変態銃と芸術家 作:よし
待機エリアである薄暗く狭い部屋に転移されました。眼の前には戦闘開始までのカウントダウンが浮かんでおり、それは既に始まっています。
配布されたサテライト・スキャン端末を、ガンプはストレージに、バイドとユウキは腰のポーチに仕舞いました。
「ユウキ。お前の武器だ」
「うん、ありがとう」
ガンプはまず、腰に下げた光剣ムラマサF9と、ストレージから小銃を取り出し、渡しました。
スリングを通して肩から下げ、右手に光剣、左手に銃といった、中近距離に対応できるような装備に仕上がりました。小銃は紫色にペイントされていて、見事にユウキと調和しています。
次にガンプは、愛用の銃《Double Devil》を取り出し、左側の銃の装填ハンドルを引き、右側面にあるボルトキャッチを押して1発目を薬室に送り込みました。
今回、予備マガジンを6本持ってきました。30発入りのマガジンで、装着したものも合わせると240発。
右手にはサブアームの《セッジリー OSS.38》ハンドガン。革製のグローブ、その手の甲側に取り付けられた奇怪な形の単発式拳銃です。果たして、使いどころはやってくるのでしょうか? 弾薬は一応、10発ほど持ってきています。指先側に伸びる引き金を押すことで、それに並行したバレルから弾丸が発射される仕組みですが、誤って自分を傷つけないように注意したいものです。
「バイドの武器は何にしたの?」
「僕は、これ」
「えっと、これは?」
「《MC51》。見た目はサブマシンガンでも、れっきとしたアサルトライフルさ」
「極限まで小さくした《G3》だな。こんなにコンパクトな見た目のくせに7.62ミリ弾撃つからな」
「これで?」
「うん。代わりにマズルフラッシュと反動と音が強烈すぎて吐き気を催す、しっかりとした変態銃だね」
ユウキはよく分かっていないようですが、しかし銃の効能を聞いて、うわぁ、と顔を歪ませました。
「ポケモンショックみたいだな」
「何それ?」
「ユウキが生まれる前の事件」
「君も生まれていなかったよね」
バイドがストレージから取り出したのは、ヘッケラー&コッホ社製の傑作銃《G3》を短小化させたFRオーディナンス社製《MC51》アサルトライフル。イギリス陸軍からの依頼を受けて開発されたこの銃は、見た目はサブマシンガン並みにコンパクトながらも、7.62x51mm NATO弾の使用を可能にした正真正銘のアサルトライフルです。コンパクトなので小さな取り回しが利き、それでいて7.62mm弾という強力な弾薬を撃つことができるという文句なしの最強傑作銃となる、筈でした。そのプラスポイントを搔き消し、更にマイナスポイントを叩き込むようなデメリットがこの銃にはあります。それは、発砲した際のマズルフラッシュと反動、音が酷すぎるというもの。MC51をテストした人は三点の凄まじい被害に遭い、「二度と撃ちたくない」とコメントしています。イギリス陸軍は結局この銃を採用することはなく、瞬く間に変態銃の地位を確固たるものにしました。
ちなみに、この銃を民間仕様に改造してアメリカで売り出したところ、大ウケしたそうです。
「これはサブで、メインに対物ライフルを1丁」
「対物ライフルって?」
ガンプがバイドに訊きました。筒型の救急治療キットを腕のポーチに収めながら、バイドが言いました。
ユウキは光剣の刃を少し出して、ヴォンヴォン振っています。どうやらウォーミングアップをしているようです。
「この前ドロップしたやつなんだけど」
「あー、あれね。俺から言わせてもらえれば変態銃だ」
「航空機関銃の弾を撃つ時点でね」
「売値見たら二人共強制ログアウトしかけた、あの銃のこと?」
「そうそう。あれ」
以前三人でボスモンスターを倒したとき、ドロップした銃が、その対物ライフルでした。売値はGGO古参のガンプとバイドを強制ログアウト寸前にまで追い詰めるほどのものでした。対物ライフルは日本サーバーに10丁ほどしか存在していません。そのため、それほどまでの価格で取引されているのです。
……変態銃も対物ライフルとまではいかなくとも、それなりレアな代物なのですが、ガンプとバイドは何丁か手に入れています。そのなかには課金して手に入れたものもあります。彼らは、リアルラックが高いようです。
「はーいみなさーん。準備は整いましたか―?」
「おっけー」
「大丈夫」
救急治療キットも各々収め、武器の装備も完了したようです。あとは、待機時間が終わるのを待つのみの状態です。
