世紀末(風味)ダイバーズ  ユックリ実況   作:エーブリス

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ほんっっっっっとーーーーーーーーに!
遅れてすみませんんんんんん!!!!!!!

リライズ見ててやっと思い出したよ!この作品!




あとリライズでガンダムゼルトザームって出てたやん?
…アレだよ!あんな感じだよ!アレをもっとゴツゴツで80年代アニメ風に無骨な感じにして左腕をもっと多機能かつ通常マニピュレータからクローアームにしたらラビドリーディテクタだよ!


あ、それと今回まず最初に書き忘れたエクハザール視点を書きます。



それじゃ、最後のエクハザール視点どぞー!


 ――――――――――――――――――――――

  ――――――――――――――――――――――

   ――――――――――――――――――――――



「ッ…!
やっちまったかも…」

やはりというか、義理に天秤を傾けてしまったことに罪悪感を感じてきた。

どちらにしても忍耐しようが学問しようがついて来る苦痛であるのに変わりはないかもしれないが、それでも耐え難いものはいやだ。

…なんか気の紛れる曲ないかな?
ええと…【めぐりあい】【アンインストール】【閉ざされた世界】【炎のさだめ】【いつか空に届けば】【始まりの君へ】…うーん、どれも気分じゃないな。



「あの…エクハザールさん、ですよね?
ロッテンアイアンの」

「ん?」

突然、隣で配置についていたガンプラが話しかけてきた。
ガンプラが話しかけてくる、という表現は少しおかしいが傍から見ればそう言う感じなのだ。


つかこのガンプラ、かなりゴツイ(というか滅茶苦茶)な。
…本体の見た目はジムストライカーだが、大型バックパックにビームキャノンとミサイルポッド、腕に大口径2連ビームライフル…機体構成はTBフルアーマーガンダムに似ている。

地上でコレは無理があるだろ…というが、俺も人の事は言えない。


「…ああ、RIのエクハザール様だ」

「そうですか!
僕ファンなんです!貴方の…。
会えてよかった」

「そら簡単に会えるだろ、チャンプもすぐそこにいる環境だぜ?」

本当はチャンプの居場所など知らないので、適当な場所を(ガンプラで)指を刺す。

「ははは、ですよね。
…でも、他のRIメンバーはTwitterでビルドダイバーズ側に行くと明言していたので…」

「あ、あー…痛い所を突くねぇ…」

バカ野郎…ツイートは止めとけとあれほど。
ルール違反は後で吊るす…ぜってー吊るす。


あまり指摘されたくない所を突かれ、取り敢えず他の事に気を逸らしてみる………ああそうだ、コイツのガンプラだ。

あまりにシンパシーを感じる改造なので、少し魅入っていたんだった。


…そして機体構成だが、サブアームでガーカスのガーディアンシールドを2枚か。スタビライザーの役割もあるのだろう。

脚部及びブースターにサーペントのパーツ…それとリグ・コンティオを流用している、脚部関節付近にミサイルポッドか…それにホバー装置も。反応装甲も極端に増やしてある…いくらなんでも、少しまともに動けるのか心配になるな。


「―――…スゴイ機体だな」

「あ、ああ……あはは、動けるまでバランス調整するだけで半年もかかりました」

「ちょっと武装減らしたらよかったんじゃないか?」

「そりゃ、妥協はいけませんよ。
やるって決めたら、最後まで貫かないと惨めなだけですし」


…少し、ドキリとした。

まるで今だに戸惑う自分に痛烈な批評を入れられているような言葉だ、思えばカナちゃんにも言われたじゃないか。


正直今の俺の立場こそ、とても中途半端で妥協の極みのようなもの。


「…そう、だよな」

「へ?」

「リーダーの癖に惨めじゃ失格だし…例え裏切り者だろうが…………だな。(最後まで意思を貫かなきゃ本当に何もなくなっちまう、ここはいっそ恐れを知らぬバカのように振る舞わなきゃ…」



「あ、あの…」

「ッ!、少し考え事をしてた。
…ありがとう、お前と話せてよかった」

「え…え!!、あ、ありがとうございます…こちらこそ」










そうだ、今の俺は…本能のまま壊す獣でいい。
アホで充分、バカで上等だ。

 



結果的に全員を敵に回す事になっても。
 

 

 

 

『九時の方向より敵機接近!
各機、応戦準備!!』

「来やがったか…――――!!
エクハザール、【マドロックアポカリプス】が迎え撃つ!」

 
「ご武運を…!」
 

 

…やれやれ、随分バケモンじみたガンプラ揃いだと思えば…あいつ等か。
――――さあ来い!裏切者のリーダーは此処だ!

 

 

 

 

 「いいだろう、俺が悪になってやるよ!!!」
――――――――――――――――――――――――――――

はい、本編入ります。




最終章3・戦地に赴く者達は

「突っ走りな!馬鹿ども!

足止めたら狙い撃ちだよッ!」

 

 

 「「「「「オオオオオオッーーーー!!!!!」」」」」

 

 

まるで暴走族のような出で立ちをしたガンプラ達の襲撃が、有志連合のダイバー達の気を引き締めた。

 

 

その様はまるで某映画、某漫画のワンシーン…モヒカン頭のチンピラたちが改造車を乗り回し、集落等を襲うあの場面に酷使していた。

 

襲撃者の群れのあちこちで火炎が上がり、鎖が飛び交い、リズムの良い爆音がオーケストラのように演奏する。

お世辞にも上品とはとてもいいがたい、粗雑な鉄の雰囲気。

 

 

だが、それこそがこのロッテンアイアン…!

 

 

 

「邪魔なモンはどんどんブッ飛ばしな!そんでもって暴れまくるのさ!

