無免ヒーローの日常   作:新梁

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今回のあらすじ

どうしようもなく地味でも、存在自体が弱くても、天才と呼ばれるような才能が無くても、劣等感に苛まれて自分を信じられなくても、あって当然の『個性』が無くても、

それでも僕の周りには、沢山の人が居てくれて。

それでも僕の隣では、いつでも君が笑っていてくれるから。

リア10爆発46さん、誤字報告ありがとうございます。


第二十九話。【polar star】

 折寺市民病院。大部屋。

 

 

 

 デステゴロは意識を失っている間に病院に運び込まれ手当と検査を受けた。その結果腕と胸を中心に身体の広範囲に中度から軽度の火傷、そして脚と肋骨にヒビが入っているという結果だったが命に別状は無いと判断された。また救出された少女も炎発生器官である頭の角周辺に熱のダメージがあるものの他は特に問題は無いという結論になり、しかし両者共に念の為の入院が手配された。

 

 そして一日が経過し目を覚ましたデステゴロは今、清潔なベッドの上でダラダラと冷や汗を流していた。

 

『…………ッッッッバックドラフトオオオオオ!!!! カムイイイイィィィッッッ!!!! っ岳山アアァアァアァァァァ!!!!!』

「いやー言ってくれますよねー本当テレビのカメラまで回ってる所で堂々と人の本名を大声で。お陰でニュースにまで取り上げられるし動画サイトに音MADまで出てるし」

「……悪かった……あの時は……その、夢中で……」

「いやいや怒ってないですよ? 全然怒ってないです。ただね? 私は知ってほしいだけなんですよ。デステゴロのお陰で世間での私のヒーローネーム認知度が下がる一方でみんな私の顔と本名(岳山ァ!)を繋ぎ合わせてたりとか? SNSとかヒーロー掲示板のスレでは私の名前は『Mt.レディ』ではなく『岳山ァ!』として完全に定着してたりとか? セクシー系ヒーローで売っていこうと考えてたのに私の元には既にお笑い系のネット番組に出演できないかってオファーが二件来てたりとか? デステゴロの行動はそういうスンバラシイ結果を生み出してるって事を知ってほしくてですね」

「本当にすみませんでした……自分が軽率でした……」

 

 今はヘドロ事件の翌日で、まだ昼にもなっていないのに岳山は私服でデステゴロの病室にやって来てデビュー初日からの自分の話題性の高さについてツラツラと所感を述べていた。

 

 デステゴロはヒーローにとって商売の生命線であるキャラ付けを台無しにするという社会人として、ヒーローとしてしてやっては駄目なことを思い切りやらかした自覚があるだけに汗を流しながらひたすら頭を下げ続けていた。

 

「……まあ、良いですよ、本当に。確かに考えてた販路は完全に使えなくなりましたけど、デステゴロも前にパトロールしてた時に言ってたじゃないですか。『こういう人気は得難い』って」

「……あー、言ったっけ?」

「言いましたー言ってましたー……まあ、私はこれから先、『親しみやすいヒーロー』でやっていきます。ホントはそれを言いに来たんです」

「……へぇ、良いんじゃねぇ?」

「デステゴロを許したわけじゃないですからね」

「ええ!? 怒ってないって言ってたろ!?」

「怒ってないのとだから許すのかは全然別の話でーす! これは貸し一つなんで、いつか絶対返させます」

「……マジかよ……!」

 

 その後、岳山は昨晩両親に電話しただの、爆豪が雄英推薦の一次試験通ったらしいだの、何でもないような話をしばらくしてから帰っていった。病室から出ていった瞬間に小さな子供が「あー! 岳山だ!」と叫び、岳山が「誰が岳山か! せめてさん付けしなさいよ!」と怒る声が聞こえ、デステゴロは再び申し訳ない気持ちで一杯になった。

 

 

 それからしばらくの時間が経って、昼食と骨の検査を終えてゆっくりしている時にデステゴロの携帯(あの修羅場で奇跡的にどこも壊れずに生き残っていた)がブーとバイブ音を響かせた。それを取ったデステゴロは液晶を確認してから通話マークをスライドさせる。

 

「もしもし、どうしました? オールマイト」

『ああデステゴロ! 済まないね、直接見舞いにも行かずにこんな形で。こうなると多忙なのも良し悪しあるね』

「いや、別に良いですけど……あー、もしかしてパトロール中、すか」

 

 オールマイトの声に張りがあるのが分かったデステゴロはそう言うが、オールマイトは『いいや! 今はお昼ごはんさ!』と笑った。

 

『私のトゥルーフォームだと付き合いが浅い時は電話で声を判別できないらしくてね。『風邪引いた?』とかよく言われたもんさ!』

 

 そう笑ってから、電話越しにバシュ、という音が聞こえる。次に聞こえたのは先程までとは似つかないローテンションな、低い声だった。

 