「まだちょっとだけ時間があるな。前の話の続きでもしようか」
待ち時間が、残り10秒を切りました。
「そこで俺は、NPCが経営する壁にヒントを描いた。恐ろしく赤い十字架と、白の文字で――」
「残り5秒」
「むっ」
バイドが注意を促し、緩んだ空気が張りを取り戻します。
時間が零になれば、斯くしてSJは始まります。
光に包まれて転送された場所で、ユウキが最初に見たものは、深い緑色のコケに覆われた倒木でした。ユウキはまず、その場に伏せて現状を確認しました。
二人はボクの後ろで、同じように地面に伏せている。木がいっぱいあって視界が悪い。森だ。ここで戦うのはよくない。
バイドは左手で操作をしていて森に合うウッドランド迷彩のポンチョを3つ取り出していました。ウッドランド迷彩は、森林地帯などでは絶大な効果を発揮する迷彩です。それを一つずつ、ユウキとガンプに投げ渡しました。バイドは変態銃を好む変人ですが、準備はいい男です。
いそいそとポンチョを被り、小銃を構えて周りを警戒します。
「マップを見る」
バイドがサテライト・スキャン端末を操作して、地図を出します。端末には画面に映す機能と空中に仮想ディスプレイを映す機能があります。バイドは前者を選択したようです。
「ふむ……」
地図を見遣るバイドの声が耳に届きます。
「ここは北東にある森林地帯のようだね。東にはビルが乱立しているから、都市かな。南東には大きな砂漠。南西は恐らく荒野。西に池と……恐らく湿地帯だが、大きな建造物か何かが突き刺さってる。そして、中央に居住区。僕たちは最北東にいる」
「何が刺さってるんだろう?」
「スカイツリー」
ユウキの疑問に、ガンプが答えました。
「GGO世界の戦争は激しかったんだね……。どう動く?」
リーダーのガンプは、5秒ほど声に出さずに考えて、小さな声で命令しました。
「南だ。南を進んで、ビルに向かう。バイドの対物ライフルを使えるようにするために場所取りを行う。10メートルの間隔で前からユウキ、バイド、俺の順だ」
「了解。進むよ」
引き金の下にある安全装置をS(射撃不可)からA(フルオート)に切り替え、ユウキが進み始めます。左手で小銃を構え、右手は納刀状態の光剣をいつでも使えるようダイヤルに指をかけています。
後ろにバイドが、命令通り10メートルほど離れて後ろをついていきます。手にはサブアームの《MC51》アサルトライフル。ストックを伸ばした状態です。
殿を務めるガンプは、Double Devilを構えて後方を警戒しながら進みます。構え方は、右側のAR-15のグリップを右手で摑み、左側のAR-15のハンドガードを摑んで支える。引き金を改造しているので、どちらの引き金を引いても2つのAR-15は発砲します。
「他チームがいたらやり過ごせ。見つかったら攻撃開始だ」
チーム《MARIA》は、鬱蒼とした森を進んでいきます。
歩き始めて5分。ユウキが発見しました。
「前方50メートルに敵」
その報告を聞くやいなや、ユウキ含め三人は地面にべったり伏せました。今の状況で身を隠すための行動として最適なのは、伏せて動かず、音を立てないことです。
ユウキの声は肉声ではない上に小声です。しかしGGOの無線アイテムは、小さな声でも明瞭に聞き取れるレベルに調整して相手に伝えてくれます。逆もまた然り。
「よく見えたな。武器は?」
草や蔦や木や倒木で不自由な視界のなか、50メートル先の敵を発見するというのはなかなかに困難なことです。余程神経を尖らせなければできませんが、しかしユウキはやってのけました。
「分からない。見えなかったから」
「だよな。ここで武器を判別するなんて俺でも難しい」
「でも、図体はかなり大きかった」
今MARIAのポイントマンを担うのはユウキです。ポイントマンは先陣を切り、いち早く敵を見つけて仲間に報告する役目を持っています。そのため敵にやられてしまうリスクを他のメンバーよりも多めに持っています。森林地帯ということと、敵が前を向いていてこちらに気づいていなかったことがあり、MARIAが気づかれることはありませんでした。
「帽子を被ってて、なんかこう、わさわさしてた」
「わさわさ?」
ガンプがうつ伏せの状態で、顔や体を湿った土にべったりつけています。
ユウキが報告し、ガンプが考えている内容に、バイドが推測を付け足します。
「帽子に迷彩の布を貼り付けて、シルエットをボカしているんじゃないかな」
「なるほどね」
頭のシルエットは特に目立ちやすく、それを隠すための装備であると結論づけました。