簡単に死ぬんじゃないよ!じゃ無きゃあたしらの意味がない!」

 

「キンゴの姉御ぉ!もうブッパしてもいいのかァ!?「さっさとやりな!ウスノロ野郎!」ヒィィィィィイッハアアアアアアアアア!!」

 

2番隊長キンゴと彼女の(改造を施した)愛機【バルバトスACTⅡ】のすぐ背後で、RIメンバーの一人ゲンジロウと愛機【ゲルググ・バーニアスパイダー】がいつものビームライフル…ではなく、この日のために自作した大型レールキャノンを連射する!

 

 

 

その後ろで、主力メンバー『錆鋼鉄の七人』もまた、牙を研ぎ澄ましていた。

 

「…出来るのか、僕に…!」

 

「ビビるんじゃねえ!トビ!

今の錆鋼鉄の中心はお前だ、トビが臆しちゃ俺達も攻めあぐねちまう!」

 

「最悪砲撃長がいるから「だまってて!レンダ!」あだッ!?」

 

 

 

「…」

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

   [さかのぼる事、開戦前 ~ビルドダイバーズのFネスト~]

 

 

「つまり…RIはエクちゃん以外はこちらに参加する…って事ね?」

 

「そうだよ、マギーの旦那「姉御、の間違いじゃなくって?」チッ…姉御。

ウチらはならず者だけど、矛先は面倒くさい世論だけって決めてるからね」

 

少し苛立った顔で、キンゴはマギーの質問に答えた。

 

 

「腹立ってるのさ、皆…何も知らずに悪だ悪だと叫ぶ奴等に。

ウチのバカアホドジ間抜けのリーダーだってそうさね」

 

 

「でも、そしたらなんでエクハザールさん有志連合に…」

 

「きっとロンメルだろうな」

 

リクの疑問に、タイガーウルフが答えた。

彼はソファから立ち上がると、窓から外の景色を眺めつつ言葉を続ける…。

 

 

「あいつ、昔は一時期第七に居てな…その時の恩があるんだとさ」

 

「ほんと…バカだよ、あいつ。

―――まあとにかくだ!」

 

しんみりとしていく空気に楔を打ち込むが如く、キンゴが声を張り上げる。

 

「あたしらも参加する!

けど一つ言っておく、あくまで味方するだけ!作戦の一部に組み込まれるつもりはないからね!行動の邪魔にはならないよう努力するけどさ」

 

「ちょ、それって…!」

 

「頭が二つあるなんざ、さすがの智将も思っちゃないだろうさ。

…後、ぶん殴りたいヤツがいるんだ」

 

  ◆  ◆  ◆ 

 

 

「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

 

 

 

トビの【フラッシュLoCo】がガトリングキャノンをうならせ、辺り一帯を弾幕の嵐に包む!

その背後よりノヴェン太の【ディープドラッケン】が追加装甲を脱ぎ捨て本来の姿を現す!

 

 

「流石に、学習くらいする…ッ!」

 

アクティブクロークを開いたその姿は正に「竜」!

ディープドラッケン……いや、名を改め【ドラッケン】は胸部メガ粒子砲及び肩部メガ・ビームガトリングキャノン他、多彩な武装で地上の制圧を開始した!

 

「速度バカだと思った?

ざんねぇえーん!!火力バカだよぉ!俺達ぁ!」

 

「…ッ!」

 

その背中ではイプシロンの【リヴェド】が超高出力3連ビームライフル【ナタス】を使い、見事なガン=カタを披露して有志連合を次々と殲滅していく。

 

 

「この…ッ!

邪魔だよッ!」

 

LoCoがガトリングを回転させたまま、手前のイーゲルにそれを振り下ろした!

無数のカミソリ状の刃がこびり付いたガトリングの銃身はまるで即席のミンチドリル!イーゲルは跡形もなく粉砕された。

 

 

…不意にホバー移動するディジェがLoCoの背後に接敵した!

あまりの敵の多さに高性能レーダーも大して高価を発揮できず、いつの間にか接近を許してしまった!

 

ビームナギナタをガトリングで防ぐも容易く斬られ、LoCoは事実上の丸腰となってしまう!

 

 

「くぅうッ!」

 

『これでッ―――――何ッ!!?』

 

突如飛来した[何か]が、ディジェの胸部に突き立てられた!

 

「は…?」

 

深々と装甲を刺し貫いた物体の正体は、【手裏剣】…というか、【スリケン】!

今ここに攻め入ったのはRIのみ…そしてRIにスリケン使いなど一人しかいない…!

 

 

 

「―――SHINOBI execute…!」

 

『な、ナハト・ザ・シュピーゲル…ぐあッ!!』

 

影より現れたその機体は、日本刀の柄と鍔を持つクレイモアをコックピットに深々と突き立てる…!

 

 

「今は【ナハト・隻・シュピーゲル】デース…」

 

機体…ショーセーのナハト隻はそのままディジェの頭部を指先ワイヤークローで穿ち、新兵装【ハッカー・傀】でコントロール下に置く。

 

 

よく見ればナハト隻の後ろには、有志連合のガンプラでありながら有志連合へと銃口を向けるガンプラ達が並んでいる。

 

 

「ショーセーさん…!」

 

「トビ!はシれ!

止まっちゃイケマセン!Who Dares Wins!」

 

シュパッ!

そんな音を立ててシュピーゲルは消え、そして有志連合のガンプラ何機かが同時に真っ二つにされた。

 

 

 

地上のみならず、上空もまた阿鼻叫喚の地獄であった。

…有志連合に参加した可変機または航空系MAで構成された空対空・空対地戦闘専門のフォース【オメガ1111111111111111111111(読み方はオメガイレブンズイレブン)】がRIに強襲をかける!

 

 

 

「ッ!

レンダ!撃ち落とせ!」

 

「おうともさッ!

