元英雄が紡ぐ物語   作:因幡の黒兎。

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Eveさんがついに新しい曲を公開しましたね!『ラストダンス』、また格好いい曲ですよねぇ~✨


サブタイトルの意味は最後の方で…解るかなぁ? 正直最後の方が納得出来てないんで、大幅修正があるかもしれません。


ついでみたいで嫌ですが、五万UA突破しました! こんな駄文を読んでいただき有り難うございます!

更についで見たいで凄く嫌ですが、タクミスター様。高評価ありがとうございます!


歯車は声を上げて狂ったようだ。

「…さー……あ…………い…」

 

 

なんか…聞こえる………

 

 

「あお……さーん……? おk……くだ………」

 

 

…あー、なんと無くわかってきた。

 

 

シル「アオイさーん? 起きてくださーい!」

 

 

さっきまでのが夢。現実はこっちだ…

 

 

アオイ「はいはーい。おじさんは起きましたよー…」

 

 

帽子を取ると、眩しい中で()()()()()皆の顔が目に写った。

 

 

アオイ「おろ? なんで皆、苦しそうなん?」

 

シル「あの、アオイさん…」

 

アーニャ「まさか気付いて無いにゃ…?」

 

アオイ「え、何が?」

 

リュー「…ご自分の目元に触れたらわかりますよ」

 

 

言われた通りに目元に触れてみる。……濡れてる?

 

ありゃりゃ。もしかしなくても俺、泣いてたっぽいな…。

 

 

ルノア「何かあったの…?」

 

クロエ「アオイが泣くニャんて、明日は槍の雨でも降るのかニャぁ?」

 

アオイ「そんなヤベェ事にはならねぇから。……懐かしくて、現実と間違う程にリアルな夢を見てただけだよ」

 

 

目元を服の裾で拭い、何時ものようにとにぃっと笑う。

 

それが彼女達には心苦しい事だと気付けずに…

 

 

アオイ「なんかしんみりしちまったが、今からデートなんだぜ? 楽しもうかね…」

 

 

なんか……気不味いです…。原因は俺ですがね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「あー、身体痛てぇ…」

 

アーニャ「大丈夫にゃ?」

 

アオイ「だいじょーぶ。でも…椅子に座って寝るのは今後控えるかな…」

 

 

首を回しながら、北のメインストリートを歩く。

 

全員美形、それも男一人に女五人。眼を惹かない訳がなく、周りの皆は彼等に視線を集めた。

 

 

 

―おい、あの集団…

 

―すんげぇ美人揃いじゃねぇか…! …って、あの野郎…

 

―あの男…。上玉侍らせてやがって…死ね!

 

―と言うか、あの子達って…豊穣の…?

 

―まっ、マジか!?

 

―なんであんな野郎と一緒に!?

 

―なっ、シルちゃんにリューちゃん!? 僕が求婚した時はバッサリ断ったのに…!

 

―ドンマイ、どこぞの男神

 

 

 

周りうるせぇ。ぶっ殺してぇ…。

 

 

アオイ「はぁ…」

 

 

口元を、真っ赤なマフラーで隠す。帽子が揺れて缶バッチがカランっと音を立てた。

 

 

 

―あの子…

 

―えぇ…

 

―漂うイケメン臭が半端無い!!!×不特定多数

 

―あの子達、良いなぁ~

 

―まぁ、本当にイケメンかどうかはわからないけどね~

 

 

 

そんな事を言っていた時、神のイタズラが起きた。

 

 

アオイ「っと…!」

 

 

突風がアオイの被っていた帽子を取った。

 

 

 

―…えっ、マジで…?

 

―超イケメンじゃん!!!