『……改めて、昨日は凄かった。素直に感動したよ……チームアップの鍛錬もしていない人間がたったあれだけの作戦会議であそこまで息の合ったコンビネーションを取れるとは思わなかった……ヒーローは基本的に周りは敵か商売敵だからね』

「そんなもんすかね……俺はヒーローとしてこの場所しか知らねえから」

『そんなもんさ! 同じ街を守ってるってだけでああはならない……もしかしたら彼らのあの戦いは君がいるから齎されたもの、かもね?』

 

 オールマイトの半分冗談、半分本気といった言葉をデステゴロは軽く笑い飛ばした。

 

「ワハハハ! 買い被りすよ! 俺はそんな、大したやつじゃない!」

『……そうかい? 私は結構いい線言ってると思うけどなあ……まあ何にせよ、あの日君が体を張ってくれたお陰で私は寿命を削らずに済んだよ。ありがとうデステゴロ』

「……なあに、気にせんで下さい。『より多く』人を助けるのがヒーローの勤め……でしょう?」

『…………HAHAHAHA!! そうだな! ……うん、君は本当にいいヒーローだな』

「買い被りですって」

 

 その後はポツリポツリとヘドロがちゃんと不定形専門の拘束を施された事や、ヘドロを追う途中で見つけた個性持ちの野良猫をオールマイトが飼育する事になった事などを話してしばらくの時間を潰した。

 

『まあ猫は刑罰にかけられないし、そもそもそういう『個性に目覚めた人間以外の生物』ってのが割と法律的な扱いが宙ぶらりんで……特に人間並の自我に目覚めちゃうような子は……で、本人……本猫の希望もあって私が面倒見る事に』

「へぇ、そら災難っすね」

『うん? うーん……まあ実は、私昔から動物飼ってみたかったんだよね。けど私独り身だし、しかも多忙だから普通の動物なんて飼えないし……だから今ちょっと嬉しかったりする……それに、あの姿見られたってのもあるしね』

「まあ、無理しないでくださいよマジで……ん、おっす出久」

「……あっ……と……電話……あの、出直しますね」

『来客かい? なら私はもういいよ。伝える事は伝えたしね』

「あ……ッス。すんません、じゃあ……また」

『うん、改めてありがとう。それじゃ』

 

 ジェスチャーで緑谷を引き止めつつオールマイトとの通話を終えたデステゴロは、携帯をベッドに固定されたテーブルの上に置き、緑谷をベッド横の椅子に座らせた。

 

「あの……すみませんでした、電話……」

「ああ、いいって別に。結構長いこと話し込んでたし。それよか珍しいな? お前が一人で来るなんてよ……明はどうした? まさか……喧嘩か? 痴情がもつれちまったのか? オッサンに言ってみ? うん?」

 

 恋愛相談をされる度に微妙な顔をする癖に何も言われなければ自分から首を突っ込むデステゴロのからかいの言葉に緑谷は「違いますよ」と冷静に返す。

 

「まあ、だよな。しかし……なら何でだ? いつもはウザいくらいベタベタしてんのに」

「う、ウザ……な、なんだかよく分からないんですけど、すぐにでも完成させたいサポートアイテムがあるとかで、昨日からずっと研究所にこもりきりです……学校休むために仮病まで使うなんてよっぽどですよ」

 

 緑谷は今朝作業場の扉越しに『すみません出久さん! ちょっと私サポートアイテム開発しないと死ぬ病にかかったので今日は学校いけません! 学校には問題ないようにいい感じに言っといてください!』とクソ元気な大声で言われたのを思いだす。

 

 ちなみに学校には発目の言葉をそのまま伝え、発目には無断欠席が一日ついた。緑谷は発目に甘いがヒーローを志す者として不正には加担できないのだ。

 

「ふーん、んな事がね……」

「……はい。かっちゃん……は骨折程度で見舞う必要ねえって叫んでましたけど、人使君や切島くん、それに芦戸さんとかは来たがってたんですけど……あんまり大挙するのも何だかなって事で僕が代表で。あ、これ皆からのお見舞いです」

「お、どーも」

 

 手に抱えられる程度の、一人で食べ切れる分量の果物盛り合わせ。控えめな量の、しかし見ていると元気になるような配色の花束。数種類の栄養ゼリー。『闘魂』と金糸で刺繍された赤いハンカチ。爆豪の隠し撮り写真。何故かマイナスドライバー。後半をお見舞い品に選択した人間は病院を何だと思っているのか。

 

「……人柄が出るよなぁ、こういうのって……あと勝己の写真入れたの誰だよ」

「かっちゃんが骨折に見舞いなんて要らないって言ってるのを聞いてた人使君が明ちゃんに隠し撮り用の超小型カメラを借りて切島君が気を引いている隙に芦戸さんが隠し撮ったものを僕が現像して持ってきました」

