steam and gunpowder smoke chronicles 作:張り子のキメラ
エンジンを掛けたビークルに搭乗した俺は、まずコクピットのわかりやすさに驚いた。
目の前にあるハンドルの下にはトリガーとボタン付きのレバーが二本、足元にはペダルが二つだ。
他にも小さいレバーやスイッチはあるが、とりあえずはこの目立つ装置が基本になるようだ。
原作でのビークルの操縦は、PS2コントローラーの二本のスティックを使って移動させる。
開発者インタビューで、ワンレバーでは操作が表現しきれず、昔のラジコン戦車から着想を得たと言っていたな。
実際にハンドルを動かしてみるが、操作はかなり原作に近い。
前進後退と左右への平行移動は、原作では両スティックの同じ方向への入力だが、このビークルはハンドルの前後左右への移動だ。
旋回は左右のスティックを逆方向へ入力――右旋回なら左スティックを前に右スティックを後ろに――だったが、これはハンドルを切れば同様に動く。
スティック片方入力は、基本的にゆっくり移動する動作なので、これはハンドル移動を浅くすれば再現できる。
「わかりやすいな」
さすがにのロックオンは現実のビークルでは不可能だが、それは仕方ないだろう。
因みに、ハンドルを引き上げたり押し込んだりすることで、ビークルの上体を上下に傾けることができた。
旅客機の操縦桿と同じか。
原作では、ロックオンした敵に自動で視点を合わせる動き以外での上下の視点移動は、×ボタンでその場から動けない見回しモードにする必要があったが、そういうところも現実では対応されている。
基本的な移動操作は理解した。
ペダルも左がダッシュで右がジャンプなので、原作のL2ボタンとR2ボタンと同じように対応している。
次はアームの操作だな。
アームパーツはハンドルの下に突き出ている二本のレバーを使って操作するようだ。
原作では、ロックオンしてR1とL1でそれぞれのアームの武装を使用するか、スティック押し込みで敵や物体を持ち上げて投げればよかったが、現実ではそうもいかない。
二つのレバーで精密に操作する必要があるようだ。
トリガーが発砲なのは分かるが、親指で操作するスイッチは……ああ、手の開閉か。
物を掴む練習も必要だな。
しかし、このビークルは右に砲弾アームのような射撃武器、左にはシールドを装備している射撃型のビークルだ。
原作ではあまり使わなかったパターンだ。
果たしてうまく操れるかどうか。
「おい、家の裏だ! ビークルの音だぞ!」
「サツか!?」
どうやら敵は待ってはくれないようだ。
ビークルの足音は一大や二台じゃない。
外に出ていた奴らも戻って来たと見るべきだろう。
家の中には先ほど踏み込んできた男たちの様子が窓から見える。
奴らがビークルに乗ったら面倒だな。
俺は右のレバーで砲弾アームを動かしてトリガーを引いた。
次の瞬間、想像していたよりも軽い発射音とともに砲弾が飛び出し、原作よりも遥かに速いスピードで飛翔した。
砲弾アームはビークルの武装としては最下級の射撃武器だが、人間が携行する銃器に比べれば遥かに大口径の火砲だ。
少なく見積もっても口径は四センチある。
現代なら簡易的な迫撃砲として使われるグレネードランチャーの口径だ。
40×46mmグレネードよりは内蔵する爆薬の問題で火力は落ちるだろうが、それでも生身の人間が食らって無事でいられるものではない。
着弾点の近くに居た盗賊たちは、爆風と家屋の床の破片などを全身に受けて、ほとんどが死ぬか重傷を負うかして無力化された。
「裏だ! 裏に回れ!」
発砲音を聞きつけて頭領の家の横から回ってきたビークルが角から顔を出した瞬間、俺はそのビークルのコクピットを撃ち抜いた。
「くっ!」
砲弾は風防パーツのロールバーを吹き飛ばしただけで終わったので、俺は慌てて二発目の引き金を引いた。
しかし、砲弾の発射は一瞬遅れてしまい狙いが逸れた。
原作の砲弾アームは一本の筒で構成されており、二十五発の装弾数とは裏腹に弾倉はどこにも無い。
しかし、現実ではそうもいかないわけで、アームとボディの後ろに弾薬ボックスが装備されている。
この装填装置の限界が発射速度になるわけだ。
どうやら原作よりもさらに発射速度は遅いようで、今の射撃はミスってしまった。
「ぐわっ!」
しかし、運よく命中したのは燃料タンクだったようで、爆炎は近くに居た他の盗賊のビークルの操縦手も巻き添えにした。
「囲め、囲むんだ!」
迫り来る数機のビークルに不利を悟った俺は、爆炎で顔を焦がした操縦手の乗るビークルに左のアームを伸ばした。
そのまま片方のアームで敵のビークルを引っ掴んだ状態のまま、俺は自分のビークルを横移動させて敵から見て後ろ側に回る。
「くそがっ!」
まだ生きている仲間を盾にされた盗賊は、やけくそ気味に砲弾アームを発射するが、狙いは逸れて俺の後ろに着弾した。
こちらの砲弾は既に装填し終わっている。
俺は右のアームを操作して狙いを定め、またしても相手のコクピットを狙って砲弾を発射した。
今度は綺麗に命中した。
爆風と操縦席の破片で、乗っていた盗賊は重症だ。
「ひぃ!」
怯んでいる盗賊から確実に狙う。
相変わらず顔を焼かれてもがいている盗賊のビークルを盾にしながら横滑りに移動し、続けて二台のビークルも操縦手を撃ち抜くことで沈黙させた。
「死ねぇ!」
最後の一人は蛮勇を振るって跳躍しながら俺に接近し、空中でソードアームを振り下ろしてきた。
ソードアームもゲームでは最初期に登場する攻撃用パーツで、名前の通り近接攻撃用のアームパーツだ。
俺は先ほどまで盾にしていたビークルを手放すと、勢いよく左のペダルを踏みこんだ。
スラスターが作動し、横合いから接近する最後の盗賊のビークルに向かって、ボディパーツから衝突する。
俺のビークルにもかなりの衝撃を受けたが、空中でバランスを崩された相手のビークルは着地と同時に横倒しになる。
「がっ! 野郎……」
どういうわけかビークルには自動で立ち上がるシステムが組み込まれているらしく、敵ビークルは自動で立ち上がろうとするが、それを待つほどお人よしじゃない。
俺は眼下の盗賊に対して左のシールドアームを振りかぶった。
「っ! やめっ」
原作ではシールドアーム自体の攻撃力など無いも同然だったが現実では違う。
俺が振り下ろしたシールドは高重量の打撃武器となり、コクピットの男を無残に叩き潰した。
ビークルの操縦方法には筆者の妄想を含みます。
かなりいい加減な設定もありますのでご容赦のほどを。
皆さんは、現実にトロットビークルが存在したとしたら、どんなコクピットと操縦方法を想像しますか?
第二章『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット2』の二次創作について。
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是非、読みたい! 早く晒せ!
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要らねぇわ、ボケ。シャシャんな!
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そんなことよりお腹が減ったよ。