めちゃんこ短いけど
「………………」
ヘファイストスは窓の外を眺めていた。あの神友が一言だけ言い残して失踪し、かれこれ数ヶ月は経つ。
『ごめんヘファイストス!新しく眷族の子ができたんだけど、その子の都合でしばらくオラリオを離れる事になっちゃったんだ。借金してるからって夜逃げとかそういうんじゃないぞ!?本当だから!』
そう一方的に言って、こっちが呼び止める暇もなく走り去ってしまった。今彼女は一体何をしているのか知るすべなどなく、ただ溜め息を吐くしかなかった。
「…………ん?」
しばらくボケーっとしていると、何やら外がかなり騒がしくなってくる。何だろうか、トラブルという訳ではなさそうだが、それにしても尋常ではない騒ぎだ。ヘファイストスは自室から出て、その騒ぎの元凶の元へと向かい……
「やぁ久しぶりだねヘファイストス!すっかり遅くなっちゃったよ!」
「ぶばっ!?」
ひょっこり帰ってきたヘスティアが、金色の竜の素材のとんでもねぇ装備を着込んでいたのであった。
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「…それで?貴女は今まで何処にいたのよ。ついでにその装備は何なの?私でも全く見た事がない素材なんだけど……」
先程はたまらず思いっ切り吹き出し、更には現在ヘスティアが身に着けている装備がとんでもない代物であるせいで、既に疲労困憊なヘファイストス。ついでに彼女の横に腕を組んで立っている男性も、外見の装備とは裏腹に凄まじいオーラを放っている。鍛冶の神だからこそ分かる。あれは絶対に外見だけを変えて、フルフェイスの甲冑姿にしているだけであると。
「うーん…話す事がありすぎて、どこから話したものかなぁ」
ヘスティアは悩ましそうな表情で頬を掻いて唸る。
「最初から話すとなると時間かかるし、かと言ってちゃんと話さないと分からないし……」
「時間かかってもいいから最初から話しなさい」
「あっ、そうかい?それでいいならちゃんと話すよ。でもその前に、僕の眷族になってくれた子を紹介するよ」
ヘスティアがそう言うと、横にいた男性が頭を下げた。
「ハンター、つまり僕達で分かりやすく言うと、異世界の冒険者のブニくんだ!」
「」
ヘファイストスはフリーズした。
「原因は今の所分からないけど、彼はこのオラリオに迷い込んでしまってね。偶然にも僕と出会って眷族になってくれたんだ。その際に発動したスキルで、オラリオと彼の世界を行き来できるようになったんだよ」
「」
ヘファイストスはフリーズし続ける。
「いやーあっちの世界は凄かったよ!
「」
ふんす!とドヤ顔を決めるヘスティアと、フリーズし続けるヘファイストス。
「そうそう!あっちの世界で手に入れた鉱石なんだけど、こっちで使えないかな?ついでに君に借金してた分も返そうと思うんだ!」
「いやちょっと待ちなさい。お願いだから待って。情報量が多すぎて頭がおかしくなりそうだから待って。順を追って話して」
フリーズから起動したヘファイストスの発した言葉は、何とも弱々しいものだった。
ちなみにこのハンターの名前のブニはアイスボーンの私のキャラの名前です