調子出たじゃねえかトビィィィィィィ!」

 

オメガのガンプラに向かってレンダの【武蔵ザメル高機動強襲型】が大量の魚雷を打ち出す。

そこに追撃の対空射撃。

 

 

滞空していた機体が濃密な弾幕に曝されて次々と落ちていく。

…だが、やはりまだ数は多い。

 

 

そして魚雷と対空射撃を切り抜けて、トビのLoCoに接近する機体が1機。

 

『見つけたッ…!!』

 

「ッ!!?、アイツッ!」

 

人型に変形し、独特な形状の実体ソードを振り下ろして斬りかかったのは【メビウスフライ・ヴィクティム】、フライルーをベースとしたガンプラだ。

 

 

『マジでやりやがったか…トォビィィィ!』

 

「ああマジだよ!

マジな覚悟で馬鹿やってんだよ!俺達は!」

 

『じゃあぶっ壊れる覚悟も出来てんなぁあああ!』

 

メビウスフライは後方に跳び、ソードを突きの構えで持ち直した直後スラスターを吹かして一気にLoCoへと直進した。

 

それに答える様に、トビはLoCoの堅牢な拳で相手を迎え撃つ。

 

 

「ぁああああああッ!」

 

『当たるかよッ!』

 

渾身の右ストレートをメビウスフライはするりと躱してカウンターの突きを繰り出す。

しかしその突きはLoCoの分厚い装甲に阻まれてしまう…が、ここまではメビウスフライの読み通り…。

 

――――此処までは。

 

 

 

 

突如として下方から生えてきた刃に、メビウスフライの腕が切断されてしまう。

予想外の事に面食らった彼は致命的な隙を晒し、その瞬間にLoCoの巨大な手によって頭部を握りつぶされてしまった。

 

『ちぃいッ!たかがメインカメラがっ――――――――何ッ!?』

 

またしても突然の斬撃…今度は両足を切断する。

 

 

 

その正体はLoCoを外装として“彼女”の内部に潜んでいた【ガンダムトート・コスモス】、しかし抜け殻のハズのLoCoは依然として動いている。

 

『まさか…【S.B.M.ALICE】…!

完成してたのかよ…!』

 

「とっくにね……音源採取が終わってないから全く完成品じゃないけど」

 

言い終わるとトビはGNケペシュで半分ダルマ状態になったメビウスフライを真っ二つにして、(一時的なものとはいえ)友との別れにしては酷く淡泊な終わり方を迎えた。

 

 

 

しかし戦いは終わりではない…そう理解しているからこそ先の対応だった。

彼の後ろから、ビームの矢が飛来して有志連合の機体を数機撃破する。

 

 

「ヨイチに…あとはロウロウか。

それとダイヘッジ」

 

凶悪な刃付きローラーを装備した大型MAに乗り込む二つの機影がトビの後方より現れた。

人を刈る芝刈り機のようなソレは、立ちはだかる有志連合の機体を見るも無残な姿に変えていく。

 

 

先のビーム矢を撃ったのはパンクスチームの化物のような黒い弓持ち…【デュナメスアーチャー】だ。その隣で金と銀をアクセントに、群青をメインカラーとした朽ちた騎士の様なガンプラ【G-アルトリウス】がデュナメスアーチャーと共にスパイクを全身に生やした大型MA【ヘッジホッグ・トレー】に二ケツしている。

 

 

「ブレイン!俺達ぁこのまま敵陣に突っ込むぜ!いいな!」

 

「ああ運んできなよダイヘッジ、“お目当て”はその先にいるんだからさ!」

 

「オウケイ!

聞いたか馬鹿野郎!行くぜ!」

「さっさと行けデブハリネズミ!」「テメェの屁の臭いにゃウンザリしてんだ速くしろぉ!」

 

罵詈雑言のようだが、これがRIである…というのは今更だろうか。

彼らを見届けた後、トビはLoCoに目を向けた。

 

 

 

 

「…行くよ、僕らも」

 

彼の呼びかけに、しかしLoCoは無言で…否、LoCo―――というより内臓されたシステム【S.B.M.ALICE】が―――トビに[うん、わかった]と、チャットを送った。

 

 

2機はブースターを吹かして他メンバーのように突撃を開始する。

そんな二人に並走する、背の低いバイク型のMSの名はアクセルギス…改め【アクセルギス・トライアル】。

赤かったボディは(今日この日のために)青く塗り直され、主に出力回りが強化された決戦仕様だ。

 

「トビさん!乗ってって!」

 

「悪いな!サリウラ!

大きい彼女もイケるかい!?」

 

「舐めんな!振り切ってやるぜ!」

 

 

RIの中でも一際若いアクセルギスは、重装甲重武装のLoCoとガンダムトート・コスモスを乗せてもその圧倒的スピードに陰りを見せなかった。

 

 

 

―――――瞬間、一筋のビームがトートコスモスを掠めた。

 

「ッ!

敵多いな…LoCo!」

 

[わかってる…っ!]…LoCoは―――彼女はチャットの返事の後、両肩の大口径機銃で有志連合への牽制を始める。迫る弾幕の濃度に対して、とてもかなう程のモノでは無いが大口径のそれが命中すれば幾分怯ませる事はできた。

 

だが所詮焼け石に水、状況の変化を望めるモノとは言えない。

 

 

最早RIの誰もが、それもかなり早い段階で分かっていた。

この戦い…“役割”を果たさなければ………。

 

 

 

「――――戦わなきゃ、生きれないのかよ…!」

 

 

 

 

 

「ちょッ!?

トビさん!前!」

 

「え…うわあっ!?」

 

サリウラの叫びで、トビは現実に引き戻された。

―――なんと、先ほど先行していたはずのヘッジホッグ・トレーが空から落ちて―――それも火だるまになりながら―――来たのだ。

 

 

「ちょっと!ダイヘッジ!

