無免ヒーローの日常   作:新梁

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書く気が起きなかったので遅れました。

今回のあらすじ

フルチン

アンケートやってます。本編開始後のオールマイトと修行する一年に関することです。

リア10爆発46さん、みえるさん、誤字報告ありがとうございます。


第九話。最高峰の高校一年と最強の中学二年。(座学その他諸々編)

 雄英の学食。七人プラスシュタイン。

 

 

 

「おにぎり定食の人は?」

「はいはい! 私です私! うひょー!」

「サンドイッチセットは?」

「俺俺。懐かしいなあ雄英のサンドイッチ」

「カレーはかっちゃん、蕎麦は人使君だよね。んで……」

「ハイハイ! 唐揚げ定食俺のだよね!」

「牛ピラフは俺で……」

「私グラタン! ここのグラタンおいしーんだよー。ツナが入っててねえ……」

「カツ丼は僕……と。じゃあいただきます」

「イタダキマス」

「いたらひます」

「えっもう食べてるの」

 

 高校生組との模擬戦を終え、その後シュタインに六人仲良くズタボロにされた彼らは食堂に来て共に食事をとっていた。和気藹々と食事をとる八人であるが、そこにほぼ参加していない……どころか食事に手をつけられてさえいない二人に緑谷は声をかける。

 

「あの……人使君、かっちゃん? 生きてる?」

「……んあぁ……生きてんのか、俺……」

「……生きとるわ……死ね……」

「おじさんにあれだけボコボコにされてもまだ暴言を吐けるあたり筋金入りですよねー」

 

 もっさりとした動作でノロノロと箸とスプーンを動かしだす心操と爆豪を見て天喰がブルリと震える。

 

「入試倍率三百倍に受かった俺達をボコボコにする中学生がいて、その中学生プラス俺達の計六人を相手取ってその全員をボコボコにするプロヒーローがいる……世の中は広いな……」

「ボコボコって言うか、途中からシュタインさんは爆豪君と心操君しか狙ってなかったよね! 二人とも大丈夫? ブッ叩かれた衝撃で骨盤どっかいってない?」

「ミリオ……人体においてそんなだるま落とし的な現象は起きない……」

 

 通形は白衣のシュタインがウレタンで出来た尻叩き用のソフトバットをブォンブォンと振り回しながら迫ってくる光景を思い出しつつ、自分達や緑谷の約三倍の回数尻をブチ抜かれていた二人を案じた。そこで発目が梅おにぎりをかっ喰らいながらタブレットを全員に見えるようにテーブル中央に押し出す。

 

「ちなみにこれがさっきのおじさんとの模擬戦でケツバットされた総数ですね。せっかくなので個人別にまとめときました」

「そんな年末のバラエティ番組みたいな……かっちゃん637回!? ひっ、人使君778回!? 桁外れ!! 僕でも200いってないのに!」

「まー、罰ゲームですよ罰ゲーム。敵前で口喧嘩なんてやるような余裕があるならこの程度余裕で全部かわして貰わなくちゃ。ねぇ?」

「……ックソが」

「……うす、すみませんでした……」

「まあ、本当は一人八百回叩き込む予定だったんですけど……二人とも成長しましたねぇ」

「そんなにされたら尻がどっか飛んでいくんで止めてください……いや、つーか俺は結構ギリギリか……あぶねえ」

 

 今日に限らず普段からシュタインの課す修行ノルマは「めちゃくちゃ頑張ればギリギリ達成できるような気がしないこともない」という絶妙なレベルになっており、そしてそれを達成できなかった場合には即座に1ランク低い「めちゃくちゃ頑張ればそれなりには達成できるような気もする」というレベルの修行を新たに課される。しかしそれは万全の状態での話であり、三人の無免ヒーロー達はこれまでも何度となくその修行スパイラルに飲み込まれ死の縁をさ迷ってきたのだ。

 

「あ、そういえば三人とも、ちゃんと私のベイビー使ってくださいよ! 訓練の中で使ってくださいってあんなに言ってたじゃないですか!」

「うるせぇボケ! 目の前で大爆発する銃見せられてそれと同じやつが作ったアイテム使うバカがどこにいんだよ!」

「そうだな。さすがにあれは無いわ……博士も何か言ってやって下さいよ……博士?」

 

 心操が発目の師たるシュタインの返事がないのでそちらを見ると、何やら通形と話し込んでいる様子だった。

 

「だから見たところ君のワープは所詮三角関数だよ。落ちる深さと体の角度、ついでに言うなら移動しながらだとまた複雑になりますけど……」

「いやあ、分かっちゃいるんですけどね……中々掴みにくいんですよね。だから時間かかるし、精度もあまり……」

「ちょっと練習用の器具を作ってあげようか。明、パソコン持ってこっち来なさい」

「んまんむー!」

「食べてからで良いから」

 

