世紀末(風味)ダイバーズ  ユックリ実況   作:エーブリス

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募集企画第二弾!



8/28 一部演出を追加


超越現実的生存 Versus diver's

  

  ◆ 幕間…? ◆

 

 

草木も眠るどころか枯れ果てたオーストラリアサーバー。

荘厳なるエアーズロックは、タツジン同士の決闘の開始点と化す!

 

 

睨みあうニンジャとサムライ。二人は既に悟っていた、この戦いは鍔迫り合いにはならぬ…たった一太刀で終わると。

 

それは傍観者たるRIの者共すらも同じだった。

 

 

 

「…なんだ?ショーセーさんと泥雷のヤツ。

まだ始めないの?じれってぇなー」

 

「レンダ、戦いなら既に始まっているぞ…」

 

「え?」

 

「二人の実力が拮抗しているから…互いに手を出せないんだ。

下手に斬り込めば逆に自分がやられる…逆に隙を見せても即座に斬られてしまう…」

 

「あー、成程…。

刹那の見切りってそういう事だったのね…」

 

「懐かしいの出してくるな…」

 

 

 

 

荒野に風が流れ、砂塵が舞い上がる。

ニンジャとサムライ―――――――――――――――――――ショーセー/ナハト・隻・ツシマゲルと泥雷/ガンダムネビュラはその中で瞬きの一つもせずに刃を構えたまま、じつと“その”瞬間を待つ。

 

装甲が、フレームが乾いた風にさらされて僅かに擦れる音をちらつかせる。

時折折れた枯れ枝がその風に乗って運ばれ、カツンと2機に当たってはまた風によって何処かへ去っていく。

 

 

―――――――――――――――――――二人の間に、何かが投げられた。

それは爪か、それともザクのスパイクか…?円錐のソレが2機の間の宙を舞う!

 

 

「ッ…!」

 

「…!」

 

 

スピンしながら勢いよくソレは落ちてゆく…!

 

 

 

 

 

 

コンッ―――――――――――――――――――たった今、ソレが落ちた!

 

 

 

「ッ!

せえええええええいやああああああああああああッ!」

 

「Wassyoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooi!!!!」

 

 

刃が交わるのは、光が通り過ぎるよりも早かった。

あっという間に立ち位置は入れ替わり、互いに背を向けあっていた。

 

 

「くッ、不覚…!」

 

「oh shit…!」

 

瞬間!ガンダムネビュラはコックピットから横に分断され、ナハト・隻・ツシマゲルは左右に一刀両断された!

それはほぼ…否!まったく同時に起こった出来事!そして両機は爆発四散!

 

 

そう!この勝負は、引き分けである!

 

 

 

「…引き分けだ、二人とも」

 

延々と上る黒煙を見つめながら、立会人のエクハザールは告げた。

そしてレンダは、剣の道とは何たるかを…その片鱗を感じたのであった。

 

 

 

以上が先の話で触れた、泥雷とショーセーの決闘の真相である。

この戦いに正義は…無い。あるのは、より強い相手と剣を交えたいという純粋な願いだけだ。

 

…なんで龍騎の〆みたいになったかは自分でも謎である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ◆ 本編、ある中東系サーバーの荒野にて ◆

 

 

 

ある場所で、ガルムレイド・ブレイズに似た機体がハロのような機体と共に複数の敵を相手に戦っていた。

どうやら背中のインレに似たユニットが大破したようで、パージしてその場に投げ捨てた後にドリルニーで目の前のモビルアーマーを真っ二つに切断しながらブラッディ・レイで辺り一面を薙ぎ払う。

その直後にハロが生き残った敵を轢き殺すという中々残虐な戦い方をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビショップの改造機【ビショップオーバーキャノン】に乗るあるダイバーの少女、シアラは不安だった。

カモフラージュ用のマッピングテントの下で今いる慣れない戦いの行く末がとても不安だったのだ。

 

 

今日、このサーバーで行われているイベントの名は“ランダムサバイバル”

参加者をフォース等に関係せずランダムに4人組のチームに振り分け、このだだっ広い荒野でサバイバルを兼ねた戦闘を行わせるという、昨今のバトロワ系ゲームをリスペクトしたようなイベントだ。

 

荒廃したオーストラリアサーバーのように乾いたこの地は、真偽含め無数の銃口と切っ先で氾濫している。彼女たちは勝ち残る為に、この“真”の銃口と切っ先を見分けて躱し、返り討ちにしてゆくのだ。

 

 

 

しかし、それが恐ろしいのだ。

何時どこで銃口が火を噴くか…切っ先が振り下ろされるか、それらを感じ取る為に神経を極限まで研ぎ澄まさなければならない。

戦の気配は、覚悟を決める間もなく流れ込んでくる。

 

その強烈にソレを感じる神経が、シアラから落ち着きを奪っていた。

 

 

 

「シアラさん、そんなにピリピリしなくたって大丈夫ですよ」

 

「きっか、さん?」

 

シアラに話しかけてきた彼女(彼?)は、魔法少女めいたエクストリームガンダム【エクストリームガンダムtype紫蒼天の書】(以下、紫蒼天の書と呼ぶ)に乗るダイバー、八神きっかだ。

 

「どうして…そんなに落ち着いているんです?」

 

「それは…僕はこのイベントは経験があるという事もありますが…。

まあそれ以上に“彼ら”の存在でしょう」

 

そう言って、きっかは残りの2人を見た。

 

 

 

 

そこには、銀の顔と鶏冠を持つ、赤いボディの戦士―――――――――――――――――――人々はその姿を“ウルトラマン”と認識するだろう。そのウルトラマン(正確にはウルトラマンマックス)を模した機体【G-マキシマム】を駆ける彼は最強最速と呼ばれる元ネタ通り実力も高く、GBN内でも名が知れているダイバーだ。

 

そしてもう一人…魔獣の下半身を持ち、魔神の上半身を持つ邪神が如きゲテモノガンプラ、名を【トラルテクトリ】。彼の説明は最早不要ともいえる。

―――――――――――――そう、あの世紀末の男・エクハザールである。

 

 

確かに、これだけの味方がいれば勝利は近いだろう。

言い方は悪いが、きっかとシアラは“味方ガチャ”で大当たりを引いたのだ。

 

 

 

只今、G-マキシマム(以下マックスと呼ぶ)とトラルテクトリはマッピングテントの下で索敵を行っていた。

丘の上に陣取っている今、索敵はとてもしやすい。

 

…マックスが何かを見つけたようだ。

ハンドジェスチャーでエクハザールを呼び、発見したモノの方角を指さした。そこにはタンカーから蜘蛛のような足が生えた…というより、巨大な蜘蛛がタンカーを内側から乗っ取ったようなMAがのそのそと歩いていた。