 

 

 

…うるせぇ。

 

 

アオイ「ほんと、視線がうぜぇったらありゃしねぇ…」

 

 

地面に落ちる前にキャッチした帽子を被り直し、またため息…。

 

 

アオイ「やっぱり祭りだと人多いし、こうなるのも予想出来た筈なのに…」

 

 

視線を彼女達に向ける。

 

ただでさえ美人、しかもおめかしまでしてる。視線を集めない訳が無い…。

 

 

アオイ「…まぁ良いや。ここで本気の殺気を放てば…」

 

シル「駄目ですよ!?」

 

アオイ「なんで?」

 

クロエ「前の事、忘れたのニャ?」

 

アオイ「前の事って?」

 

リュー「前にこう言う時があったじゃ無いですか。その時にそう言って殺気を放ったせいで何十人が気絶したと思ってるんですか…」

 

ルノア「そう言う事もあったわねぇ…」

 

アオイ「でも、雑魚共を蹴散らすには一番手っ取り早いじゃん?」

 

皆『駄目!』

 

アオイ「へーい。」

 

 

端から見ればイチャついているようで、男達の不満が何十倍にも膨れ上がっていく。

 

 

シル「……あっ、そうだ♪ アオイさん!」

 

アオイ「ん?」

 

シル「手を出してください!」

 

アオイ「? まぁ、良いが…」

 

 

シルは右側に居るので、右手を差し出す。

 

するとシルは、嬉しそうにしてからその手を自分の指に絡ませた。

 

 

シル「恋人繋ぎですよ~♪」

 

アオイ「可愛いんだけどさぁ…」

 

 

嫉妬が強くなったよー? しかも、今回はリュー達も不満そうにしてるぞ…?

 

 

アオイ「と言うか…」

 

 

遠くのカフェの二階、こちらに向けられる視線が二つ程…。

 

 

アオイ「取り敢えずこっから逃げんぞ。このままじゃ面倒事に巻き込まれそうだ」

 

 

シルの手はそのままに、俺達は路地に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

フレイヤ「やっぱり気付いちゃうわよね…。ふふっ…」

 

 

楽しそうに、でも少し寂しそうに微笑むフレイヤ。

 

 

???「…えぇ加減話をしたいんやが?」

 

フレイヤ「そうね。ここに呼び出した訳、聞かせて貰っても良いかしら? ロキ?」

 

 

先程の視線は、フレイヤ。そして、ロキの付き添いで来ていた女剣士のものだった。

 

 

ロキ「惚けんで良い。…何時からしっとったんや?」

 

フレイヤ「…アオイの事かしら?」

 

ロキ「以外おんのんか?」

 

フレイヤ「それもそうね」

 

ロキ「…アオイは、あの時に死んだ筈やろ…。生きおったのもやが、なんで若返っとんや…」

 

フレイヤ「…私も詳しくは知らないのよ…」

 

ロキ「………嘘や無いみたいやな」

 

フレイヤ「私が再会したのは数ヶ月程前、シルが見つけたのを聞いて会いに行ったのよ」

 

ロキ「シルが…?」

 

フレイヤ「えぇ。話によると、雪に埋もれていたらしくて…」

 

 

その時にはもう瀕死の状態。身体中がアオイと誰かの血で真っ赤に塗りたくられていた。

 

 

アイズ「………」

 

 

アイズは最近、アオイ・アカツキの事ばかり調べていた。

 

曰く、二本の大剣を振り回して暴れる【狂戦士(バーサーカー)】だった。

 

曰く、レベル1の時、冒険者になって1ヶ月でゴライアスを単独撃破している。

 

曰く、【魔王(サタナス)】の二つ名通りの暴れるような戦い方だった。

 

曰く、海の覇王を一撃で倒した。

 

曰く、神々と精霊達に愛された『豊饒』を運ぶ者だった。

 

 

曰く、その生きざまは【英雄(イロアス)】その物だった。

 

 

曰く、陸の王者を倒したが、死ぬ間際にかけられた呪詛(カース)で命を落とした。

 

 

最近はリヴェリアやフィン、ガレスにアオイの事ばかり聞いていた。

 

フィンにとってはライバルのようで、親友のような相手。

 

ガレスにとってもライバル。そして、互いを高め合う良き友人。

 

リヴェリアにとっては魔法の師のような存在で、叶わぬ恋の相手。

 

 

三人とも、懐かしそうに。そして悲しそうに、悔しそうに語ってくれた。

 

 

フレイヤ「知っている事と言えば、ゼウスとヘラが死んだアオイに蘇生と呪いを掛けたって事くらいかしら…」

 

ロキ「呪いやて?」

 

