サイヤ人のエリート兵士   作:うさぎのにくきゅう

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今回の任務であるナメック星探索は流石に僕が普段行く任務なんかとは規模が桁違いに大きいらしく、その準備にも相当な時間がかかっていた。

 

僕らが任務に行く時なんかは、場合によっては指令を受けたその足でそのまま惑星へと立つ事だってあるくらいだが、今回の任務においてフリーザ様自ら兵士をぞろぞろと引き連れてナメック星に赴かれるだけあって数日やそこらでは出発できなかったようだ。

 

まぁ、当然と言えば当然だろう。全ての兵士が常に任務に出発可能な状態で居る訳では無いのだ。

 

そもそも、僕は普段からフリーザ様の居る惑星フリーザの近くにしか居ない為、フリーザ様の命とあらば直ぐに駆けつける事ができるが、他の一般兵達はそうはいかないだろう。

 

他の惑星フリーザからやってくるだけでも時間がかかりそうだし、それに任務で他の惑星へと向かっている場合は更に時間がかかるだろうし。

 

まぁ、聞いた話によるとある程度期間内に戻れそうな兵士だけが呼び出されるらしいが、それでも相当な数の兵士を連れていくのだろう。

……ベジータ君と共に地球へと行かなくて良かったな。地球なんて辺境の惑星にもしも行っていたら絶対にこの任務には参加できなかっただろう。

 

ギニュー特戦隊との訓練をしなくても良かったのだと思うと少し考える余地はあるのかもしれないが、今回の任務のようにフリーザ様と共に行く任務に行く事のできる機会など今後何度あるかわかったものではない。

それも、今回の任務の目的はどんな願いでも叶うドラゴンボールだ。相当に重要な任務である。それを加味するとやはりこれ程の絶好の機会はそうはないだろう。

 

うん。そう考ればギニュー特戦隊との辛い訓練も悪くなかったかもしれない。

あれだけの辛い体験をすればフリーザ様にアピールできるチャンスが生まれる。……もしもう一度そんな機会があったとして、進んで受けるかと言われると……ちょっと苦しい物があるな。いや、やるよ?やるんだけどね?やっぱり、少し躊躇すると言うか……うん、あんな事を思い出すのはもう辞めよう。あの訓練は終わったんだ。それでいいじゃないか。

 

そう、もっと良いことを考えよう。そうしよう。あぁ、そうだ!部隊編成の時、フリーザ様やザーボンさんらを警護する部隊で申請したのだが、無事受理されたのだ!

いや、本当にちゃんと通って良かった。常にフリーザ様のお近くでアピールせねばならないからな。

 

熱意を伝えるために大量の申請用紙を提出し、直接手渡して賄賂まで用意してお願いしをしに行った甲斐があったという物である。もしもこれで受理されていなければ一体どうしてやろうかと思ったよ。

 

さて、まだもうしばらくフリーザ軍全体での準備は終わらないようで、その辺りをとことこ歩けばせわしなく働く兵士を沢山見るけれど、まぁ、僕には関係無い。そういう雑用はそこらに沸いている一般兵達の仕事であり、実は戦闘力が物を言うこのフリーザ軍での僕の地位は結構高い。なので僕にはそんな雑用仕事は回ってこないのである。

 

ははは。こちとら戦闘民族サイヤ人。戦うことが本懐なのだ!!

というかぶっちゃけ、もしもそんな仕事を回されても僕には処理できない。

仕方ないね。戦闘民族だもん。

 

とまぁ、そんな訳でまだ一定以上の地位の人間はまだ暫く時間に余裕があるのだ。

 

 

なので、僕は偉いのでこの暇な時間にちゃんと最近お世話になった人間に挨拶をしに行こうかと思う。

ふふふ。こんな真似はベジータ君にはできまい。……そういやベジータ君、今頃何してるのかなぁ。

 

 

 

「ギニューさん。先日はご指導いただき、ありがとうございました」

「おぉ。わざわざ挨拶に来たのか!礼儀正しいのは大変良い事だぞ!!」

 

 

うん。わざわざ挨拶にきたよ。ギニュー隊長は熱血だからね。たるんどるー。だとか、きあいがたりないー。なんてセリフを平気で言ってくる。全く、思考が古臭い。ほらなんか最近の若い者はーとか言ってる。

うん。話が長くなりそうだ。

 

 

