無免ヒーローの日常   作:新梁

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幼少期をさらっと触って即座に中学に移行します。

中学二年春夏編あらすじ

本来であれば夢を半ば諦める筈だった少年は、夢の指針となる一人の師と出会い、その夢を隣で支えてくれる少女と出会い、自分より一歩先を歩む、目標となる幼馴染みに手を引かれ、自分の一歩後ろを進む友人に背を押され、「最高のヒーロー」になるべく一歩一歩進んでいく。

「明ちゃん、今日の晩御飯鍋でいいかな?」
「良いですね!好きです鍋!」
「良いな、鍋。俺も今晩親いないからお邪魔していいか?」
「勿論だよ!あ、かっちゃんガスボンベ家にある?僕の家丁度切らしちゃってて」
「俺は来るの決定かゴルァ!」

リア10爆発46さん、so-takさん、たかたかたかたかさん、誤字報告ありがとうございます。


中学二年生、春、夏。
第一話。折寺の問題児(一名)


『個性は諦めた方が良いね』

 

 きょう、ぼくはおいしゃさんからそういわれた。

 

『この世代では珍しい、何の個性も無い形だよ』

 

 ぼくは、ヒーローになることが、できないっていわれた。

 

『デクってのはなんも出来ねーやつのことなんだぜ!!』

 

 ぼくは、ぼくは。

 

「めちゃ笑ってんよ!」

「もう大丈夫! 私が来た!」

 

 ぼくは。このどうがのオールマイトみたいなヒーローには。

 

 なれな、

 

「個性の不調? いやいや、個性は戦闘では使ってませんよ。戦闘以外では割と活躍してるけど。ヘラヘラ」

「えっ?」

 

 バッと、かおをあげた。

 ぼくがオールマイトのどうがをさいせいしていたパソコンは、つぎのどうがをじどうさいせいしていた。そこにうつっていたのは、みたことのないヒーロー。

 

「で、ではどうやって数々の名のある敵を?」

「そりゃあ傾向と対策ですよ。無敵の個性なんて存在しない。必ず抜け道は存在する……まあ、その為には常日頃から魂を磨き抜かないと厳しいのは事実ですけどね」

 

 どうがのタイトルは、え、と……読めない。

 

 けど……たましい。なんだっけ、いきものにあるもの? いのちみたいな? 

 

「『健全なる魂は、健全なる精神と健全なる肉体に宿る』……個性が戦闘向きじゃないとか、そもそも個性が無いだとか。そんなもんを敵に殺されてから言い訳できないですよね? 敵が出た。ヒーロー頑張れ……ったく。自分の身は自分で守れよ。何のために一般人にもサポートアイテムが購入できるようになってると思ってるんですかね」

「は、はぁ……」

「まあ健全な肉体とか! 煙草吸ってる僕には言われたくないか! ヘラヘラ」

「え、と。ヒーロー活動休止のインタビュー『Dr.シュタイン』さんでしたー」

 

 ぼくのあたまのなかには、この『Dr.シュタイン』の言葉がぐるぐる回っていた。

 

『個性が無いだとか。そんなもんを敵に殺されてから言い訳できないですよね?』

 

『個性は戦闘では使ってませんよ』

 

『何のために一般人にもサポートアイテムが購入できるようになってると思ってるんですかね』

 

 そうか。

 

 そうか。

 

 そうなのか!!! 

 

「おかーさん!!!! おかーさんおかあさん!」

 

 どたどたとおとをたてて、いえじゅうをはしりまわっておかあさんをみつけた。

 

 いすにすわって、ないてたの? でもぼくがぱちくりまばたきしたら、ニッコリわらったいつものおかあさんだった。

 

「どうしたの? 出久」

「じがね! よめないの! おしえておかあさん!」

「う、うん。何の字?」

「こっちこっち! はやく!」

 

 

 おかあさんはパソコンをみて、じのよみかたといみをおしえてくれた。

 

「これ? この動画のタイトル?」

「うん!」

「えー、と。『英トップヒーローDr.シュタイン活動休止独占インタビュー』だって」

「えい?」

「えっとね、イギリスっていう、日本よりも凄いヒーローがいっぱい居る、ヒーローの本場なのかな……いや、それってアメリカだっけ……えっと、日本より凄い場所、かな? このシュタインって人はそこのトップヒーローなんですって」

