トリニティセブン-世紀王と7人の魔書使い-   作:雨森

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ついに、変身となります。 
戦闘シーンはダイジェストとなっておりますが、トリニティセブン本編へと突入したら描こうとおもっています。

戦闘シーンの描写も拙いですが、よろしくお願いします。


プロローグ3(戦士の誕生と戦いの始まり)

ツキヒコの決死の行動により、アラタはソウイチと共に町はずれの廃工場にいた。

 アラタは、親友を犠牲に自分だけが助かってしまったという罪悪感と、何故このような目に合わなければならないのかという、恐怖の感情に飲まれていた。

  周りに不審な人影がないか、確認をしていたソウイチが戻ってきた姿を見て、アラタはソウイチに話しかけた。

 

「ねぇ、おじさん。僕の体はどうなってるの?何か体中がゴワゴワする…」

 

「…今のお前の体は『改造』されたことによって、細胞が変異してきている。体に変な感覚があるのは変異した細胞が体に馴染もうとしているからなんだ…」

 

ソウイチは語るが、今の精神状態のアラタには不安を煽るだけだった。

 

「そんなことが知りたいんじゃないよ!どうして僕がこんな目に合わなきゃならないの⁉こんな化け物みたいな体になって…ツキヒコもだって、どうして⁉」

 

「落ち着くんだアラタ!」

 

錯乱するアラタの気を静めようと、肩をつかんだソウイチだったが…

 

「離してっ!」

 

アラタに突き飛ばされ、壁にぶつかってしまうのと同時に何かが折れるような音が響いた。

 

「ぐっ…」

 

「あ…」

 

アラタがソウイチの突き飛ばした衝撃で、ソウイチの左肘は赤黒く変色していた。

 肘を抑えて呻くソウイチの姿を見て、アラタの頭は冷めていったが、同時に自分が何をしたのか理解すると顔を青ざめて見つめた。

 

「ご、ごめんなさい。ケガをさせるつもりはなくて…」

 

「き、気にしなくていい。お前やツキヒコが受けた苦しみに比べれば…」

 

ソウイチは脂汗を流しながら言う。

 

「そんなことより、お前に話さなければならない事がある」

 

「話さなければならないこと?それって、僕たちに何かをした人たちと、ソウセイオウ?のこと?」

 

ソウイチの言葉にアラタは聞き返す。

 

「そうだ。お前とツキヒコに改造を施した者たちと、創生王のことだ。そして、お前の父親であるコウスケの死にも関わることだ」

 

「っ⁉…わかった」

 

アラタは亡き父にも関係していることを知り、驚いた様子だったが、肯定の言葉をつぶやいた。その言葉を聞くとソウイチは語りだした。二人を誘拐し、人間の体を奪っていった悪魔の正体を。

 

 

 

その名は暗黒結社ゴルゴム。

 

 

 

太古の時代から存在する闇の組織。歴史の影で多くの文明を破滅においやり、現代の人間社会までも影から操り支配している。アラタとツキヒコに改造をした老人ダロム。他に二人の人物-ビシュムとバラオム。三神官と呼ばれる彼らを筆頭に、自分たちに忠誠を誓う者以外の人類抹殺を目論む悪の集団である。

そして、ゴルゴムが神として崇めているのが『創世王』と呼ばれる謎の存在である。

その姿は三神官でさえも目にしたことはなく、彼らは創生王の言葉を聞き、社会の裏から暗躍をしてきた。

 

創世王は5万年の周期ごとに別の者に継承される。それ決めるのが2人の『世紀王』と呼ばれる者たちの決闘である。お互いが持つキングストーンと呼ばれる石を奪い合い、生き残った者が創生王を受け継ぐことになる。そして今回の世紀王の選ばれたのは10年前の日食の日に、同じ時間帯に生まれた、二人の男児だった。

 

「それが…僕とツキヒコなの?」

 

「そうだ…」

 

ソウイチの説明を聞いたアラタに怒りの感情がこみ上げる。なんて馬鹿げた話。幼いアラタでもそう感じる話だ。自分とツキヒコは、そんな狂った者たちに祀りあげられるために人間の体を失い、さらには殺し合う運命になっていたなんて。

 

 

 

