サイヤ人のエリート兵士   作:うさぎのにくきゅう

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ザーボンさんへの報告を終え、ベジータ君らが居るであろう食堂へと向かうと、そこにはベジータ君やナッパ、そして弱虫ラディッツが居た。

 

……忘れていた。そう言えば僕らは4人で惑星侵略へと向かっていたのだった。

うっかりしていた。

 

 

「おや、弱虫ラディッツ。ちゃんと残りの殲滅は終わらせたんだろうね」

「あ、あぁ。なんとかな。しかしひでぇぜロトリー。聞けばオレを置いて帰ろうと提案したのはお前だって話じゃねぇか」

「君が遅すぎるのが悪いんだよ。ナッパなんて散々いたぶって遊んでいたのにそれでも来ないんだから」

「ガハハ!!違いねぇ!おい!弱虫!お前のアリみてぇな戦闘力をオレ様が鍛えてやろうか!!?」

「や、辞めてくれ。死んじまう」

 

 

全く。弱虫ラディッツは相変わらず弱虫だなぁ。

こんな弱腰を見ているとあたかもラディッツはサイヤ人にしては珍しい非戦闘タイプなのではないかとも思える。

が、違います。自分より戦闘力の低い人間にはめちゃくちゃ態度が大きいタイプの人種です。

 

だと言うのに自分より高い戦闘力を持つ相手にはここまで謙るからラディッツは何時も何時も弱虫だと言われるのだ。

 

……しかし一応殲滅は終わらせてきたようだ。もしも途中で帰還したなんて言っていたらどうしてやろうかと思っていた所だ。

 

何しろ、既にザーボンさんへの報告を終えてしまっている。

もし、ラディッツが殲滅を途中で終わらせてきていたら僕はザーボンさんに虚偽の報告をしていた事になっていた所だ。

 

如何にザーボンさんと言えど流石にそんな雑な仕事をしてきてしまったと知れば何らかの罰を受ける事は免れないだろう。

そしてフリーザ様のお耳にも入り落胆させてしまうのだ。あぁ、恐ろしい。

 

……うん。少し弱虫ラディッツを虐めてやるか。

もう少しでフリーザ様の評価が落ちてしまう所だったのだ。それを思えば多少は問題あるまい。

 

 

「フン。だが、その程度の戦闘力では足でまといなのは事実だな」

「確かにねぇ。あ、足でまといと言えば、ザーボンさんに聞いたけれど、近々もう少しハイレベルな惑星を任せるそうだよ。原住民の戦闘力がそこそこ高くて手を焼いていた惑星なんだ」

「ほう?最近は碌な相手が居なかったからな。丁度良い」

「いいじゃねぇか。暴れちまっていいんだよな?」

「ははは。流石に今回は大目に見るってさ。思う存分暴れちゃっていいよ」

 

 

うむうむ。ベジータ君もナッパもやる気十分だ。

久しぶりに大暴れできるのだし、相手が強いと言う事はそれだけ自らの戦闘力も上がりやすいと言う事だ。

やる気があるのも当然と言える。

 

チラリ。ぷぷ。弱虫ラディッツはこの世の終わりのような顔を……いや、まだ諦めていないな。なんでだろ。

ナッパ、恐らくはベジータ君もどうやら大猿になって暴れるつもりのようだけれど、下級戦士の弱虫ラディッツは大猿化してしまうと理性を保つ事ができないからな。

 

ただ暴れるだけの大猿は僕らにとっても迷惑だし流石に星への被害も甚大なので大猿形態への変身はできないし、他の皆は大猿化するのだろうから危なくてちても共に戦う事もできやしない。

 

つまり、弱虫ラディッツだけアリみたいな戦闘力で変身もできずに孤軍奮闘せざるを得ないと言う訳だ。

 

わざわざ僕らの元に回ってきたのだから、恐らく戦闘力1000を超えるレベルの原住民もいるぞぉ。

これはデスマーチ確定だと思うのだけれどなぁ?

 

 

「ロ、ロトリー。お前は俺の味方だよな?」

「んー。僕はできるだけ大猿形態は使いたくないし、変身はせずに戦うつもりだけど」

 

 

ベジータ君とナッパが盛り上がっている中、こそこそと弱虫ラディッツが話しかけてきた。

あぁ。僕を当てにしてたのか。ならちゃんと最後の希望まで奪い取らねば。

僕が彼の求めているであろう最後の希望を口にするとパァァと日の出のように明るい顔をする弱虫ラディッツ。あーあ。そーやって面白い反応をするからこっちは虐めたくなっちゃうんだよ?

