刃羅達が仮免試験に向けて、気合を入れている時。
もちろん他の者達も次に向けて動いていた。
『なるほど。では現在、敵連合は分散していると』
「うむ。捜査かく乱と新しい同志を探す、が名目だ」
鎧関は隠れ家でドクトラと連絡を取っていた。
「おいどんはこのままでいいのか?」
『死柄木達は何と?疑われたりは?』
「疑われてはいるだろうがな。オール・フォー・ワンの逮捕とステインとの敵対でおいどんだけではなく、荼毘やトガ嬢なども敵連合にこのままいるか怪しいからな。戦力低下を避けたいならば、それどころではないというのが実際の所だろう」
『ふむ。確かに絶対の後ろ盾がいない今、仲間割れは避けたいでしょうからね』
「うむ。ステインもあれから動きを見せていないだけに、荼毘達もどうするべきか決め切れないという感じだろう」
ステインの意志を継ぐために敵連合に入った荼毘。神野では気絶していたため、ステインのことは見ていないが、死柄木が「先生」と呼んでいたオール・フォー・ワンと戦ったという事実は荼毘にはかなりの衝撃だったようだ。
現在、荼毘は連絡が付かない状態だ。
しかしゴロツキの焼死体が時折発見されていることから、何やら動いてはいるようだ。
『……もうしばらく敵連合にいてください。新しいメンバーなどが増える可能性もあるので』
「分かった」
『もし、疑われて危険だと判断したら貴方の判断で離脱してください』
「うむ」
ドクトラの言葉に頷いて通話を終える。
「ステインがどう動くかだな。それが分かれば荼毘の動きも読めそうなのだが……。まぁ、しばらくはおいどんは大人しくしとくか。目立つからなぁ、おいどん」
鎧関は腕を組んで、とりあえずの方針を決めるのであった。
夜。ある路地裏。
荼毘は気だるげに歩いている。
その先にはゴロツキ達がいた。
「おうおうおうおう!!てめぇかぁ?最近、このへんを荒らしてやがんのはよぉ!!」
「気持ちわりぃ面してんなぁ!!」
「殺されたくなきゃ謝んなぁ!」
「まぁ、100発殴らせてもらうけどな!!」
『ぎゃはははははは!!』
オールマイトの引退以降、今まで怖がっていた連中が集まって行動する者達が増え始めていた。
荼毘はゴロツキ達を無表情で眺めていた。
「……こんな奴らに大義もクソもねぇよな」
「あぁん?」
ゆっくりと右手を上げる荼毘。
それを訝しむゴロツキ達だが、次の瞬間目を見開いて悲鳴を上げる。
『ぎゃああああああ!?』
「てめぇらは敵連合どころか社会ですらいらねぇゴミだ」
青い炎で一瞬で全身燃やされるゴロツキ達。悲鳴もすぐに消えて、地面に倒れ伏す。
それを荼毘は無感動で見下ろす。
「ゴミならせめて、俺の薪になれ」
「やれやれ……派手にやるねぇ」
「!!」
荼毘が立ち去ろうとした時、上から声がかけられる。
バッ!と上を見上げながら構えると、ビルの非常階段の踊り場に灰色コートとハットを被った男がいた。
「……なにもんだ?」
「おやおや……お友達から聞いてないのかい?神野で遊んだんだけどねぇ」
「っ!!……そうか。てめぇらが『ステイン親衛隊』とかほざいてた連中か……」
「そうそう……と言っても、もう解散したけどねぇ。依頼でお供しただけだから」
「……フリーの傭兵とか言う奴か」
「そうそう……で?敵連合さんは何してるんだい?お友達はいないみたいだねぇ」
マガクモの言葉に荼毘は何も答えずに睨みつける。
それにマガクモは肩を竦めて、苦笑する。
「ふむふむ……御頭さんが捕まって動きにくいから個別に逃げ回ってるってとこかな?まぁ、君は逃げてるつもりはないようだけど」