 発目の暴挙とその犠牲になった自分達にはまるで頓着せず、結局おにぎりをパクつきながら立ち歩いてパソコンを持ってきた弟子兼義娘と顔を付き合わせ何かの設計図を練っていくシュタイン。心操以下三人はもはや溜め息を吐くのも勿体ないと言わんばかりに再び食事に取りかかった。その隣にくっつけていた向こう側のテーブルからトレーを持ってきた天喰と波動の二人がやって来る。

 

「えっと、横良いかい?」

「ええ。どうぞ」

「お邪魔しまーす。何か通形の邪魔するのも悪いし、ごめんね?」

「いえいえそんな! あ、そういえば天喰さんって……もしかしてサイドキック志望ですか?」

 

 緑谷がカツ丼を食べながら元々発目が座っていた場所に座っている天喰にそう問いかける。天喰は僅かに面食らった顔で首を横に振った。

 

「いや、そんな事はないけど……どうしてだい?」

「……あー、いや、その……訓練中、天喰さんは常に通形さんのサポートを第一に考えているように見えて……将来的にコンビでも組むのかな、と思ったんですが」

 

 天喰は戸惑いがちにそう伝えてくる緑谷の言葉を聞き、少しだけ考え込む。そして、「……無意識だった」とだけポツリと言った。

 

「無意識!? 無意識であれだけ的確なサポートが出来たんですか!? 僕明ちゃんにリプレイ見せてもらって『良く最適化された動きだなあ』って思ったんですけど……そっか……無意識……凄いなぁ……」

「……ねえねえ緑谷君、天喰の動きってそんなに凄いの?」

「勿論ですよ! 通形さんの援護だけで考えたらかなりの隙の無さで……リプレイ見ながらの方が良いかな?」

 

 そう呟く緑谷の前に、即ちここに居る五人の中心にタブレットが置かれる。置いたのは心操だ。蕎麦をつゆまできれいに食べ終わった心操は、トレーを脇に置いてそれを操作する。

 

「……まあ確かに、今回一番目を引いたのは通形さんと天喰さんのテンポの合い方ですね。博士相手だと俺たち全員普通に逃げてたんであんまり参考にならないとして……まず俺が勝己の声を真似して囮やった時、たった一言通形さんが叫んだだけで互いに何をすれば良いのか分かり合ってましたよね。互いの力量も、性格も信頼しきってなきゃこうはいかないですから」

 

 心操が模擬戦の映像を見ながら解説を続けるそこに、カレーを食べ終わった爆豪も参加する。

 

「最後の奇襲もタイミング自体はほぼ完璧だ。まあありゃあんまり意味ねえが」

「え、アレダメなの? なんで?」

「いっぺん上からの攻撃避けて、もう一回同じ方向からの攻撃じゃ意味ねえ。あのすり抜け野郎は下から攻撃した方が意表を突けるだろ……つーかそもそも俺が言いてえのは海鮮野郎、テメーだよ。同じ方向から降りてくるにしてもてめえが先に降りてくりゃ足しか出てねえすり抜け野郎を見辛くなって俺らももうちょいやりづらかったわ。奇襲舐めとんのか」

「ぐうっ」

 

 大変美味い飯を食ったばかりだというのに既に不機嫌さマックスという非常に損な生き方をしている爆豪にギロリと睨み付けられ萎縮する天喰を爆豪の視線から隠すようにわたわたと手を振った緑谷が、「まってまってちょっと待って! ちょっとタンマ!」と爆豪を落ち着かせてから彼の言いたいことから徹底的に毒を抜いた形でそれを天喰に伝えた。

 

「天喰さん、天喰さんは通形さんの指示に従う形で、常に通形さんの助けになるように行動してましたよね? ……ああ無意識だったっけ。でも、無意識でそういう行動を取るってことはかなり心の奥までそういう考え方が浸透してると思うんですよね。けど、さっきかっちゃんがいってた通り……やっぱり自分が動かなきゃいけない瞬間は絶対にあります。サイドキックを目指すにしても、そうでないにしても……そういうのは必ず」

「出久さん多分そこ危ないですよー」

「乗り越えていからばぶっ」

 

 真剣な顔で語っていた緑谷の顎に下から飛んできた(・・・・・・・・)通形のケツが直撃した。思わぬ不意打ちで真剣な顔のまま斜め上にぶっ飛ぶ緑谷。既に食べきられていたカツ丼の器は心操が、天高く飛んだ二本の箸は爆豪がしっかりと回収していた。

 

「あ! ゴメン緑谷君! 舌噛んでない!? え!? 噛んだ!? ほんとゴメン!」

「いーれふ……きにぃないれかーはい」

「続きはどっかの体育館でやろうか」

「そーですね。このまま続けたら不幸な事故が起きそうですし!」

おきへるよ(起きてるよ)!?」

「あ、相澤先輩? 俺です。はい、今からちょっとそこそこ広い場所を貸してほしくて……はい、あああそこですね。了解でーす♪」

 