何があったんだよ!?」

 

「やっぱ…あの人には勝てねぇわ…すまんッ―――――――!」

 

 

 

 

突然、ヘッジホッグ・トレーが大爆発した。

爆風は辺り一面を黒く焦がし、残骸は無残にも辺り一面に転がる。

 

「これってッ…」

 

「…言うまでもない」

 

両者、即座に状況を理解した。

そして直ぐ目の前に待ち受ける“壁”の正体を、見ることもなく察した。

 

 

 

両肩に巨腕、その脇に重火器を握る腕。

禍々しいゾウガメの様に四方を支える攻撃的な四脚に、その上にある“装甲の九龍城”と言うべき歪な上半身。

背中を見れば、夥しいブースターの数々。

 

恐るべきアシンメトリーの怪物―――――本来はRIの絶対的な象徴であるハズの「それ」が、今や彼ら/彼女らに立ちふさがる障壁となっている。

 

 

 

 

『…遅いな、もっと早く来れただろ』

 

「………何言ってんですか?

一番の突撃隊長がソッチ行って、そりゃ速度もコンマ数割落ちるってもんですよ」

 

会話こそ軽そうが、空気は殺気で重厚感に磨きをかけていた。

 

 

 

トビの後方で、アクセルギスが変形して人型になる。

 

「…トビさん、僕はオッケーだ」

 

「できるかい…?」「ああッ…!」

 

ケペシュを持ち直しながらトビは、エンジンブレードを抜いたサリウラに問いかけた。

 

 

 

 

『いいのか?サリウラ………絶望が、お前のゴールになるぞ?』

 

「そ…なら、僕はこう返す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、アクセルギスのスーパーバーニアがドッと火を噴いた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――僕に、質問するなぁああああああああッ!!!

 

 

左手を胸あたりで、ブレードを持つ右手を上段に構えたアクセルギスが―――しかし次の瞬間、装甲の灰色部分を勢いよくパージした!

 

飛び散った装甲はエクハザールの【マドロック・アポカリプス】へと向かい、一時的に視界を奪い、衝突の衝撃で怯ませる!

 

 

 

アクセルギスは、灰色の装甲で隠れていた…まるで爬虫類のような顔と、背中にある4本の腕、そして束ねられ翼の様になった極細の触手状アームを出現させ、恐竜のような雄叫びを上げる!

 

 

ヒロイックな外見から一転、6本腕の未知の怪物となったアクセルギスが右中腕にエンジンブレードを持ち眼前に迫ったマドロック・アポカリプスへと斬りかかる!!

 

 

 

 

 

 

―――――――が。

 

 

 

「ッ!」

 

『惜しかったな…』

 

寸での所、あと一歩でマドロックの巨腕にガッチリと掴まれ阻まれてしまった。

握ったアクセルギスをそのまま何度も乱暴に地面へ叩きつけ、最後は遥か遠くまで投げ飛ばしてしまった。

 

 

 

 

―――――――その一連の動作の内に、既に第二波はマドロックの眼前へと迫っていた!

 

 

「サンキューな、サリウラ………!」

 

『ッ!』

 

瞬く間に背後へと回ったガンダムトートが、ケペシュの切先をむき出しのブースターに向ける。エクハザールがソレを確認した時には既に前方にも拳を構えたLoCoが迫っていた!

 

 

 

全面的に堅牢な印象を覚えるエクハザールのガンプラ…しかし、フォースメンバーだからこそトビは彼の作る機体の弱点を熟知していた――――――その、極端な構造故に脆い部分は本当に脆く、その上連鎖的な崩壊を起こしうるという弱点を!

 

 

その弱点とは、脚部のブースター!

さらにその周辺には大量のシュツルムファウストを備えており、誘爆すれば間違いなくエクハザールは再起不能!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…』

 

だがしかし、そんな致命的な弱点をベテランのエクハザールが把握してない…という事態があろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――目の前が、真っ白になった。

いかなる衝撃が自身を襲ったのか、トビにはまだ定かではない。

 

気付けば彼は有志連合の大軍の中を(連合のガンプラを吹っ飛ばしながら)転がっており、マドロックは遥か遠くにて禍々しい威光を放っていた。

 

 

…ガンダムトートの左目に、スパークが走る。

 

「チィイッ!

―――くそっ!瞬間的な加速か…ッ!」

 

クイックブースト、と言ったら分かりやすいだろうか?

爆発的なブースターの噴射に煽られて自身は吹っ飛ばされたのだとたった今トビは理解した。

 

それなら予兆があったハズだ…だが、トビはその予兆を功を焦った余りに見逃してしまっていたのだ。

 

 

己の失態と、歪む画面左半分をもどかしく思いながらも彼は周囲の連合軍をスライディングでなぎ倒しながら立ち上がり、ケペシュを構え直す。

 

 

マドロックが巨腕を豪快に動かしている当たり、おそらくLoCoが交戦中なのだろう。

 

立ち塞がったグフカスタムを難なく切り伏せ、後方のクシャトリヤのバインダーを腕に仕込まれたハープーンガンで引き千切ってソレをクシャトリアへ叩きつけて大方の邪魔を排除した所で再び走り出す!