 

 

エクハザールはニヤリと笑った。

そしてトラルテクトリは右手で腰回りにあるウェポンハンガーから巨大なクロスボウを取り出し、構える。

 

 

 

 

 

「じゃあなノヴェン太。

先、逝ってろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あるチームのエースパイロットが撃墜された。

その男は自分をかの有名な上位フォース、ロッテンアイアンの一員だと称し実際このチームの中で一番強かった。

 

その、一番強い男が今、たった一発の弾丸で爆発四散した。

 

 

動揺はチーム全体に広がった。

何処かに滅茶苦茶強い敵がいる、と…。

 

「ッ!?そこだッ!」

 

一機の、グリーンベースのワイルドな風貌のガンプラが立ち上がる砂煙に気が付いた。

チームの皆もソレに反応して直ぐに銃口を向けた…が、咄嗟には引き金を引く事が出来なかった。正体を知ってしまったからだ、自分らのエースを一撃で葬ったダイバーの正体に…。

 

エクハザールの名はGBN中に知れ渡っている、そのツギハギだらけのガンプラと共に…それこそマックス以上だ。

皆知っていた、この男の獰猛さを。

 

 

「ッ!?

何やってるの!撃て!」

 

先の緑色のMSの怒号で他2人は我に返り射撃を始めた。

しかし時すでに遅く、味方のガンブラスターは至近距離でライフルを喰らい、ホワイトアットは半分ほど生々しい左腕から生える巨大な2本の爪でバッサリと切り捨てられた。

 

そして最後の緑色を右腕に付属した巨大アーム【サターンクレーン】の指一本一本に仕込まれた溶断破砕マニピュレーターの一斉射撃撃破――――――――――――――――――――――――――――――――――――――するはずだったが、その緑色は強烈な反射神経でレーザーを回避した。

…獰猛な男は、ここにもう一人いた。

 

 

 

トラルテクトリの側面に回り込んだ緑色…否!マックスのように特撮作品を元に作成されたガンプラ【ガンダムエクシードオメガ】は、自慢の脚力でトラルテクトリのはるか上空まで跳び上がり、踵の爪を、その手で足を支える形で振り上げた!そう…ギルスヒールクロウだ!このガンプラには仮面ライダーギルスと仮面ライダーアマゾンオメガの能力が備わっている!

 

…しかしその一撃は、トラルテクトリの左腕に備わった大型のブレードシールドによって弾かれてしまい、更に山を全速力で下ってきたシアラときっかの追撃を受けて撤退を余儀なくされてしまう。

 

「まだサイコミュは使っちゃだめですよ!」

 

「はい!」

 

ビショップオーバーキャノンは有線式メガ粒子砲をサイコミュで飛ばさず腕にくっ付いた状態で援護射撃を行い、その援護射撃を受けて紫蒼天の書が魔法の杖じみた槍を手に突撃する。

 

 

 

「ちっ…!」

 

数的不利を察したガンダムエクシードオメガはバク転しながら弾幕の間を縫うように回避を繰り返し、ついに接近した紫蒼天の書が突き出した槍をヒレ状のカッターで叩き落とした!

 

 

「しまッ…!?」

 

「きっかさん!」

 

すでにエクシードオメガの爪は喉元。

爪立てられながら消える運命は直ぐ其処にあった。

 

 

 

しかし間一髪、何かが飛来してエクシードオメガの爪を弾く!

加えて同じ飛翔体が3つ追加で襲い掛かってきた!

 

「ッ!?くそッ!」

 

エクシードオメガが飛翔体を叩き落としているうちに紫蒼天の書は再び体勢を立て直して槍を振るい、その一撃が肩を掠めた!

 

追撃を避けるために大ジャンプで崖上まで登り、一度深呼吸をして辺りを見渡すと反対側の崖には赤い戦士…マックスの姿があった!

…エクシードオメガのパイロット、ラチェルタは奇妙な縁を感じた…ここまで何かと特撮絡みのガンプラと多く出会った。イカデビル、ジェットジャガー、MOGERA、レッドキング、ガッツ星人、ライゾン、リュウジンオー、マグナギガ、イルギシン、クレージーゴン、そしてついさっきはケサム…彼は一時ココがGBNであることを忘れたほどだ。

彼はそれを憎らしく感じなかった…寧ろ喜びを感じた程だ。

同じことを考えている同志が沢山いて、そいつらと戦える…その喜びを噛み締めた。

 

そして今!目の前にいるのは自分と同じく主役級ヒーローのウルトラマンマックスを模したガンプラがいる…

 

 

 

獣が嗤い、欲望だけが渦巻くこの場所には言葉を交わす必要はない。

 

 

エクシードオメガは、崖を思い切り蹴って飛び出した。

それをマックスはマクシウムソードを頭より投擲して迎撃する!

 

しかしエクシードオメガは効かないと言わんばかりにその手で弾いた。

…だがここでマクシウムソードはあらぬ方向へ行くこともなく、そのまま大きく円を描いて再びエクシードオメガの後方より強襲を仕掛けた!

 

…その頃には既にエクシードオメガは(マックスの立つ)反対側の崖へとたどり着いており、マクシウムソードを察知した彼は素早くしゃがんで斬撃を回避した。

マクシウムソードはそのままマックスへと向かう…無論、自身の攻撃で自滅するヘマを彼がするはずもなくソレをキャッチして逆手に構えた。

 

 

エクシードオメガが貫き手を連続で繰り出した!

そのすべてはマックスの足を削ぐ目的で放たれ、それに合わせて彼もまた低い姿勢で攻撃を行う。

 

マックスはそれをバク転で躱し続ける。そのすべてが高速かつ刹那的…それでいて回避もギリギリである。

本家にも劣らない速度を持つにもかかわらず、ソレに追従するエクシードオメガの野性的な“力”は凄まじいものであった。

 

 

…しかしマックスにも“力”があった。

バク転の途中で、勢いよく“飛んだ”!

 

しかもただ飛ぶだけではない、戦闘機…いや、それらすら追いつかない音速での飛行だ!

 

両者、元ネタを忠実に再現したおかげで空中戦で差が付いた…ギルスもアマゾンオメガも完全な飛行能力は持たない。

脚力を利用して高高度を“跳ぶ”事は出来るが、向こうは自由自在に(しかも高速で)飛べるので闇雲にそんなことをすれば不利になるのはエクシードオメガだろう。

 

彼はじつと待つ…ことはせずにギルススティンガーを射出した!

物凄い勢いでマックスへと吹っ飛んだその先端は、マックスの左足へと絡みつく!

 

 

だがスピードはともかくパワーはマックスの方が上であったため、そのままエクシードオメガは引きずられ宙ぶらりんになってしまった。

…だが、これでもよかった。彼はそのままギルススティンガーを巻き取る!