「……ヒーロー殺しはどこだ?」
「やれやれ……残念ながら知らないよ。お供は断られたからねぇ。まぁ、彼がつるむのは弟子の女の子くらいかもね」
「……ちっ……」
荼毘は林間合宿での刃羅の姿を思い出して、舌打ちをする。
マガクモがトン!と地面に降り立つ。
「さてさて……ちょっと取引がしたいんだけどさ。どうだい?」
「取引?」
「そうそう……今の依頼人さんが敵連合の動向が知りたくてねぇ。教えてくれないかい?」
「……そっちは何を出すんだ?」
「ふむふむ……ステインとの取り次ぎ、なんてどうだい?今の依頼人さんはステインと連絡が取れる立場だからねぇ」
「……」
「そうそう……もし情報をくれるなら、ちゃんと敵連合から匿う用意もあるよ?装備や仕事も斡旋するとさ。好条件じゃないかい?」
荼毘を勧誘するマガクモ。
その言葉に黙って考え込んでいる様子の荼毘。
「……悪りぃが今すぐ答えられそうにねぇ」
「ほうほう……」
「オールマイトが引退した。つまり次は……エンデヴァーの野郎がNo.1になる」
「うんうん……だろうね」
「俺は奴がどう変わるかを見届ける。それに合わせてヒーロー殺しの思想への考えも変わるかもしれねぇ」
「やれやれ……若者は変わっていくねぇ」
マガクモは肩を竦めて、ポケットから名刺を取り出して、ピン!と指で弾いて荼毘に飛ばす。
それを受け取った荼毘は名刺を見る。そこには電話番号が記されていた。
「はいはい……気が変わったら、それに連絡して頂戴な。スパイしてくれるだけでもいいし、完全にこっちに来てくれてもいいしね」
「……ふん」
マガクモはビルの上に糸を伸ばして、飛び上がっていく。
それを見送った荼毘も顔を顰めながら、両手をポケットに突っ込んで歩き出す。
人材集めを始めているのは敵連合だけではない。
それを荼毘は理解したのだった。
ドクトラはマガクモの報告を聞いて、ため息を吐く。
「はぁ。そう上手くは行きませんか。やはりブランドは敵連合の方が上。オールマイトを引退に追い込んだのは大きいですよねぇ」
「ステインを広告塔には出来ないものね」
「まぁ、する気もありませんがね。しかし敵連合に人が集まるのは避けたいのも事実」
「大変ですね」
シャフルとストレディが紅茶を飲みながら話し相手になる。
「ステイン様は?」
「しばらくは両方の動向を見守りながらも、粛清を続けるそうです」
「なるほど。まぁ、オールマイトの引退でヒーローもヴィランも動きが活発ですものねぇ」
「それもありますし、刃羅さんが気になっているのでしょう」
ドクトラの言葉にシャフル達は首を傾げる。
「あの子は雄英に戻ったんでしょ?」
「しかもステイン様の依頼だったとか?」
「そうですね。やはり神野での戦いで色々思うことがあったのでしょう。何だかんだで、今一番刃羅さんを理解しているのはステインですから」
「あぁ~、あの子の両親の事は未だにはっきりしたことは分かんないんでしょ?」
「……そうですね。オール・フォー・ワンはタルタロスの中。例のヒーローは刑務所の中でうつ状態で会話不能。そしてヴィランは未だ生死不明。手詰まりですね」
刃羅の話もオール・フォー・ワンの話も正しいと言わせるだけの証拠がないのだ。
「刃羅さんの母君を暴走させたとされるヴィランも行方不明。結局暴走の原因も不明確なままです」
「厄介ねぇ」
「だから刃羅さんも割り切れていないのでしょうね。まぁ、雄英の子達の影響もあるのでしょうが」
「恐らくは」
全員で「はぁ~」と大きくため息を吐く。
「刃羅さんに関してはステイン様も悩んでいるのでしょうね」