 

 

「まぁね。流石にね。君を一人で戦わせると死んじゃうしね。可哀想だしね」

「おぉ。おぉ!ロトリー!!やはり何だかんだ言ってもお前だけは俺の味方だな!!」

「そうだよ。僕は味方だ……でもさ?弱虫ラディッツ。良く考えたらさ?君の為を真に思うのならばやっぱり協力はしない方が良いかなって」

「……おい。おいロトリー冗談だろう?冗談だと言ってくれ」

「ほら。今後似たような事があった時毎回手伝う訳にはいかないから。ね?」

 

 

あぁ。今度こそラディッツが本当にこの世の終わりのような顔に。

惑星ベジータがフリーザ様に…もとい、巨大隕石の衝突により破壊された事を聞いた時並みに絶望した表情をしている。

 

ふふふふ。一体弱虫ラディッツはどうなってしまうのだろうか。

デスマーチの末死んでしまうのだろうか。はたまた、サイヤ人として華々しい進化を遂げて弱虫を卒業する事になるのだろうか。

あぁ、楽しみだ。

 

 

「まぁ、まだ正式な命令を受けた訳じゃないし、そこそこ時間はある筈だから、まぁ精々その矮小な戦闘力を鍛えておくんだね」

 

 

 

 

……なんて言っていたのに。

 

 

「え?地球?」

「あぁ。惑星ベジータが滅ぶ寸前、ラディッツの弟、カカロットは飛ばし子として地球に送られていたらしい」

「へー。そりゃ運が良いね。危ない所だ。それでラディッツはそのカカロットを迎えに行ったと」

「……大方、例の惑星を侵略する際、カカロットを引き連れて行くつもりなのだろう」

「あー。なるほど」

 

 

弱虫ラディッツめ。ほんっとに弱虫だな。

確か地球は辺境の惑星だ。ポッドで移動しようとすると約一年はかかるだろう。

 

スムーズにカカロットを回収できたとしても、往復で二年。僕に何の連絡も無く飛び立った辺り、あわよくば例の惑星の侵略をサボるつもりだろう。

流石に露骨に虐めすぎたか。

そんなだから何時まで経っても弱虫ラディッツは弱虫ラディッツのままなのだ。

 

 

「例の惑星の侵略はまだ先だし、別にラディッツが居なくても仕事に支障は出ないけどさ。ちゃんと上に通しておいて欲しい物だね」

「フン。どうせ奴らもサイヤ人一人消えた所で気が付きもせんだろうさ。問題はあるまい」

「まぁ、どうせラディッツだしねぇ」

 

 

僕らはどうせ基本任務の時もサイヤ人として一括りにされる事が多いし、フリーザ軍自体管理は適当なので気が付かれる事は無いだろう。

 

とは言え、いざとなればスカウターの通信機能で現在地も把握できるのだし、それにいざカカロットが仲間に加わったとしても、予め話を通しておかないと、入隊時に一体何処のサイヤ人なのだと揉める事になってしまうだろう。

 

まぁ、まだもしかしたらという程度の話に過ぎないのだし、今は軽くザーボンさんに伝える程度で詳しい話はラディッツがカカロットと接触するであろう一年後でも構わないだろう。

 

 

「しかし地球かぁ。飛ばし子にあったって事は大した戦闘力の人間は居ないのだろうね。カカロット、戦力になるのかな」

「所詮は下級戦士だ。過度な期待はせん方がいいだろうな」

「だよねぇ」

 

 

まぁ、ラディッツも相当に追い込まれていたようだし、猫の手も借りたい気持ちなのだろう。

 

例えカカロットが下級戦士らしく戦闘力1000程度だったとしても背中を預けられる相手が増えたら大分戦い易くなる筈だ。

 

まだ例の惑星の平均戦闘力は聞いていないけれど、腐ってもサイヤ人だ。まるで相手にならないという事は無いだろう。

 

しかし、しかしだ。折角の僕が弱虫ラディッツがどんな未来を辿るのか楽しみにしていたというのに、それを彼はぶち壊してしまった。

 

残された道はカカロットがまるで役に立たない程の弱虫ラディッツ以上の矮小な戦闘力だった場合くらいだろう。

 

全くもって。全くもってつまらない。

 

良し。ラディッツが帰ったらお仕置きをしよう。僕の楽しみを奪った罰だ。

カカロットも居るならば丁度良いかもしれないな。

やはり、サイヤ人に上下関係を教えるには痛め付けるのが一番だ。

 

そうと決まれば新しい技の開発でもしようかな。この前作った……というか再現したフリーザ様の技は流石と言うべきか、殺傷力が高過ぎたのでごうも……お仕置きには使えないし。

 

ベジータの戦闘力を超える事を期待しているなんて言われちゃったんだし、その辺もどうにかしないとね。

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