トリニティセブン-世紀王と7人の魔書使い-   作:雨森

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遅くなってしまい、申し訳ありません!
今回でプロローグは終わりです。
次回から、ついにトリニティセブン本編に突入します。
因みに、アラタとゴルゴムの戦いが終わるのは14歳の頃にしています。
10歳の少年がたった一年で悪の組織を倒すって無理がありそうなので。それに、キングストーンの力と改造された身体を制御できるようになるには、長い年月が必要なんじゃ?と考えたからです。もうひとつ、TV版BLACKとの違いは、クジラ怪人は生きていることです。いや、あんな癒される怪人死んだら恐らく本作のアラタ君は真っ白に燃え尽きます。


至らない部分もありますが、楽しんで頂ければ嬉しいです。


プロローグ4(過酷な戦いと残酷な運命)

ゴルゴムとの戦いは苛烈を極めた。

 

ゴルゴムと協力関係にある政治家などによって、ゴルゴムが関わった事件の情報は揉み消され、真実を探ろうとするものは消されてしまう。

 

ゴルゴムに狙われた人の命を救っても、救えない人の命もあった。

 

 

アイリと聖には、自分がゴルゴムと戦っていることは隠していた。 母と従姉妹だけは巻き込む訳にはいかない。そう、思いながらも真実を話せないことに罪悪感を感じていた。

 

 

アラタはゴルゴムと戦いながらも、ツキヒコについての情報を探した。しかし、彼はまだ小学生。情報を集めるには時間と手段が少なかった。

 

三神官達の企みと怪人達による蹂躙。ゴルゴムに魂を売った者達による妨害。そして、自分の前に生まれた世紀王候補の剣聖ビルゲニアとの戦い。

ビルゲニアには幾度となくキングストーンを奪うために戦いを挑んできた。

 

戦いの連続により、アラタの身体と精神は徐々に疲弊していた。

 

10歳の少年にはあまりにも過酷な戦い。それでも、アラタは諦めずに戦い続けた。

ツキヒコを救うため、家族や多くの人々を守るため。

その思いを糧にしアラタは戦った、仮面ライダーとして。

 

ゴルゴムとの戦いが続き、四年の月日が流れたある日のこと。アラタの前に一人の男が現れた。

彼は自分は魔導師と名乗ったのだ。180cmはあるだろう身長とダークシルバーの長髪。赤い瞳に眼鏡をかけている男だった。

 

アラタは男が相当な実力を持つ者だと直感した。何の目的で接触してきたのかを聞いた所。男は10年以上前から、ゴルゴムを追っていたようだ。

男はかつての親友がゴルゴムによって命を奪われたこと、親友との約束を守る為とのことだった。男はゴルゴムがどんな存在か、キングストーンとは、創世王のについて、アラタが四年前から戦っていたことを知っていたようだ。そして、男はアラタに協力をしたいと言ってきた。

アラタは男の申し出を受け入れた。それは何故か?男の目からはゴルゴムに対する怒り。男の背後から見える謎のオーラを感じ取ったからである。

アラタは男からキングストーンの力をより精密に制御する方法を教わった。魔導師というのは事実だったようで、キングストーンの力を一部だけでも扱える様にまで制御出来るようになった。アラタは敬意を込めて、男を「先生」と呼んだ。

 

こうして、アラタは一人の協力者と共に、ゴルゴムとの戦いを続けた。

 

 

 

ゴルゴムと戦っていく中で、ゴルゴムは悪魔達だけの集団ではないことを知った。そう思った切欠はクジラ怪人との出会いだった。

クジラ怪人は海をこよなく愛しており、ゴルゴムが人間文明の残骸を海に投棄するという作戦を聞き、ゴルゴムから離反したのだ。

 

-美しい海と一族を救いたい-

 

クジラ怪人の気持ちを感じたアラタは共にゴルゴムと戦うことになった。しかし、アラタではクジラ怪人とその一族を守ることは難しい。クジラ怪人を守って欲しいと、先生に依頼した。

男は拒むことなく、アラタの依頼を承諾した。

 

「もちろん依頼は受けさせてもらうよ!君が怪人達と戦っている間は彼と彼の一族も守るから安心したまえ!敵の組織から離反した者と共に戦うっていう、王道な展開は大好きだからね!」

 