 

 

 

…現在、戦線はとても混沌とした状況になっている。

RIの洗練された突撃力から来る浸食性は、プレイヤーのほぼ全てとも言える有志連合であっても(戦力が分断されているとはいえ)百パーセント食い止めることは不可能だったのだ。

 

そんな事情で、このフィールドは前線だとか後方だとかといった境界は既になくなっており、ほぼ全てのガンプラが白兵戦のリスクに晒されているというカオスのような戦場と化していたのだ。

 

 

 

…本来は後方からの射撃でRIを迎え撃つ予定だったのだろうガンキャノンⅡの群れを木偶人形の様にトビは斬り裂いてゆく。

ガンキャノンⅡたちはその頑強な装甲を使った肉弾戦を咄嗟に仕掛けるものの、余りにもかけ離れた瞬発力とGNケペシュの攻撃性能の前には成す術もなく倒れていった。

 

それでも数がおおい…どんな豪傑(対多殲滅力に長けたイプシロン含め)でも、一人で倒せる数では連合の足元にも追いついていない。

今はいい、最初の突撃がいい感じに効いたおかげで此方が少数ながら押している…だが、ジオン公国の結末を知る者なら分かる通り少数精鋭とはいつの時代も長期戦に弱いものだ。

 

 

泥濘にハマればハマるほど、敗北は時間の問題になってくる。

故にRI全員が望むのは、短期決戦………それが出来なければ、本隊(ビルドダイバーズ)の為の時間稼ぎ。

 

 

「(ぶっちゃけ、後者が一番やり易いけど……!)予定が変わってる…!

――――皆!ピッチ上げろ!もっと叩き込むぞ!」

 

本隊の作戦が読まれた以上、時間稼ぎは無駄な消費に繋がる可能性もある。

 

 

 

 

 

 

 

だからトビは走った。

再びエクハザールと刃を交えるため、全力で連合軍を振り切る。

 

…目の前に、先回りしていた連合のガンプラが立ちはだかる。

その先頭に立つガンプラ―――まるでエクハザールの遺伝子の欠片の様に重武装を施した変態的なソレが、厚いビーム刃のツインビームスピアを手に迫ってきた。

 

 

その周囲を逆三角形に囲むように取り巻きが並走…うち前列の、別の宇宙作品を思わせる白いガンプラ二機(微かに残る面影から原型は恐らくグフハンター)がビームライフル(ブラスター)を独特な音を起てて放った。

 

 

「ちぃいッ!

このっ………!」

 

中々に濃い弾幕の合間をどうにか縫うように進み、トビは外付けの【サイコ・パッケージ】を起動する。

 

 

僅かに飛び出した、煌く突起物が蒼く輝く力場を生成した。

 

[ッ!?

なんだ、弾が逸れているのか?]

 

[うろたえるな!弾かれて、ビームがこちらに来るよりはマシだ!]

 

彼らの言う通り、力場によりビームが僅かに逸れ、器用に躱すトビの動きをアシストしている。

 

最早間合いにそれほどの差はない。

射撃の効果の薄さを確認した2機はビームライフルから、レーザー刃を生成する独特な斧を手に持ちガンダムトートへと飛び掛かった。

 

 

「そんな大振りでッ……!」

 

これまた針の穴を通すような繊細な技で、的確にストー○トルー○ー擬きの急所を一撃で斬り裂き、瞬く間に撃破する。

やられ役の代名詞の宿命は、完成度が高くともやられ役だったようだ。

 

 

 

「次!」

 

地上戦闘に適するように見えない重装甲のガンプラに刃を向け、その飛蝗のような脚で大地を蹴って弾丸のような勢いで飛び出した!

 

 

ツインビームスピアを大きく振り上げた相手の懐へ、ただまっすぐ……一直線に跳ぶ!

そして――――――ケペシュと、隠し持っていたビームサーベルの刃がぶつかり合う!

 

「ッ!」[……!]

 

重武装型の背後から、巨大な鉈を持ったメッサ―が飛び出した!

 

 

「んな攻撃!」

 

トートは刃でビームサーベルを、蹴りでビームスピアを弾く!

その脚で流れるように重武装型の肩へと跳び乗り、それを土台にして一気に上空のメッサ―へと迫った!

 

 

[落ちろォ!]

 

「お前が落ちろォ!」

 

空中での僅かな剣戟……………大質量に任せて振り下ろされた鉈を、ケペシュの刃で弾く!

だが、メッサ―の胸部が突然ガバッと開く!そこから伸びる一門の大型ビーム砲!

 

トビの身体がまばたきをする間も無く冷えた…この距離で、このビーム砲から無事に逃れるのは彼の技量を以てしても…!

 

 

 

[うぐっ!?

そ、そんな…ッ!うわ――――――]

 

だが、不意を突く形でメッサーのビーム砲に一本のビーム矢が突き立てられた。

遅れてメッサ―が大爆発、持ち主を失った大鉈が虚しく宙を舞った。

 

 

「トビ!無事か!?」

 

「お前…お前こそ!」

 

矢を放ったのは、先のデュナメスアーチャー。

どうやらエクハザールのマドロックから生き残ったようだ。

 

 

「まあな。

アイツのお蔭だ」

 

そう言ってデュナメスアーチャーは、手に持っていたG-アルトリウスの剣を見せる。

 

 

「…それなら、簡単には落ちれないね」

 

「ああ…まだ退場できねぇよ」

 

互いの無事を喜ぶのも束の間、実弾の弾幕が二人を急襲する!

先の重装甲型だ…ツインビームスピアに仕込まれた大型マシンキャノンと、城のような大型バックパックから伸びるサブアーム2本の、それぞれの手にあるガーディアンシールドのガトリングから放たれた弾幕だ。

 

その他にも、徐々に体制を持ち直してきた連合側が連携してRIを徐々に追い詰めていく。

 

 

 

「ッ…!

そろそろ、“キレる”んじゃねえか?」

 

「多分ね。

…今、下りたみたいだ」

 

主語の抜けた会話の後に、再び連合の包囲網をかいくぐり始めた。

そしてやはりというか…あの重装甲型が、とんでもないスピードで二人に迫り始めている。

 

背中のバックパックの恩恵か、距離は縮まるばかり…追いつくのは時間の問題。

 

 

「…リーダーは後、迎え撃つ!」

 

「おう!」

 

二人は急ターンの後、大地が抉れる程に踏み込んで慣性を押し殺して背後より迫る敵へと矛先を向け、迎撃を開始した!

