サイヤ人のエリート兵士   作:うさぎのにくきゅう

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今回、わざわざ僕が礼儀正しく挨拶だなんてサイヤ人らしからぬ行動をしたのには理由がある。

それは勿論ギニュー特戦隊の方々がそういう態度を好むのでという理由もあるのだが、実際にはもう一人、話したい相手が居たのだ。

 

なにを隠そう、その相手とはザーボンさんの事なのだが。

思えば幼い時よりザーボンさんにはお世話になってきたけれど、今回のように僕の為にわざわざギニュー特戦隊に頼み込むだなんて、ザーボンさんらしからぬ行動だ。

 

どういった気まぐれなのかはわからないが、少なくともザーボンさんはこれまでそんな風に過度に僕のことを優遇するだとか、そんな事はしてこなかった。

 

 

だからこそ少し違和感はあったが、少なくともお礼くらいはしておいた方が良いかと思ったのだ。

 

 

「なるほどな……だがお前が気にする事は無い。以前から言っている通りだ。お前にはドドリアに代わり、私と共にフリーザ様の側近として働いて貰いたい」

「はい。無論ですとも。それがザーボンさんの望みであると共に、僕の野望でもありますから」

 

 

フリーザ様にお仕えしたい。その気持ちは幼少期からずっとあった物だ。

フリーザ様より直接命を受け、真にフリーザ様の為働く事のできる場はやはりフリーザ様の側近という立場の他あるまい。

 

 

それに、ドドリアの悪評は以前よりザーボンさんから良く聞き及んでいる。

あのような奴がフリーザ様に仕えているなど、我慢ならない。

 

これまでは戦闘力の面で圧倒的に劣っていたのでいつかは必ずとは思えど、何処か現実味が無かった。

 

 

「ふむ。話には聞いていたが、どうやらギニュー特戦隊との訓練は相当なパワーアップになったようだな。今やお前の戦闘力はドドリアはおろか、私すらも超えている」

「ザーボンさんの助力あってこそですよ」

 

 

そう、今の僕の戦闘力はドドリアの戦闘力を優に超えている。

これならば何か功績をあげてフリーザ様の信頼を勝ち取る事さえできれば、あとはドドリアの奴を何かに乗じて始末してしまえば当然フリーザ様はその穴を誰かで埋めようとするだろう。

そこでザーボンさんの推薦と共に僕が名乗りをあげれば自然な形で僕がフリーザ様に仕える事ができる筈だ。

 

 

「フッ。お前ならば私の助力等無くとも上手くやっていたのではないか?」

「まさか。そもそも僕を育ててくれたのだってザーボンさんじゃないですか」

「しかし、私がサイヤ人を育てる等、数奇な運命もあった物だな」

「そうですね……あの時、フリーザ様とザーボンさんに見つけて頂かなければ、今僕はこの場には居ないでしょうから」

 

 

そう、あの時。一体どんな神の悪戯か、僕はフリーザ様に拾われたのだ。

 

 

ザーボンさんは数奇な運命と口にしたが、実は僕は余り運命と言う物を信じてはいない。

……いないのだが、それでも確かにあの時フリーザ様と出会ったのは運命としか言い様の無い事であったと言える。

 

 

あの時は確かに普段通り、特に代わり映えの無い一日の筈だった。

本来サイヤ人は幼い頃だってある程度育てばなんらかの任務を遂行する筈なのだが、僕はと言うと何故だか任務を任される事は無く、ただ退屈な日々を過ごしていた。

 

その日は普段通り広場でそこらを歩いていた下級戦士をひたすらに痛め付けて虐めていたのだが、その時、僕の運命は動き始めたのだ。

 

 

「おや?そこの子供。何やら面白い事をしていますね。どうやら、サイヤ人の子供にしては戦闘力が高いようですが」

「……確か、二、三年程前に王族に匹敵する程の戦闘力を持った子供が生まれたとの報告があった筈です。恐らくはそれがこの子供かと」

「ふむ。戦闘力7000。どうにもまだこちらへの反抗心も無さそうですし……消し飛ばすには少し、惜しいですねぇ」

 

 

この時、僕は自分の置かれている状況がまるでわかっていなかった。僕の両親はサイヤ人らしく、僕に何か物を教える事は全くしなかった。

とはいえ、血だけはマトモなだけで大した戦闘力を持つ訳でも無い両親から僕のような高い戦闘力を持つ子供が産まれてきたのだから、もっと家来のように僕に尽くして欲しかった所だが。

 

まぁ兎に角僕の両親、というか周りのサイヤ人も含めてだが、僕には全く近寄ろうとしなかったのだ。

 

だからなのだと言い訳させて欲しいのだが、この時僕を見定めるように見ていた二人組が一体誰なのかすらその時僕は理解していなかったのだ。

 