「そうねぇ。ヴィランにするのも何か違う気がするし、ヒーローにするには教えた事が邪魔になる……」
「少なくとも今のヒーロー社会には合わないでしょう」
「そうですね。本当の意味でのヒーローにでもならないと、刃羅さんは受け入れられないでしょうねぇ」
「ステイン様は刃羅さんにどうなって欲しいのかが決まらないのですね」
「良くも悪くも師匠になっているのでしょうね」
自身の後を継がせるのも違う。今の社会でヒーローにさせるのも違う。刃羅の境遇を知っているからこそ、刃羅の手を取ったからこそ、自身が手解きしたからこそ、様々な期待をしているのだろう。
ステインの『英雄回帰』を最も理解し、誰よりも追いかけている刃羅。そんな若者に、自身と同じ血に染まるだけの道を歩ませるのは、何かしらの葛藤があるようだ。
「まぁ、私だって『怪盗になりましょう』なんて中々誘えないわねぇ」
「そうですね。裏で生きる以上はやはり自身の意志で決めてくれないと」
「しかも、それが人殺しの道ですからね。ステインも勧めるのは憚れたのでしょうね」
「というか、刃羅には向いてないわよ」
「「それもありますね」」
憧れのステインの口癖を真似しているが、少し仲良くなると強がっているのが丸わかりなのである。しかし、大抵強がるときは誰かが苦しめられている時だった。
つまり刃羅にとってステインの真似をするときは、何かを成し遂げようと決めたときなのだ。
本人が気づいているのかは謎だが。
「刃羅さんってステイン様の事を好きだって言ってますけど……」
「私はどちらかと言うと……父親と重ねているのでは?と思ってますがね」
「あぁ~……それもあるのかなぁ」
「それにあんまり同年代の男性と過ごしたこともないのでは?」
「……確かにそうですねぇ」
「……もしかして親愛と恋愛がまだ区別出来てない?」
「「可能性はありますね」」
ストレディの言葉に頷いて紅茶を飲むドクトラとシャフル。
まだまだ刃羅の周囲の環境は流動的。そう考える3人だった。
「雄英の子に恋したらどうなるのかしらね~♪」
「ステインも動きそうですねぇ」
「それはそれで見てみたいですね」
「失礼します」
ヴィランであろうと女子が集まれば恋バナが咲く。
しかし、そこにドクトラの部下が顔を出す。
「どうしましたか?」
「敵連合と懇意にしているブローカーに動きがありそうです」
「新しい仲間を紹介すると?」
「はい」
「それは予想済みのはずですが?」
「そうなのですが……紹介されると思われる者の情報に懸念点が」
部下の報告書を受け取り、目を通すドクトラの。その中身に顔を鋭くする。それを見て、シャフルとストレディも報告書を覗き込む。その中に記された名前に顔を顰める。
「この情報の精度は?」
「残念ですが……80%は越えます」
「……引き続き情報収集を」
「かしこまりました」
ドクトラの指示に頭を下げて、部屋を去る部下。
それを見送ったドクトラ達は腕を組んで、顔を顰める。
「なんで今更あいつが……?」
「わかりません。しかし、これはかなりまずいことになりそうですね」
「それにもう1人の方もそこそこ有名ですよ?」
「厄介な連中を捕まえたわねぇ……」
「『ニブルヘイム』、そして『ターボス』ですか……」
嫌な予感しかしないドクトラ達。
新たな戦いは思ったよりも近いかもしれない。そう考えさせられたのであった。
夜。
ステインはビルの屋上で街を見下ろしていた。
「……ハァ……」
眼下に見えるヒーロー達を観察し、標的を考えている。
その時、
ギュイイィィン!!