後半からよく分からないことを言っていたが、先生の協力により、三神官の一人であるダロムがクジラ怪人達を抹殺しに来たときには、先生の協力によってクジラ怪人を守り、どうにかダロムを退けることが出来た。

 

ダロムが敗北したことを知ったバラオムとビシュムは恐怖を感じた。しかし、その時にもう一人の世紀王がその姿は表そうとしていた...。

 

 

 

強大な力を感じ取ったアラタは採掘場にいた。

しかし、辺りを見回しても人影はひとつない。 自分の勘違いだったかと、その場を後にしようとした瞬間に自分に声をかける存在が来た。

 

 

「久し振りだな、アラタ。いや、ブラックサン」

 

アラタは振り返る、そこにいたのは...。

 

銀色に輝く装甲、緑色の複眼。そして更に目を引くものは腹部にあるベルトだった。ベルトには太陽のキングストーンと対をなすもの、月のキングストーンが埋め込まれていた。

 

アラタは無意識にその者の名を呟いていた。

 

「ツキヒコ...」

 

「今の俺は貴様と同じ創世王候補。世紀王シャドームーンだ。」

 

その言葉を聞いたアラタは信じられずに、問いかける。

 

「なんでツキヒコと同じ声なんだ!?なんで俺の名前がわかる!?」

 

「確かに秋日ツキヒコは死んだ訳ではない。俺には以前の記憶、秋日ツキヒコとしての記憶はある。だが、それも過去のこと。今の俺は貴様と戦う運命にある世紀王シャドームーンだ」

 

「そ、そんな...」

 

アラタは目の前の現実を信じることができなかった。

 

「これが現実だ。さぁ、俺と戦えブラックサン!」

 

シャドームーンはそう叫ぶと、右手を突き出して電撃を放つ。

 

「っ!?変身!」

 

電撃を避けたアラタは変身し、シャドームーンと向き合う。

 

「やめてくれツキヒコ!俺はお前とは戦えない!」

 

BLACKは叫ぶが、シャドームーンは容赦なく電撃を放つ。

 

「それはできない。日食の日に生まれ、王の証であるキングストーンを埋め込まれ、世紀王となった俺達は戦う運命にあったのだ」

 

「やめろ!やめてくれ!ツキヒコ!」

 

しかし、BLACKの声はシャドームーンには届かない。

 

「往生際が悪いぞ、ブラックサン!」

 

シャドームーンは飛び上がった。シャドームーンの両足は緑色の光で輝き、その両足をBLACKに向けて蹴りを放つ。

 

「シャドーキック!」

 

反応が遅れたBLACKは胸にシャドーキックを受けてしまう。

 

「うわぁっ!」

 

BLACKはどうにか受け身をとったが、ダメージは大きく、変身が解除されてしまう。

 

「くっ...。なんて力なんだ」

 

「ふん...。俺と戦う程の力と覚悟はないようだな。まだ戦う時ではないということか」

 

シャドームーンはそう言うと、アラタに背を向ける。

 

「ツキヒコ!お前は本当に運命を受け入れたのか!?こんな残酷な運命を!?」

 

「.....」

 

シャドームーンは何も言わず、その場を去っていった。

 

戦いは避けられない。その現実を突きつけられたアラタはその場で叫ぶことしか出来なかった。

 

「う…、うわあああああ‼」

 

救うと決めた親友は宿敵となってしまった。戦う以外に道はないのか。アラタは更に苦悩する一方だった。

 

(嫌だ…。)

 

(ツキヒコと戦うなんて…できないよ…!)

 

 

だが、アラタがいくら苦悩しても運命は避けられなかった。ゴルゴムが全世界へ宣戦布告をしたのだ。大怪人バラオム、ビシュムが街に現れ、人々を蹂躙した。

 

逃げ惑う人々は助けを求めて、その名を叫んだ。仮面をを被り、弱きもの達を救ってきた戦士。

 

「仮面ライダー‼」

 

「助けて仮面ライダー!」

 

その光景を見たアラタは立ち上がった。逃げるわけにはいかないから。自分やツキヒコの様な人を生み出すわけにはいかなかったから。助けを求める人々を裏切ることは出来なかったから。

 

「何度も戦うことになっても、何を失ってでも…。俺は戦う、人の々笑顔と平和を守るために…戦い続けるっ‼」

 

 

 

「…変、身ッ‼」

 

 