フレイヤ「呪いの効果はしらないわ。でも、とても苦しい物らしいわよ」

 

 

何かを隠す様な話し方、少しロキは気にしたがその疑問は直ぐに頭の中から消えた。

 

 

ロキ「何やそれ…。ちゅうか、あの変態ジジイと嫉妬ババアはどうしてそんな呪いなんか掛けやんや…?」

 

 

ゼウスもヘラも、アオイの事を本当の孫のように思い、大切に育ててきた。

 

それなのに、なぜ…? そもそも呪いとは何なのだろうか。

 

 

アイズ「あ、あの…」

 

フレイヤ「どうしたのかしら? 【剣姫】?」

 

アイズ「アオイさんって…その……」

 

フレイヤ「?」

 

アイズ「強いですか…?」

 

 

そう聞くと、フレイヤは面白おかしそうに笑った。

 

 

フレイヤ「三日前、間近でみたでのでしょ?」

 

アイズ「そっ、そうですが…」

 

フレイヤ「…アオイは、とっても強いわよ? それこそ、オッタルを片手だけで倒してるんだから」

 

アイズ、ロキ「!?」

 

ロキ「本当なんか!?」

 

フレイヤ「目の前で見てたわよ。あの鎌を片手に…まさに、瞬殺だったわ」

 

 

少し懐かしそうに、なぜか頬を赤らめて微笑むフレイヤ。

 

同姓であるアイズでも見惚れる程に美しい、まさに女神と言った微笑みだった。

 

 

アイズ「………」

 

フレイヤ「もしかして貴女……アオイに惚れたのかしら?」

 

アイズ「ッ!?///」

 

 

明らかに動揺した。アイズはわからないが、何も心臓が跳ねたような気がした。

 

 

フレイヤ「…でも、貴女にはまだ恋とか愛とかは早いかも知れ無いわね」

 

アイズ「………」

 

 

そう。アイズには、戦いと強さしか興味が無い……筈だった。

 

だからアオイの事を知りたいと言った時、リヴェリアやフィン達は驚いた。

 

アイズはアオイの強さを知りたい。だが、何か胸の内にはそれとは違う何かがある。

それは本人も自覚している。

 

 

ロキ「まぁ、アオイにだったらわからないでも無いわ…」

 

フレイヤ「【人形姫】とまで言われている子が、ここまで反応するなんて…。流石は私のアオイ(ご主人様)ね♪」

 

ロキ「ちょっと待ぃや! 今ルビがおかしかったように見えたで!?」

 

フレイヤ「そう言う()()も、メタいわよ?」

 

ロキ「貴方ってなんや! 普通、貴女やろ!?」

 

 

アイズはわからないと首を傾げる。二柱の女神は言い争いを止めて、そんな彼女へとに慈愛の笑みを浮かべた。

 

 

理由は、何時もは白い筈の彼女の頬がほんのりと桜色に染まっていたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「ここまで来ればだいじょーぶだろ」

 

シル「ですね♪」

 

リュー「あの…シル…?」

 

シル「なに?」

 

アーニャ「何時まで手繋いでるつもりにゃ!」

 

 

あっ、忘れてた。

 

 

アオイ「ごめん、シル」

 

 

指を絡めていた手を放し、一切悪くは無いが謝る。

 

 

シル「別に繋いだままで良かったんですけどね…」

 

アオイ「あはは。あのままじゃ俺、多分つねられてたし」

 

シル「?」

 

 

気付いて無かったのか? 俺の横腹にはクロエの手が添えられてたんだぞ?

 

 

アオイ「流石は元暗殺者。気配遮断はお手の物って事か」

 

クロエ「だてに【黒猫】やってないニャ」

 

アオイ「だね」

 

 

取り敢えず歩こうか。と、歩き出す。

 

そんな時だった。

 

 

アオイ「うぃッ!?」

 

 

地面に落ちていた空き缶を踏み、体勢を崩した。

 

なんでこんな所に空き缶がッ!?

 

そのまま、シルの方へと倒れ………

 

 

シル「きゃっ!」

 

 

痛みと一緒に視界が暗転した。

 

ちょっ! なんか息が出来ない…! と言うか何かが口元を塞いでる!?