「すごい! すごい! こせいがなくてもヒーローはできるんだ!」

「え? ……ちょっと、お母さんも見ても良い?」

「うん! みよう!」

 

 そこにでてきたシュタインは、すごかった。

 

 おりたためる『かま』のようなものでヴィランをふきとばしたかとおもえば、あかりをつけるライト(おかあさんはランタンって言ってた)をつかってそらにういて、ヴィランにかこまれてたのをぬけでたとおもえば、てにもったぼう(おかあさんがトンファーっておしえてくれた)であっというまにみんなたおしてしまった。

 

「すごい! すごい! ぼくもなれるんだ! ヒーロー!」

「無個性でこれって……出久、ものスッゴく頑張らないとダメよ? 大丈夫?」

「うん! ぼくがんばる! シュタインみたいになる!」

「……そっか! ならお母さんは応援しないとダメね! 頑張れ出久! ……あら、お客さん?」

 

 ぼくとおかあさんががんばるぞーっててをあげたときに、げんかんのインターホンがなった。

 おかあさんがげんかんにむかい、ぼくはもういちどさいせいのボタンをおして……

 

「フォアああああ!? いずっ、いずいずいず出久ぅぅぅぅぅぅ!?」

「え、どうしたの? おかあさん」

「はやっはやはやはやはや早く来て! 早く!」

 

 ぼくがおかあさんによばれて、げんかんにいくと、そこには。

 

「ヘラヘラ。どーも初めまして。今日から隣に越してきた、フランケン・シュタインです。こっちは義娘の明です。よろしく。ヘラヘラ」

 

 ぼくはぶったおれた。

 

 

 

 時は流れ、出久13歳。中学二年生の春。

 

 

 

「なーなー、部活ってどこ入るか決めた? せっかくの中学だし、入るだろ?」

「んー、そーな。まあ無難に漫画部とかかな。俺増強系とか異形系じゃないからスポーツはアウェーだし」

「あー分かる。てか今時スポーツとか……やる気しねーってかさ……」

「すっすすすすすみません! あああのあのあのっ、一年生だよね!?」

 

 明らかに今から家に帰りますという感じの二人組に声を掛ける。うん。

 

 さっきの女子三人組よりは自然に声をかけられたぞ。

 このままこの勢いであわよくば入部いや入会をいやこの二人が入れば入部でいいのか? 

 

「いやいやまてまてその辺の校則をよく確認していなかったなしまったこれは僕の不手際だぞかっちゃんに怒られる前に確認しておかなきゃえっと、生徒手帳106ページ部活および同好会の規則に際してうんこれによると三人以上四人以下は同好会五人以上が部活扱いになっているけどこれ五人揃った時点で部活扱いなのか更新月があるのか書いてないな……全くしっかりして欲しいよこう言うところはあとで先生に聞いとかなきゃ誰に聞けばいいんだ巻末に編纂者の名前が無いか」

「死ねクソデクぁ!」

「おごぁ!」

 

 Booom!! と僕の背中で爆発が起き、僕は少し吹き飛ばされる。

 けど空中で体勢を整え、天井を少し蹴って身体に回転をかけ、猫のように四つ足で着地する。学ランは……うん、焦げてないや。

 流石は『先生』作。気持ち悪いくらい丈夫だ。というか。

 

「かっちゃん! 校内での個性使用は禁止だろ! 何回言えば分かるんだよ!?」

「うるせえ一週間で一人も入部どころか勧誘すらできてねえ無能のクソデクが! その気持ち悪い独り言他人の前で出すなっつっただろが! 死ね!」

「死ね!? かっちゃんこそその口の悪さどうにかしないと新入部員なんて入らないってさんざん言ったろ!?」

「うるせえ今から誘い殺すわ!」

「殺しちゃダメだって!」

 

 そこまで言って、ハッと辺りを見回すと、既に廊下には誰も居ない。

 しまった! 今日が部活勧誘最終日なのに!? 

