元英雄が紡ぐ物語   作:因幡の黒兎。

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indigo la Endの『夜汽車は走る』と『さよならベル』の往復って、控え目に言って最高ですよね。ね?(^ω^)

たまに『雫に恋して』を挟むのを…控え目に言っても最高ですよね? ねぇ?(^言^)


後…今回、ちょっとアオイともう一人がキャラ崩壊します。

…先に謝ります。ごめんなさい。




二人は共に笑い踊る

アオイ「俺は悪く無いのに…」

 

ルノア「完全にアウトよ!」

 

シル「ぅー…///」

 

 

確かに俺も…いやいやいや。完全に俺は悪く無いって! そもそも、何であんな所に空き缶が落ちてたんだよ。

 

 

アオイ「あんなラッキースケベ、数十年以来だぞ」

 

リュー「数十年前にもあんな事が?」

 

アオイ「あ、あははー…。()()()の影響でな…」

 

 

俺もあの時は若かったんだよ。

 

『ラッキースケベは英雄には必然じゃ!』とか言われて、スキルに【ラッキースケベ率超上昇】って言うふざけた効果が出たんだっけ?

 

 

アオイ「…あ?」

 

アーニャ「どうしたニャ?」

 

アオイ「なんかの叫び声が聞こえた様な気がしたんだが…」

 

クロエ「聞こえたかにゃ?」

 

リュー「いえ、私は何も聞いてないですが…」

 

アオイ「気のせいか…?」

 

 

でも、何か嫌な予感がしたんだがな。

 

 

アーニャ「今日も平和ニャ~」

 

アオイ「何でフラグ建てるかなぁ…!」

 

 

そんなツッコミは爆発音で掻き消された。

 

フラグ回収乙~! と、言わんばかりにアホ毛の形が旗の形になって靡いて居た。

 

 

シル「なにが…!?」

 

 

地鳴りでよろめくシルを支えながら、爆発が起きたであろう【ガネーシャ・ファミリア】ホームの方を見つめる。

 

 

アオイ「うわぁ…アーニャ。責任取れよ?」

 

アーニャ「なっ、何がニャ…?」

 

アオイ「【ガネーシャ・ファミリア】の所で煙が上がってる。何かあったんだろうねぇ~」

 

シル「そんなあっさりしてるんですか!?」

 

アオイ「…あれ、これって不味くね…?」

 

クロエ「どうかしたかにゃ?」

 

アオイ「マップ見て分かったんだけど、モンスターが街に出て暴れてるっぽい」

 

皆『えぇっ!?』

 

 

あ、何かが燃えて居るのが分かる。有害ガスの嫌な臭いだ。

 

 

アオイ「これって、なんとかした方が良いよな…」

 

 

ポケットの中に手を入れ、ストラップ形態の鎌を取り出す。

 

 

アオイ「なぁ…」

 

シル「行きたいんですよね?」

 

アーニャ「まぁ、仕方無いニャ」

 

クロエ「放って置けないのはアオイの良い所にゃ」

 

ルノア「暴れすぎには気を付けなさいよ?」

 

アオイ「俺は暴れん坊じゃ無い…よ…?」

 

 

あれぇ、俺の最初の二つ名って【凶戦士(バーサーカー)】じゃ無かったっけぇ?

 

 

リュー「アオイ、暴れ過ぎは駄目ですよ?」

 

アオイ「自重するよ。…多分だけど」

 

リュー「ふふっ…。アオイらしいですね」

 

 

リューがマフラーを整えてくれる。やはり良い匂いがするのでこの年でもドキドキしてしまうのだが、それはもう仕方無い事だと思う。

 

 

リュー「相当な事が無い限り、大丈夫だと思いますが…お気を付けて」

 

アオイ「了解。この埋め合わせは今度するから、皆は店に戻っといてね?」

 

 

鎌を担ぎ、アオイは飛び上がった。

 

ここら辺の屋根は滑りやすいから気を付けないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「よいせ…っと!」

 

 

ダンジョン・リザードの群れを凪ぎ払う様に斬り裂く。

 

 

アオイ「やっぱり、ガネーシャの所で事故ったみたいだな」

 

 

だが、どうやってモンスターはガネーシャの所から逃げてきた? 相当硬い檻に閉じ込められているはずなのに。

 

 

アオイ「とりあえず今は、殺す事だけを考えようかね」

 