「連名かあ……ま、あんがとさん。事務所にでも飾ってるよ」

 

 何故発目は隠し撮り用の超小型カメラを所持しているのだろうという考えがデステゴロの頭を一瞬よぎったが、デステゴロは目の前の緑谷を見て首を振った。あの少女がそんな物を使う相手などこの少年以外には居ないだろう。

 

「……ご苦労さまでした、デステゴロ」

「オウ。ご苦労したぜマジで」

「ハハ……やっぱり凄いですね、プロヒーローって……改めてそう思いました」

「……出久……」

 

 少しばかり陰のある笑顔でそう呟く緑谷を見て、デステゴロは僅かに眉を顰める。それにも気が付かずに曖昧な表情で自分の膝を見つめる緑谷をしばらく見ていたデステゴロは、身体の向きを変えてベッドの横にある松葉杖を手に取った。

 

「よっしゃ出久、ちょーと散歩行こうぜ」

「え!? 出歩いていいんですか!?」

「知らねえなら教えてやる。病院では出歩いちゃ駄目な患者に松葉杖は支給されねえんだよ。ほら行くぞ」

「あっちょ、待って!」

 

 後ろから緑谷が泡を食って追いかけてくるのを感じたデステゴロは「競争だ!」と言って松葉杖を素早く動かし始めた。

 

「ほらほら早くしろよ! 杖ついてる人間に負けんじゃねえぞ!」

「ちょっとデステゴロさん! 院内ではお静かにして下さいよ!」

「うおっ婦長さん、スミマセン……」

「全くもう! いくらヒーローやってるって言っても貴方もいい年なんですからもう少し落ち着きを持ったらどうなんです?」

「いや、ハイ、すみませんでした」

「大体何ですか中学生捕まえて病院で競争って。しかもあなた脚の骨にヒビが入ってるんですよ? 分かってるんですか? その競争でヒビが悪化したらどうするんです? 長期入院したいんですか?」

「すみません! すみません!」

 

 

 

 病院近くの公園。ベンチ。

 

 

 

「病院ではマジで走らないようにしろよ出久」

「他人のふり見て、ですよね。絶対走りません。僕が走り出す前で良かった……」

「くっそう! ずりーぞ出久。お前も怒られてこい!」

「病院で走っちゃった瞬間までとっときます……」

 

 学校終わりにランドセルを放り出してゲラゲラ笑いながら駆け回るあどけない小学生達。

 

 まだ肌寒い四月だというのにヒーローに憧れる彼等は自分の着ているシャツを脱いで首に括り付けてマントに変え、上半身裸にマントのアホヒーロー半裸マントとして活動していた。挙げ句ヴィラン役の少年達まで半裸マントと化しており、公園内は十人程度の半裸マントが入り乱れる大乱戦と化していた。

 

 どうも自分以外のマントを剥ぎ取り半裸マントから半裸マンに変える事が彼らの目的らしく、他の半裸マントの魔の手からうまく逃げ回るもの、剥ぎ取った他人のマントを勲章のように幾つも首に括り付けるもの、風邪をひかないようにとお母さんが厚着させてくれたトレーナーを一切の躊躇なく残機として使うもの、剥ぎ取られたマントの奪還を狙う半裸マンアベンジャーズ等々個性溢れる光景を二人はしばらくの間椅子に座ってボケっと眺めていた。

 

「……デステゴロ」

「ん」

「………………僕って……ヒーローになれるんでしょうか?」

「…………」

 

 ポツリ、と小さな声で響いた緑谷の疑問。その声は子供達の歓声で隣のデステゴロ以外には聞こえない。デステゴロは「何でそう思ったんだ?」とだけ、緑谷と同じような声で呟いた。

 

「……ヘドロ事件のあった日、僕……信じられないかもしれないですけど、オールマイトに会ったんです」

「ん゛っふ」

「デステゴロ?」

「ああいや、続けてくれ。咳だ咳」

 

 デステゴロが大体自分と似たような情報を得ているとは知らない緑谷は、オールマイトの弱体化という重要な情報を出さないように気をつけつつ昨日雑居ビルの上で交わされたやり取りについてほぼ包み隠さず話した。

 

 

 オールマイトに自分はヒーローになれるかを尋ねた事。

 

 オールマイトに自分の努力を全面的に認めてもらった事。

 

 そしてその上で、それでもヒーローに『なって欲しくない』と、他でもないトップヒーローに言われた事。

 

 

「オールマイトは本当に申し訳無さそうな声をしてました。きっとあの答えは、あの場で考えて考えて、それでも譲れない一線なんだと思うんです」

「…………まあ、だろうな」

「…………プロのヒーローが……しかも世界一のヒーローが、そう言うんだ。だから僕は……もう、諦めた方が良いんだ……それは分かってる……っ、十年以上悩み続けた事に決着を付けてもらったっ、事にっ、感謝しなきゃっ、いけないくらいっ、でっ、でも僕はっ!!」