仮面ライダーBLACKとして立ち上がったアラタは、己が傷つこうが構わず戦った。そして、もう一度決意する。

 

 

「絶対にあきらめない。ゴルゴムを倒して…ツキヒコを必ず助け出す‼」

 

 

 

そして、死闘は続く。

 

 

「シャドームーン様!なぜですかぁ‼シャドームーン様ぁ!」

 

 

BLACKと心中を図ろうとしたビシュムだったが、自分を止めるためにしがみつくキョウカ諸共殺すことをシャドームーンが躊躇したことで犬死をした。

 

「俺を倒したところで、ゴルゴムの世界征服が失敗に終わる訳ではない。まだ、シャドームーン様がおられるのだから!シャドームーン様、万歳!創生王、万歳!ゴルゴム、万歳っ!」

 

ゴルゴムを裏切ったクジラ怪人とBLACKを抹殺せんと、戦いを挑んだバラオム。苦戦はしたものの、魔導師—先生—の援護とクジラ怪人の反撃により倒すことができた。

 

 

そして、シャドームーンとの宿命の戦いが訪れた。

 

「覚悟は決まったようだな、ブラックサン」

「勝負だツキヒコ...。いや、シャドームーン!」

 

スペックではシャドームーンに負けているBLACKだったが、これまでの経験を生かしてシャドームーンと互角に戦う。ライダーキックとシャドーキック。ライダーパンチとシャドーパンチのぶつかり合いでも、決定打にならない。

 

決着のつかない、死闘。互いが倒れるまで続くのか、そう思っていた矢先に創世王の介入がはいる。

 

「アラ、タ...」

「ツ、ツキヒコ?ツキヒコなのか?」

 

秋日ツキヒコの姿になったBLACKはツキヒコに駆け寄る。しかし、それは創世王が仕組んだ罠だった。BLACKが油断したところを見逃さず、ツキヒコは一瞬でシャドームーンの姿になり、隙をついた猛攻を仕掛ける。

油断してしまったBLACKはシャドームーンの攻撃を防ぎきれず、追い詰められてしまう。

 

 やっぱり、ツキヒコを救うことなんて出来ないのか...。

 

BLACKは止めを刺される直前に、シャドームーンを見つめながら、実感してしまった。しかし、シャドームーンは躊躇った。このままアラタのキングストーンを取り出せば新たな創世王となる。

だが、それでいいのか?自分の力だけで勝利したわけではない、創世王の介入によって得た勝利だ。満身創痍のアラタからキングストーンを取り出すことは自分が望んだことなのか?

シャドームーンが出した答えは…。

 

「私は……俺は太陽のキングストーンなどなくても、創世王の役割を果たしてみせる!」

 

それがシャドームーンの答えだった。そう自分に言い聞かせることで、彼は世紀王であろうとした。しかし、創世王はそれを良しとせず、叱責した。

 

 

仮面ライダーBLACKが倒され、日本は恐怖に陥った。天変地異により、BLACKの遺体は海に流され行方不明。

そして、ゴルゴムの日本侵略が始まったことにより、人々は絶望した。ゴルゴムに恐怖にする者、ゴルゴムに寝返りゴルゴム親衛隊と名乗る者まで現れた。

 

 

日本が、そして地球が、ゴルゴムが理想とする弱肉強食の世界へと変わる。その流れを止められるものはいない…かに思われた。

 

 

 

 だが、その流れは断ち切られた。仮面ライダーBLACKは、春日アラタは蘇った。バラオムの魔の手から救い、海へ帰したクジラ怪人に救われたのだ。彼の一族に代々伝わる命のエキスによって。

 命のエキスにより強化されたBLACKは、最後の怪人である、ダロムを倒し、その復活を世に広めた。絶望した人々の心に希望の光が差し掛かった。

 

 

 

 この地球にある全ての生きとし生けるもの、その希望を身体に背負い、アラタは最終決戦へ臨む。ゴルゴム本拠地への突入-クジラ怪人の協力と先生の協力により。

 

 

 

 

 

 

「ここに来たということは…覚悟は決まったようだなブラックサン。」

「ッ、…シャドームーン!」

 

 

 2人の世紀王は互いに拳を構え、対峙する。互いの拳が光を放つ。

 

 

「シャドーパンチ!」

「ライダーパンチ!」

 

 