 

悲鳴を聞くと、過去の自分を思い出してしまう。頭の端に追いやったとしてもすぐに戻って来てしまう、あの風景。

 

きっと忘れる事は無いだろう。皆からの称える声や声援を…

 

 

アオイ「ウザってぇなぁ!!!」

 

 

もう聞く事は出来ない、仲間達の声を。

 

 

「ブモォオォォォ!!!」

 

アオイ「え、ミノたんまで居るの?」

 

 

ここは街だ。恩恵を持っていない普通の人だって居る。そんな人々が、推奨レベル2のミノタウロスに襲われれでもすれば…

 

ミノタウロスは、逃げ遅れた人を見ていた。

 

 

アオイ「あ゛ぁ、畜生がッ!」

 

 

地面を蹴るのと同時に鎌を降り下ろす。

 

 

「ブモッ…

 

 

そんな声が聞こえた途端、ミノタウロスの身体はズレる様に二つに別れた。

 

 

アオイ「牛が意気がってんじゃねぇよ」

 

 

振り返ると灰と二つに裂かれた魔石だけが残っていた。

 

 

「あ、あの…」

 

アオイ「ん?」

 

 

次の敵を見つけ、走ろうとした瞬間に声が掛けられる。

 

 

アオイ「どうしかしたか?」

 

「えっと…助けて頂き有り難う御座いました…!」

 

 

ありがとう…か。

 

 

アオイ「…そう思うなら早く逃げろ。あと、膝はギルドで治して貰え」

 

 

指差す女性の膝は擦りむけて血が垂れていた。

 

 

アオイ「悪いが俺はもう行くから」

 

 

鎌を構え直して走る。

 

過去を思い出して、アオイは気分が悪くなっていた。

 

 

アオイ「次はどいつだア゛ァ゛!?」

 

 

結局、守れなかった。自分のせいで全て失ったのだから。

 

『アオイ、そこの路地を曲がって左にフロッグ・シューターが居るよ!』

 

 

アオイ「わかった!」

 

 

体勢を無理やり45度曲げ、路地の壁を蹴って左に跳ぶ。

 

 

だが、そこには蛙のモンスターは居なかった。

 

代わりに…

 

 

アオイ「ヴァレン某…」

 

アイズ「あ…」

 

 

金の髪を靡かせる、()()()()()()()()()()()()人形姫が立っていた。

 

 

アオイ「先越されたっぽいな」

 

 

『そうだね…』

 

まさか解ってて誘導したのか?

 

『ぐ、偶然だよ…』

 

…そう言う事にしといてやる。良い物も見れたしな。

 

 

アイズ「あ、あの…」

 

アオイ「なんだ?」

 

アイズ「あの時は…ごめんなさい…」

 

アオイ「あの時?」

 

アイズ「引き留めちゃって…」

 

 

あぁ、あの時(キレた時)の事か。

 

 

アオイ「別に良いさ。ベルくんは無事だったし」

 

 

さて、とっとと此処から離れるとしますかね。面倒事に巻き込まれるのは嫌だしな。

 

 

アオイ「それじゃ、俺は殲滅に戻るから」

 

 

踵を返し、全速ダッシュで逃げようとするのだが…

 

 

アイズ「待って…!」

 

 

逃げれませんでしたと。うむ、どうしようか。

 

 

アオイ「ナンデスカ?」

 

アイズ「えっ…あの…」

 

 

また何も考えずに止めたんかい。と言うか、意外と捕まれてる腕が痛いんですが。

 

 

アオイ「…話があるなら、モンスターを倒しながらにしてくれ。俺、誰かの悲鳴を聞くのが嫌いなんだ」

 

アイズ「うん…!」

 

 

彼女は可憐な花咲く様な浮かべる。その笑みは、人形姫とまで呼ばれる少女の物とは思えない物だ。

 

やっぱり、似てる。この子は表情が乏しいけど、雰囲気は本当に良く似ている。

 

 

アオイ「えーッと、ヴァレン某?」

 

アイズ「…アイズ…です」

 

アオイ「おーけー、アイズ。で、聞きたい事って?」

 

アイズ「本当に…【英雄(イロアス)】…なんですか?」

 

アオイ「今ではその面影も無いけどな」

 

アイズ「…でも、死んじゃったって…リヴェリアが…」

 

アオイ「うん。俺は一度()()()()よ~」

 