「…………出久……」

 

 昨日、オールマイトに言われた言葉が心にヒビを入れ、緑谷はそのヒビから漏れ出る複雑な感情を抑える事が出来なかった。

 

「僕はっ……! 僕だってっ、ヒーローに……!」

 

『ヒーローになりたい』…………この思いは、緑谷の魂を形作る『芯』だ。どれだけ魂の表面が傷付こうとも、十年前の『あの日』ならばともかく、十年の歳月をかけて努力と決意と信念が染み込んだこの芯が本当の意味で壊れることはもう、あり得ない。

 

「……それでもっ、僕はヒーローになりたいんだ……! なりたいんだ…………ッ!!」

 

 だからこそ緑谷は今、苦しんでいる。オールマイトというヒーローを目指す者にとって神にも等しい男からの否定の言葉に、これまでの自分の人生全てをかけて抗っているのだ。

 

 両腕で震える身体を抑え込むようにして身体を丸め、歯を食いしばりながらボロボロと涙を零す緑谷。

 

 そんな緑谷を見たデステゴロは。

 

「…………丁度さ、あのガキンチョ達くらいの歳だったんじゃねぇか? 俺とお前らが会ったのってよ」

「…………ぇ?」

「あの時もこんな時間でな……お前と勝己と、明に会って……」

「……ああ、そうでしたっけ……本当に小さかったから覚えてないなぁ……」

 

 唐突なデステゴロの話題転換に若干涙の引っ込んだ緑谷は日の暮れ始めた空を眺める。デステゴロも同じようにして空を仰ぎ、息を一つ吐いた。

 

「出久」

「はい……」

「……今からする、この話はよ、俺が胸張って、『俺はすげーヒーローだ』って言えるようになってからお前に言おうと思ってたんだけどな……丁度人命救助したし、たぶん今がその時なんだと、思う……」

 

 そのやけに改まった言い方に、空に向けていた視線をデステゴロの方にやる緑谷。

 

 デステゴロは視線を空に向けたまま、少し気恥ずかしそうに言葉を紡ぐ。

 

「ちょっち長くなるかも知んねえけど……聞いてくれるか……俺が、『ヒーローを目指し始めた日(オリジン)』の、話なんだ」

 

 

 

 大体……十年前くらいか。デステゴロの独白は、その言葉から始まった。

 

 

 

「俺はその当時ヒーロー業界で『新人』って言われなくなった頃だった。新人でもないし、かと言って……まあ、ベテランでもない。それくらいっつったら大体のヒーローが活躍も鳴かず飛ばずでもなきゃ……まるっきりカスりもしない訳でもない一番中途半端な時期で……一番、ヒーロー業から足を洗う人間の多い時期でもある」

 

 ポリ、と気恥ずかしげに頬を掻いたデステゴロ。緑谷は膝の上で手を組み、謎の昔話に困惑しながらも黙って話を聞いていた。

 

「新人の頃ってのはよ、案外ミスが失態に繋がらない。なんせヒーロー飽和社会だ。周りのヒーローも『新人だから』ってまー、色々とフォローを手厚くしてくれるんだ。だから人助けをできるし、割と名前も良く売れて……んでまー、『俺案外やれんじゃね!?』とか思った頃に……何でだろうな? なんか示し合わせるみたいにして周りから一斉に先輩が居なくなるんだよ」

「……そう、なんですか?」

「おう。あまりにも一斉に居なくなるもんだから自分がなにかしたか気になったくらいだ……んで、今までやれてた事がやれなくなって、何か色んな事が一気にうまく行かなくなって……まるで、業界全体から見放されたみてえな……そんな気分になるんだよな」

 

 折寺のヒーローどころか、市民全員に慕われていると言っても過言ではないデステゴロのそんな姿を想像できずに、緑谷はパチクリと瞬きをする。それを見て少し笑ったデステゴロは「昔はな」とだけ言って話を続けた。

 

「とにかく俺はその時丁度そういう時期でよ、正直、私生活もちょっと荒れたりした。人助けもなんかうまく出来なくて、今までは何だったんだよ……なんて、ムダに苛ついて……そん時俺の高校の時の同級生でヒーローになってる奴がデカいヤマ終わらせて、テレビの特番とかにも引っ張りだこになってて……俺はその画面見た時、もうメチャクチャに焦った。アイツにできる事がなんで俺にできねえんだって、パトロールしてもひったくり追っかけても、頭の中はずーっとそれだけ考えてた……」

 

 そこまで言ってから身体の動きを止めたデステゴロは、「あ゛ーっ!!」と叫んで豪快に頭を掻きむしった。

 