「!!」
モーター音が響き、ステインはすぐさま飛び上がり、刀とナイフを抜きながら隣のビルの屋上に降り立つ。
そしてステインが先ほどまで立っていた場所に、何者かが降り立ち地面が砕け散る。
「……何者だぁ」
「フハハハハハ!!流石はヒーロー殺しだ!!」
高笑いしながらビシィ!とステインを指差すのは、黒いフルアーマーコスチュームを着た190cmほどの男。
両前腕と両脛部分にタイヤのようなタービンが付いており、そのタービンにスパイクを装着している。黒いコスチュームには赤く輝くラインが通っている。
ステインはその姿に色は違うが保須市で戦ったヒーローとその弟の雄英生のコスチュームを重ねた。
「我が名は『ターボス』!!ダークヒーローだ!」
「……ダーク……ヒーロー……?」
ターボスの名乗りに眉を顰めるステイン。ヴィランなのかヒーローなのか判断出来なかったからだ。
「敵連合に合流する前に、貴様に挨拶しときたくてな!」
「……何故?」
「貴様が以前在籍していたからだ!これからは俺様が新たな敵連合の顔になるからな!」
「……ハァ……」
ターボスの宣言にステインは頭痛に耐えるように顔を顰める。
するとターボスのタービンが回転を始める。そしてビシィ!と武闘家のように構える。
それに目を鋭くして腰を落とし、刀とナイフを構えるステイン。
「だが、気が変わった!ここで貴様を倒せば、俺様の名は更に突き走る!!俺様の道に敷かれろ!!ヒーロー殺し!!」
「……ハァ……やってみろ」
ターボスはいきなり横向きに正座をするように膝をつく。脛のタービンをタイヤ代わりにして高速でステインに走り迫る。
ステインも同時に飛び出し、ナイフを投擲する。
ターボスがそれを腕のタービンで弾く。
その一瞬でステインはターボスの背後に回る。ターボスは即座に立ち上がりながら裏拳で殴りかかる。
「その程度、読んでいるぞ!」
「しぃ!」
ステインはしゃがんで足払いを放ち、ターボスの左脚を蹴る。
ターボスは右脚を後ろに伸ばして前後に開脚する。直後、その場で回転してステインに足払いをやり返す。
「ちぃ!」
ステインは飛び下がって、それを躱す。
(馬鹿弟子みたいな体術を……!)
ステインはタービンによる予測が難しいターボスの動きに顔を顰める。
両手足のタービンにより転ばせても動きを止められないことを悟る。しかもタービンのスパイクで掠るだけでも確実に体や武器が抉られる。それによりフルアーマーの隙間を狙う隙が中々見つけられなかった。
「フハハハハハ!!俺様の血を舐めたいならば、このタービンを攻略せねばな!」
ターボスは高笑いを上げながら、今度は普通に走り出す。
再びナイフを顔目掛けて投擲するステイン。
それを右腕のタービンで防ぐターボス。その時、右脇に痛みが走った。
「づぅ!?」
目を向けるとステインが脇に刀で突きを放っていた。突き刺さってはいないが掠っており、ターボスは慌てて右腕を刀に振り下ろす。
「くっ!」
ステインは即座に下がって、距離を取る。刀を確認するが、残念ながら血がこびり付いてはいなかった。
「ちっ……!」
「……流石だな。あの一瞬でそこを狙うか……!」
「次は突き刺す……!」
舌打ちするステインに、、ターボスは先ほどまでの余裕が消える。
ステインは更にもう1本ナイフを抜き、刀を構える。それに先ほどのように攻撃を仕掛けられることが出来なくなったターボス。
今のは運が良かっただけ。もう少し深く斬られていたら、間違いなくターボスは負けていた。
(やはり恐ろしいまでの戦闘力……!『個性』がそこまで強力ではないからこその実力か!)