 そうして食事を終えた面々は何の変哲もない普通の広場へと向かう。

 

「くう……不幸だ……」

 

 どこぞのウニ頭のような発言をする緑谷を放って。

 

 

 

 雄英高校職員室。窓際。

 

 

 

 職員室の窓につけられたブラインドを上げ、相澤が地上で行われる傍目に見ると何か色々ヤバイ絵面の訓練を見ている。

 

『それじゃー次は十五度です。さっきと同じように、目標の真ん中を目指してくださいね』

『了解! いつでも行けるよね!』

『それじゃどうぞー』

 

 SMプレイなどに使用されることの多いあのケバケバしいピンク色に塗られた磔台に、生徒(通形)が(全裸で)磔にされている。隣に居る緑谷はここからは見えないが死んだ目をしているのだろう。何故分かるのか? それは相澤も今その表情をしているからだ。当然だろう。神聖なる学舎の、しかも屋外で生徒が真剣な表情でSMに興じているのだから。事実は違うとしても視界に映る映像のショッキングさはそんな事実を忘れさせるだけのインパクトがある。この視点だとどうしても見えてしまう通形のリトル通形から意識して目を離しながら、相澤はその訓練を見続けていた。

 

『行くね! 透過!』

『……はい、十一時方向誤差三メートル。通形さん、やっぱり左方向に寄りやすいみたいですね。次は五十度でいきますねー』

『いやーニアミスじゃない!? 次は行ける気がするって絶対!』

『まあ姿勢固定状態から完璧に出現位置を定められたら今度は非固定、その次は動かしながら、最終的には動きながらって感じですかね。このSM台では第二段階までしかできないんで、それ以降はサポート科に連絡するとかお願いしますね』

『リョーカイ! いやーそれにしてもホント青空の下でちんちん丸出しって解放感が半端な』

 

 相澤は窓を閉めた。

 

 今日は日曜だし今は摩可()がいる。天気も良いし午後はあの子が喜びそうな所に車を出そう。そう普段は絶対にしない思考をして今はミッドナイトと遊んでいる摩可の方を見ると、遊び相手にセメントスとプレゼント・マイクが加わっていた。昼食を食べ終わったのであろうスナイプが職員室に入って窓の外を見下ろし、そこでカチンと固まるのを横目に見ながら相澤は摩可の座る自分の机へと向かった。

 

「お、おい!? 通形お前何してる!?」

『あ、先生! いやホント何してんですかね俺!? でもまあ解放感ヤバイですよねホントこれね!』

「おのれフランケン・シュタインンンンンンン!!!!!!!!!!! 俺の生徒をよくも(露出)の道へとおおおおおおッ!!!!!! 絶対にゆ゙る゙ざん゙! ゙! ゙! ゙! ゙」

 

 今入ってきたばかりの職員室から即座に出ていったスナイプ。すべての元凶たるシュタインを探しだしこれ以上の悪を犯させぬよう抹殺せんとするほどの鬼気迫る勢いに、かねてからシュタインと付き合いのある面々は「俺達もあんな時代あったなー」「あったわねー」等と平和を謳歌している。背後に立っていたシュタインも、彼らに同調するようにウンウンと深く頷いた。

 

「ってオンギャアアアアアアア!!!? シュタイン!? いつの間に!?」

「きゃっ!? ……シュタインあんた、ビックリさせないでよ……変な声出たじゃない……」

「……あー、寿命縮んだ……」

「いやいやいや、アッハッハ」

 

 オーバーに椅子から吹っ飛ぶマイク、素なのかそれともキャラ作りの一環なのか、やたら可愛い驚き方をするミッドナイト、普通に胸を撫で下ろすセメントス。そんな彼らを見ながらシュタインはケラケラと笑っていた。そこに相澤が近寄り絵を描いている摩可の頭を撫でながら「下の奴等の面倒を見なくて良いのか」と言う。言外に「どっか行け」との意味を込めたのだが、それを理解した上でシュタインはじぃーこじぃーことネジを回しつつ答える。

 

「あの三人は元々俺なんて居なくても自分等で勝手に強くなります。そういう風に鍛えました。俺はたまに延びた枝を剪定してやればいい、楽な師匠役です……それに、お宅らのとこの三人も、とりあえず今一番目指しやすい目標は見せました。うちの三人とちょうどタイプが似通ってたのが良かったですね」

