以後お見知りおきを。
大海賊時代・・・それは海賊王ゴール・D・ロジャーが最後に残した言葉から始まった、海賊王が残したものは人々が思い描いていた夢そのものだった。みな海の向こうの夢を追いかけ船に乗り込んだ、男だけでなく女までもが次の海賊王を目指して帆を掲げドクロを描いた。
船上で夢のために生き夢のために死んでいくそんな時代、ある島に一人の男がいた。場所はグランドライン後半の海、新世界。数多いる海賊達の中でも、選ばれた者達のみ辿り着く事が出来る、海賊の誰もが夢見る海である。
そんな新世界にはいくつかの伝説や伝説の秘島がある、そしてここ新世界・ロイヤル島。ここに一人の男がいた。
新世界の屈強な海賊とは思えないほど男は焦っていた、まるで迷子になった子供の様に。
[ッハァ……なんだよこの島…!何が海の宝石島だっ、何日歩いても森ばかりじゃねぇか‼︎くそっ、このままだと死んじまう…]
事実男はロイヤル島に上陸してから5日男は迷い続けている。
新世界の脅威は何も敵船の海賊や海軍だけではない。新世界の海や気象は摩訶不思議な動きをし、その海上の島もそれに合わせ摩訶不思議な地形・気象・文化・生態になっている。
いわば新世界そのものが航路を妨害していると言ってもいいだろう。
だが、そんな新世界に対抗する術が一つあるそれは知識だ。
海賊船の船長や船員は皆おいおい航海日誌を書く。大海賊時代とあって海に出る者が多く、そのもの達は皆先人の知恵を求めるのだ。
需要あるところには供給がある。実際新聞社の多くが夢破れ、引退した元海賊船長や有名船員に高値で航海日誌の買い取りをしているという。
知っていれば予測できる、予測できるなら対策もできる、いわば新世界の弱点は知名度とも言える。
だがここロイヤル島は新世界の島でも特異な点ではトップクラスの島である。
島は今までどの海図や航海日誌にも場所を記されていないにもかかわらず、本来弱点となり得る知名度は新世界だけでなく四つの海にまでその名を知られている世界規模で有名な島だからだ。
誰もが知っている島、という事に油断をしてロイヤル島を発見・上陸をしても島の最初の試練・迷いの森で命を落とした者は数知れない。
5日前
新世界を航海中の海賊、船長は悪魔の実
停泊中の船の中船長室には二人の男が、一人はこの部屋の主人のエルミー……もう一人の男は、
[…それは本当か!信じていいんだろうなぁ…⁉︎]
[っ!は、はい。女から吐かせたので大丈夫だと思います…]
[女ねぇ…‥まぁいい。今すぐ全員叩き起こせ、出航だ‼︎]
[っはい!(やっとだ!俺にもやっと運が回って来た…!)]