 

エクシードオメガの接近を感じ取ったマックスは、マクシウムソードを使いギルススティンガーを断ち切った。

だが既にエクシードオメガはマックスへ飛び掛かっており、そのまま組み付いたことで両者は落下しながらの白兵戦を余儀なくされた。

 

拳を躱し、爪を受け流し…そういった攻撃の応酬を繰り返す。

ところが落下まであと少しというところで、エクシードオメガが行動に出た!

 

 

マクシウムソードを弾き落とし、ビームワイヤーを射出してマックスに巻き付け、思いっきり上空へと引っ張り上げた!

ウルトラマンマックス原作7話でケサムが行っていた戦法である。後はワイヤーを引っ張り、アッパーカット…アマゾンオメガなら大切断もといバイオレントパニッシュで仕留めるだろう。

 

…が、前述にもあるように、これはマックス本編にて既出の技である。

つまり…態々ガンプラにまでする男がこの状況を知らないはずがなく、対策も考えていないはずもないのだ…!

 

 

その期待に応えるように、崖からマクシウムソードが飛び出しビームワイヤーを八つ裂きにしてマックスの元へと戻っていった!

 

 

 

同時にエクシードオメガは再び崖へと着地する。

そしてマックスは宙に浮いたまま、ファイティングポーズをとった。

 

「…いいなぁ、これ。

そう思わんか?」

 

「…」

 

「…そうか。

あくまでダイバーの入る余地はない、そうだったな…」

 

あくまで戦っているのは、ウルトラマンと仮面ライダー。

 

 

ラチェルタは久方ぶりに口を開くが、マックスは光の戦士特有の呻りを上げるだけだ。

ソレを見た彼は、一気に本気の顔になった…!

 

 

「ハハッ…。

ヴおおおおおおおおおおおおおお”お”お”お”お”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”

ア”マ”ゾ”ン”ッ!!!!!!!

 

「デュアッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、この小説が「スーパーヒーロー大戦世紀末」になる前に視点をエクハザールらに戻そう。

こちらは事実上のタイマンが形成されている上記までの二人と違ってかなり混沌を極めていた。

 

彼の駆けるトラルテクトリはその四つ足で荒野の大地を蹴って、縦横無尽に走り回りながら敵チームとの交戦を続けている。

 

 

「オラオラオラァ!全員目の前に出てきやがれ!

塵一つ残さずぶっ飛ばしたらぁあ!」

 

彼はその俊抜力で射線を大きくずらし、飛び交うロケットやミサイルを苦も無く回避し、足元にいた不幸なガンプラを容赦なく蹴り潰す。

それを恐らく支援機であろう重武装機体【ガンダムAGE3バスターフォートレス】がツインシグマスキャノンで狙い撃ちにした…が、ビーム光を直前に見られて難なく避けられた…だがそこで射撃の手を緩めることはなく、ミサイルランチャーやGNキャノンで弾幕を形成した。

 

…実は今彼らのチームは、包囲されていた。

所謂チーミング(に近いもの)に遭遇してしまったのだ。

チーミングなんて言ってしまうとフェアプレーに反しているように感じるが、実際の所このイベントは結構世紀末仕様で、(今や絶滅したブレイクデカールを除いて)チーミングされようが何だろうが負けた奴がとやかく言う権利はないのだ。むしろ倫理的にヤバい行為も大々的に運営が推していたりもする。

 

だがこのイベントは制限時間を過ぎて2チーム残っていると強制的にエリアが核爆発を起こして全員失格判定にしてしまう…要は戦わなければ生き残れないのだ。

 

「クッソ!前回は大佐がいたからそっちに集中してたってのに!(恒例行事が俺にも回ってくるとか今回どんだけ最高ランク低いんだよ!)」

 

 

何時誰がこれだけの人数を丸め込んだのか、そればっかりは定かではないが…エクハザール、そして例のウルトラマンマックスが1チームにまとめられているというだけで理由は十分だろう。一番厄介なのを先に全員で潰してからでもゲームの進行は問題ない。

今丁度マックスは遠くにいるが、まさかこれも策略だっただろうか…とエクハザールは怪獣が如く暴れながら冷静に状況を考察していた。

 

「(だとしたら不味い事しちまったな…。まあいいや、このエクハザールに姑息な手段を使ったのが運のツキ、ってな…そうなりゃいい)シアラ!きっか!マックスを待つのはやめだ!次のセーフエリアまで走るぞ!」

 

「え、でもマックスさんは…」

 

「アイツが原作スペック通りなら、どこ行くにもコンマ1秒だ!問題ねえ!

きっか!引き続き援護を!」

 

「はい!」

 

「よし。さてと…………………マックス、俺らはセーフエリアまで走る。お前も適当に見切りつけてそのアマゾンを引き離して来い、いいな?」

 

彼は通信を送ったマックスの返事を見届けると、進行方向に向かって左腕に外付けされたGNネイルガンを複数弾同時発射(フルバースト)した。

…射出され飛び散った杭には圧縮されたGN粒子と臨界寸前のヘリウム3が詰められており、それらが着弾の衝撃で噴出または爆発することで、ただの釘打ち機を強烈な爆破属性武器として昇華させるのだ。

 

 

前方が辺り一面爆発したのを見た3人は、包囲からの脱出を始めた。

彼らの姿は先の爆発で巻き上げられた砂煙がある程度隠してくれている。

 

だが凡その位置は特定されているので、精度は若干落ちたが相も変わらず弾幕が飛んでくる。

 

 

「ッ!

…シアラ!右側に弾幕張れ!」

 

「はい!

…えええええい!!」

 

エクハザールは飛んできたビームや弾丸から敵の位置を割り出し、ビショップ・オーバーキャノンが横向きになりながらホバーで移動しつつ、メガ粒子砲やビームキャノンを連射するのと同時に彼もまた下半身の右側の腕翼に搭載されたガトリング型の大型機関砲で同じく右方向へ弾幕を張る。

 

その弾幕に(偶然か必然かは定かではないが)晒されたガンプラがいたのか、幾つかの爆発が砂煙の中からも確認できた。しかしその攻撃でこちらの位置も露呈したようで、弾幕の精度が増した上に何機か白兵戦を仕掛けてきた。

 

 

「ここで落とす!」

 

「クッソ!想定しちゃいたが…ッ!」

 

トラルテクトリは正面より突撃してきた【バエルロゼレクス】の140㎜機関砲を左腕のブレードシールドで防ぎながら肩部の五連装ロケットランチャーで刺し返すものの、流石にガンダムフレーム相手にロケットランチャーの弾速では部が悪く、容易く左に避けられてしまった。

だがそこは問題ではなかったのか、左腕翼の大型2連装自動砲(シールド付き)で追い打ちをかけた。

 

彼がバエルロゼレクスに構っている間も襲撃者は続々と現れる。

左から首のないMS【ペイルライダーヘシアン】を筆頭に、右からは光沢のある黒にワインレッドのアクセントが加わった【ウヴァル・バルバロッサ】が挟撃を仕掛けてきた。

 

さらに後方からも先ほどのバスターフォートレスが追い付いてきて、弾幕形成を開始。

 

 

「エクハザールさん、これかなり不味いんじゃ…」

 

「いままでもそうだったよ…!