「違う! 今言ったのは嘘だ! ……『考えて』なんて無かったんだ。俺は答えを出そうとはしてなかった。俺は……なんで俺にはできねえんだって、そう『思って』いただけだ。解決策なんて求めてなかった。ただ不満を抱え込んで、自分以外に原因求めて……まるで突然不幸になったみてえに自分に言い訳して……コケた場所から立ち上がらずに、ずっと痛え痛えって、わめき続けてた……立とうとなんて、全くしちゃ居なかったんだよ。馬鹿だよな」

「デステゴロ……」

 

 違う。緑谷の知るデステゴロとはあまりにも違いすぎる独白の内容に、彼の思考は混乱していた。それを愉快そうに、しかし気恥ずかしそうに見るデステゴロは、「まあ、この話にそういう顔してくれんのは嬉しいかもな」と笑った。

 

「その日も……俺は頭の中ゴチャゴチャのまま折寺をパトロールしてた」

 

 デステゴロの言う『その日』。それは、緑谷もよく知る、緑谷の原点(オリジン)となった日の事であった。

 

「その日も折寺はイヤになるくらい平和で、平凡で……ヒーローが活躍する場所なんて無かった。まるでそれが、この街に俺の居場所が無いみてえな……とんでもねえ疎外感を感じちまって……いっそ酒でも飲みながらパトロールしてやろうかなんてやりもしねえような事を考えて……そんな時に、俺は、お前らを見つけた」

 

『"無個性"のくせにヒーロー気取りかデク!!』

 

「その声は、俺が公園の横を歩いているときに聞こえた。そんで公園の中を覗くと、小さな……小学校入るかどうか……ってくらいの子供達が睨み合ってた……そりゃどうやら、三人のいじめっ子にいじめられていた一人の子供を、『無個性の木偶』と呼ばれた子供が守っている所らしかった」

 

『……そうだよ……! 誰かのした悪い事は、誰かが止めなきゃいけないんだ!!!』

 

「……そう言って、三対一の無謀な戦いを始めた『無個性の木偶』は、三方を囲まれ腕を掴まれ、見る間に不利な状況へと陥っていった」

「……それ、って……!」

 

 緑谷の驚いた声に、デステゴロはただ笑って、続きを話す。

 

「しかしそれでも『無個性の木偶』は諦めなかった。それどころか掴まれた腕を無理やり動かして掴んでいた少年を転けさせ、目の前の少年が放つ爆発を間一髪で避け、その爆発に眼の眩んだもう一人の少年の胴に拳を叩き込んでいた。『無個性の木偶』は何かの武術を修めているようだった」

 

『ゲホぉっ!?』

『いってぇ! 膝ムケたぁ!』

『……っデクぁ! このクソが!』

『僕は……! 僕は負けないぞ! 僕はっ、僕は負けないぞ! 負けないぞ!』

『うるせえ! 死ね!』

 

「反撃を受けて、さっきまでヘラヘラ笑って暴力を奮っていた三人のいじめっ子の顔つきが明確に変わった。『無個性の木偶』はそこから三人に一斉に殴られ蹴られを繰り返されていた。『無個性の木偶』も怯まず反撃を繰り返してたけど、一度殴るたびに三度殴られるその様を見れば、どちらが勝つかなど分かりきってた……それを公園の外から見てた俺は、ただ呆れてた……勝敗の分かりきった勝負に挑んだ、『無個性の木偶』に、な」

 

『……馬鹿なガキも、居たもんだな』

 

「きっと、勝てると思ったんだろう。俺は自分の力を過信して三人相手に突っ込んだ『無個性の木偶』に何とも言えない奇妙な感覚を味わいながらその場を立ち去った……止めようか、なんて一瞬は思ったが、そんなもんは一瞬だった。ガキの喧嘩なんて止めたところで金にならない。それにたかだかガキの喧嘩。そう大した怪我にもならないだろうと思っての事だった……それに、その頃の俺は度重なる失敗で『人を助ける』って事に苦手意識を感じていた」

 

『……自分の力と相手の力の差も見極めねえで突っ込むから痛い目ぇ見んだよ……』

 

「救けられないなら救けない……それは、まだ新人の頃に他のヒーローに助けてもらって上げた戦果を自分の実力だと勘違いしてた俺が、一人になってから自分なりに考えた結論だった」

 

 それは、違う……と緑谷は思った。そしてデステゴロはその心を読んだように笑って「ヒーロー失格だよなあ」と言って、また笑った。

 

「『救える奴だけ救う』。『全ては救えないから、全てを救おうとは考えない』…………まあ……簡単で、楽な理論だ。その当時の俺は、それこそがヒーローとして生きていくために必要な考えだと思っていた」

 

『あのガキも、今日のアレで思い知ったろうな』

 

