ルールが淑女を創る   作:Анна

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キングスマンを見て、宇佐見蓮子がリボルバー(SAA)を持ってるのを想像すると書きたくて書きたくて書いてしまった


第1話

蓮子は本は紙で読む派の人間だった。本や、インクの匂いが鼻腔をくすぐり、ページをペラっと音を立ててめくるのは実に心が踊ることだろう。

 

現代の日本人、いや地球人は急ぎすぎていけない。何事にも猶予を持たなければ成功することは無い。受験、仕事。通勤通学にせこせこと歩みを進め、汗を流して事を頑張り、家に帰りささやかな報酬として発泡酒とツマミをほうばりながらテレビを見て、床に就く毎日は実に面白くなく人間味のないことこの上ない。

 

そもそも蓮子は勉強など好きではなかったが、友人と一緒にいるため、大学に入った。朝は朝日を浴びて予定より早く起き、歯を磨いて顔を洗う。パンとサラダで軽く朝ごはんを済ませ、珈琲をゆっくり楽しんで、そこから時間をかけて服を選ぶのだ。

 

朝はゆっくりすることが至福であり、蓮子はそれが大好きだった。

 

とはいえ、蓮子は同じ種類の服しか持ってなく、その数5着。下着含めれば1つのクローゼットがギリギリ服の色が少しつくかと言うと少なさ。女として少々抜けてる気がする。

 

ここで髪を梳かし、鏡の自分に向けて笑顔をつける。蓮子はメイクは苦手だ。

 

帽子を被り、黒い傘を持って靴を履く。踵を合わせ襟を正して扉を開け、後ろを振り向くことなく一言

 

「いってきます」

 

 

 

「遅いわ!」

「あいたっ?!」

 

友人のマエリベリー・ハーンは蓮子の頭を軽く叩いた。ぺしっと言う音が帽子のどこからなるのかは全くの不明であるが、鳴るものは鳴るのだ。常識が全てではない。

 

「なによメリー…1時間遅れただけじゃない…」

「普通の人は1時間も送れないわよ…ほんとにあんたって人は…」

 

蓮子はマエリベリーという発音が苦手だ。今あなたの後ろにいるような渾名「メリー」とマエリベリーに付けることで落ち着いているようだ。

 

「この遅刻魔め」

「…えへっ」

「可愛くないわ」

 

ばっさりと切り捨てるメリーに苦笑いする蓮子。フラフラと歩くメリーに比べて蓮子はしゃきしゃきと歩く。性格と言動は真逆なのだ。

 

重く滴る黒いベストを軽く撫でるとくるりと傘を弄び笑みを浮かべ

 

「じゃ、行きましょうか?」

と、簡単に吐き捨てるようにメリーに言葉をぶつける。

 

「はぁ…また行くのね?」

「この地球上にまだ隠されてる物を私達のこの[目]で暴くのよ?なんて素晴らしいことなのかしら!」

その目という言葉には力が篭もっていた。

 

はぁ。と溜息をつき肩を竦めて、それでもしっかり蓮子について行くあたり、この2人は気に置けない仲ということが分かる。

 

どこかで猫とカラスが戯れる気配がする。




ハードボイルドっぽく
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