わかっていた事と言えば単純に動物としての本能。明確な格上だという確信位の物であった。

 

……いや、もう少し何かわからなかったのか。当時の僕。ほら、気品溢れているなとか。知的な人達だなとか。

 

 

「我らがフリーザ軍は最近少し人手不足ですし……では、ザーボンさん。その子供、貴方の直属の部下に任命します。しっかりとフリーザ軍に役立つよう、教育してやってくださいね」

「……本気ですか。フリーザ様」

「おやぁ?何か問題でも?」

「いえ……了解致しました」

 

 

 

その時から僕の生活は一変した。

 

何も知らなかった僕にザーボンさんは様々な事を教えてくれた。

フリーザ軍の兵士としての心構え、フリーザ様に仕えるという事の素晴らしさ、常に余裕と気品を保つ事とそれによる効果、効率的な戦闘術、まぁ兎に角色んな事を教えて貰った。

 

惑星ベジータのサイヤ人とは違い、フリーザ様は僕にしっかりと実戦経験を積ませてくれた。

と言っても、何やら反抗的だというサイヤ人を軽く懲らしめるだとか、その程度の物だが。それも確かその時はドドリアがサポートについていたし、僕のはじめてのにんむに相応しい簡単な任務だった。

 

 

確かその任務を無事に終わらせたお祝いとしてフリーザ様は惑星ベジータを丸々一つ使うという盛大な花火を僕に見せてくれた。

 

あの時は僕は子供心ながらに花火の美しさよりも先に僕の初任務祝いなんかの為に惑星ベジータがを消失した事によって発生する損益の事を考え、僕にできない事を平然とやってのけるフリーザ様に痺れ、憧れていた物だが、まぁそれも仕方の無い事である。

その時の僕はそこらの一般兵から奪い取る以外にお金を得る手段なんて無かったのだし、正に桁違いの額の損益だったのだ。

 

今思えばあれはサイヤ人という危険因子の排除と言う実益を兼ねた物だったと言う訳だ。流石はフリーザ様。

 

 

だが、初任務を終えたと言う事でなのか、その辺りからザーボンさんの指導から徐々に遠慮という言葉が無くなり始めた。

僕とザーボンさんの戦闘力は二倍だとか、その程度では済まない程の戦闘力差があったと言うのに、平気で僕をぼこぼこに……これについては思い出したくない。これ以上考えるのはよそう。

 

 

……あぁ。そういえば先程ザーボンさんが口にしていたが、大体僕の戦闘力が10000を超えてきた辺りだったか。ザーボンさんが僕に将来ザーボンさんと同じ、フリーザ様の側近を目指してみないかと話してくれたのは。

 

きっと話してくれたのはその頃には僕もフリーザ様にお仕えする事への憧れが十分にあったので、以前よりザーボンさんに何度も何度もしつこいくらいにフリーザ様にお仕えしている事について尋ねていたからだろう。

 

恐らく明確にフリーザ様にお仕えする事を野望として考え始めたのはその時からなのだろう。まぁ、実際にフリーザ様の側近である二人の戦闘力と自分の戦闘力を比べて現実的な話では無いのかもしれないという現実も理解していたが、それでも諦めようとは全く思えなかった。

 

まぁ、いざとなったら大猿化してしまいさえすればドドリアの戦闘力を軽々と超える事ができるという考えもあったからな。それにまだ幼いその時は何もしないでも勝手に戦闘力が上がっていたのもあり、諦めろと言う方が無理な話である。

 

 

……まぁ、結果として今現在野望はもう直ぐ目の前にあるのだ。やはり僕は間違っていなかったという事である。

ならばやはり本人良いと言っても言わぬ訳にはいかないだろう。

 

 

「やはり言わせて貰いますね。僕をここまで育ててくださりありがとうございました。おかげで野望が叶いそうですよ」

「フッ。やはりその言葉は受け取らないでおこう」

 

 

む。人の折角の感謝を受け取らないとは一体何故だと言うのか。

 

 

「そう不満げにするな。しっかりと受け取ってやるさ。……ただし、お前が正式にフリーザ様の側近へとなれたらな」

 

 

!!!……ふふふ。成程。それは良い。

 

 

「わかりました。でも必ず受け取って貰いますからね?」

「あぁ。期待しているぞ」

 

 

ふふふふふ。見ていてくださいザーボンさん。このナメック星探索で僕が手柄を立て、野望を達成して見せましょうとも!!




はいどーも。作者だよ。本当はこういう所であんまり話したく無いんだけど、お知らせがあるから伝えるよ。
初投稿から一週間が経ち、サイヤ人襲来編は終わりだよ。沢山の評価や感想、ありがとうございます。
でも実は作者、原作コミックが手元にありません。
なのでナメック星編は遅くなりそうです。ごめんなさいね。
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