「そう考えると何となく愉快で、なのに腹立たしいような気分にもなって……複雑だった。だから俺は、そのガキの事はすぐに忘れる事にした」

 

『しかし無個性ねぇ……それなのにあの性格たあ、生きにくい奴も居たもんだな』

 

「普通の人間は、力があってもそれを世の為人の為に使おうとは考えないもんだ。それは昨今の、明らかにヒーローの総数よりずっと多い個性犯罪件数から見ても明らかで……そして、ヒーロー業界の中に居れば分かるが、本当に人を救いたくてヒーローを志す人間なんてのは、探したってそうそう居ねえんだ……」

 

 デステゴロは、そこで大きく息を吸い、「……だからなぁ……だからこそなぁ……」と、歓喜や罪悪感や、色々なものを詰め込んだように話す。

 

「…………だからこそ、同じ日に、別の場所で、しかし同じような状況で『無個性の木偶』を見た時の、俺の中に走った衝撃は凄まじかった」

 

『なにしてるんだよ! その子をはなせ!』

『……あ? 何このガキ』

『ボロボロじゃん。え、何? いじめられっ子? ウケる』

『はなせよ!』

 

「逃げるみてえにして公園を離れて、市街を見回っている時に……車線を挟んだ反対側から聞こえた声。その声に、ほぼ反射で振り向いた俺の視界に入ってきたのは……その近くにある中学校の制服を着たガラの悪い二、三人と、そいつらに腕を掴まれたピンクの髪の、小学生になるかどうかってくらいの歳の女の子……それと……それと、服は破られ、しかも色んな場所が焦げ、顔には鼻血の跡が残っている、さっき公園で見た時よりも圧倒的にボロボロになった、あの『無個性の木偶』だったんだよ」

 

「その木偶は……中学生達が女の子を離す気が無いと分かると、怖気付きながら、それでも一切躊躇せずに拳を振り上げて、数も、年齢も、もちろん体格も見るからに、圧倒的に格上な相手に立ち向かっていった」

 

(……おい、何してんだよ)

 

「反対車線の通路で、自分よりも半身分は確実に大きな相手に立ち向かう無個性の少年は何度も頭をどつかれて転かされては起き上がり、胴を蹴られては起き上がって中学生に掴みかかっていったんだ。途中からさっきまで少年をボコボコにしていたイジメっ子が何故か少年に加担し始めたんだが、それでも中学生三人相手だ。勝てるわけねえ……そうさ。勝てるわけねえんだよ」

 

(……何してんだ……)

 

「けど……けど、それでも何度も、何度も、諦めずに立ち向かっていくその二人を見てな……俺の心に沸き上がるモンがあったんだよ」

 

(なァ……何してんだよ……!)

 

「そりゃあな……」

 

(こんな所で一体何してんだよっ、『俺は』ッッ!!)

 

「小さい癖して、弱い癖して……『誰かを救ける』って事を微塵も諦めない、そんな超かっけえヒーローの……その背中を見てるだけの、なっさけねえ自分に対する怒りだよ」

「デステゴロ……」

「ああそうだ出久…………怒りだよ……クソ情けねえ事によ……その時まで二十何年生きてきて、俺はその時に初めて『ヒーローってのは何なのか』ってのを知ったんだよ」

 

 デステゴロは怒りなのか、はたまた悲しみなのか、何らかの激しい感情で震える手を目元に持っていき、潤んだその目を見られないように覆った。その時になって、緑谷は色んな感情で心の中をいっぱいに満たされ、少しの相槌を打つことさえ出来なくなっていた。

 

「……さっき俺、言ったろ? 『救える奴だけ救う』ってよ……それは違う……違うんだよ」

 

「……『救える奴を救う』……そりゃ当然だ……けどな……それで、『救えない奴を諦める』なんて事はあっちゃあいけねえんだよ。救えなくて……! 傷ついて……! 傷つけて……! ヘド吐いても……それでも諦めねえのが、救おうとして抗い続けるのが……! それが、ヒーローなんだよ! 俺はそんな簡単な事に、その時気付いたんだ……」

 

「…………まさに、青天の霹靂って奴だった。俺の中でヒーロー業への不満とか、業界への不信とか、自分への諦めとか……そういう心の中の鬱屈したもんがその瞬間全部キレイに消し飛んで、『アイツらを救けねえと』って、それだけが頭ん中に雷の音みてえにガンガン反響してた」

 

「傍にあった横断歩道に全力で走って、けど運悪く赤信号になって……だったらって、半分バランス崩しながら方向転換して、足首捻りながら歩道橋に向かって走ったんだ……ハハ、あの時の事だけはしっかり思い出せら」

 