「そんな理由で…僕は…。でも、なんでその話が父さんが亡くなった事と関係があるの?父さんは事故で亡くなったんでしょう?おじさんが教えてくれたじゃない」

 

「それは…」

 

ソウイチは言葉につまる。真実を告げるべきか、否か。

 

「ねぇ、おじさん!」

 

「アラタ…お前の父親は…。コウスケは…」

 

ソウイチが真実を語ろうとしたその時、第三者によって邪魔されてしまう。

 

「ククク…正直に言えばよかろう、秋日ソウイチ。春日コウスケは我らゴルゴムの手によって殺さたと」

 

割り込んだ声に2人は周りも見渡すが、姿がみえない。しかし、人知を超えた体になったアラタは気配を捉えていた。自分達の真上から様子を伺っている異形の存在が、何処にいるのかを。

 

その様子から察したのか、声の主は姿を現した。

 

「⁉あれは…何?」

 

「もう追手がきたか!」

 

上を見上げると、天井から垂れている糸にぶら下がり、八つの足を動かしながら降りてくる複数の影があった。

 

女郎蜘蛛の様な姿をした、5体の異形がいた。

自分達の会話に割り込んだ、声の主は中央にいる髪の毛が長い異形だろう。

 

アラタはそう直感した。

 

「く、クモ怪人…」

 

「貴様が話さないのなら、私の口から教えてやろう…。秋日ソウイチは自分と家族の身を守るために、お前の父親を売ったのだよ!」

 

「父さんを売った?」

 

アラタの言葉にクモ怪人は気味の悪い笑い声をだしながら言う。

 

「ククク…。あの時のことは忘れられないなぁ、秋日。春日を貴様の目の前で殺した途端、貴様は手のひらをかえすように態度を変えていたなぁ」

 

「父さんを殺した?目の前で?」

 

「そうだ。二人の世紀王をゴルゴムが迎えることを、春日と秋日は拒んだ。だから見せしめとして、秋日の目の前で殺してやったのさ!」

 

「と、父さんは事故で死んだんじゃ…」

 

ソウイチから聞いた父の最期と違うことにアラタは困惑する。

アラタの様子を見たクモ怪人はソウイチに問いかける。

 

「なんだ秋日。貴様はそんな嘘で誤魔化していたのか」

 

「黙れ!幼いこの子に、そんな残酷なことを言えるわけがないだろう!それに、家族を人質されては断れないに決まっているだろ!この悪魔!」

 

ソウイチが隠していた事実を知ったアラタはそのことを責めることはなく、クモ怪人を睨む。確かにソウイチは自分をゴルゴムへ売る約束をしたのかもしれない。

しかし、それでもアラタはソウイチを信じようと思った。

それは何故か?それは秋日ソウイチという人間がどのような人物かは、目の前の異形よりも知っているからだ。自分を実の子のように愛し、母のアイリと従妹の聖に手を差し伸べてくれたからだ。普通なら、父を売った罪悪感を感じ、そのように親身に接してくれるはずがない。関わろうとしないはずだ。—きっとおじさんは守ろうとしたんだ。自分の家族だけじゃない、僕のことも、母さんと聖のことも…—。

そう思ったアラタは、怪人の言うことに耳を貸さないと決めた。この場にいるソウイチだけを信じようと…。だが、そんなアラタの決意はクモ怪人の一言によって、壊されてしまう。

 

 

「何を言っているんだ秋日?全てはそこの小僧が生まれたのが原因だろう?」

 

「え…?どういう…こと?」

 

 

意味が分からない。この化け物は何と言った…?原因は自分?他に何か知っている?

混乱するアラタを見たクモ怪人は不気味な笑みを浮かべて口を動かす。

 

 

「ククク、春日アラタ。なぜお前が10歳の誕生日に改造をされたのか、なぜ父である春日コウスケが我々に殺されたのか、なぜ体を改造されたのか、なぜ親友の秋日ツキヒコも改造されたのか」

 

饒舌になったクモ怪人は口を動かし続けた。その様子をみたソウイチは、アラタを抱きしめて叫ぶ。

 

「それ以上言うな!」

 

だが、その声も虚しく響くだけであり、クモ怪人は最後の言葉を放つ。

 

「お前が生まれなければ、秋日ツキヒコは改造されず、父親の春日コウスケも死ぬことはなかったのだからなぁ!」

 