「あと、すごく大きなリュックを背負ってた。なんか、角ばってもいた」
「角ばっていた? ……装甲でも入ってんのかな」
「装甲か……うん? あれ?」
バイドが何かを思いついたのか、それとも思い出したのか、急に唸り始めました。ユウキは疑問に思い、聞きました。
「心当たりがあるの?」
「うん、ちょっと……ユウキ、確か双眼鏡か単眼鏡持ってたよね? それで確かめてほしい」
「何を?」
「持っている武器に
バイポッドとは、銃に取り付ける支持装置のことで、地面に預けて依託射撃を行うことができます。これにより、銃の反動を吸収し、より精密な射撃が可能になります。銃を支えることから解放されるのもメリットの一つです。
ガンプが構えるDouble Devilにも、バイポッドは付いています。
「分かった」
ユウキはストレージから取り出した双眼鏡で、音を立てないように、慎重に慎重を重ねながら身を起こし、50メートルほど先の敵を覗きました。
む、やっぱり見にくい。
体を横に傾けたりして、敵の情報を手に入れようと頑張ります。
5秒経過。ユウキは身を伏せて、ストレージから双眼鏡のポーチを取り出し、双眼鏡本体をポーチに入れてベルトに装着しながら報告します。
「あったよ」
図体の大きい敵は、バイポッド付きの銃を持っていたようです。
「となると7.62ミリクラスを撃つ可能性があるな。厄介だ。そうなると中遠距離に対応できる」
「それもそうなんだけれど……」
「うん? さっきから何を悩んでるんだ?」
バイドは、ユウキの報告を受けてから何かを悩むような、考えているような発言を多くしていました。不安材料は迅速に潰していきたいものです。なのでガンプはバイドに聞きました。
「迷彩布が貼られた帽子、角ばったリュックないしバックパック、バイポッド付きの銃」
「それがどうした」
「その装備に心当たりがある」
「ホント?」
ユウキとガンプの二人は、列の中心にいるバイドに注目します。その距離、両者から10メートル。
「一度フィールドで撃ち抜いたことがある」
「マジか」
「そのプレイヤーは、メインに《M14・EBR》、サブに《HK45》。宇宙戦艦の装甲が材質の、7.62ミリクラスを容易く跳ね返してしまう最強の盾を持った大男」
「そいつはやば――え、それって」
「そのプレイヤーの名は――」
直後、ガンプとバイドの声は重なりました。
「エム!」
もちろん小声です。
遠距離かー。切れるかな?
ユウキは、バイドからの敵情報を聞いて、そんなことを思いました。
ユウキが自身の身を顧みることなく観察を続けた結果、普段
一回目のサテライト・スキャンの最中、1つ目のチームは、残念ながら後ろから忍び寄るMARIAに気づくことはありませんでした。ユウキがムラマサF9の刃を15センチばかり出し、背後に付いたら相手の口を強く押さえて光剣で首を断つ。これを気づかれないように、かつ迅速に遂行していきました。HPゲージの減少に気づいていないプレイヤーたちは、哀れながらも首を断たれ、死んでいきました。最後のプレイヤーはサテライト・スキャンに集中していて、首を断たれたことへの理解自体に時間がかかりました。そのチームが今回のSJで学んだことは、サテライト・スキャン時は全方位への警戒を怠らないこと。
その後、スキャン結果を見た、森に潜んでいた他チームが攻撃に打って出ました。
ユウキが近づく敵チームを報告したあと、軽快な動きで木を登り、敵の視界外に消えました。ガンプとバイドは敵チームを横から挟み込む形で待ち伏せ、気づくことなく通り過ぎたら殿へ発砲。死んだプレイヤーは破壊不能オブジェクトとなり、フィールドに10分間残り続けます。ガンプはそれを盾にしてにじり寄り、敵が躊躇しているところを攻撃します。裏を取ろうとする敵には俊敏な動きで近づきDouble Devilを発砲。ユウキも上から脳天に向けて小銃を撃ちます。
後に、何が起こっているのか理解に時間を要する戦闘、と敵プレイヤーは語りました。仲間を盾に攻撃してくる非道なエイリアン、俊敏な動きで見たことないゲテモノ銃を撃ってくるポニーテールの女性アバター、上から頭を撃ち抜いてくる紫の少女。これらすべてを一瞬のうちに判断して対処することは、並のプレイヤーには無体というもの。彼らが今回のSJで学んだことは、あらゆる状況を考慮して行動すること。
時刻は14:30。MARIAは、まだ森にいました。
三回目のサテライト・スキャンが始まり、バイドは草に隠れながら端末を見ています。