「似ている、か」

「あくまでそれなりに、ですけど。波動君は高速で敵を翻弄しつつ高威力の一撃で確実に敵を倒す……勝己タイプ。戦闘型、とでも言いますか? そして天喰君は多彩な手札で相手に自分の底を見せず、更には味方の支援もこなす……万能型。手札の多い出久とサポートに特化した人使の得意なところを合わせたような形が近いですかね。通形君はまだ自分のポジションを確立させるようなレベルまで個性を扱いきれていないですけど、どういう風になりたいにせよあの三人が何かのきっかけにはなりますよ。多分」

 

 シュタインの分析を(相変わらず良く見ている)と思いつつ聞いていた相澤は、通形の成長予想を尋ねた。必要ならまた教えてやろうと思ったのだ。

 

「なら、お前の予想では通形はどういう風なタイプになるんだ?」

「高機動の万能型……ですかねェ。突き詰めればオールマイトと同じようなタイプですよ。オールマイトはぶっちぎりすぎててタイプ分けするのもアレですけど」

 

「アレが超万能型ってやつですかね?」とヘラヘラ笑うシュタインだったが、それに相澤が何か言葉を返す前にシュバ、と残像が残るほど素早く動いてコソコソとその場を離脱しようとしていたマイクの襟をひっ掴んだ。突然襟を捕まれて暴れるマイク。

 

「ノアアアアアア!? ヘイッ! 離せシュタイン! プリーズリリースミー!」

「お久しぶりです山田先輩。卒業以来ですかねェ?」

「ううううううるせぇ! 俺は会いたくなかったわ!」

「いや俺も会いたいとは言ってませんけどね」

「シャラップ! あわわわわわ忘れたとは言わせねぇぞ! お前が転校してきてから俺達が卒業するまでの一年間にお前が俺に対して行ったあの悪魔の人体実験! 出るとこ出たら勝てるんだぞ俺はァ!」

「やっだなぁ! そんなに邪険にしないで下さいよォ。その常人離れした肺活量は誰の技術で産み出されてると思ってるんですか?」

「はぁぁぁぁぁぁ!? え、え!? これ、え、この肺活量、お前の手術のお陰なの!? ウソ……」

 

 完全に自分の才能と努力によるものだと思っていた常人離れした肺活量がシュタインの施術によるモノだと知り愕然とするマイクだが、シュタインはそれをヘラヘラと笑いながら、しゃがんでマイクと視線を合わせた上で言った。

 

「ウソピョン」

「……テメェはあああああああああ!!!! テメーは! この! この! このッ!」

「いやいや、ヘラヘラ」

 

 あまりのショックに腰が抜けたまま足を動かしてシュタインの脛を蹴るマイク。それを食らってもヘラヘラ笑い続けているシュタインの頭を叩いてから相澤は摩可を抱き上げた。それで遊び相手を奪われた形になるミッドナイトが相澤を見上げ今後の予定を尋ねる。

 

「あらイレイザー、もう帰んの?」

「あー、はい。摩可もずっと職員室じゃ退屈だと思って」

「本音は?」

「窓から下覗けば分かりますよ」

 

 椅子から立ち上がって、一目。

 

「何よ一体……あら……まあ……ええと、私も帰るわ。仕事も無いし」

「乗っていきます?」

「あら、気が利くわね……じゃ、相乗りついでにこないだ出来たアウトレット連れてってくれるかしら?」

「すいませんやっぱり俺の車2人乗りなんで」

「摩可ちゃん大人しいけど、あんたが一人で面倒見きれんの? 手伝ってやるって言ってんのよ」

「…………はい、お願いします」

「分かれば良いのよ。摩可ちゃん、おじさんとおねえさんと木椰にお買い物行こっか?」

「お買い物……?」

「そ! 服とか一杯置いてるところで、消太おじさんを二人でコーディネートしてあげよう?」

「止めてください要らないです」

 

 相澤の必死の要請空しく、相澤をちらりと見つめた摩可は両手を振り上げて「行く!!」と大声で宣言した。相澤の運命は決まった。

 

 

 

 職員室。背中に哀愁を背負う相澤と女性陣の退出後。

 

 

 

 備え付けてある冷蔵庫からプリンを取りだし、その蓋に大きくマジックで『Present・MIC!!!』と書かれているのを確認したシュタインはそのラベルを剥がしてプラスプーンで中身を口に運んだ。

 

「ちょぉ!? ソレ俺のなんですけど!!!?」

「そうでした? 俺英語読めないんで分からなかったですね」

「ウソつけヨーロッパ大陸!!」

「ウマイ」

「ンガアアアア! おまえ普段ここに居ないから食べ返して仕返しも出来ねぇ! ストレスマッハだぜコンチクショウ!」

「ただいま……あ、ここにいたのかシュタイン」

 

 職員室に入って来たのはスナイプ。しかし先程までの怒りは微塵も見えず、落ち着いてるのか落ち込んでるのか良くわからないような雰囲気を漂わせている。ソレを見て疑問に思ったセメントスが理由を聞くと、「別に大したことじゃないさ」と返される。