 再びはじまる、宿命の対決。命のエキスで強化されている仮面ライダーBLACKに対し、シャドームーンは創世王のエネルギーを受けその力の一部を受け継いでいた。その力のぶつかり合いは、周りの花々や木々を吹き飛ばしていく。

 

 

 

 死闘の中で、アラタはツキヒコとの記憶を思い出していた。テストの点数やスポーツで競い合っていたとき、ソウイチの友人である歴史学者の話を二人で興味深々に聞いたり、聖の誕生日にケーキを作ったときなどは、ふたりして主夫にでもなろうかと、笑いあったときもあった。

 穏やかでありながらも、楽しかったひと時の記憶。彼の中では、その記憶は遠い彼方へと消えてしまった。

 

 

「お前は…、お前はもうッ、俺の知ってるツキヒコじゃない!」

 

 

 もう、躊躇わない。必ず倒す、それが彼を救うことにつながるのなら。BLACKは攻撃の手を緩めない。サターンサーベルで自分の肉体を切り裂かれても。

 

 だがその決意が、アラタにとって相棒であり、家族である存在を失う結果に繋がってしまう。

 

「くっ…。このままでは!だが、俺は負けん!勝つためならば!こい、バトルホッパー!」

「何ッ⁉」

 

 

 BLACKの相棒であるはずのバトルホッパーは、呼びかけひとつでシャドームーンの手に落ちた。元々は世紀王のマシーンとして生み出された存在。キングストーンの力で操られれば逆らうことはできない。

 

 

 だがバトルホッパーは、自分の魂までも悪魔に売ってはいなかった。BLACKが対抗してキングストーンの力を放ったことで、僅かに自由を取り戻した瞬間だった。

 

 

 バトルホッパーは自らの命を引き換えに自爆。シャドームーンを吹き飛ばし、大きなダメージを与えた。

 

 

「バトルホッパー!しっかりしろ!」

『・・・・・、・・・・・ッ』

 

 

 車体が炎上し、原形をとどめていないバトルホッパー。しかし彼は、眠りにつこうとはしなかった。僅かに首を動かし、BLACKに何かを訴える。

 途切れ途切れだが、声が聞こえた。

 

『ア・・・・アリ、ガトウ・・・・ライダー・・・・アラ、タ…』

 

 

「!、だめだっ、死んじゃあ駄目だ!死なないで!・・・嫌だ!きみまでいなくなったら、俺を、僕を一人にしないで!」

 

 

 四年にもわたる辛く苦しい戦い。その全てを共にしてきた唯一の相棒、もとい家族。その死の瞬間だけは、仮面ライダーは孤独を恐れる無力な少年に戻っていた。

 

 

 

 

 止まれない。ここまで来たからには、止まるわけにはいかない。

 シャドームーンの手から落ちたサタンサーベルを手に取り、仮面ライダーは進む。

 

「まだ・・・終わってない!貴様を倒し、創世王に・・・‼」

 

 銀色の鎧はところどころヒビ割れ、その隙間から火花が散らしながらも、シャドームーンは向かってくる。

 

「死ね!仮面ライダーBLACK‼」

「ッ、もういい・・・、もういいだろう‼」

 

 満身創痍の体に残る力を振り絞り、放たれるシャドーパンチ。振り降ろされるサタンサーベル。膨大なエネルギーのぶつかり合いにより、閃光が散る。

 

 

 閃光が止み、二人の戦士は互いに背を向けていた。相打ちかと思われた瞬間。

 

「・・・・・」

「・・・・ぐ、ァ・・・」

 

 

 シャドームーンは膝をついていた。力を振り絞った最後の一撃が、仮面ライダーの身体に届く前にサタンサーベルの斬撃がシャドームーンのキングストーンに当たったのだ。身体が限界を迎え、倒れこむ白銀の世紀王。

 

 

 

「ハ、ハハハ…。俺の負けか・・・・・」

「ツキ、ヒコ…。ツキヒコ!」

 

 BLACKは手にしていたサタンサーベルを投げ捨て、倒れたシャドームーンに駆け寄る。

 

 

「お前の勝ちだ、アラタ。早く創世王の元へ…」

「そんな…、駄目だツキヒコを置いていけない!」

 

 シャドームーンは創世王の元へ行くよう、BLACKに促す。BLACKは置いていけないと、叫ぶ。だが、シャドームーンはそんなBLACKを叱責する。

 

