トリニティセブン-世紀王と7人の魔書使い-   作:雨森

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1ヶ月も待たせてしまい、申し訳ありません!
私事で国家試験の勉強などもあって、中々書く時間が確保出来ませんでした!

誤字や脱字などがあれば、感想欄に書いていただけると嬉しいです。
楽しんでいただければ幸いです。


転校と恩師との再開

「号外!号外ですよっー!」

 

一人の少女が何枚もの新聞をばら蒔きながら叫んでいる。

 

「なんと、この学園に転校生がやってきます!!噂じゃおっかない能力の持ち主で、力は魔王レベルに匹敵するとか」

 

少女は新聞をばら蒔きながら、歩いている。だが、自分の前から向かってくる人影に気づかずぶつかってしまう。

 

「わぷっ!?」

 

少女は「いたたたた」と言いながら、ぶっかってしまった人物に謝ろうとする。

そこにいたのは、

 

「なんで、こんなに話題になってるのかな....。なんか色々書かれてるけど...」と言いながら、新聞を読んでいたアラタだった。

少女はアラタを見た瞬間あまりの驚きで

 

「きゃわー!?転校生!?」と叫んでいた。

 

 

 

場所は変わり、アラタはリリスと共に教室の教卓の前に立っていた。転校生ということで、回りは賑わっている。

 

 

「というわけで、転校生の春日アラタさんです」

 

アラタは予想はしていたものの、リリスの立場に驚いていた。

 

「それなりの立場の人だとは思ってましたけど、教師だったんですね」

 

「こういう時はまず、皆さんに挨拶をしてからにしてください」

 

「すいません。それもそうですね...」

 

リリスに注意を受けたアラタは自己紹介をしよとう前を向く。

 

「はいはーい、質問です」

 

すると、金髪のツインテールで額にメガネをかけた女子生徒が手を上げていた。どうやら、先程ぶつかってしまった女子生徒だった。

 

「はい、セリナさんどうぞ」

 

「タイプの女性は?」

 

「えっ?」

 

いきなり、好きな女性のタイプを聞かれたので驚くアラタ。答えようにも答えるのが難しい質問だった。それもそのはず、青春時代の大半をゴルゴムとの闘いで過ごしたので、女性のタイプなど答えられるはずもなかった。

回りの好奇の視線があまりにも集中しているので、はぐらかすのは良くない。どう答えようかと悩んだ結果、

 

「あんまり、そういうのは考えたことがないですね。強いて言うなら、真面目な人ですね」

 

「ほほう、真面目な人ですか。ありがとうございます。もう1つ質問があるんですけど...」

 

「はい、どうぞ」

 

「では、質問させていただきますね。魔王クラスにしか出来ない“世界構築”をしたって本当ですか?」

 

その質問で、教室は静まり返る。

 

リリスは質問の内容に驚きながら、アラタを見る。アラタもこんな質問をされることを予想してなかったのか、途切れ途切れに答える。

 

 

「あー、えっと...。一応皆さん知ってるとは思うんですけど、僕は少しは前まで普通の高校生だったので、魔導のことはよくわからなくて...。世界構築っていう現象が凄いことなのかは、浅見先生や皆さんの反応で解るんですけど...。僕自信は魔王候補と言われても...」

アラタは言葉を選びながら答えていく。

 

セリナはアラタの言わんとしていることが何となく察したのか、アラタに問いかける。

 

「つまり、話の規模が良くわからなくて、自分がどれだけのことをしたのかあまり自覚がないい...。ということですか?」

 

「はい、簡単に言うとそういうことになります。だから、皆さんが期待しているような答えは言えません。でも、これからは共に魔導を学ぶ仲間として、分け隔てなく接してくれると嬉しいです。他に何か聞きたいことがある人は授業の後とかに、お願いします」

 

 

アラタの言葉に「まぁ、それもそうかー」

「いきなり、魔王候補って言われてもねー」という、声があがる。

 

「質問は以上ですかセリナさん?時間も押しているので、授業を始めたいのですが」

 

「あ、はい。ありがとうございました」

 

「それでは、皆さん。授業を始めますよ。アラタは窓側の方の前から二番目の席なので、そこに座ってください」

 

「はい、わかりました」

 

リリスの一言で授業が始まり、アラタは指定された席についた。

初日の授業は、特に問題なく進んで放課後になった。

 

 

アラタとリリスは学園長室の前にいた。

 

学園のトップに会うからか、アラタは緊張していた。リリスは心配になり、声をかける。

 

「アラタ、大丈夫ですか?随分と緊張していますが...」

 

「だ、大丈夫ですよ。が、学園長に挨拶するんですよね。し、失礼のないようにしますよ」

 

全く、大丈夫ではなかった。言葉は噛んでいるうえに声は上ずっていた。

 

そんな、アラタの様子にリリスは苦笑しながら

 

「そんなに、緊張しなくても大丈夫ですよ。学園長という立場の人の割には接しやすい人ですから」

 

「そ、そうなんですか?だとしても、失礼のないようにしたいので...。いちおう、深呼吸させてください」

 

そう言って深呼吸をするとアラタ。それを見ながらリリスは春日アラタという人間は真面目ではあるが、目上の人などにも気をつかえる少年なのかと、暖かい目で見ていた。

 

「落ち着きましたか?」

 

「はい、さっきよりかは落ち着きました」

 

アラタに確認をとったリリスは学園長のドアを開ける。

 

 

「失礼します。学園長」

 

「し、失礼します」

 

学園長室に入ると、一人の男性が椅子に座っていた。ダークシルバーの長髪でポニーテール。赤い目に眼鏡をかけていた男性だった。

 

「やぁ、来たねリリスちゃん。その少年が入学を希望した子だね」

 

 

「はい、彼が春日アラタです」

 

アラタは男性を見ながら、違和感を感じた。男性の背後から溢れるオーラに既視感を感じていた。

 

 

何処かで、会ったような...。先生に似た感じがあるけど、あの人はいつもお茶目な感じがあって...。こんな真面目な雰囲気はあまり感じなかったような...。とりあえず、挨拶はしないとな。

 

 

アラタは思考を中断し、学園長に挨拶をする。

 

「春日アラタです。急なこととはいえ、転校生として受け入れてもらい、ありがとうございます」そう言って頭を下げるアラタ。

 

 

「うんうん、別に構わないよ~。何か初対面な感じで挨拶してるけど、久し振りだからねアラタ君?」

 

学園長の言葉に「え?」言葉を漏らしたアラタは、頭を上げて学園長を見る。瞬間、アラタは声を上げていた。

 

 

「せ、せせ先生?」

 

アラタの反応に「はははっ!」と笑いながら、

 

「いや~、3年ぶりだね。アラタ君」

 

なんと、ビブリア学園長は3年前にゴルゴムとの闘いの最中に出会い。自分を鍛えくれた恩師だった。




今回は、レヴィを出すところまで書こうと思ったのですが、前回の更新から1ヶ月も経過していることと、読者の皆様を待たせるわけにはいかないと考えた結果。ビブリア学園長との再開までとしました。レヴィの登場を心待ちにしていた方は次回までお待ち頂くと嬉しいです。

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