アイズ「えっ…?」

 

 

話して居るが、しっかりとモンスター殲滅中である。

 

 

アオイ「アイズ、そこ」

 

アイズ「ん…」

 

 

指差した先にはウォーシャドウ。即アイズが斬り捨てた。

 

 

アオイ「流石はオラリオ一の剣士。太刀筋が力強いな」

 

 

アイズは褒められたのが嬉しかったのか、少しだけ頬を赤に染めてモジモジとする。

 

ほんと、何処まで似てるんだか…。

 

 

アオイ「…アイズ。次行くよ」

 

アイズ「うん…」

 

 

俺が走り出すと、その後ろをついてくる。

 

この速度でもついて来れてるし、ちゃんとレベル5なんだな。何処かで見た様な気がする雑魚狼もレベル5? その嘘、面白くないよ?

 

 

アイズ「嘘じゃ、無い…よ?」

 

アオイ「えっ!?」

 

 

あいつ、本当にレベル5なのか!? って、今俺…声に出してたか…?

 

あれぇ? 俺、口を動かした覚えが無いぞぉ?

 

 

アオイ「…今、声に出てた?」

 

アイズ「…何となく、言っただけ…」

 

アオイ「そ…そっすか」

 

 

何となくで心を読まれちゃったよ。あはは、笑えない。と言うか怖い。

 

 

アイズ「…ねぇ、アオイ…さん」

 

アオイ「“さん”は付けなくて良いよ」

 

アイズ「なら、アオイ…」

 

アオイ「はいはい?」

 

アイズ「…アオイは、どうして自分を強くないって言うの?」

 

アオイ「…だって、本当の事だろ? 俺は強くない」

 

アイズ「強い、よ…」

 

アオイ「そう言ってくれるのは嬉しいんだが、俺はそう思えない。…所詮、自身しか守る事の出来なかったちっぽけな力だ…」

 

 

アイズが見たアオイの横顔は悲しみに満ちていた。まるで、自分の過去の姿の様だと。アイズはそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「うん。街に出てるモンスターは粗方片付いたな」

 

アイズ「なんで…わかるの?」

 

アオイ「スキルで一目瞭然だぜッ✨」

 

アイズ「アオイ、凄い…!」

 

アオイ「ふっふっふ~ん、もっと褒めても良いのだよ?」

 

 

共同戦線開始から十数分。二人は意外にも共通点(戦闘狂、強くなりたいetc…)があり、すぐに仲良くなっていた。

 

 

アオイ「…あ、なんか強いの居るみたいだな」

 

アイズ「強い…?」

 

アオイ「でも、俺も戦った事のない敵みたいだ。『未登録』って出てる」

 

 

スキル『操作画面(メニュー)』は幾つかの機能が使える。地図(マップ)能力確認(ステータスチェック)収納(ストレージ)等の便利な機能だ。

 

その中の一つに、図鑑(ピクチャーブック)と言う物がある。

 

一度見た事のある動物や植物、モンスター等の情報を瞬時に解析し簡略化した説明が画像と共に確認出来ると言う便利過ぎる機能。

 

 

アオイ「この中に居ないモンスターって事は、強化種…かな?」

 

 

違う固体(モンスター)の魔石を摂取するとモンスターにもステータス更新の様に能力に変化が起きる事がある。そして変化したモンスターが強化種と呼ばれる。

 

 

アオイ「手応えあると良いんだけどなぁ~」

 

アイズ「アオイが戦う…?」

 

アオイ「良いか?」

 

アイズ「…うん」

 

 

今の間はなんだ? やっぱり戦いたいとか?

 

そんな事を考えながら、無駄に大きなガネーシャの像の又の下を通って闘技場に入る。

 

…後でガネーシャ像はぶっ壊すか。あのドヤ顔っぽい感じ、嫌いだし。

 

 

アオイ「うはぁ~、酷く荒らされてんな。ったく、ガネーシャやシャクティは何してんだ?」

 

 

崩れた壁、観客席の辺りも燃やされた様な跡が残っている。血の臭いはするが、腐敗臭はしないので死人は居ないのだろう。

 

 

アオイ「ふむふむ…」

 

 

鎌を肩に担いで耳を澄ます。…何かの足音が聞こえる。まるで()()()()()()()()様に屯している…?