南南東から北北西に向かう、ゆっくりなスキャンです。
「だいぶ減ってそうだね。灰色の点がいっぱいだ」
「そうか。残存チームは」
ガンプは倒木に腰掛け、Double Devilは横に放っていて、構えてもいません。
実はここで、酒場では「高価な変態銃を無防備な状態で晒すなコラァ」と一悶着あったようですが、ガンプは知る由もありません。
「砂漠、荒野に2チーム。恐らく睨み合っている。……都市に1チーム。居住区に1チーム。……スカイツリーあたりに1チーム。……草原に1チーム。森の僕たち含め、残存チームは7」
「都市だね」
ユウキが提案し、それにガンプが即答します。
「おう、都市だ。バイドの対物ライフルが思う存分活かせるようにするぞ」
「都市の敵は?」
「その都度潰す」
「だーよね」
右手に握られた光剣を弄びながら、ユウキは答えました。
ボクは、二人の
ガンプとバイド、この二人の仲間となって戦うユウキは、ちょっぴり優越感に浸っていました。
「いなさそう」
「いなさそう?」
「うん、いなさそう」
都市に到着したMARIA。三回目のサテライト・スキャンが示していた都市チームに注意しつつ、建ち並ぶビルのなかで、中間あたりの高さのビルに入りました。バイドが屋上に対物ライフルを構える間に、ガンプとユウキは地上に下り、別のビルの屋上に上りました。こちらは5階建てで、バイドがいるビルよりも低いです。
その屋上に伏せて、ガンプとバイドの二人は地上と遠方を警戒しています。ガンプは緊張感なく鼻歌を歌い、ユウキは双眼鏡で遠方を観察しています。
「何も聞こえないね」
「あと30秒で四回目のサテライト・スキャンが来る。皆、戦闘は控えてるだろうね」
「ふむ」
屋上のフェンスは、ユウキが使う光剣によって切り落とされています。これにより、伏せて依託射撃を行うことができます。
バイポッドを立ててDouble Devilを構えて西を警戒していたガンプは手を放し、横に転がって仰向けになり、朱と灰が混ざったまるで分からない天候の空を見上げました。
ユウキも転がって仰向けになりました。目に映ったのは変態銃のストック。
「なんか近くない?」
ガンプは、隣の少女に言いました。
「ハラスメントでBANされたらやだよ、俺」
「倫理コード切ってるから大丈夫」
「え。え? ええ、なんで?」
「……ふーんだ」
「??」
道は険しいぞ、ユウキちゃん――と、バイドは警戒を一切解かずに思いました。
五回目のサテライト・スキャンが始まりました。
「ふむ。敵は砂漠・荒野エリアに1チーム。かなり南にいる。居住区の西側に1チーム。そして、スカイツリーに1チーム。僕たち含め、残り4チーム。そっちから居住区のは見える?」
「見えない。こっちからは見えない建物に潜んでると思うよ」
「そっか。分かった」
「こっちはもう受け身の態勢だから、敵さんが来るまで駄弁ってようぜ」
「そうだね」
「分かったらもうちょっと距離を空けてくれない?」
そしてしばらく時間が経ち……。
「九回目のサテライト・スキャンだ」
バイドがそう言うと、ガンプは端末を操作し、地図を表示しました。仰向けに寝っ転がってスマホを操作するように、それをユウキと一緒に見ます。
ちなみにこの光景、酒場の男たちはほぼみんな「羨ましいー」とか「いいなー」なんて言っています。
「ほいほい……お」
「あ」
そしてスキャンが示したのは、荒野にいる一つの生き残りチーム。これで、残ったチームは2つ。
ガンプ、バイドの変態銃コンビと、光剣を振るう紫の少女ユウキのチーム《MARIA》。
エムという戦闘能力が高い男と、あと一人の謎プレイヤーのチーム《LM》。
「よしよし。待ち伏せするぞー」
その場でくるっと回ると、Double Devilをずらして構えるガンプ。ユウキも回ってうつ伏せになり、双眼鏡を両目に持っていきます。
「これが、最後の戦いだね」
「ああ。変態銃を撃っちゃうぞ」
やってくるLMとの戦いを想像して、子供のようにわくわくするガンプでした。
その横顔を見て、ユウキは笑いました。
「一〇回目だ」
一〇回目のサテライト・スキャンです。南から始まったスキャンは、スイングバイでもしたかのようなスピードで始まり、終わりました。
「スキャン速っ!? あ、えっと南に1000メートル弱だね。そろそろだ」
「車を手に入れたみたいだな。オーケイ」
「はーい」