「痛む足首に顔しかめて変な走り方しながらよ、お前らの所に辿り着いて俺は中学生達を一喝した。そいつらは俺に気付くとすぐに逃げてった……んで、お前覚えてるか? 今にも気ぃ失いそうなくらいボロボロなお前がよ……その身体引きずって女の子……明の側によってって、「怪我はない?」って……そう聞いたんだよ……そんで怪我が無いって分かったらよ、自分がメチャクチャボロボロのくせに、そんなの何でもないみてえによ、笑ったんだ……!」

 

「……これがヒーローなんだって、俺はそう思った」

 

「その時の、ボロボロでかっこ悪くて、そんで最ッ高にかっけえお前の姿が…………今の俺の、俺の人生を変えたんだ」

 

 

 

 デステゴロの独白が終わり、二人は暫くの間黙ってベンチに座っていた。

 

 夜が深まり始め、子供達の姿が減った公園のベンチで、緑谷はデステゴロの話を聞きながらいつの間にか涙を流していた。そしてそれはデステゴロも同様で、目元は手で見えなくなっているものの、少し涙ぐんだような声でかすかに呻いた。

 

「……なぁ、出久……」

「……はい……っ」

「お前、自分がヒーローになれるかどうか……って、悩んでたんだろ? ……その答えは、俺にとっては一つだよ……」

 

 デステゴロは、その大きな掌で緑谷の背中を力強く撫で、「俺がこうしてここに居るのはお前のお陰なんだ」と呟く。

 

「お前が居るから俺はここまでやって来れた。お前があの日、あの場所で立ってくれたから、俺は『ヒーロー』に、なれたんだ…………俺がお前と初めて会ったあの日から、お前はずっと、俺のヒーローだ……!」

「……っ、っぐぅ……っふ……!」

「……出久、あの日っ、俺を……俺の人生を……! 救けてくれて、ありがとう……!」

「……っううぅぅぅ……!」

 

 ボロリボロリと滲み出るように零れ落としていた涙腺がついに決壊した緑谷は、ズボンを握り締めて、声を上げて泣いた。デステゴロは、そんな緑谷の背中を自分も泣きながら擦った。

 

「ヒーローになれ、出久……! お前は誰よりもヒーローになるべきだ……!」

「………………っはい゛!」

 

 たった今互いに、救い、救われた二人は暫くの間、暗くなった公園で涙を流し続けた。

 

 

 

 折寺住宅街。夕飯時。

 

 

 

 あの後帰りの遅いデステゴロを探しに来た看護師に見つかったデステゴロは泣きながら病室へ連行されていった。それをなんか、何とも言えない変な気分で見送った緑谷は、その足で自宅へと帰っていた。

 

「いーずくさーんっ!」

「っわっ、ん、明ちゃん!? ……どうしたの? なにか買い物?」

 

 いつから後ろにいたのか、そんな緑谷の背中に突然抱きついてきた発目を自然に受け流し、腕に抱きつく形に収めた緑谷は驚きながらもそう質問する。発目はえらく上機嫌に緑谷の腕をぎゅうぎゅうと抱きしめながら、にへ、と笑った。

 

「……んー? 違いますよ♪」

「そう? ならどうして外に出てきたの? 作業は終わったの?」

「はい! 終わりました! 出来上がったんです! これが!」

 

 発目はそう言って、緑谷に見えないようにして持っていた小さなジュラルミンケースを緑谷に押し付ける。それを緑谷がしっかりと受け取ったのを確認すると、発目は緑谷の腕を離して数歩前に走り、クルリと振り返って満面の笑みを浮かべた。

 

「え……これ何、くれるの?」

「ええ! あげます! それと出久さん!」

「何? 明ちゃ」

 

 緑谷がケースを抱え直して首を傾げると、発目は緑谷との距離を一気に詰め、油断しきっていた緑谷の唇に自身の唇を強く押し付けた。唐突な衝撃にギクリと身体を震わせた緑谷の背中と首元に腕を回し、発目は緑谷を抱き寄せるようにより強く、深く唇を合わせる。

 

「…………ッ!?」

 

 そして、一、二、三、四秒。

 

「…………ん!」

 

 キッカリ四秒で唇を離した発目は、これで良し、とばかりに頷いて、完全に思考停止した緑谷の手から零れそうになっているケースをしっかりと持ち直させた。

 

「デステゴロだけじゃ無いです。あの日、あの時から、私にとっても出久さんは誰よりカッコイイヒーローなんですよ? ……その事、『それ』を見る度に思い出してくださいね」

 

 どうやらデステゴロの独白をすべて聞いていたらしい発目は、そう言ってから風の如くその場を走り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと出久!? 大丈夫!?」

「んぇっ」

 

 緑谷の眼の前には心配げに表情を歪める母の顔があり、緑谷は自宅のリビングに居た。そして自分の手には電子ジャー。

 

 何だこの状況。それが緑谷の一番目の感想だった。

 