こうなりゃ…!」

 

双方そして後方からの弾幕にさらされている中で、エクハザールは再び2人へ指示を出した。

 

 

「お前ら集まれ!散るな!

密だよ!密ぅ!」

 

「え…?」

 

「一体何を「いいから!じゃないと反撃もクソもねえ!」ッ…!了解!」

 

3機は密集する陣形をとった。

何をするのかは分からないが、普段からフォースをまとめているこの男だ…秘策があるのだろう、と2人は彼を疑うことはなかった。

 

…突如、トラルテクトリの背部にあるエキゾーストのようなパーツから真っ黒い煙が噴き出した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その乱戦を岩山の上から見守っている男がいた。

…彼こそ今回、多くの参加者を味方につけ参加者最高ランキングのエクハザールを集中して潰す算段を立てた男…。

 

 

 

「トビちゃんトビちゃん作戦通りですよ。

所で足の裏舐めてもよろしいですか?」

 

「寄るな変態。

…まあ、アレでもまだ全滅の危機があるんだけどね…」

 

「それでも私たちが相手する頃にはもう満身創痍でしょう。

所で腋の匂い嗅いでもいいですか?」

 

「寄るな変態。

まあもしフルヘルスで生き残っても手があるからね」

 

なんと、エクハザールの集中攻撃を企てたのは、あのトビであった!

獅子身中の虫とはこのことである。

 

 

彼は急にLoCoの改造機【マグナカラミティ】を前に立たせて、背中の接続口に自信が直接乗り込んでいるMS【ガンダムゾルダ】のビームガンを挿入した。

 

「あれ?もうやっちゃうんですか?

ついでにお尻撫でさせて下さいお願いします」

 

「寄るな変態。

まあね…ごちゃごちゃした戦いは、好きじゃ無いから…」

 

 

 

マグナカラミティの装甲が展開し、ミサイルポッドやビーム砲が出現する。

これらの武装で目の前の乱戦を一網打尽にしようとたくらんだのだ!

 

だが、そんな彼の奸計も“とある存在”によって1から崩れ去る。

 

 

 

 

「おーい変態共……………え?おい!変態!

え…え?」

 

何故か味方の変態達からの返事がない。

不安に駆られたトビは一度接続を解除して振り向いた。

 

「…ッ!?

おいおい、嘘だろ…」

 

 

そこにいたのは…ただのバエルだった。

ただのバエルだが…普通のバエルではない、強烈なオーラを身にまとった…ラスボスのようなバエルだ。

 

「そんな…」

 

―――――――――――――――――――ある岩山で、巨大な爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃エクハザールは一つの作戦を成功させた。

吐き出した黒い煙【攪乱無双】は光を完全に近いほど吸収する黒色で構成されているため、目くらましにも役立つだけでなくビーム攪乱膜の役割も持つので名前の通り攪乱にもってこいの兵装だ!

 

その煙幕の中でエクハザールら3機は急ブレーキをかけ、一気に挟撃部隊との距離を引き離した上でトラルテクトリが1発のミサイルを組み立て、発射の準備をした。

 

 

その【ブーケトス】と名付けられたそのミサイルには、大量の小型ミノフスキー・イヨネスコジェネレーターが詰められている。

…要は核爆弾が大量に詰められたクラスターミサイル、という訳だ。

 

そんな悍ましい産物を目の前の闇の中へ容赦なくエクハザールは発射した。

最早結果は言葉にするまでもない…しめやかに爆発四散、なんて常套句では済まされない爆発によって、キノコ雲が荒野に生えてしまったのだ。

 

 

 

だが、勘のいい数人程度のダイバーは既に危険範囲を脱出し、再びエクハザールらを捉えて攻撃を開始している。

戦闘にいた。先頭のウヴァル・バルバロッサはハルバードを手に突撃、紫蒼天の書のソードビットを余裕でかいくぐり、得物で鍔迫り合いを仕掛けた。

 

遅れてバエルロゼレクスとヘシアンもまた白兵戦を仕掛ける。

彼女らはエクハザールを標的とした!

 

 

先ずヘシアンが正面に立ち、ほぼ全面に集中したトラルテクトリの武装を引き受け、その間にバエルロゼレクスが左側に回り込んで爪を使って掴みかかり、装甲を一部引きはがす!

 

「ちぃいッ!」

 

続けてヘシアンもまた今度は右側に回り込み、足を切断しようと試みる!

…だが、流石に二度目は無いとトラルテクトリの左手首の下から生えた触手のような武器【オーガニックロッド】に足を絡めとられ、引っ張られた先にいたロゼレクスと正面から激突してしまった!

更にダメ押しで、左腕に内蔵された衝撃波兵器【アルマゲドン】の放った衝撃波によって遥か彼方へと吹き飛ばされてしまった。

 

しかしそこで戦いは終わらない、何かの赤黒い閃光がトラルテクトリの装甲を貫く!

 

「クソッ!左手の射撃兵装全滅!?

なんだっ…!?」

 

 

先のビームの発射元は、あのガルムレイドブレイズに似た機体【ガルムレイド・ハルート】だった。

更に同じチームなのかハロに覆われたゲドラフのような機体【ハロローダーinハロラフ】がハロ・目がビームを放ってトラルテクトリの足元を穿つ。

 

 

「ッ!?きゃああああッ!?」

 

更に間の悪いことに、バスターフォートレスが再びビショップ・オーバーキャノンを巻き込んで三度弾幕を張り、エクハザールらを追い詰める!

 

 

 

 

―――――――――――――――――――しかし悪い事ばかりではなかった!

 

「デュアッ!!!」

 

「何!?

うわぁあ!」

 

バスターフォートレスの背後よりマックスが強襲!強烈なドロップキックがバックパックに炸裂する!

更にマックスを追ってきたエクシードオメガのかみつき攻撃がマックスに避けられて、バスターフォートレスのサテライトキャノンへと向かう!

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!!