Double Devilを持ち上げて立ち上がり、南の端で伏せます。ストレージから予備のマガジンも出しておきます。ユウキは先ほどと変わらず、ガンプの隣に伏せて双眼鏡を覗いています。中遠距離に対応したこの双眼鏡はガンプからの貰い物です。
「楽しみだなー。エムと一緒のやつはどんなやつなのかなー」
「ピトフーイではないことを祈るばかりだよ」
「ねえ、ピトフーイってどんな人なの?」
ユウキはGGOにいる時間は浅く、GGOのプレイヤー間の内情などをよく知りません。疑問の一つを投げかけました。
「デストルドー、タナトスに囚われた女」
「ですとるどー?」
「知らなくてもいいよ。僕たちとつるんでいたら、いずれ遭うことになるかもしれないけれどね」
「そっか」
ユウキは双眼鏡を覗いたまま返しました。
ほどなくして、走行音が聞こえてきました。
「来てる。装甲車が南200メートル」
「バイド」
「撃つね」
ガンプが言うと、大きなビルから轟音が響きました。それは、狙撃銃が出すにはあまりにも大きすぎる音。対物ライフルならではの発砲音です。
銃口から飛び出した弾は、吸い込まれるように装甲車に当たりました。
「フロントに被弾。スピード落ちてる……あ、助手席から一人出てきた!」
「おお、何だあいつ! AGI特化型か!? 速いぞ!!」
助手席から出てきたデザートピンクの装備で身を固めたプレイヤーが、銃を持たずに走ってきています。
AGI特化型なのか、その走りは自動車並みで、200メートルという距離を一気に詰めていきます。
「装備はナイフ。それしか見えない!」
「よし、ビルから下りて正面衝突だ!」
ガンプはグリップを持つ右手を放し、立ち上がるやいなや前方に跳びました。隣のビルの壁にDouble Devilのストックを押し付けて落下の衝撃を抑えます。このとき酒場では「ああああああ! ダブルデビルうううううう!」と絶叫に満ちていました。
HPを少し減らして着地したガンプは、道路に出て、走ってくるプレイヤーに2つの銃口を向けます。
「!」
「よう!」
軽く挨拶し、変態銃はSJで吼えました。
「うひゃああああああああ!!」
絶叫しながら逃げるプレイヤー。ビルの隙間に逃げました。
「おっと。残念」
AR-15自体は毎分900発撃つことができます。今回のは30発入りのマガジンなので、フルオートで撃ちっぱなしにすると、ものの2秒で攻撃は終わります。
ガンプは自分の得物を地面に放ると、右手を握りしめます。
「最後は、セッジリーが決めてくれるかな」
このときガンプは、ピンクのプレイヤーに完全に気を取られていて、エムのことなど眼中にありませんでした。頭も丸出しのこの状態では、いつやられてもおかしくないのです。
「ガンプー! もう一人いるよー!」
ユウキが必死に伝えようとしますが、しかし耳に入ってこないようです。正体不明のプレイヤーが気になりすぎて、聞く耳を持っていません。
「来ないのなら、こっちから行くけど?」
ゆっくりと歩みを進めながら、ガンプは言いました。この状況、どこからどう考えてもガンプが不利です。M14からの射撃や、P90からの攻撃がいつ来てもおかしくありません。しかし、ガンプの歩みは止まりません。敵を殺すために、一歩ずつ着々と近づいています。
「待って!」
そこで、ビルとビルの隙間の路地からの声。隠れたピンクのプレイヤーの声でしょうか。
「お願い、こっちの話を聞いて!」
「話?」
「うん!」
ガンプは、文字通り見えない敵からの話を訝しみます。
「降参してほしい、ってお願いならお断りだけどな。はは」
「そう、それ!」
「ははは……はい?」
思わず聞き返してしまったガンプ。ビルの屋上で聞いていたユウキもまた、同じように戸惑いました。
当たり前です。BoBでもこんなことはなかったのですから。これは、前代未聞の事態なのです。
「あなたたちに、降参してほしい」
ガンプのポニーテールが、ゆらりとゆれました。
途中から勢いで書いたからどうなってるか分からない。後半では睡魔とも戦っていたためまともに文章を書けていたか不安。私は寝るので誤字脱字がありましたら誤字報告をお願いします。
できるだけ変態銃を活躍させたいけれど、これがなかなかどうして難しい。
ユウキの装備はフェイタル・バレットと違う部分がありますが、それはまた後ほど。
SJ3で登場してほしい変態銃は?
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L85A1
-
ステン
-
SIX12
-
6P62
-
アパッチ・リボルバー