「……え、僕……さっきまで道路に……」

「いやなんか呆然としながら帰ってきて無言で電子ジャーから白米手掴みで食べだすからお母さんもう怖くて怖くて! 何かあったの? デステゴロはどうだったの?」

 

 デステゴロ、の言葉で一気にフラッシュバックする石油臭と焦げた鉄の匂いが微かに混ざった甘い少女の香りと、ふに、とした柔らかな感触に緑谷はほぼ反射的にクソ熱い白米を手掴みで口に突っ込んだ。

 

「あづぃっ」

「当たり前でしょ!? 何してんの出久!? 何か物々しいケースも持って帰ってくるし!」

「物々しい……あ!! そういえばアレどこにある!?」

 

 致命の一撃を喰らう前にあった出来事にやっとこ思い至った緑谷が周囲を見回すと、机の上に例の小さなケースはあった。緑谷は半分転けそうになりながらそれに近付き、バチン、と留め具を外してケースを開けた。

 

「……あら」

「…………ああ……」

 

 そこには紺色の銃身をした、一丁のゴツいリボルバー拳銃が横たわっていた。しかしそのリボルバー部分は何かの機械に入れ代わっており、ただの拳銃ではない事を伺わせる。緑谷はその銃を手にとって……その下にあった紙に気がついた。それはノートの切れ端のようで、ボールペンで何かが書かれていた。

 

 その紙に書いてあったのは二つ。

 

 一つは、この銃の名前。

 

 そして、もう一つはこれを送った発目明らしい、万感の想いが籠もった簡素簡潔な一言。

 

 ────ヒーローに個性が不可欠なら、私があなたの個性になります。

 

「…………魂威……銃……【ポーラスター】……」

 

 輝く星のメダリオンと共に銃身にも刻印されたその名前は、どんな時も天上に一際大きく輝き、旅人達の歩みの指針となる北極星の名前。

 

『……そっか! ならお母さんは応援しないとダメね! 頑張れ出久!』

 

「……これ……」

 

『俺は信じてるぞ!』

 

「……これ見て思い出せって……」

 

『……再来年、ヒーロー科にこいつが入ります。中華丼の用意しといてください』

 

「…………ああ…………」

 

『……ップハハハ! ああ! 頑張りなよ! 僕らは三年生になって待ってるぜ!』

 

「……そういう……事か……!」

 

『……ああ……無事に来れたら何か奢るよ……ヒーロー科先輩として』

 

「……明、ちゃん……! ……君はどこまで……僕を……!」

 

『ヒーローになれ、出久……!』

 

「……はは……!」

 

『私にとっても出久さんは誰よりもカッコイイヒーローなんですよ?』

 

「……はは、は……ッ……!」

 

 銃を強く抱きしめた緑谷の瞳からは本日何度目かの涙がこぼれ始め、緑谷と共に銃とメモを見ていた引子は己も滂沱の涙を流しながら緑谷の頭を撫でた。

 

「いずく……」

「……っは、ははは……! 母さん……僕は……恵まれてるよ……! この世の誰より……誰よりも……! 世界で、一番……! 人に……人に……恵まれてる……!」

「いぃずぐううぅぅぅぅあああああ!!」

 

 引子は瞳から涙を高圧噴射しながら緑谷を抱きしめた。それを抱き返しながら、緑谷は緑谷で引子の服をずぶ濡れにする量の涙を流していた。

 

「母さん……! 僕……どんなに……困ってる人でも……! 笑顔で救ける……! 超カッコイイヒーローさ……僕も……っ、なれるよね……!」

「なれる! なれるよ出久っ! だってこんなにも頑張ってるんだもの! 絶対なれるよ!」

「……っ、かあ゛ざん……ッ!」

 

 その日、二人は抱き合って長い間泣き続けた。

 

 

 

 かつて、一人の少年が居た。

 

 その少年は、誰よりも力を望み、しかし神の気紛れによって望んだ力の一欠片さえ得られはしなかった。

 

 しかし少年の周囲には常に『人』が居た。

 

 これは一人の少年が、『世界を変えるヒーロー』となるまでの物語。




これで連日投稿終わりです。毎日読んでくれた皆様、お疲れ様です。どうでしたか?

…………いや、終盤の発目は……本当はもっと勿体ぶるつもりだったんだけどさ…………俺の脳内の緑発過激派に脅されて…………

…………仕方……無かったんだ……ッ!

……俺は……っ、奴等には……!奴等には、逆らえない……!

あ、緑谷の武器の元ネタ知ってる人は感想欄で作者と握手!今後も緑谷の武器はこの元ネタから引っ張ってくる予定です。

あとこれで累計三十話。狙ってた訳じゃないけどなんだか嬉しくなるね。

という事で次回からは通常ペースに戻ります!

最後のシーン、シュタイン博士の分が抜けてたので付け足しました……あぶねえ……誰にもバレてねえよな……?
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