男の目には炎が宿っていた、未来を夢見るという生易しいものではなく欲望の炎が宿る目をしていた。この男の名はラハーミ・D・ミドラフロッグ海賊団、戦闘員の一人である。
ミドラの生まれは
顔も知らない父は海賊として生き海賊として死んだ、母は娼婦として働き客として来ていた父と出会い、ミドラが生まれた。
母親は堕ろそうとしたがそんなお金もなく娼館を頼ったが身篭った女に用はないと追い出され、心底嫌いだった故郷に戻りミドラを生み数年のうちに死んだ。
孤児となったミドラに島の住人は疎んだり蔑まれる幼少期を過ごした。
そんな住人の中にもミドラを他の子供と一緒に扱ってくれる老婆がいた。老婆はミドラに簡単な学問や生活の術を教えてくれた、教わった知識の中に海の伝説の一つがあった。それがロイヤル島の伝説だったのだが、老婆が教えてくれた伝説は広まっている伝説とは少し違った。
古の頃、神さまは一つの大陸と二つの島を創った。
大陸の名はレッドライン。
一つの島の名はブルートーチカ島。
もう一方の島の名はロイヤル島と神様は決めました。
神様が天地創造に疲れレッドラインで休んでいると、ロイヤル島からは天使がブルートーチカ島からは妖精が生まれました。
天使と妖精は力を合わせて神様を癒し元気にしました。神様は天使と妖精に感謝し二つの島と両者に加護を与えました。
二つの島は楽園の様になりそれを見て神様は沢山の島を作りました。島に人が住み着き発展する様子を神様は天から見ていましたが、次第に人は他の島の発展を妬む様になり争いになりました。
それを見た神様は人に落胆し空の果てに行き、眠りに着きました。
人の争いを神様と見ていた天使と妖精は、天使は神様について行くことを妖精は人の争いを止め人を見守る事にしました。
天使は妖精の優しさに心を打たれ神様から貰った天の加護を妖精に分け与えました。
一人残った妖精は神様から貰った海の加護と天使から分け与えられた天の加護で、海を渡り島を渡り人々の争いを止め人を導き見守りました。
ですが一人の人間が妖精の力を妬み・恐れといった、負の感情を抱きました。やがて男は悪の力を得て人々を支配し妖精を自分のモノにしようとしました。
妖精は支配された人々を救う為自らを犠牲にしました。
男は邪魔な妖精がいなくなり喜びましたが、悪の力や負の感情がなくなっている事に気付きました。男は自分の犯した過ちに絶望し神様に祈りました。
『神よ!いるのなら私に応えてくれ‼︎妖精が居ない世界なんて耐えられない!もう一度、もう一度だけでいい!私が悪に溺れる前に戻してくれ‼︎』
男の願いは叶えられませんでした。
『男よ、妖精はどんな事をしても二度と戻らない。だがもう一度生まれるだろう。しかし只の人のお前が妖精と出逢うのは広い海の中で一粒の真珠を探すよりも困難な事。代償にお前は何をする?妖精を殺した男よ…⁉︎』
それは、神様が男に神罰を下すと同じ事。ですが男は迷いませんでした。
『どんなものでも、構いません。妖精の痛みや苦しみを思うと…どんなことでも耐えられます。』
『わかった。お前には木になってもらおう。私は決して手助けはしない、自らをこの海一番の大樹とし妖精の楽園ロイヤル島を守れ。それをお前の罰とする。耐え抜いたらお前の望みは叶うだろう。』
そうして男はロイヤル島へ向かいました。
しかしロイヤル島は妖精意外に場所がわからない様に、昔神様が加護を与えたので男は悩みました。
その時海から一匹のイルカが現れました、そのイルカには星型の跡がありそれを見て男は思い出しました。
このイルカは妖精と昔助けたことがあると、男はイルカにロイヤル島へ道案内を頼み、ロイヤル島へ着きました。
そして男は島の中央で小さい苗木になりました。
神様との約束通り男は大樹となり世界を癒し風を運べるまで成長しました。
男が妖精と出会えたかは神様しか分からない。
これが、老婆から聞いた伝説の話。
一般に広まっている伝説では、イルカの道案内は知られていない。
ミドラは老婆に感謝した、島では荒くれ者として育ちフロッグ海賊団に入り悪魔の実という力を妬み恐れる毎日。
そんな時に偶々停泊した島で、一般に知られていない伝説のイルカを見たのだ。
伝説通り星型の跡があり遠目で海から顔を出しているだけだが、どこか気品さえも感じる。
イルカを観察しているとイルカは何かを見ていた、イルカの視線の先には女がいた。
手にはバケツを持っており、バケツの中身をイルカに投げている。どうやら中身は魚らしい。
その時一つの計画がミドラに浮かんだ。それは海賊の掟破りの中でも最悪のモノだった。
翌日ミドラは女の顔と住んでいる家を把握するため女を尾行し、使われていない倉庫に女を連れ込みイルカのことを聞き出した。
只のイルカの可能性をあるが、ミドラには確信があった。
その確信は真実となった。
しかし伝説にはまだ続きがあることを、数日後に後悔することをミドラはまだ知らない。
お目汚し失礼しました。
風薫る頃。