 

「不味いよかっちゃん! すごく不味い! 僕らの同好会が! 夢の部室が!」

「だあうるせえうるせえ黙れカス! 今ならまだ校庭に人は居んだろおら早く行くぞ……」

「緑谷ァァァァァァァッ!!!」

 

 かっちゃんと共に走り出そうとした時、廊下の向こうから先生の声。

 

 その切羽詰まった様子に、僕は空を仰ぎ、かっちゃんは舌打ちしながら教室のドアを蹴り飛ばした。

 何が起こったか……いや、誰が何かを起こしたか、分かったからだ。その声だけで。

 

「緑谷ァ! 発目何とかしろ! あいつっ、あいつぅ!」

「先生、落ち着いてください……で、明ちゃんが何したんですか?」

「あのクソガキ! 教員トイレのウォシュレットを全部超高圧洗浄機に入れ換えやがった! 教頭が便座から三メートルぶっ飛んで意識不明だ! ついでにトイレ浸水! 天井破壊! 天井内部の照明の電線が切れて職員トイレ近くの照明が全部停電! 馬鹿じゃないのか!?」

「明ちゃあああああん!!!! 世の中にはやっちゃいけない事があるって教えたよねエエエエエエエッ!?」

 

 校舎で緑谷が叫んだその時、不気味全開の緑谷から逃げ出して校庭を歩いていた先程の男子二人組のうち、一人がぽん、と手を叩いた。

 

「あ、さっきのブツブツ独り言言ってたアブナイ二年生、どっかで見たことあると思ってたの、思い出したわ」

「え、そうなの? どこで見たんだよ」

「兄貴が携帯見せて教えてくれた。『折寺で起きる事件はだいたい全部こいつらのせいだから』って……ああ、ほらこれ」

「へー、……あ、あいつらが折寺の『無免ヒーロー』なの!? しかも女の子超かわいいし」

「らしいぜ。兄貴曰く……」

 

『突っかかってきた不良をことごとくぶちのめし、ヴィランを一方的にボコったって噂もある! 最早ただの暴走機関車! 折寺三馬鹿の二番目に手を出しちゃいけない奴! 無免レッド『爆殺卿』爆豪勝己!』

 

『詳しい事は話さん話せん! とりあえず見た目にゃ絶対に騙されんな! 折寺三馬鹿の一番手を出しちゃいけない、折寺に近づくものは居ない……というか誰も近づきたくないクレイジーサイコパス! 無免ピンク『一人災害発生機』発目明!』

 

『いやもう本当にあなたがいなければどうなっていたか! 折寺に生まれてくれてありがとう! でも君何でいつも扱いがぞんざいなの? 暴走する馬鹿二人の貴重すぎるストッパー役! 無免ヒーローの良い噂はだいたい彼がやった事! 三馬鹿屈指の常識人にして良心! 無免グリーン『THE・地味』緑谷出久!』

 

「……らしい」

「ふーん……まあ、とりあえず二年間は退屈しなさそうだな」

「まーな……ヒーロー同好会、入る?」

「冗談がきついぞ」

 

 

 

 所変わって、折寺に隣接している結田府市のファストフード店。

 

 

 

「で、トイレ修理に時間とられて新入部員ゼロって訳?」

「申し訳ないデス……」

「いや、別に楽するのが目的じゃないしな。どうしても部室がほしいなら……まあ来年もあるし」

 

 四人が座るこのテーブルで緑谷が代表して頼んだポテト(現在セール中で特大サイズが安くなっている)を一本つまみニヤリとシニカルに笑った、結田府市に住む知る人ぞ知る無免パープルこと心操人使は言葉を続ける。

 

「俺達の目的はあくまで雄英ヒーロー科。それ以外は不要とは言わないけど、優先度が低い。そうだろ?」

 

 そう言って、ペシンと隣に座っていた爆豪の頭を叩いた。

 すると先程までボーッとした顔をしていた爆豪の目が突如つり上がり、目の前にあったLサイズのコーラをズゴッと吸い込んだ。

 

 そんな彼の髪は心なしかしっとりしている。例のトイレで散々な目に遭ったことを想像させるしっとり具合だ。

 

「っったり前だろ! それ以外は全部雑音じゃ!」

「勝己さ、いい加減俺の個性に挑戦するの止めたら? 何回やっても勝てないって」

「るっせ勝つわ! てか負けてねえわ殺すぞ!」

 

 バン、と机を叩く爆豪。

 

 彼がそうすることなどとうに分かっていた二人は、爆豪を除く三人分のジュースを持ち上げてこけないようにした。

 だが新たなる発明をしている最中であったこの場の四人目は、「うおっ」と野太い、女の子が出してはいけない声を出す。

 