 

 

デュナメスアーチャーの援護射撃を背に、ガンダムトートもまたハープンガンで引き寄せた大岩を投げつけ牽制する!

 

3度大地から跳躍した頃には、既に重装甲型の30m先へと迫っていた!

弾幕から少しでも逃れるために低い姿勢をキープしながら、ジグザグに動き一瞬の…たった0.1秒もの隙をついてケペシュの一本を重装甲型へ投げつける!

 

ソレは重装甲型のビームスピアへ真っ直ぐ突き刺さり!使用不可能にした!

 

 

[終わりだ!RI!]

 

敵はあの重装甲型だけではない。

シールドガトリングを乱射しながら肩の赤く、土汚れの酷いグフカスタムが真横から強襲を仕掛けた!

 

それだけでなく、グフカスタムを援護するようにクシャトリアがファンネルとメガ粒子砲で弾幕を張る!

 

 

「ッ!

アッチに弾幕頼める!?」

 

「やってみる!」

 

アーチャーの援護により、グフカスタムとクシャトリアの2機の気を彼に逸らされた隙に再び重装甲型へと向かう!

たった一本のケペシュを手に。

 

 

「ッ!」

 

…剣の届く間合いにあと一歩近づいて来た時、巨大な質量が目の前に迫った!

紙一重でそれを躱し、質量の正体を見ると―――それは先端にスパイクが生えたガーディアンシールド!

 

驚くのも束の間、第二撃を察知してフットワークを生かしてガーディアンシールドによる打撃を躱す!

その次の、そのまた次の…シールドのラッシュをギリギリの所で回避しながら隙を伺う!

 

 

[チッ!しつこいな!]

 

重装甲型がしびれを切らして右シールドを溜め込むような動作で薙ぎ払う素振りを見せた――――――瞬間!

 

 

「今ッ!」

 

――――トビがZEROシステムを起動!

折りたたまれたロングトビクチを手に、展開したソレの刃で薙ぎ払いを受け流す!

 

 

[!?しまった!]

 

「…!」

 

受け流す勢いを利用したカウンターは、一瞬でサブアームを2本同時に斬り払う!

清々しく空へ飛び上がったガーディアンシールドを目で追う重装甲型…その足元から、ロングトビクチの鋭利な先端が迫る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

が。

 

 

「トビィィィ!!逃げルォォォォォ!!――――――」

 

巻き舌になる程の叫びを上げた、デュナメスアーチャーの声は爆音と共に消え去った。

 

ZEROの高精度周囲索敵能力で“爆音”の正体を読み取ったトビは、振り上げを中断して真後ろへと跳ぶ!

 

 

よく見れば、連合側も皆して右か左に退避している。

まるでモーゼが、海を分かつその瞬間のように、中央の道を開ける。

 

 

―――――その空には、澄んだ夜空で見る莫大な星々のような…赤熱する、グレネード弾の雨。

 

 

「嘘だろ…ッ!?」

 

弾着2秒前!

 

トビはAMBACとスラスターを使ってせわしなくガンダムトートを動かし、辛うじて無傷で弾幕をすり抜ける!

 

 

 

…そして大地が赤く燃えた。

全ての終わりを指し示すその熱量…黙示録の名はいつもの適当な伊達や酔狂などでは無かった。

 

本当に、この世界に終わりをもたらしてしまうのではないか…そんな恐怖すら感じさせるエクハザールの姿は、しかし何処にも見当たらない。

 

 

…いや、ZEROはその居場所を指し示している。

だが、その座標があまりにも浮世離れしたようで、トビには受け入れ難かった。

 

設計上出来る事は知っている…だが、実際にやった所は見たこともないし、やれたとしてもこんな高くまで飛べるなんて思えない。

 

 

[力さえあれば…質量など、わけない物だ。

覚えときな]

 

 

 

 

 

 

 

―――――そう、マドロックアポカリプスはガンダムトートの真後ろにいたのだ!

複雑な関節の後ろ脚を、その全てをまっすぐに伸ばして。

 

そして足の裏の―――ツギハギで不定形の―――GNドライブ型のブースターでギリギリその巨体を浮かせながら。

 

 

「なんの冗談ですか……」

 

巨大な左腕から伸びる光柱を辛うじて見上げながら、トビは絶望を漏らす。

 

そう言えばこんなのあったな―――ガンダムの生みの親が作ったロボットアニメに、最終的にこんな感じの長い長い、何処までも長い…巨大なエネルギーの剣を振り回すやつ。

 

 

 

 

 

呆けている間に、それが瞬く暇すら与えずにふりおろされた。

ゆっくりと、ではなく、一瞬のうちに。

 

 

 

次の瞬間には、彼は熱波に煽られていた!

 

「!?、!!??!?!?!?!?」

 

理解が追い付かない、ディスプレイの各所からデンジャーとエラーが吐き出される。

最後に残ったケペシュは熱にやられ、一瞬で塵芥のように崩れ去った。

 

熱の激流に流される内、不意に地面へと激突する。

幸い元々の造りが良かったのと、衝撃に最も強い部分で着地出来たことで結果的に大したダメージは負わずに済んだ。

 

 

 

しかし、急に目の前にビーム刃が現れた。

ジム系の機体だ…面影から察するに、先の重装甲型なのだろう。

 

何時の間に近付いたのか、どうやってあの熱波を凌いだのか…それはともかく、今トビは自分が限りなく詰みに近い事を自覚する。

ZEROは機能しなくなってしまったようだ。

 

 

[知っているぞ、トビ…お前が、指揮官だよな…]

 

突如、重装甲型の男が口を開く。

トビは応えず、無言を貫く。

 

 

[降伏しろ、敗北は…時間の問題だ]

 

彼はトビに降伏を勧めた。

だが…。

 

 

「いやだね」

 

一言だけ…初めて発した言葉は、拒否。

 

[!…何故だ、何故倒れない…!]