ステインの『個性』はあくまで戦闘による副次的な武器。相手を傷つけない限り無意味な力故に『個性』に固執しない。しかし敵対する側からすれば厄介なことこの上ない。無視は出来ないのだから。肉を切らせて骨を切るという手段は絶対に出来ない。だからと言って遠距離に徹しても、あの身体能力ではそれも難しい。
「そこまでです」
「ぬ!」
「……ハァ……お前は……」
ターボスの横に黒い靄が出現する。黒霧だ。
「義爛殿から連絡を受けて様子を見に来てみれば……ターボス殿、死柄木達が待っています。この場はこれまでとして頂きたい」
「……いいだろう」
タービンを止めて、構えを解くターボス。
ステインも黒霧の能力を知っているので、深追いはしなかった。
「お久しぶりですね、ステイン。神野では随分と暴れられたそうで」
「……オール・フォー・ワンがいなくなっても、あの子供は止まらんか」
「ええ。むしろ更に決意を固めました。あなたの弟子は随分とフラフラとしているようですが……」
「……ハァ……そのフラフラした弟子に貴様らの後ろ盾は一本取られたようだがな」
「……その借りはいずれお返しさせていただきます」
ターボスを包み込んで、ゆっくりと消えていく黒霧。
それをステインはナイフを投擲しようとするが、背中に靄が出現したのを感じて腕を止める。
そして黒霧も消えて、背中の靄も消える。
「……ハァ……やはりまだ見据える必要がありそうだな」
武器を仕舞い、移動することにしたステイン。
「……あまりのんびりしていると激流に溺れるぞ?馬鹿弟子」
刃羅を思い浮かべて呟きながら、街の闇に消えていくのであった。
そして、ある廃墟ビル。
ターボスは敵連合と向かい合っていた。
敵連合は荼毘以外は集まっている。
「困るな、新人。ちゃんと時間は守ってくれないと」
「フハハハハハ!すまんすまん!俺様は走り出すと中々止まれなくてな!」
「はぁ……今後はちゃんと足並みを揃えてもらう。抑え込む気はないが、俺達だって遊びじゃない」
「分かっているさ!俺様だって道を整備するためなら、我慢はする!ただし、走りがいのあるアウトバーンで頼むぞ?」
「……いいだろう。で?お前は?」
死柄木はターボスの言葉に頷き、もう1人に目を向ける。
ターボスの隣に立っているのは茶色のファー帽子にロングファーコート。黒のレギンスに手袋、茶色のロングムートンブーツを履いている160cmほどの女性だった。銀髪のロングストレートに白い肌、水色の瞳を持つ無表情な妙齢の女性。
まだ夏なのに暑苦しいファッションはかなり場違いだったが、彼女は汗1つ流していない。むしろ今も寒そうだった。
「寒いの……」
フゥっと口から漏れ出る吐息は白い。まるで真冬の息のように。
それにトガ以外の全員が目を細める。
「……噂通りの奴みたいだな。『ニブルヘイム』」
「ああ、苦労したぜぇ?口説き落とすのは」
死柄木の言葉に義爛が肩を竦める。
ニブルヘイムはそんな会話を無視して独白を続ける。
「助けないといけないの……」
「助ける?誰をだ?力になるぜ!なれねぇけどな!」
トゥワイスの言葉にも何も反応しないニブルヘイム。
それに義爛は苦笑する。
「全く表情は動かねぇし、感情も出さないが話は通じる。実力も噂通りだ。ヒーロー殺しにだって負けねぇネームバリューだぜ?」
「ヒーロー殺し……」
義爛の言葉にニブルヘイムが反応する。
それに死柄木が目を細めて尋ねる。
「お前もステインファンか?」
「違うわ。殺したいの。助けないといけないの……」
「だから誰をだ……?」
死柄木は訝しみながら、根気よく尋ねる。
しかし次の言葉に目を見開く。
「乱刀刃羅……」
ニブルヘイムの言葉に鎧関はもちろん他の者達も目を見開く。
周囲の反応など全く気にも留めていないかのように続けるニブルヘイム。
「あの子を助けないといけないの……。ヒーロー殺しから……。あの子は、私の傍にいるべきなの」