 

「ただ……何ふざけたことやってるんだと思ったら思った以上に真面目に訓練してたもんで、ちょっと気が抜けた」

「あー、怒りが急に消えて前後不覚になってるんですね。分かるなあ」

「お前は一度痛い目を見た方が良いなシュタイン……!」

「痛い目見たくらいじゃ止まりませんよ……で? クラス担任の目から見て、どうでした?」

 

 シュタインにそこを尋ねられると、非常に嫌そうな雰囲気でスナイプはほんの少しだけ乱暴に冷蔵庫を開け、全教師で共有している缶コーヒーを一本取って開けた。

 

「……朝までの彼等とは動きがまるで別人だったよ。相変わらず……解析分析は上手いな、お前は」

「ヘラヘラ」

 

 スナイプの称賛をやや得意気に聞きながらシュタインは白衣のポケットに入った煙草を取りだし、

 

「ここ禁煙ね」

 

 セメントスに煙草を奪われ、

 

「咥えるだけですって」

「ならそのライターをしまえ」

 

 スナイプにライターをしまい直され、

 

「……喫煙室は?」

「敷地内完全禁煙だZE!」

 

 マイクに止めを刺された。

 

「……」

 

 シュタインは黙って立ち上がる。一度学校の外に出て軽く吸ってこようと考えたのだ。ちなみに学園外まで車で五分である。

 

「ついでに近くのスーパーで缶コーヒー一箱買ってきてくれ。ブラック」

「晩御飯適当なお弁当お願いできるかい? 一人分で良いから」

「俺のプリン買い直してこいよシュタイン!」

「……ちょっとメモしてくれません?」

 

 シュタインはとりあえず煙草を咥えるだけ咥えてから職員室のドアを開け、

 

「休日もガッコ来るような感心な生徒に会ったら何て言うつもりだよ」

 

 マイクに煙草を口から抜き取られ、

 

「一応車の中なら見ない振りをしてやろう。吸い殻のぽい捨てはするなよ」

 

 さりげなくスルーしようとしていたメモをスナイプにしっかりと手渡され、

 

「郷に従え、だよ。シュタイン君」

 

 セメントスにぽんと肩を叩かれた。

 

「……俺一生教師しません」

 

 シュタインの今後の人生が決まった瞬間であった。

 

 

 

 職員室の下。昼下がりで三時過ぎ。

 

 

 

「もっと小刻みにやれやボケが!」

「いった!?」

 

 スコーン、と爆豪の放ったボールが波動の頭にヒットする。ソレできれいに後ろに倒れた波動はからだのバネを効かせてすぐさま起き上がり、そのボールを拾い上げて爆豪に向かい『撃った』。しかし爆豪はソレをほぼ見もせずに真っ向から爆破。波動に向かって『撃ち返す』。

 

 そう、彼らは今個性を使ってボールに一切触れないというルールでキャッチボールをしているのだ。

 

「スカッシュじゃないのに!」

「んだら一球くらい素通りさせてみろや!」

 

 爆豪から帰って来た球を掌サイズにした最小限の波動で撃ち返す……が、その波動の威力が低く、ボールは彼女の手にスッポリ収まってしまう。ソレを見た爆豪はチッと鋭く舌打ちをして足元の籠に入ったボールを一つ取り、波動に撃ち込む。

 

「277死ッ!!」

「ブキュ!?」

 

 そして波動の肩に当たったボールが再びスコーンと軽快な音を立てた。その少し離れた場所では、天喰と心操がコンピューターを使ったシミュレーションRPGにのめり込んでいる……というより、心操によって天喰が強制的にのめり込まされている。

 

 天喰がしているのは災害レスキューのシミュレーション。しかし後ろから変声機を使った心操が老若男女の死にかけボイスをコンピューターに繋げたマイクに吹き込み、ソレはヘッドホンを通じて臨場感たっぷりの効果音と共に半泣きの天喰に届けられるようになっている。トンデモ鬼畜使用だ。

 

「……えっと、えっと、この状況、入り組んだビル、逃げ遅れた人、プロパン、プロパン!? え、や、まって、時間がッ!?」

「あと四分……『ママァァァァ!!! 嫌ぁ!? ママ、ママぁぁ……う、うぇ、えぇっ、まま、嫌ぁ! ママぁ!』」

「ヒィッ!? ヒッ、ヒィィイ!!」

「あと三分……『痛いぃ! いだいよぉ! あじっ、あじがああぁっ! あじぃぃ! いああぁっ、あし嫌ぁ!』……動かなくて良いんですか、天喰さん」

「む、無理だ! 俺には無理だっ! こんな絶望的な状況! 俺に」

「あと一分……『……ひゅ、ヒューッ、ガヒ、ゴッ……ボッポ、コヒュッ、コヒーッ、ヒーッ』」

「う、うわああああああ!!! もうやめてくれえええええええ!!!!」

「はい、ビル爆発。『何もしなかった』ヒーロー共々計八名の逃げ遅れは全員爆死しました。死に際の台詞、要ります?」

「いっ、嫌だっ! 聞きたくないぃ!」

「えー、じゃまずは『母さんを助けるために火の回った奥の方に勇敢に進んだが見つけたのは崩落した天井に貫かれた母その人だった少年』の声から……」

「止めろオオオオオオ!!!!!」

 