 

彼は慟哭するかの様に問いかける。

トビはやけに冷静に、ただ一言告げた。

 

 

「倒れたくないからに、決まってるでしょ。

それに―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりにも、凄まじく恐ろしい空気が押し寄せた。

重武装型は空気が流れてきた方角へとビームサーベルを向け直す。

 

それは、遠い遠い先…何か、良からぬ存在が降臨したかのような、夥しい彩色のエフェクトが立ち込める。

 

 

その中に、かすかに見えるエンジェルハイロゥは、分解されそしてたった一つの輪へと姿を変える。

輪の中央に佇む、巨影を称えるかのように取り囲んで。

 

 

 

 

[な、なんだ………一体何が]

 

「それに…っ!」

 

たじろぐ重装甲型へ、トビは言いかけた言葉をもう一度力強い言い直す。

 

 

 

 

「命ってのは、たった一度のチャンスだからな」

 

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」

 

…凄まじき悪魔の威光が、吹き荒れた。

この空っぽな水の星に、己という伝説を上書きする…または、恐れるだけしかできない歴史(それまで)を無に引き戻し、己という英傑のみを残す“凄まじき”存在の咆哮。

 

 

神の裏側に潜んだ、悪魔が………「ガチの砲撃長」が、遂に目を覚ましてしまった。

 

 

 

リヴェドの装甲はあちこちでひっくり返り、白い後光は赤黒く染まって、獣のように全身を用いて叫ぶ――――その姿に今までの「天の裁き」を思わせる要素は残されていない。

 

「怒り狂う憎悪」「暴れ出す憤怒」……どの言葉がふさわしいか、きっと人にもよるだろう。

 

 

 

 

これから吹き荒れるのは――――――もう一つの終わり。

 

 

リヴェドが地を蹴った!

驚くほどの低姿勢で、目を回すほど早い足の振りで、何物も蹂躙するかの様に駈ける!

 

その悪魔は思う存分、戦場を荒らした。

エンジェルハイロゥ(というよりデビルハイロゥ)を背に、真黒い瘴気を纏って…。

 

 

 

悪魔に武器など意味を為さなかった。

バスターライフルがパージされ、素手であってもその拳一つで全てを破壊した。

そしてビームサーベルを奪えばそれは紫の瘴気を纏い、ビームライフルを奪えば緑の、ジャベリンを奪えば青の…あらゆる瘴気で奪った武器を“汚染”していく。

 

“汚染”された武器は、悪魔に忠誠を誓い、元の持ち主を襲う。

 

 

血走ったように赤い目は、射貫く様に真っ直ぐ…エクハザールの姿を見据えていた!

 

 

 

 

[馬鹿な、だが…この人数差ではあのイプシロンでも――――]

 

「おりゃあああああッ!」

 

悪魔の降臨に竦んでいた重装甲型の頭部に、ガンダムトートの拳が叩き込まれる!

ソレを皮切りに右!左!右!左!……と、これまでのお返しだと言わんばかりにぶちのめしていく。

 

[がッ!ぐッ……ぐぁああッ!]

 

「ァア”!アア”!ァアアアア”ア”ア”ア”!!」

 

余りにも痛々しい…しかし清々しくもある、一方的な攻撃。

そして最後には、渾身のアッパーカットで重装甲型を彼方までブッ飛ばした!

 

 

 

重装甲型の着地を見届ける前に、トビは右脚を一歩後ろに引く。

 

―――それと同時に、リヴェドが急停止して瘴気の集中した右手の掌を地に叩きつけた!

そこを中心に、RIのエンブレムが地上に大きく刻まれる。

噴き出した黒炎で幾つかの連合のガンプラを焼き尽くした後、エンブレムが渦を巻く様にリヴェドの右脚へと収縮する。

 

 

 

 

 

 「「ぶっ飛ばすッ……!」」

 

 

 

 

ガンダムトートが走り出し、リヴェドが飛びあがった。

トビが先のリヴェドのように駆け出して、イプシロンが燃え上がる右脚を突き出し飛び蹴りの構えをとる!

 

 

 

衝撃―――――――それは辺り一面を吹き飛ばし、不毛地帯へと変貌させる。

 

 

何時の間にぶつかり合ったのだろう…イプシロンの右脚と、エクハザールの左腕が派手なエフェクトを撒き散らして鍔ぜり合う。

 

壊すのが先か、壊れるのが先か―――互いに状況は変わらない。

 

 

 

 

 

 

――――この勝負、制したのは…なんとエクハザールだった!

 

ギリギリのところで彼が踏ん張りを効かせ、不可能とも思われた悪魔の撃退を成し遂げたのだ!

 

力のベクトルを無理矢理曲げられたイプシロンは何処か遠くへと飛び去ってしまう。

―――が、エクハザールの左腕には黒くRIのエンブレムが刻み込まれていた。

 

 

エンブレムが放電し、破壊的なエネルギーをマドロックへ流し込む。

…このエンブレムの特性に気がついたエクハザールは、直ぐに右腕を使い左腕を引き千切り、何処か遠くへと投げ飛ばした。

 

…大破こそ免れたものの、装甲の破損に爆発物の暴発…様々な厄災によってマドロックアポカリプスはボロボロになってしまった。

 

 

 

 

そして同時期、遂にトビが重装甲型を撃破した。

飛蝗のような脚を縮め、重装甲型に近付いた瞬間そのばねを一気に解放して渾身の蹴りを放ったのだ!