ガ”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」

 

「くそッ…!離せ、離せ!!この!!!」

 

どうにかサテライトキャノンからエクシードオメガを引きはがしたが、使い物にならない程に齧られボロボロになってしまったのでソレを廃棄した。

 

…だが、この引きはがした行為によって(マックスとの戦いで)相当ヒートアップしていたエクシードオメガの標的となってしまった!

 

 

「ッ!死ね!」

 

咄嗟にGNキャノンを発射するが、稲妻よりも早く駆け抜けてゆくエクシードオメガを穿つことはできない。

瞬きをしている眼(ひとみ)の死角へと一気に回り込み、素早くスライディングを仕掛ける!

 

「何だと!?」

 

バスターフォートレスはスラスターを吹かして逃げようとした…が、バックパックはうんともすんとも言わない!

先ほどのマックスの蹴りでイカれたようだ…。

 

 

仰向けになったバスターフォートレスへ、エクシードオメガが馬乗り状態になり、ツインシグマシスキャノンも取り払われてしまって、最早このまま食われるしかないような状態になる。

だがバスターフォートレスも易々と負けてやるつもりもないのでマニピュレーターの損傷覚悟で握りこぶしを作り、殴りかかった!

 

しかし、両手をエクシードオメガに掴まれ、右腕から貪り喰らわれる。

ガリッ…メキッ…ギュアアア…金属が酷く損傷を受ける音が辺り一面に鳴り響く。

 

 

 

…バスターフォートレスは、切り札を使うことを決意した。

頭部のハイメガキャノン改にエネルギーを充填し、右手を食うことに夢中なエクシードオメガへと照準を合わせる。

 

「ッ…!(消し飛べ…ッ!)」

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?

ア”ア”ア”ア”、ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!!!」

 

「ッ!?!?!?!?!?」

 

エクシードオメガがバスターフォートレスの顔を一睨みした後、その首を折る勢いで90度左に向けさせた!

その先には、左腕のエネルギー増幅装置…つまりマックススパークでエネルギーをフルチャージしているマックスがいた!

彼はバスターフォートレスのハイメガキャノンを使い、マックスの必殺技【マクシウムカノン】を相殺するつもりだ!

 

 

 

2つの極光は、ほぼ同時に放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、エクハザールは痺れを切らして本格的に仕留めにかかっていた。

各所にマウントされていた謎の箱を両前脚のハードポイントにアーチを作るようにつなげていく。

 

この箱には縦5門、横5門にミニガンが敷き詰められ、その隙間にもザクマシンガンが敷き詰められている。

それが5箱、ミニガンだけでも125門ある【ドゥームズデイ】と名付けられたソレが一斉に火を噴いた!!

 

 

ガルムレイド・ハルートは持ち前の装甲で防ぎ、ハロラフはハロバブルを展開して弾丸を防ぐ!

しかしハロバブルはこの大量の弾丸を前に破裂!その衝撃と迫りくる弾幕でハロラフは押し転がされてしまった。

 

ハロラフ自体は装甲が厚いので致命的なダメージにはならないが、あまりにも勢いよく転がされてしまっている為操縦しているダイバー・ハネネが「ま”わ”る”~!!だ”ず”げ”で”~!!!」と目を回しながら絶叫し、何処か遠くへ行ってしまった。

 

 

「ハネネ!?!?」

 

「よそ見してる場合かぁ!?ブレイズゥ!」

 

エクハザールはガルムレイドに掴みかかり、【Evo】と書かれたシステムを発動させる!

すると装甲が破損しむき出しになっていた生体筋肉が膨張・変異しどんどんグロテスクなシルエットへと変化してゆく…!

 

より巨大化し、うねうねと柔らかそうだった肉質も硬化して引き締まり、5本の極太で長い爪が生え帯電した。

さらにこの生体パーツは全身を侵食し、蔦のように全身を疎らに包み込む。

 

 

ガルムレイド・ハルートは危険を感じファングナックルで殴り掛かるが、その爪で弾かれてしまいその隙にサターンクレーンの握りこぶしでぶっ飛ばされる。

 

反撃に遠距離からブラッディ・レイを放とうとするも、その前にトラルテクトリのパルスレーザーに顔面を焼かれ怯んでしまい、再び接近を許してしまう。

 

 

だがここで負けるわけにもいかないガルムレイド・ハルートは即座にGNバズーカでビーム刃を形成しトラルテクトリへ鍔迫り合いを挑む!

帯電した爪は強烈なビーム刃であろうとも溶断できず、ここからは純粋なパワー勝負となる!

 

パワーではトラルテクトリが押していた!ジリジリとガルムレイド・ハルートが押し返されてゆく!

 

 

 

―――――――――――――――――――その時!ガルムレイドが赤く燃えた!

 

「トランザム!!」

 

「なッ…!」

 

全身が炎に包まれたガルムレイドはパワーが上昇したためか、トラルテクトリの進撃を食い止めた!

いや、ビーム刃が強化された事で逆に爪を断ち切らんとしている!

 

「終わりだぁ!」

 

「…」

 

この危機的状況に際して、エクハザールは顔一つ変えない。

顔は見えないが流石に様子がおかしいと感じたガルムレイドは一瞬、手を緩めてしまった。

 

その瞬間の出来事だった!!!

 

 

 

「お返し、だぁああああああああ!!」

 

「何!?うわああああああああああああッ!?!?」

 

突如、ガルムレイドが彼方まで吹っ飛ばされた!

彼は一瞬何が起こったか理解できなかったが、衝撃から立ち直ってよく状況を見たときその正体を理解した。

 

 

トラルテクトリの下半身…つまり獣部分の口から紫色のビームが放たれていたのだ。

よくよく見てみるとさっきまで自分が立っていた場所が黒煙に包まれ、轟轟と燃え盛っている。

 

ガルムレイドのトランザムによる炎では、そうはならない。

では一体何が起こったのだろうか。

 

 

トラルテクトリの放つ紫色のビームが段々と威力を弱めて、やがて通常の火炎放射となり、最後にはただの黒い煙(先ほどの攪乱無双と同じもの)に変化した。

彼は思った…ゴジラか!と。

 

何はともあれネタが分かればそれでいい、トランザムの勢いのまま再び突貫した!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃のシアラときっか。

二人は現在2対2の戦いに臨んでいた。

 

紫蒼天の書がソードビットと共に突撃する後ろでビショップがサイコミュ攻撃での支援を行っていた。

オーバーハングパックは先のバスターフォートレスによって破損したのでパージしたらしい。

 

 

その二人の真正面からウヴァル・バルバロッサとヘシアンが突貫する!