 

アイズと共に足音を消して、息を殺してモンスターが居るであろう場所に向かって歩く。

 

崩れかけの壁から除き込む形でアリーナを見ると…

 

 

アイズ「…インファイト・ドラゴン?」

 

アオイ「姿形はな。けど…おかしいな」

 

アイズ「何が…?」

 

アオイ「インファイト・ドラゴンの強化種って()の筈だろ?」

 

アイズ「…確かに…」

 

 

インファイト・ドラゴン、11~12階層に出現する希少固体(レアモンスター)迷宮の孤王(モンスターレックス)が居ない上層では、事実上の階層主だと言えるだろう。

 

そして、インファイト・ドラゴンが強化種として確認された事例は両手で数えられる程。その全ての発見事例での姿は、()()()()として確認されている。

 

 

アオイ「…なぁ、アイズ」

 

アイズ「…何?」

 

アオイ「聞いた事も見た事も無いし、これはもしもの話だぜ?」

 

アイズ「うん」

 

アオイ「…強化種って、()()強化出来るのかな?」

 

アイズ「…わかんない…」

 

アオイ「…だよねー」

 

 

俺達が今見ているインファイト・ドラゴンは椿を思わせる様な紅色。

 

 

アオイ「…確か、インファイト・ドラゴンの強化種の推奨レベルは4だったよな」

 

アイズ「うん…」

 

アオイ「それが強化されたと考えれば…」

 

アイズ「…レベル5、くらい?」

 

 

…いや、MA・ZI・DE?

 

推奨レベル4以上って考えるべき。それって…

 

 

アイズ「地上に居たら…危険…」

 

アオイ「…危険どころじゃ無くねぇか?」

 

 

はぁ…と、アオイは大きな溜め息を吐いた。

 

 

アオイ「普通強化種になると推奨レベルが2上がるんだよな…」

 

アイズ「…レベル6?」

 

 

わぉ、こりゃ困ったなぁ。

 

 

アオイ「アイズって、レベル5だっけ?」

 

アイズ「うん…」

 

アオイ「…やべぇな」

 

アイズ「…うん」

 

 

スペックはともあれ、普通に迷宮の孤王(モンスターレックス)並、と言うかウダイオスと同じレベルって事?

 

えぇ!? 街中に放って良い様なモンスターじゃないよ! と言うかよくここ(地上)まで運んで来たなぁ、おい! シャクティは本当に何してんだよ!!!

 

 

アオイ「アイズ、やっぱし手伝ってくれ」

 

アイズ「…一人で戦わ無い、の?」

 

アオイ「戦いたいんだろ?」

 

アイズ「…」

 

アオイ「ならやっぱり俺一人で行こっかなぁ~」

 

 

鎌を肩に担いで歩き出すと…

 

 

アイズ「待って…!」

 

 

アイズが慌てて立ち上がる。その際に手を繋がれたのだが、アイズ本人は気付いて居ないようだ。

 

 

アオイ「静かに。まだあの野郎は気付いて無いみたいだから、後ろから一緒に先制攻撃喰らわすぞ」

 

アイズ「ん…わかった」

 

 

そして、剣に手を掛ける為に手を放す。が、何かに気付いた様に固まった。

 

 

アオイ「…アイズ?」

 

アイズ「…あっ、なっ、何…!?///」

 

アオイ「固まってどうした? 早く不意討ち決めに行くぞ」

 

アイズ「う、うん…///」

 

 

また慌てて、アイズは剣を抜く。

 

うわぃ危ない!?

 

勢い付けて剣を抜いたせいでアオイを斬りかけた。あと一秒気付くのが遅れていたら、頬に大きな傷が残っていた事だろう。

 

 

アイズ「ご、ごめん…なさい…」

 

アオイ「無傷だから大丈夫だけど、危ないから気を付けてね?」

 

アイズ「うん…」

 

 

あと、さっきから可愛らしいお顔が真っ赤なんだが何かあったのか? と言っても、ずっと一緒に居たし何かあったら俺もわかるはず…

 

アイズは何故か、アオイの手をチラチラと見ては赤くなっている。

 

あ、もしかして~?