「ちょっと、勝己さん? 私のプログラミングを邪魔しないでもらえますかね!」

「うるっせええええ! 元はと言えばテメエのせいで人も集まらなかったんだろうがクソ女ァ!」

「わ、こっち向かないでくれません? ちょっとトイレ臭いんで」

「テ・メ・エ・が! テメエが、職員トイレで水害起こしたからだろうが! 教頭口から泡吹いてたんだぞ! 俺の内申にまで影響出たらどうするつもりだアァン!?」

「教頭は無敵だから大丈夫ですよ。それにあの高圧水流ターボジェットウォシュレットはスイッチ式ですから。私だって普通の人間にあれはやりません」

「明ちゃんちょっと待って。ていうことは、何? 明ちゃんは職員トイレ覗いてたの?」

「覗きなんてしませんよ! 監視カメラを付けているだけです!」

「ごめんっ二人とも! ぼくちょっと学校に用事できた! 戻ってこれそうなら戻ってくるから! 明ちゃんほら、行くよ!」

「え、出久さん、私は用事無いですよ?」

「あるの! むしろ明ちゃんが用事あるの! いいからほら! 立って!」

 

 ドタバタと、大急ぎで彼女の手を引いて去っていった緑谷。

 自転車の後部に美少女を乗せて走り去るその姿は男子中学生の憧れな筈が、何故だろう。残った二人の胸には憐れみの感情しか出てこない。

 

「出久も、よく『アレ』を彼女にしようと思ったよな。俺は普通に考えて無理だ」

「ケッ。女の趣味が悪いんだろ。味覚もクソだしよ」

「何でだよってぐらい良いヤツなんだけど、確かに女の趣味と味覚はダメだな……よりにもよって明を選ぶのはちょっと理解できない」

「……ったく、どうでもいいわ!」

 

 数本のポテトを一気に摘まんで、一口で食べる爆豪。彼にチマチマした食べ方は似合わない。

 

「……はは、まあな。でもどちらかと言えば明の方が明らかに出久にベタ惚れだよな。今のだって、俺とか勝己ならテコでも動かなかっただろ、絶対」

「動かすわボケお前と一緒にすんな」

 

 緑谷の去っていった方向を見て、二人は同時にジュースを飲んだ。と同時に、心操が緑谷と発目のジュースを手元に引き寄せる。

 

「コーラとオレンジジュースどっちが良い?」

「コーラ」

 

 二人が帰ってくることは確実に無いと確信した行動であった。

 

 

 

 時間は経過し、緑谷と発目は夜の住宅街を歩いていた。

 緑谷は自転車を押し、発目はそこに腕を絡ませている。誰がどう見てもカップルだ。

 

 どこかの世界線の緑谷ならば赤面して作画が崩壊していそうなシチュエーションであるが、女慣れならぬ発目慣れしている緑谷にとっては特にどうということもない状況だ。他の女の子だと気絶する。

 

「二週間ぶりだったのに、人使さんには悪いことをしましたね」

「うん。それを考えられるなら大のシーンを撮影された教頭先生にも同じ気持ちを持とうね」

 

『ギャグ補正』という、どんな致命的ダメージであろうとコミック的表現で復活してしまう無敵の個性を持つ故に発目に度々実験台とされてしまう憐れな教頭に緑谷は申し訳なさを感じる。

 

 今はトイレに設置されたカメラを全て回収し、常人なら内臓が破裂していてもおかしくない衝撃を受けながらもピンピンしている教頭に二人で頭を下げた帰り道。

 既に時刻は八時を回り、心操からは六時頃に『もう帰るよ。出久、お疲れ様』という大変にありがたいメッセージが届いていた。

 

「……出久さん」

「どうしたの? 明ちゃん」

「……ごめんなさい」

 

 ポツリ、とそう溢した発目。緑谷はその言葉の意味が理解できず、小首をかしげる。

 

「……何で?」

「毎日、毎日……迷惑をかけているという自覚は、あるんですが、その……」

 

 私は気になるものを見つけるとそれしか見えなくなるので。

 

 そう発目はポツポツと語った。それにつれ、緑谷の腕に絡み付く力は弱くなる。

 

「そもそも私はあまり女らしくは無いですし、まれに人間であることすら忘れそうになりますし……一般的な友人、と目されるのは、勝己さんと人使さんだけですし、同性とは一切話さずに一日を終えることだってありますし……それに、あの二人だって、私が出久さんと一緒にいるから、わたしにも構ってくれるだけで……」