前衛のバルバロッサがハルバードでサイコミュの攻撃を弾きながら、後衛のヘシアンがビームライフルで紫蒼天の書を狙い撃つ。しかしそのビームをソードビットがすべて弾く。

 

4人が一歩も譲らない戦いを繰り広げているその時、“奴”が来た。

 

 

 

 

 

4本の、柱のような刃が4人の間をすり抜ける。

彼女らは皆戦いを一度止めて、刃の飛来した方向を見た。

 

マックスか?一度は皆そう思った…しかし飛んできた方向がおかしい…マックスは逆にいるのだ…。

 

 

 

砂丘を超えて、白い何かが姿を現す。

…それは、バエル。そう、素の、ただの、ごく普通のバエルだった。

ただ一つ―――――――――――――――――――強烈なオーラを纏っていることを除いては。

 

4人はこのバエルに、見覚えが無いわけではなかった。

 

 

「あのバエル…序盤で見方を皆殺しにしてた奴だ!」

 

「生き残ってたの…アレ…」

 

「見逃して…くれるわけ無いですよね…」

 

「多分、ね…」

 

 

4人が警戒する中、それを物ともしない様子でバエルは彼女らを品定めするように見つめた。

…そして気が済んだのか、双剣をクロスさせて再び歩き始める!

 

警戒は更に強まった、タダでさえヤバそうなガンプラなのだ。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――バエルは、サッと軽く剣を振った。

ただ、それだけ…それだけで、ハリケーンのような衝撃波が吹き荒れる!!

 

それに対し4人は踏ん張る事すら出来ず、紙くずのように吹き飛ばされてしまった。

 

 

「ッ!?

シアラ!きっか!「今だ!!!」!?」

 

その瞬間に気をとられたエクハザールはメインカメラをブラッディ・レイによって破壊されてしまう!

即座に予備カメラを起動し、一度ガルムレイドから距離をとる!

 

彼は右手の通常マニピュレーターで、腰部に装着されていた鎖を引き抜いた。

その鎖の先は…ペンダントのような装置だ。

装置の中央へ、頭部型の複合ユニット兵器にパルスレーザーを照射してエネルギーか何かを充填し始めた。

 

 

例えガルムレイドがファングナックルを射出しようとも、それをサターンクレーンで受けて只々絶える!

 

 

「クッソ!!(こんな事なら充填時間がいる設計なんか…!酔狂でモノ作った自分が恨めしい!)早く…!!」

 

更に左腕の爪から帯電したレーザーを放ち、全身に仕込まれた固定式のマシンキャノンなどを総動員させてガルムレイドを止める!

しかしトランザム中のガルムレイドにそんな苦し紛れの攻撃が通るはずもなく、すべて意図もたやすく弾かれてしまった!

 

 

「貰ったぁ!」

 

「ッ!(やっとだ!)」

 

装置への充填が終わると同時に、その装置(ペンダント)を“頭上でグルリと回した”!

その軌道に沿ってエネルギーの輪が形成され、そこから妖しい光が注ぎ込む!

 

 

「貰った!」

 

ガルムレイドは胸部のハイメガキャノンをチャージ!

トラルテクトリに避けれる様子はなく最早チェックメイトにも等しかった!

 

だが、あまりにも上手く行き過ぎていた…あれだけ苦戦したというのに、最後は何かあっけない。

ガルムレイドはそれを感じながらも、既に自分の得意な戦術やこのガンプラの機能の大半をこれでもかと封じられて大苦戦し、体力を摩耗していたため彼には決着をつけること以外眼中になかった。

 

それが、その一つの見落としが…たった今二人の決着をつける!

 

 

 

「いや、俺の勝ち…だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無音、音も光もなく。

何事も起こる前に…すべてが決してしまった。

 

ガルムレイドに、縦の斬り筋が入る!

紫色に発行するそこから、ガルムレイドの崩壊が始まる…!

 

 

「そんな…」

 

 

―――――――――――――――――――大地をとどろかせるような大爆発が起きた。

その爆炎の中から、1騎の暗黒が降臨する…!

 

 

 

 

 

 

 

今、轟く雷鳴を従え…!

魂の導く場所へ、さあ立ち上がれ!!

 

暗黒魔戒武闘騎士 マスター呀(キバ)

 

 

 

 

 

 

 

黒色の狼を模した鎧をもった陰我の騎士!

 

そう!その名は【マスター呀】!!!

渇望と憎しみから黄金を闇に落とした騎士の名を借りて、マスターガンダムを元に作成されたこの機体こそ、エクハザールの切り札!

 

血に飢えて、そして凍てついた(きば)を手にして振るい、その余波で辺り一面を更地にする!

 

 

 

「さっきは、さっきはやってくれたなあああああ!!!」

 

丁度キバの爆誕と同時に復帰してきたハロラフが彼を轢き殺さんと青筋を浮かべ、ハロ・ビット帰ってきた!

ハロアーマーも何故か怒りの目に代わっている!

 

しかしキバはただハロに向かって真っすぐに魔戒の剣を向けるだけで、ピクリともしない!

 

 

「このまま…ペシャン公になっちゃえ!!!」

 

 

既にハロラフは目前!避けることはもう不可能!

しかしキバはやはり動かない!動く必要がないとも言いたげにだ!

 

そして今!ハロラフの車輪と魔戒剣が激突する!

―――――――――――――――――――なんと!キバは剣一本で車輪の回転をピタリと止めた!!

 

 

「え、ええええ!?何!?

なんで!?なんで!?なんでなの?ハロ!なんで動かないの!?」

 

「ホラー250体分か…あのブレイズすごいな」

 

「動いて!動いてってハロぉ!!!」

 

「終いにするか…ハァアッ!!!」

 

 

キバは剣を使い、ハロラフを天高く舞い上げた!

目が渦巻くハロはよほど混乱しているのか空中で出来るはずの行動ができない!

 

 

 

牙は剣に赤紫の炎を纏い、ぐっと力を溜めてハロラフへと跳び込んだ!

 

「うぉおおおおおおおああああああああああああああああああ!」

 

一閃!たったそれだけで岩盤のように頑強なハロラフのハロアーマー及びアインラッドを両断した!!

ゲドラフ部分にまでは攻撃は通らなかったが、斬撃の余波で非常に遠くまで吹っ飛んでしまい、既セーフエリアから離脱する寸前だった。

セーフエリアから出るとマイクロ波によって定期的にダメージを受ける…すでにゲームも終盤なのでダメージ量はえげつない事だろう。果たしてゲドラフは戻ってこられるだろうか。

 

 

「まず一つ…!

来い!ライゴウ!!」

 

ライゴウ…そう呼ばれたキバと同じ色の馬が彼の元へと駆け付ける。

彼は手元で生成した【組紐クロス】を手綱としてシアラやきっか、マックスの元へと駆け付けた!

 

 

その途中、例のバエルが切りかかって来た!

 

「見ツケタ!」

 

「お前…!」

 

ただのバエルじゃないな!その言葉を飲み込んだキバは組紐クロスでバエルの双剣を巻き取り、バエルごと前方へと投げた!