 

 

シル「ぁっ…!///」

 

リュー「アオイ!?」

 

クロエ「外で何してるニャ!?」

 

ルノア「は…破廉恥な…」

 

アーニャ「アオイはやっぱり変態にゃ!」

 

 

なんか色々言われてるけど今ってどう言う状況!? と言うか精神ダメージヤベェな…。

 

起き上がろうと顔を上げようとするのだが、何かが乗っているせいで起き上がれない。

 

あれ…? この匂いって…

 

 

シル「あッ……動くの……んッ…だめ…ぁん!///」

 

 

これって、もしかして………。

 

 

大方予想は出来ていただろう。主人公補正と書いて、主人公補正(ラッキースケベ)と読むと言っても過言では無いほどに、大抵のハーレム物では出てくるお約束だ。

 

 

何が言いたいのか…それは、アオイは倒れる時にシルのスカートの中に顔を突っ込んだのだ。

 

 

アオイ「ふふぁひふりだま~…ほほいふの…(《訳》久しぶりだな~…こう言うの…)」

 

 

アオイが叩かれた事は言わずともわかるだろう。

 

ビンタを頬に食い込まされた際に、アホ毛が痺れましたぁ! と言わんばかりにギザギザと形を変えたのだが、一瞬の事だったので誰も気付かなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

場所変わって【ガネーシャ・ファミリア】のホーム、『アイアム・ガネーシャ』の闘技場。

 

 

???「すごい盛り上がりですね~!」

 

ティオネ「レフィーヤはここに来るの、初めてだったかしら?」

 

レフィーヤ「はい! この日は毎回予定に何故かリヴェリア様との魔法の勉強が入ってて…」

 

ティオナ「大変だったんだねぇ~、よしよ~し」

 

レフィーヤ「ティオナさん、恥ずかしいです…///」

 

 

年に一度の大祭り、怪物祭(モンスター・フィリヤ)

 

そして、怪物祭のメインイベント。それがモンスターを公開調教(テイム)すると言うものだ。

 

今、鞭使いの男によってミノタウロスが調教され、男の前で座り込んだ。

 

同時に地面が裂けるように感じる程に大きな歓声が辺りに立ち込めた。

 

 

レフィーヤ「耳が…!」

 

ティオナ「うるさーい!」

 

ティオネ「何が面白いんだか…」

 

 

なら何故来たんだ…? と、ティオネの声を聞いた極少数は思った。

 

 

ティオネ「次はどんなモンスターが出てくるのかしら?」

 

レフィーヤ「次は……インファイト・ドラゴンってパンフレットに書いてあります」

 

ティオネ「良くあんな巨体を連れて来たわね…」

 

ティオナ「うぅ…まだ耳がキーンってするぅ…」

 

 

そんなティオナに追い討ちと言わんばかりに、檻に入っているインファイト・ドラゴンを見た観客達は歓声を上げた。

 

 

だが、会場の冒険者達の数人はおかしいと思った。

 

 

ティオナ「あれ~? 何でインファイト・ドラゴンの色が赤いの?」

 

 

インファイト・ドラゴンは黄色の巨体。

 

なのに、ここに居るのは椿のように紅く、一回り大きな――

 

 

 

 

『ギャアァァァアァッァアアンンンッッッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ――()()()だった。

 

 

 




原作だと、フレイヤがモンスター逃がすじゃ無いですか? でも今回は、強化種さんに(噛ませ犬として)頑張って貰おうかと思いまして。

最後に叫んで貰ったし。(まぁ、元英雄に勝てる訳無いけどww)


だから“歯車は声を上げて狂ったようだ”と。…強引ですよね、すみません。

結局デートシーンは殆ど出せないみたいです。


それでは、また来週~(*゚ー゚)ノ

ハロウィンのSS出来なかったし、クリスマスと正月はSS作ろっかな…?

まぁ、その前にSS(クロエ&ルノア編)後編やるけどね!
そうなると、今週はSS二つかぁ。頑張ろ。
クリスマスのSSは、24日の23時59分投稿(予定。時間微妙でごめんね? 指定があれば、その時間に投稿するかもです)

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