 コンピューターの前でうずくまってヘッドホンを投げ捨て耳を塞いでしまった天喰。ソレを見た『臨場感役』心操は、一度シミュレーションをポーズして天喰にこれを見越して買っておいたココアを渡す。

 

「落ち着いてください天喰さん、今のは全部再現です……俺の演技力最大限ですけど」

「……っ、くうっ、ふぐっ」

「ガチ泣きだよ……良いですか天喰さん。何度も言いますけど、これは『実際に救助に成功した』現場のシミュレーションなんです。だから毎回天喰さんの操作するPC(ヒーロー)は身体能力も使える個性も違って、救出する人間の数も、内容も、バックストーリーも違うんです。良いですか、このシミュレーションは『悲鳴や怒鳴り声が聞こえるような場所で』、『自分一人しか居ない状況で』、『救うべきを救える』、そんな最高のヒーロー達が残してくれた遺産なんですよ」

「そ、それは分かってる……けど、そんないきなり、言われても」

「本番でできる限りの『いきなり』を無くすための訓練です……それに、天喰さん、あなたは自分の個性の凄さに全く気づいていない」

「……?」

 

 心操は泣いている天喰の横に座り込み、ノートパソコンのディスプレイを自分に向け数個のヒーローデータを出した。

 

「このヒーローの個性は『堅皮』……先程の建設作業現場崩落事故で作業員全員を救助しました。彼はこの固い肌で無理やり固い地面を掘り、鉄骨の下敷きになった人間を下から救助した……咄嗟にこんな事を思い付くのは普段から自分の個性について考察を深めているからです……俺はこのシミュレーションをノーヒントで突破するのに四十回掛かった。ソレをこのヒーローは最初の一回、それこそ『いきなり』で完遂させた……尊敬しますよね」

 

 その他にも心操は次々に天喰のこなしたシミュレーションに出てきたヒーローのデータを出す……手が翼、水を使って手を作れる、音が良く聞こえる、超音波でセンサーの真似事が出来る……ソレを一通り見せてから、心操は再び天喰を見た。

 

「色んなヒーローが色んな助け方をするんですよ……でもですね、今見た助け方は全て、天喰さんが一人でやれる可能性があるんです」

「……え!?」

「『堅皮』。豚やらはその巨大な爪で穴を掘りますよね。いや、この際大概の動物は人間より皮が分厚いから、ある程度代用できる……『翼』だって鳥を食べて練習を重ねれば飛べることもあるかもしれない。子供の個性が暴走して電線に引っ掛かった人々なんてすぐ助けられるかも……『水手』なんて、まるっきり蛸で代用できるじゃないですか。『センサー』……は、コウモリ? 蛇を食べてピット器官とかも使えそうです」

 

 まあつまり、と心操は一呼吸して続ける。

 

「天喰さんの個性、とんでもないって事です。一つの分野にしか能の無い俺の個性や、個性自体がそこそこに万能な勝己とは違う。早く走れる。水の中を泳げる。遠くを見れる。力を強く出来る。文字通りの『何でも出来る』個性なんです。ソレって最強じゃないですか。羨ましいです……本当に」

 

 万感の思いが籠った、そんな心操の思いを聞いた天喰は心操を見て、自分を見て、心操を見て、遠くで吹っ飛んでいる通形を見て、心操を見て、自分を見た。

 

「強い……のかな、俺は」

「『凄い』個性ではあると思います。『強い』個性かは、努力次第ですかね」

「……わかった。これ、もう少しやってみても良いかな?」

「どうぞ……っと、すいません、『臨場感』係はちょっとできません」

「えっ何で……あぁ」

 

 心操の突然すぎる引退宣言に驚く天喰だったが、校舎の入り口付近にシュタインが立って手招きをしているのを見ると納得した。心操は彼に呼び出されていたのだ。

 

「しばらくやってみるよ……臨場感無しで、ね」

「すみません……行ってきます、天喰さんならやれますよ」

 

 

 

 車。シュタインと心操の二人きり。

 

 

 

「いや、悪いね。手が空きそうなのが人使しか居なかったから」

「良いっすよ、別に……これ買うんですか?」

「そ。ついでにお菓子買ってもいいですよ」

「……ざっす」

 