バエルもまた投げられるだけでなく、綺麗に着地を決めて迫りくるライゴウ及びキバを待ち構える!

キバは背中よりポールアックス状の武器【暗黒斬】を取り出し、バエルへと投げた!

 

その投擲をバエルはオーラを纏った剣で弾き、カウンターとしてオーラの斬撃を放つ!

キバもまたそのオーラを陰我を纏った剣でたたき落とし、そしてライゴウより飛び立った!

 

 

その速度は弾丸が如く!

バエルは双剣を逆手に持ち、キバを迎え撃つ体制を整えた!!

 

 

―――――――――――――――――――二つの、オーラと陰我の刃がぶつかり合う!!

衝撃で辺りの砂漠が更地どころか完全に陥没し、巨大なクレーターが出来た!

 

2人は足場がないのにも関わらず、そのまま空中にて剣戟を始めた!

陰と陽、白と黒、黒い騎士と白い魔神。それらが空中で並みのガンプラなら喰らうだけで爆裂四散する衝撃を放ちながら戦っている!

 

 

 

 

「ウォラアッ!」

 

「ッ!」

 

途中、キバがバエルを蹴り飛ばしてクレーターの崖まで跳んだ!

…そこにはチームメイトの残り3人が集結していた。

 

 

「俺たちだけよな、フルメンバーで残っているのって!」

 

「ですね…まあこの後生き残れるか分かりませんが」

 

「戦わなければ生き残れない!ってね」

 

「…」

 

「徹底してしゃべりませんね、ウルトラマンさん」

 

「マジでウルトラ呻きとウルトラ掛け声しかしねえ…。

…ッ!来るぞ!」

 

 

エクハザール方面からバエル、シアラ・きっか方面からヘシアンとバルバロッサ、マックス方面からエクシードオメガ。

最終決戦に相応しいメンツがそろった所で再び戦闘が開始された!

 

 

 

キバがクレーターへと跳び込む!その先にいるバエルへと切っ先を向けて!

交戦距離が全く同じであったことは幸か不幸か……………それを問う間すらなく二人は激闘を再開する!

 

その刃のスピードと剣技は言葉では表せない…常人には理解も出来ず見ることすら叶わない一瞬一瞬が毎秒何回もぶつかり合う!

それによって生じる爆発の総合は、世界中の核爆弾をかき集めても足りることは、無い!

 

 

二振りの刃は、その爆裂の中であっても一片も欠けることはなかった!

 

 

キバが一度後方にジャンプして距離をとり、着地と同時に組紐クロスを投げつけた!

さすがのバエルもこの組紐を斬り落とすことは出来ず、首に巻き付けられてしまう!

 

組紐を思いっきり引っ張りキバもまた同時にバエルへと跳び込んでドロップキックをかます!

 

 

見事ドロップキックが炸裂した瞬間、バエルは遠くまで吹っ飛び、キバはその場に仰向けに落ちた…が、足を上げグルリを回り、その遠心力を使ってキバは即座に起き上がる!

 

キバはその場に剣を突き刺し、右手を額の上で、左手を前に構えてバエルを待ち構えた!

 

「来いよ…!」

 

キバは挑発をかけ、それに乗ったバエルが怒り心頭で突撃してきた!

バエルソードの振り下ろしは、いともたやすくキバに受け流され、そのままワンツースリーのコンボで再びぶっ飛ばされた!

 

再びバエルが起き上がる間、キバは鳥のような鮮やかな動きで構え襲撃を待つ!

…いや!今度はキバから直接出向いた!

 

 

一気に間合いを詰めて、発勁をぶちかました!

その勢いで発勁、発勁、発勁!発勁の連撃でバエルを封じ最後に頭部へと渾身の力を込めた発勁をたたき込み、大きくよろめかせる!

その隙にキバがバエルの背中へと回り込み、バックドロップを炸裂させた!

 

 

 

地面に頭から叩き付けられたバエルは怒り、バサッと勢いよく起き上がって再び剣を構える!

―――――――――――――――――――だが、その目の前にはキバの拳があり、それを避ける間もなくバエルはまた顔面への直撃を許してしまいクレーターの外へと殴り飛ばされた!

 

 

 

 

 

 

…だが、奴の着地点には大きな問題があった。

その近くにシアラがいる…!

 

「ッ!?え…バエル……………!」

 

気が付いた時には既に遅く、バエルは「邪魔ダ」と言いたげに剣を振り上げた!

 

 

 

「危ない!シアラさん!」

 

 

 

 

しかしシアラはその場で退場、という訳には行かなかった。

咄嗟にきっかが突き飛ばし、代わりにその一撃を受けてしまった。

 

両断された紫蒼天の書は、光を放って爆散し、その粒子もまた光となって天へと上る。

 

 

 

「きっかさんッ…………………………!!!!!!」

 

「ぁああああああああああああああッ!!!」

 

直ぐに駆け付けたキバが再びバエルに斬りかかる!

それを防ぎ、遠くに跳んで離れたバエルを彼は見送るのではなく、きっかの残骸を見下ろした。

 

 

「きっか…。

クッソ…間に合わなかったか」

 

「ご、ごめんなさい…私が…」

 

「謝んな、こっからは弔い合戦だ…行け!」

 

 

 

 

この時、奇妙な現象が起きた。

奇跡的に全員の相手がすり替わったのだ。

 

エクハザールはヘシアンとバルバロッサ。

シアラはエクシードオメガ。

マックスはバエル。

 

 

それぞれの相手が入れ替わりながら、しかしそれを気にすることもなく戦いは続行した!

 

 

 

 

先ず、何よりも早くエクシードオメガがシアラへと攻撃を仕掛けた!

だが以外にもシアラはそれを綺麗にかわし、ホバーの滑らかな軌道を最大限生かして一気に背後へ回り込んだ!

 

エクシードオメガが振り向く前に彼女はメガ粒子砲をフルパワーで放ち、エクシードオメガを穿つ!

…しかしオメガの生命力は伊達ではない。まだ活動するだけのエネルギーを半分以上残している。

 

それを理解していたシアラは弾幕を緩めなかった!たとえ無敵な魔獣だろうが、とにかく撃ち込んで、撃たれていればいつかは力尽きる!

 

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」

 

ビームがオメガを貫く度、悲痛で壮絶な叫びが響き渡る。

その状態で…弾幕の中でオメガは突き進む!

 

 

「嘘!なんで動けるの!?」

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!」

 

弾幕だろうが何だろうが、彼の闘争本能を止めることはできない!

足をもがれようが、腕をねじ切られようが!

 

そしてオメガがビショップの目の前にたった今…その爪でコックピットを貫いた!