 

 

アオイ「…手、もう一度繋ぐ?」

 

アイズ「―――ッ!?///」

 

 

爆発するのではないかと不安に成る程、更に顔を真っ赤に染めてアイズは勢い良く首を横に振った。

 

やはり、手を掴んでいた事に今更気付いて恥ずかしくなっていたのだろう。

 

 

アオイ「ククッ…可愛いな」

 

アイズ「ぅ…/////」

 

 

頭から湯気が出ている様に見える。…錯覚である事を祈る。

 

 

アオイ「…あっ」

 

アイズ「? どう、したの?」

 

アオイ「…気付かれちゃったっ♪」

 

アイズ「…えっ…?」

 

 

アイズが振り返ると、此方を凝視して涎を滴ながら唸っている紅い小竜が居た。

 

 

アイズ「…あっ」

 

アオイ「速攻決着付けよう。…彼奴はヤバい気がする」

 

アイズ「ん、わかった…!」

 

 

アオイは腰のポーチから青い液体の入った瓶を取りだし駆け出す。

それと同時にアイズも真正面からインファイト・ドラゴンに立ち向かう。

 

 

「ギャアアァァアアァァァンンンッ!!!」

 

アオイ「まずはその五月蝿い口から…なッ!」

 

 

青い瓶を口に投げ込む。

 

『ボンッ!』

 

 

「ギィイィィィイィ!?!?」

 

アオイ「オリジナルの火炎瓶。お味は如何で?」

 

アイズ「せぃ…!」

 

 

口元を地面に擦って痛そうにしている小竜の瞳にアイズが剣を突き立て、血潮が辺りに撒き散らされる。

 

 

「―――ッッッ!!!!」

 

アオイ「残ね~ん。舌も喉も燃え爛れてるだろうから、叫べないよぉ~?」

 

 

残虐的な笑みを浮かべて、鎌を掛けた竜の首を斬り裂く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声が出せないまま、荒れ狂う紅い小竜。

 

攻めるは二人の冒険者。

 

血は彼等の姿を引き立てる為にと舞い、辺りを紅に染め上げる。

 

 

アオイ「ククッ…!」

 

アイズ「…ふふっ…!」

 

 

ここで二人は踊る。

 

血の臭いに興奮し、動悸を荒くして、声を上げて踊る。

 

この二人は今、殺す事を快楽と受け取り、楽しんでいる(殺している)

 

 

アオイ「…何でだろう、楽しいんだけど!」

 

アイズ「私も…楽しい…!」

 

 

狂ったように笑う。

 

笑う、笑う。

 

いや、元から狂っているのだろう。

 

無意識に狩人は、哀れな小竜を殺さないように態と急所を外し、苦しめる様に無数の線を刻む。

 

鱗が剥がれ、牙を折られ、肉を抉られ…

 

 

「―ッ! ―――!!!」

 

 

助けを求めたい。

 

でも出来ない。

 

何せ、喉が無いのだから。

 

何せ、舌が無いのだから。

 

何せ、口が無いのだから。

 

何せ、声を出そうものなら二人の狩人(悪魔)がその口を斬り裂くのだから。

 

 

 

「ククッ…アハッ…アハハハハハハハハッ!!!!!」

 

 

 

一体どちらの声だっただろうか?

 

もしかしたら、二人の声が重なっているのかもしれない。

 

 

だがもう、確認は出来ないだろう。

 

 

立つ為の脚が無いのだから。見る眼が無いのだから。

 

 

悪魔達は笑う。

 

 

 

アオイ「もっと足掻いて――」

 

 

 

口を三日月の様に引き裂いて。

 

 

 

アイズ「――苦しんで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   小竜は声に出せずに鳴き、泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

それを見て、二人(狩人)は共に狂喜な笑みを浮かべてくるりひらりと踊った。

 

 

 

 

 

 

くるり、くるり

 

 

 

 

 

 

ひらり、ひらり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   くるくるり、ひらひらり

 

 

 

 




おーっと、ここでアイズのキャラ崩壊が決まったぁーッ! 狂っているのはアオイだけで十分だったのにぃー!

…は~い、やっ☆ちゃっ☆たwww


アイズファンの皆様、あとベルくん。本当にごめんなさい。

二人の戦闘狂感を出したかったんです。でも、実際は狂戦士でした…と。


で、では…また来週…あ、来年か…(o´・ω・`o)ノ


…ほんと、やっちまったぜ。


~追記~

明日のSSはお休みと言う事で。だって、正月だし? 正月のSSを書くんで! …書くなら休みじゃ無いんじゃ…?

あ、そんなのどうでも良い?
こりゃ失礼しますた( ノ;_ _)ノ

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