「……」

「なんて! 忘れてください! 私は出久さんのサポートをする事が今生の使命ですので! ああ、そういえば今考えてるアイテムがそりゃもうスッゴいことになりそうでですねウフフフフFFfff……んぅっ」

 

 緑谷は、発目が弱く弱く、触れる程度に絡み付いていた腕をするりと抜き、少し残念そうな、寂しそうな、悲しそうな表情をする発目の肩を強く抱き寄せた。

 

 発目は一瞬だけ身体を緊張させたものの、その後は普段通りに歩く。しばらくしてから、目元をほんの少しだけ赤くした彼女が緑谷に声を掛ける。

 緑谷が顔面全てを赤くする照れ方をするのに対し、彼女のそれは慣れていないと見抜けない程度の赤面だ。ちなみに今の緑谷はベタ塗りしたかのような赤面だ。いくら発目慣れしていてもこれは恥ずかしかった。

 

「……もう、出久さん、いつからプレイボーイになったんです? 私今不覚にもときめきました! 久々に女を実感しました! 半年ぶりくらいに!」

「告白の時!? え、そんなに僕彼女扱い出来てなかったかな!?」

「多少召し使い度が上昇した程度にしか感じられませんでしたね!」

「メシツカイ!?」

 

 自分なりに初めての彼女を大切にしていたら、その彼女に召し使い扱いされてたの巻。

 完全に意気消沈した緑谷の手に触れて、その甲に頬擦りする発目。

 

「今は違います。カッコいいです」

「あ、うんそれは……ありがとう?」

「だから、カッコいいままで居てくださいね?」

「え、え……あ」

 

 発目の言葉のニュアンスに疑問を持った出久が周囲を見回すと、それが見えた。

 それは今歩いている住宅街の終わり。繁華街の始まり。

 

 その通りには学習塾が多く、恐らく塾通いの学生などでごった返している、その大通り。自分の学校どころか自分のクラスの生徒まで居るだろう。割と大勢。

 

「う、わ、わわわわ」

「ウフフフフフフFFFfffffff」

 

 ───明日風邪引かないかな。早速突き刺さる妬み混じりの視線を浴び、緑谷は真剣にそう考えた。




緑谷出久

言わずと知れた主人公。多分一番頑張ってる人。医者から個性諦めろと言われた次の日にたまたまオールマイトの関連動画から飛んだヒーローの動画を何と無しに見ていると、そのヒーローが隣に越してきた。そのヒーローの義娘の面倒を見る代わりに武術を教わり、『無個性ヒーロー』を目指す。個性はなー…どうしようかなー。あった方がそりゃあ書きやすいんだけどなあ。まあ高校編はやるかわからないけど。色々な意味で最高にキレた彼女がいる。折寺中学ヒーロー同好会会員。

爆豪勝己

原作では緑谷への感情を拗らせに拗らせていたが、この世界線では緑谷が強キャラ化している上にそれ以上にヤバイ幼馴染みが要るので、結果的にありがちなツンデレとなっている。二人目の幼馴染みがキレた発想を提供してくれるので、コスチュームに大幅な変更が加えられる男。彼はサブマシンガンとかの色々扱いやすい兵器よりもハンドキャノンとかのロマン武器が好きだと思う。サブマシンガンが実際に扱いやすいかはともかくとして。折寺中学ヒーロー同好会会長。

発目明

発明と緑谷が大好きなスーパーぶっ飛び少女。原作におけるサブキャラで今後も大した設定は追加されないであろうと目され、作者によって生い立ちを不幸にされてしまう。発明に本格的にドはまりする前に緑谷への好意をインプリティングされた結果、主に大好きな緑谷のために大好きな発明をする献身的マッドサイエンティストと化した。味や食べ合わせを一切考えず、栄養バランスのみを考慮して料理をするという絶望的なメシマズ設定だが緑谷は彼女の料理を気に入っている。爆豪曰く「テメエの作るモンは料理じゃねえ!ただの栄養だ!」とのこと。折寺中学ヒーロー同好会部員。

心操人使

隣町の結田府中学校に通う中学生。小学生の頃、悪事向きの個性と言われてヒーローになることを少し諦めかけていた時、隣町に住む自分と同じ年の、無個性にも拘らずヒーローを目指す少年に出会う。そこから色々あって彼らとつるむようになる。同校に体が固くなる友人がいる。原作と出身中学が違うのは色々事情がある。

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