しかし彼自身も限界を迎えており、その瞬間に受けたビームで力尽き、眼に光を失って力尽き、クレーターの下へと転がって逝った。

 

 

 

そしてキバは…ヘシアンとバルバロッサを圧倒していた。

白兵戦を仕掛けた両者を同時に相手しながら、彼は汗一つかくこともなく手玉に取る。

 

「こん、のォ!」

 

ヘシアンがユニットより伸びるビームサーベルで渾身の突きを放った…が、その直前にキバは消滅してしまった。

辺りを見回しても、何処にもキバの姿はない。逃げたか?そうヘシアンが考えたその時であった。

 

 

 

「後ろだ!」

 

「え…?」

 

悠長に振り向いた時には既に遅く、キバは陰我がはちきれんばかりに溜め込まれた一撃を放ち、ヘシアンを粉砕して彼女もまた1000体までの“糧”とした。

 

次の標的はバルバロッサだと、彼女へと刃を向ける。

 

 

 

「ッ…!

はぁあッ!!!」

 

「…!」

 

ナイトソードを抜いたバルバロッサはがら空きのキバの背中へ斬りかかった。

が、キバは超スピードで背中へ剣を回して斬撃を防ぎ、ぐるりと翻って再び剣戟でバルバロッサを翻弄し始めた。

 

その中でキバは…エクハザールは、“ある事”を確信していた。

 

 

「なんだ?その剣は…」

 

「ッ!この!」

 

彼の挑発に乗せられたバルバロッサのパイロット・キサラギは頭に血が上り、怒りのままに剣を振り下ろした。

だがそんな安易な一撃を喰らってしまうキバでもなく、自らの魔戒剣でナイトソードを絡めとって空高く飛ばした。

 

キサラギは直ぐにハルバードに切り替え、突きを放つ…が、それすらもスラリと避けられてハルバードの柄を掴まれてしまった。

 

 

 

「お前…虎代道場の門下生だろ」

 

「な!?なぜその名を…うわッ!?」

 

キバはハルバードを思いっきり引っ張り、バルバロッサの足を剣で払った。

 

 

「お前は、若い…俺は既に道を断ったが、お前は違う…極めれば、俺や…兄貴、いや、シュウジロウすら超える」

 

それだけを言い残し仰向けのバルバロッサへ剣を突き立てた。

コックピットを貫かれてはこれ以上戦えない…こうして残りの人数は3名のみとなった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――その時、キバの目の前をマックスが通り過ぎた!

走るならもっと速い…吹っ飛ばされたのだ!

 

バエルの方を見ると、さっきよりオーラが2倍増しになっている。

 

 

 

逆にマックスは息も絶え絶えだ。

カラータイマーもかなり早いペースで点滅している。

 

…マックスがキバに何かを差し出した。

それは彼の切り札ともいえる装備、マックスギャラクシーであった。

 

 

それをキバへ託した後、カラータイマーの光が消えてマックスは力尽きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…マックス、お前の志は…!」

 

キバはマックスギャラクシーを魔戒剣に装着し、刃を地面にたたきつける!

 

「永久に、俺と共にィ!!!!」

 

 

遠くにいたライゴウの蹄と共鳴し、剣は斬馬刀のように巨大化…それも宇宙を貫くような長さへと変貌する!

対してバエルもまたオーラの刃を極限まで伸ばしキバに対抗する!

 

 

 

これが最後の戦い!この一撃で、すべてを決する!!

バエルは双剣を横に振り、キバは斬馬剣を縦に振り下ろした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斬撃は、どちらも同時に命中した。

どちらも一撃で塵も残さず消し飛び、この場に勝利者など居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――そう、思われていたが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ◆    ◆    ◆    ◆    ◆    ◆

 

 

「なにぃ!?

あのAGEフォートレスのヤツが最後の生き残りィ!?」

 

「ああ、そうみたいだ。

どうやらあのアマゾンオメガの一撃が思いのほか中枢に届いてなかったみたいで…しかも丁度セーフエリアから出る前に君とあのバエルが決着をつけたからね」

 

そう、マックスの操縦者・カイ青山が話すには、あのバスターフォートレスが作りの良さと運の良さで生き残ったようなのだ。

彼はファイターとしては敗北した訳だが、ビルダーとして勝利を収めたらしい。

 

ちなみに彼と同じくフェードアウトしたロゼは、あの衝撃波砲に砂が含まれており、それらが衝撃波と共に発射されたため運悪くバエルロゼレクスの関節へと入ってしまい動けなかったそうだ。

彼女と同じチームだった者に聞くと、あたふたしてて可愛かったらしい。

 

 

 

 

「…あ、レンダだ」

 

「え?

本当だ」

 

「アイツやけに喜んでるな…さてはフォートレスと同じチームだったな?」

 

「…そうみたい、ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「あのぉ…」」

 

「ん?」

 

先のチーム4人が他削がれていると、エクハザールの元に二人のダイバーが話しかけてきた。

…一人はクロスボーンガンダムのハロロのような少女で、一人は連邦軍高官の制服と着た人物だ。

 

 

「えっと…エクハザールさんで…」

 

「よろしいでしょうか?」

 

「え、まあ…はい…」

 

あんまりにもかしこまった挨拶だったので、エクハザールは世紀末を忘れてごく普通の答え方をしてしまった。

…ここでなんか、エクハザールは謎の勘で片方が何なのかを見抜いてしまった。

 

 

「えっと、まさかさっきのバエル…」

 

「あ、それは私です」

 

「じゃあもう片方は」

 

「ハロに乗ってました。

ゲドラフはあのままエリアオーバーして蒸発しちゃったけど」

 

 

 

「…あ”-。

つまり、キバについて教えてほしいと」

 

「はい。

今後のバエルの性能向上のためにも…」

 

「あのサイズでどうやって私のハロを持ち上げたか気になるし」

 

 

 

 

 

この時エクハザールは「疲れてんのにコレかよぉ!」と内心絶叫した。

しかしなんだか、断るのも悪い気がしたのでちゃんと説明してあげることにした。

 

 

 

 

「わかった、一から教えましょう!」

 

「本当ですか!

ありがとうございます」

 

「やったー!!

じゃあさっそく!!」

 

 

「えっと、先ずは――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「有名な人って、大変ですね」

 

「そうだね」

 

「全くだ」

 

 

この後、魔戒講義が小一時間続いた。

 

 

 

 

 終わり。




投稿してくださった皆様ありがとうございました。
今回はバトルロワイアルという形式上、どうしても扱いに差が出来てしまうため大変でした(-_-;)。

そして次回の募集企画は当分先とします。
やはり限定公開の方を幾つか投稿したいので。




というわけで、次回もお楽しみに!
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