「俺に構うな!お前には背負っているものがあるんじゃないのか?多くの命を救い、大切な者を守るんじゃないのか?ここまで来てその全てを投げ出すつもりか‼」

「ッ⁉」

 

 その言葉を聞いたBLACKは立ち上がり、サタンサーベルをシャドームーンの傍らに置き、創世王の元へ歩いていった。

二人の世紀王の戦いは、ブラックサンが勝利した。勝者となった彼に、創世王は真実を語る。創世王は五万年の周期に代替わりする。そして、その瞬間が今だと言うことを。創世王になれば、どんな世界にでも作り替えられる。

そして、創世王はアラタに語り掛ける。「お前が新たな創世王だ」と。

 

 

「ふざけるな!お前の...お前達のくだらない理想のために、どれだけ人間の命が消えたと思っているんだ!」

 

アラタの訴えに創世王は答える。

 

 

『人間の命?そんなものになんの価値がある?お前も見ただろう、人間の愚かな姿を。奴らは自分だけが助かるために、他人を蹴落とす姿を。手のひらをを返して、媚びへつらう姿を』

 

「...確かにそうかもしれない」

 

BLACKは否定しなかった。今までの戦いで、その光景を嫌と言うほど目にしたからだ。

しかし、BLACKは創世王の言葉を認めなかった。

 

 

「人間は愚かかもしれない。でも、そんな人間の中にも守るに値する光を持った人がいるんだ!俺は、その光を守るために戦ったんだ!だから、俺は創世王にならない!これから先の世界を見守り続ける!」

 

それがBLACKの出した答えるだった。

 

『愚かな...。その身体で何ができる?シャドームーンとの戦いで満身創痍の貴様に?』

 

 

「まだだ!お前を倒す手段はある!こい!サタンサーベル!」

 

 

BLACKの一声で、シャドームーンの身体に寄り添うように置いてあったサタンサーベルがBLACKの手元へ向かう。

 

 

「終わりだ...創世王!」

 

寿命がつきかけ、心臓だけの姿になった創世王にサタンサーベルを投げる。

 

『グ、グガアアア!?』

 

 

サタンサーベルは創世王を貫いた。

 

『おのれぇ...、ブラックサン!私は必ず、甦る!人間のの心に悪がある限り必ずぅ!』

 

 

創世王は、そう言い残し。その身を爆発させる。爆発はゴルゴムの本拠地中に広がる。柱は崩れ、火の海とかす。シャドームーンも炎に包まれてしまった。

 

 

「身体が...、くっ!」

 

ダメージが蓄積し、身体が動かないBLACK。そんな彼の前に一つの影が近づく。

 

 

「!?ロード、セクター...」

 

もう一人の相棒。ロードセクターだった。満身創痍の主をその身にのせ、崩壊するゴルゴムの本拠地を去っていた。

 

 

 

 

アラタは雨の降りしきる、森の中にいた。少年は雨粒に撃たれながら、佇んでいた。

その背中には、ゴルゴムを倒した喜びや、誇りは感じられなかった。ただ、悲しみだけしかなかった。

 

多くのものを失ったからだ、相棒のバトルホッパー、親友のツキヒコ。

カズミとキョウカは、日本にはいない。ゴルゴムの魔の手が忍び寄る前に少年が二人を国外へ逃げるよう告げた。

 

「ツキヒコ...。」

 

親友を宿敵として、葬り去る選択をしなければならなかった。皮肉もにもその選択と引き換えに世界を救った。

しかし、少年の心は癒されない。少年の心を癒すものがいるとすれば、

 

 

「アラタ...」

「!?母、さん!」

 

家族である。少年の母親、春日アイリは日本には残っていた。そして、少年がゴルゴムと戦っていることに気づいていたがそれを問いただすことはしなかった。アラタの帰る場所を守り、アラタの苦しみを受け止める為に。

 

 

「頑張ったわね...。うちに帰りましょう?聖も待ってるわ」

「か、あ...さん」

 

アラタは母親に抱きつき、泣き叫ぶ。今までの苦しみを吐き出すように。アイリはその思いを受け止める様に、アラタの頭を撫でながら抱き締める。

 

世界が、いま感じている母の温もりのように優しければ良いのに、と少年はそう思い涙を流した。

 

 

ゴルゴムとの戦いは、こうして幕を閉じた。春日アラタ14歳の時のことである。

 

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