残酷な真実を知ったアラタは、歯をガチガチと震わせながらつぶやく。

 

「ぼ、ぼくのせいで…ツキヒコが…お父さんも…死んで…」

 

絶望しかなかった。親友があんな目にあったのも、父が死んだのも…自分が生まれてきてしまったから…。

絶望するアラタを見たソウイチは抱きしめながら語り掛ける。

 

「そんなことはない!お前はコウスケとアイリさんの望みで生まれてきたんだ。お前のせいじゃない!」

 

そんな光景に苛立ったのか、クモ怪人は叫ぶ。

 

「いつまで、くだらないことを言っている!おとなしくする気がないのなら、秋日。貴様を殺してやろう!」

 

そういうとクモ怪人は糸を吐き、ソウイチの体に巻き付けて引きずりだした。

 

「な、何をする気だ!やめろ!」

 

「お、おじさん!」

 

体を引きずられ、連れ去られるソウイチをアラタは追いかける。しかし、クモ怪人の取り巻きに邪魔をされてしまう。

 

「ギギィ!」

 

「うわっ⁉邪魔をしないで!」

 

改造された身体が馴染んでいる途中なのか、上手く思うように身体が動かない。

複数のクモ怪人に翻弄されている内に、ソウイチは鉄塔の上から突き落とされ、その身を地面に叩きつけられる。

 

「おじさん、おじさん!」

 

「カズミ…キョウカ…ツキヒコ、を…頼む・・・」

 

  駆け寄ったアラタにそう言い残し…ソウイチは事切れた。

 

  目の前でもう一人の父のように慕っていた人間の死に、アラタは悲しみと怒りの感情を爆発させる。

 

「よくも、おじさんを…。おまえ達は…おまえ達は絶対に許さない!」

 

涙を流しながら叫ぶアラタの体の中で、何かが疼く。身体全体が黄緑色になり、バッタのような姿になる。

しかし、その姿は一瞬で元の身体に戻る。

  迫りくるクモ怪人を睨みつける。もはや恐怖の感情などない。その時謎の声がアラタに問いかけた。

-奴らが許せないか?-

 

 

その声にアラタは答える。

「許せないよ!僕やツキヒコをこんな身体をにしただけじゃない。お父さんやおじさんを殺した奴らを...!」

-ならば戦え、これ以上何も失いたくなければ倒せ-と、謎の声が訴え欠ける。

 

‘その声‘に突き動かされるように、アラタは2つ拳を血が滲むほどの力で握りしめる。

ギチギチと音が響く。そして、一つの言葉を口にする。

 

「変、身…!」

 

腕を振り上げた瞬間、アラタの腹部に王の証である太陽のキングストーンが埋め込まれたベルトが浮き出る。そこから閃光が放たれ、またアラタの肉体をバッタのような醜い姿へと変える。

しかし、それだけでは終わらない。バッタのような姿となった、アラタの全身を、黒い装甲、強化皮膚リプラスフォームが覆う。

そうすると、体の全身から変身エネルギーの余波である煙があふれ出る。

 

その姿にクモ怪人は驚き、叫ぶ。

 

「な、何だその姿は⁉そんな姿はしらないぞ⁉」

 

その言葉を聞いたアラタは叫ぶ。幼い頃、父から聞いた正義の存在の名を。-まだ、自分のような者が名乗るには相応しくないかもしれない。それでも、ソウイチから託された思いを背負わなければならない。だからこそ、この名を叫ぶ。弱きものを助け、強きものを挫く者達が名乗った名を—

 

「仮面ライダー…BLACK!」

 

今ここに、いずれ世界を救う一人の戦士が誕生した。

 

変身を遂げたアラタは、クモ怪人達と戦った。ツキヒコとの喧嘩ぐらいしか経験のない彼だったが、常人を越えた肉体をどうにか駆使して戦った。

苦戦をしたものの、世紀王専用のマシーンであり自我を持つバイク、バトルホッパーの援護により渡り合うことができた。

そして、必殺のライダーパンチ、ライダーキックをクモ怪人に放ち、ソウイチの仇を討つのだった。

 

しかし、これは始まりに過ぎない。より過酷な戦いが彼を待ち受けていたのだった。

 

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