 外装は普通の車、内装はツギハギだらけの妙な車を走らせながらシュタインは煙草を咥える。心操はダッシュボードからライターを取りだし、ソレに黙って火をつけた。

 

「……すいませんでした」

「俺に謝ることじゃないでしょ。アレは……あの癖は、別に悪いことじゃ無いんだから」

「……いや、でも。ああいう思考は……視界を狭める。今回それが良く分かりました」

 

 二人が言っているのは今日一番始めにやった訓練の、最後のゴタゴタについてだ。心操は爆豪の悪役剥き出しな言い回しを咎め、その議論に発展して目の前の敵を意識から外した。あの時一番最初の爆発でノックアウトされた振りをして隠密行動を続けていた緑谷が居なければ、自分達が捕まっていた可能性があった。そしてその可能性の責任は心操にあった。

 

「ヴィランと戦う時に、ソレ以外に視線を向けたらその時点で死ぬ。そんなの、分かってるのに……」

「確かに……でもですね、人使。ヒーローが『正義への拘り』を無くせば、待っているのはヴィランと同じ暴力を生む機械という末路ですよ」

 

 シュタインの言葉を聞き、心操はぐ、と眉根に力を込めて下を向く。

 

「我々はヒーローだ。誇りをもって、悪を潰さなきゃいけない……君のソレは、決して間違っちゃいないよ」

「……ありがとう……ございます……!」

「でもやり過ぎ。もうちょい柔軟に対応しなさい」

「ぐっ」

 

 

 

 職員室の下。緑谷、通形チーム。何だかんだで五時くらい。

 

 

 

 通形は完全固定状態からのワープをある程度掴み、今は透過してから動く事で同じ体勢同じ角度から別の場所に転移する訓練をかれこれ一時間強続けていた。

 

「……じゃ、僕の後ろに転移して一撃入れてみてください」

「オッス! 行くよ!」

 

 通形が磔台をすり抜け、地面に落ちてすぐに別の場所から飛び出す。そして後方に向かい拳を振り抜く! 

 

 が。

 

「っおっとぉ誰もいないし!」

 

 その場所は緑谷の斜め前方。実践使用するには致命的にズレていた。

 

「縦も横もずれてますね。うーん、やっぱり地中で体勢変更は難しいのか……」

「んー、でも出来る気がするんだけどね! 反復反復! ね!」

「……まあ、ソレしかないですよね。んじゃあもう一回……」

「出久さん出久さん! 魂威銃修理終わりましたよ!」

「はっや!? 大丈夫なのソレ!?」

 

 今修理が終わったのだろう魂威銃を組み立てながら発目が緑谷の元に駆けてくる。あって当然の不満を口にだした彼に向かい、ガチャン! と最後の部品を組みつけて発目は満面の笑みで緑谷にソレを渡す。

 

「大丈夫です! 私の自信作ですから!」

「明ちゃん基本的に全部自信作じゃないか! だから不安なんだけど!?」

「まあまあまあまあまあはいはいはいはいはいはいはいはいはい! はい装着完了! 撃ってみてどうぞ!」

 

 今朝見たのとたいして変わらないがダイヤルの無いデザインの銃を仕方がなく構え、先程まで疑似ワープ練習に使っていた地面の丸に向かって打つ。込める波長は弱めで、あまり溜めずに速射。

 

 ピョッ、と、何かヒヨコみたいなのが出た。50センチほど進んで消えた。

 

「…………」

「…………」

「…………なるほどォ!! ちょっと理論整理してきます! では!」

 

 スタタタ、と校舎の空き教室に消えた発目。いつも通りにソレを呆気に取られながら眺めていた緑谷と通形は、少ししてから何事もなかったかのように訓練に戻った。

 

「お腹すきましたね」

「確かに! ──っと、おぉ!?」

「おお!!」

 

 緑谷の空腹に同意しながら通形が疑似ワープをした先、そこは緑谷の真後ろだった。

 

「……ぃやったね!」

「流石ですね! 凄いや!」

「ちょ、ヘイヘイヘイ! ほら!」

「……え、あ、ハイ!」

「ッヘーイ!」

 

 実践的ワープ初成功。その成功を祝うハイタッチが二人の間で高く交わされた。

 

 

 

 その頃。爆豪、波動チーム。

 

 

 

「フッ!」

「死ね!」

「ていっ!」

「死ね!」

「はっ!」

「死ねェあ!」

 

 テニスボール大のボールが爆豪と波動の間で3つ同時に行き来する。爆豪の極小規模の爆破で飛んだボールが波動の掌に収まるサイズの、もはや渦が見えないほどに圧縮されたエネルギーの塊に触れて弾けとぶ。弾丸のように飛ぶそのボールを爆豪が2つ同時に飛ばし返し、残りの一つを大規模な爆破で先程とは異なる威力で波動に撃ち込む。

 

