウスに拳を叩きつけたのだ。先ほどの雰囲気と違うことに気付いたパンテラス・ルテウスはアギトに接近し格闘をしかける。
アギトは放たれたパンチを受け流し、肘を打ち込む。カウンターを受けるとは思わなかったのか、のけ反るパンテラス・ルテウス。その隙にアギトは拳を叩き込み、更に回し蹴りを放つ。あまりの動きの変化についていけないパンテラス・ルテウスはダメージが蓄積したのか、その場で膝をつく。
すると、アギトの金色の角・クロスホーンが2本から4本に展開かれ、足元に竜のような紋章が現れる。アギトは意識を集中させ紋章を自身の右足に収束させると、飛び上がりライダーキックをパンテラス・ルテウスに打ち込む。
ライダーキックがとどめになったのか、苦しむパンテラス・ルテウス。すると頭上に天使の輪の様なものが現れ、まるで天に召されるかのように爆散した。
変身が解けた三成は「これは...俺がやったのか?」自分が豹の異形を通したことに驚きを隠せないでいた。
そして、ここから。三成と後に出会う、同じ力に目覚めた一人の少年とロード達やアギトの力を解明している一人の青年との。神との戦いが始まった。