 

 

奇しくも、飛ばされた方角は…エクハザールが切り離した腕を投げた方角と…同じ。

 

 

 

 

 [お前らは…俺たちに…――――――]

 

 

 

 

 

全てを言い切る前に、黒い火柱が重装甲型を包み込んだ。

天を目指し建てられたバベルの塔が如きそれは、エクハザールの左腕より生じ、力の解放と共に解き放たれたのだ。

 

 

 

其れを遠くから見つめるトビ――――その機体は既に限界へと達していた。

一歩、歩き出したその時…右脚の関節が破損し、そこから崩れ落ちてしまった。

 

 

まだ終わりじゃない、まだ終わってない…燃え滾るような執念で、両手と左脚を使って地を這う。

 

 

「リー…ダー…ッ!」

 

まだあの男を…エクハザールを、倒せてない。

役目はまだ、果たせてない…!

 

 

[…使えよ、あるんだろ?]

 

エクハザールが、ボロボロのガンプラで手招きをしながら挑発する。

トビはそれを物ともせず―――というより、最初からそのつもりだったが―――ガンプラに残る最後の力を振り絞り、サイコパッケージを全開にする。

 

 

機体の各所より生える、コスモスの花の様に…淡い紫色をした水晶。

水晶から漏れだした光が…ガンダムトートを…それだけではない…死屍累々としながらも戦う、または力尽きた…破損したRIのガンプラ達を…包んだ。

 

 

するとどうだ、どこからともなくガンプラ達がこぼれ落とした身体の破片がまた集まり、元あった場所へと戻りくっ付いた。

 

まるで時間を逆再生するかのように…!

 

 

 

ガンダムトートも例外ではない、壊れた右脚が…失ったケペシュが今再びトビの元に戻る。

 

 

 

「まだだ、僕はまだ…戦える…ッ!」

 

コスモスはやがてその花びらを細かく撒き散らし、光子へと変えていく。

その光子がだんだんと勢いを増して……ついにはGNドライブの様になる…。

 

 

 

 

「これで…終わらせますよ…ッ!!!」

 

 

 

    […来いッ!!!]

 

 

 

 

彼らの、最後の戦いは何よりも静かに始まった。

静かな歩みが、段々と荒々しくなり…互いの間合いに入った途端それが一気に激しさを見せた!

 

殴り、斬り、殴られ、斬られ…互いの全てをぶつけるだけに専念して、どちらかが力尽きるまで…。

 

 

忘れ去られてしまうであろう、その空の彼方へと…魂の鼓動を響かせるように。

生命を断つほどの覚悟で、削り合った。

 

 

 

 

 

ケペシュの切先が、マドロックアポカリプスの胸に突き立てられる。

だが、それではどちらも止まらない…!、本当に、本当の終焉を迎えさせるために。

 

巨大な左腕が、ガンダムトートコスモスの顔をもぎ取った。

それがどうした…!たかがメインカメラがやられただけだと、両者お構いなく殴りつける。

 

 

 

腕がとんだ、刃が崩れた…ならば、ならばその機体でぶつかり合うのみ。

 

 

 

 

 

 

「「ッ!!!!」!?」

 

トートの左の拳が、マドロックの胴体を引き裂く。

そのまま左腕を引き抜くことをせず、コスモスの出す光子を右腕に集めた。

 

 

マドロックもまた、身体の亀裂から淀んだ血の様なエネルギーを噴き出し、巨大な一本の腕を作る。

 

 

 

――――――――――その時、小さな超新星爆発が鳴り響いた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――

 

 ◆  ◆  ◆

 

―――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――

 

 

 

腕が、顔が、剣が…その全てが再びパズルのように繋ぎ合わされて、修復されていく。

機体の修復がほとんど終えたトート―――だが、各所のコスモスは細々としている。

 

そして、マドロックは今だ勢いを増す禍々しいエネルギーに蝕まれながらその身体を崩していく。

 

 

 

「…これで、俺達の役目は…終わり、ですね。

さあ……――――!」

 

何かを催促するようなトビ。

だが…。

 

[…いや、その必要は…無ぇみたいだ]

 

 

 

エクハザールの言葉の後、ディスプレイが現れた。

―――――そこには、勝者はビルドダイバーズである事…つまり、RI側の勝利である事を告げていた。

 

 

 

「…なんか、大分長い茶番でしたね」

 

[ああ…まあ、アレだ。

迷惑…かけたな]

 

 

今にも爆発しそうなマドロック。

残る力で、ゆっくりと顔を上げてトートを見る。

 

 

「気にないですよ、皆…馬鹿やってるのが、デフォルトですし…」

 

[…そうかい]

 

 

 

そして遂にマドロックのエネルギーが臨界点を迎えた。

吸引音と共に、噴き出したエネルギーが核へと収縮していく。

 

 

 

 

[なあ、トビ…頼みが、あるんだけさ…]

 

「…なんです?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それを聞き届けた後、マドロックは大爆発と共に蒸発した。

風圧か、それとも時間切れか…少し遅れてトートのコスモスが砕け散る。

 

するとトートはバラバラに崩れ落ち、それ以外の…彼の力によって再生した者達も同じ様に崩れ落ちた。

 

 

真っ暗になった、何も表示しないトビのパイロットスペース。

大の字になったトビは…心底疲れた様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満足はした…たった一人の少女の、たった一度だけのチャンスを護りきれたのだから。

壊す者と守る者…答えが選んだのは、守る者の意思だった。

 

「…なんかな」

 

急に自分らのした事がむずがゆく感じてきたトビは、鼻の下を擦った。

 

 

 

やがて考える事が面倒臭くなると、たちまち起き上がって爆散したエクハザールの元へ再び連絡を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…リーダー、多分まだ終わらないっすよ」

 

[だろうな]

 

 




最早ガンダムとは一体。



ちょっとしたネタ。

【リヴェド】→【liveD】→ひっくり返す→【Devil】

【ナタス】→【natas】→ひっくり返す→【satan】






本当に待たせて申し訳ございません。
次はそんな期間開けませんのでどうか、どうかよろしくお願いします!
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