「所でギニューさん、今度のナメック星探索ギニュー特戦隊の方々は参加するんですか?」

「ん?あぁ。いや、我々は参加しない。ナメック星人に我々が参加しなければならない程の戦闘力を持った相手が居るとは思えんしな」

「まぁ、そうですね。そっかー来ないのかー」

 

 

やった。ライバルが減ったぞ。ギニュー特戦隊のメンバーなんて居たら僕が手柄を取るまでも無く全部終わらせてしまいそうだからな。地味に気になっていた所だったのだ。

 

彼らが来ないと言うのならば話は早い。

彼らが来なければ、今回のナメック星探索任務で、一番戦闘力が高いのは僕だ。ならば、いざと言う時にフリーザ様も僕を頼ってくださるだろう。

 

ふふふふ。良いぞ。流れが来ている。面白いくらいに全部上手くいっている。

 

 

 

さて、お次はフリーザ様の所に行こう。……と、言いたい所なのだが、会いに行く口実が何も無い。ぐう。

うーんうーんと頭を捻ってみたが、特別に報告するような事は何も浮かばかなかった。

残念だが、本当に残念だが、仕方が無いので今回はフリーザ様の所に行くのは諦めよう。

 

いや、任務が始まればいくらでも会えるのだ。今ここで焦って行動する必要はあるまい。我慢、今は我慢の時だ。

 

 

と言う訳で、こちらはわざわざ挨拶って訳では無いけれど、どうやら丁度近くの惑星に来ていると聞いたので向かってみるとしよう。

 

 

「やぁ、キュイ。元気にしてる?」

「ひ、ひぇええ!!ろ、ロトリー……一体何の用で来やがった!!お、おお、俺はもうあんな訓練二度としねぇからな!!他を当たりやがれ!!」

 

 

え、えぇ……なんでキュイそんな怯えてるのさ。汗だらだらだよ。しかもめっちゃ距離取ってるし。

僕何か悪い事したっけか。

一応考えてみるが、思い当たる事は何も無い。

仕方が無いので大人しく本人に尋ねてみるとしよう。

 

 

「ねぇ。どうしたの?さっきから挙動不審だよ?僕なんかキュイに嫌われるようなことしたかな?」

「しただろーが!!お前、あの時の訓練の事を忘れたなんて言わせねぇからな!!」

「訓練?」

 

 

……あぁ。なるほどわかったぞ。完全に理解した。キュイの奴め。さては僕がキュイがメディカルマシーンで回復しきるのを待たずに先に帰ったからってそんなに怒ってるんだな。全く子供か。それくらいで拗ねちゃって。

 

 

「はぁ、キュイを置いて先に帰っちゃった事は謝るからさ?ね?」

「そんな事はどうでもいいんだよ……」

 

 

どうでもいいらしい。

 

 

「本当にわからねぇようなら教えてやるよ……俺はな。お前との訓練で地獄を見たんだ。最初はまだ良かったさ ?別に怯える事なんて何も無いからな。だが、時が経つにつれお前は急速に成長していった。戦闘力に余裕ができ始めたお前はあえて俺を痛めつけるような技を使い続け、瀕死になるまでいたぶられ続けた!!あれは最早ただの拷問でしか無かった……」

 

 

おおう。でも訓練なんだから仕方無いじゃん。ね?仕方無い仕方無い。ちょっとくらい痛い目にも合うよ。僕だってギニュー特戦隊との訓練すっごい辛かったよ?

 

 

「しかも、メディカルマシーンから起きたら直ぐにまた訓練と言う名の拷問の始まりだ。俺からの反撃は許されない。俺はお前が満足するまでただ耐える他無かった……」

 

 

おおう、なんか可哀想になってくるな。ごめんよ。あの時はキュイに散々やられて、気が立っていたんだ。

……そうだ。キュイだって僕に散々酷い事したじゃないか。

 

 

「俺がやったのはただの訓練だろうが!お前みたいに、不必要に痛めつけちゃいなかっただろうが!!」

「そう…なのかな?」

 

 

ふむ。そう言われればそんな気もしてくる。

若干悪いかな?とも思えないでも無い。

 

 

「じゃあ、キュイ。聞いてください」

「お、なんだ謝る気になったか?」

「うん……ありがとうございました。キュイを虐められて楽しかったよ。ナメック星から帰ったらまたやろうね」

 

 

よし。そう言い終えればさっさと撤退だ。

返事は聞かないぞ。約束したからね?

 

後ろから抗議の声が聞こえる。あーあー聞こえなーい。

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