「えいえいえいえいえいえいえいえい!!!!!!!!」

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!!!!!!!」

 

 とてつもない高速で繰り返されるスピードも角度も違うラッシュ。ソレを止めたのは爆豪ではなく、波動でもなく、ボールの耐久性だった。

 

 ボン! と本来なら個性の使用に耐えるはずのそれが弾け飛ぶ。それが合図であったかのように、爆豪は残り2つのボールを片手間に受け止めその場に立ったまま全身の力を抜く。かれこれ十分ほどラリーを続けていた彼は全身が汗まみれだ。

 

「休憩!」

「ふひいぃ~っ!」

 

 勝己に休憩を言い渡されその場に座り込んだ波動は「座るんじゃねえ!」と休憩を言い渡した本人にどやされ急いで立ち上がる。すると爆豪からスポーツドリンクを投げ渡された。

 

「体を動かすのをいきなり止めんな。しばらく歩いたり屈伸したりしてゆっくり冷ませ」

「……ありがと、かっちゃん!」

「誰がかっちゃんだ殺すぞ!」

「ごめんなさーい、かーっちゃん!」

「次五球」

「待って!?」

 

 爆豪が籠からボールを取り出す。この訓練を始めた時には籠に山盛りにされていたボールだが、その量は元の半分程度にまで減っている。そしてざっと中を見て一切の傷が無いボールはただの一つも無かった。その場にやって来た天喰が割れたボールの残骸を一つ拾い上げ、まじまじと見つめながら恐れ混じりの声を絞り出す。

 

「……凄い、個性使用を前提にした訓練用のボールがこんなにボロボロに……」

「あ? テメェ雑魚メンタル、シミュレーションはどーした」

「ざこ……いや、少し休憩してる。連続で四十人殺してしまったからね……ちょっとね……」

 

 表情と背中に影を背負いながらフ……フフ……と暗黒微笑でその場を離れる天喰。

 

「やっぱ雑魚メンタルじゃねえか」

「いや、雑魚メンタルは確かだけどやっぱ雄英生だよ。凄い」

「あ? んだクマ」

 

 フラフラと緑谷通形チームの方に向かっていく天喰を見ながら、買い出しから帰ってきてずっと天喰に付き合っていた心操が天喰の成績を語る。

 

「今日はシミュレーションを四十個、とりあえず用意してきた。その内天喰さんでも個性柄実際にやれそうなのは十二個だと俺は思った。で……その内二つ、もう救助完了したよ。とんでもない頭の回転だ」

「……シミュレーションって、アレかよ」

「そう。自信失くすよ。俺なんて一つ三日かけたのに」

 

 心操が先に言った通り、天喰のするシミュレーションは実際にあった現場を忠実に再現したもの。救助できた現場とはいえ、そこにはゲームなどと言う言葉では表現できない悪意と理不尽が転がっている。ソレを既に二つクリアしたと聞いて爆豪はチッと軽く舌打ちした。

 

 自分が今訓練している女といい、向こうで全裸のまま跳び跳ねてる男といい、雄英生とは皆こうなのか、という焦りを感じる爆豪を知ってか知らずか波動はその肩をトントンと叩いた。

 

「ねえかっちゃん、早く続きやろう?」

「うるせえな! 五球行くぞッラァ!」

「本当に五球なの!?」

 

 こうしてこの日一日を訓練に費やした通形達はその後急激に実力を伸ばし、やがては『雄英ビッグ3』等と呼ばれるようになっていくのであった。しかし彼らをその名で呼んだ者達は後に知ることになる。最早ただの高校生などでは収まりのつかない、『最強の三人』が後々雄英にやってくる事を。




「…シュタイン、お前…」
「何です?スピリット先輩」
「お前!見ろこれ!奥さんから送られてきたこの写真とメッセージ!『消太が立派に父親代わりしてくれてるわ』だって!?バッキャロウマカの父親は俺だよッ!!消太君は良いやつだけどさぁ!消太君に俺の代わりが出来る訳ねえんだ!ウオオオオオ!!」
「まー、マカちゃんが元お父さんの服選んであげるって言ってショッピングモールなんて行ったら先々の服屋で元お父さんとお店のお姉さんが『お知り合い』だってバレますもんねえ。確かに替えの効かない無二の父親ですね。よっ、オンリーワン♪」
「ふぬあああああああ!!!!!!!!何でだよおおおおおお!!!絶対俺の方が消太君よりスタイリッシュだしカッコいいじゃんさあああああ!!!!!!!お店の女の子だって誉めてくれるもんさああああ!!!!!」
「何でって、そこでお店の女の子を引き合いに出すところがダメなんじゃないですか?」
「ぬおおおおおお!!!!!!マ゙ガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!゙!゙!゙!゙!゙!゙!゙!゙!゙」
「もう帰ってくれません?」
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