今回はネタが無かったので動画パートはありませんが次回は動画パートを挿入するつもりです。
<アーカイブ.01/3:25:02>
ごめん…ごめんね…。
俺、もう終わりにしたいって思ってるんだ。
何度やったって…死なせちゃうから。
…お前を愛さなければよかった。
――――いや、やっぱりそれは違う。
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例え何億ものお前を、道連れにしてでも。
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GBN内のとあるディメンション。
そこはさっぱりとした青空の下広がる、誰も居ない、青々とした大草原。
…エクハザールは待ち合わせ場所とは言え、自らが此処に立つ事実に少々違和感があった…何せこのアバターである。こんな奴がオーストラリアサーバーの荒野であればともくとして草原のど真ん中に居たら怪しい他無い…最悪、何か良からぬ行動をはたらく連中に間違われかねないだろう。
本当に誰も居なくて良かった――――そう独り言ちて、彼はため息をつく。
そんな彼の背後から、一つの小さな影が近づく。
…軍服を着た可愛らしいフェレットのアバター――――このGBNでは知らぬ者など居ない№2の実力者、ロンメルだ。
「…君がため息とは、この件は相当キているようだな。軍曹」
「!!、いえ…これは…また別件のため息です大佐。
――――ソレはソレと、俺は曹長じゃなかったんですか?ここんところ間違えてますよね?」
「ははは、それは悪かった。
随分と待たせてしまったな」
「いやぁそんな待ってませんよ…少なくとも第七に入って初めての戦闘、あの待ち伏せ作戦よか早かった…」
「よく覚えているな。
…確か君にとっては初めてのフォース戦では無かったか?」
「はい。あの時はチームの戦闘なんて右も左も分かんなくて…流されっぱなしでしたね」
「そうだったか…私は初めてにしては随分上手く立ち回っていたように見えたがね。
君もガンプラバトル自体は初めてでは無かっただろう――――子供の頃からあの立ち回りが出来るのだからな」
「もしかしてトビの動画見てます?」「もちろんだとも」「やめた方がいいですよ、頭の中が汚れる」「何か子供扱いしてないか?曹長…」
草原を分断するような、長い長い1本道を進む間2人は暫く昔を懐かしむような会話を続けていたが、エクハザールが「そろそろ…」と雑談を切り上げて本題に入った。何も彼らは昔話をするために態々草原まで出向いた訳では無い――――デンについてだ。ロンメルを通じて運営や開発者の連絡を受け取りに来たのだ。
そしてロンメルはと言うと…何とも言えないくらい、表情が暗く沈んでいた。それを見たエクハザールは事の重さを察したのだった。
きっとろくでもない事が起きたのだろうと…。
「…いい知らせの方からで、お願いします。
あるなら…ですけど」
「…ああ。
そうだな、先ずは彼女に…デンに聞こえるという“声”だが、我々もその声の録音に成功した」
「ッ!?本当ですか…!?」
「本当だ。しかし…余り気持ちのいいものでは無かったな、あんなものを常に聞かされるのではログインを拒絶するのも無理はない」
「でしょうね、何せ男のすすり泣く声だ…キショいったらありゃしねェ。
それにデンから聞いた話じゃ、たまに笑い出すみたいですし」
「その笑い声も録音済みらしい…流石に聞かなかったが。
声については先ずそれ位だ」
「そう…ですか…」
「…どうだ?曹長、必要ならば君の所にも録音データを送るが」
「遠慮しておきます。
………しかし、その声の観測方法は聞いておきたいですね」
「――――相変わらずだな、君は…」
この時からロンメルの顔の深刻さがより増した。
エクハザールはその表情から、これから伝えられる情報がどれだけ非情なものだろうかと身構えた。
「やっぱりか…。
大方アレですかね?」
「そうだ。件の“エボニーカイザー”だよ。
…いや、実際はエボニーカイザーに“付随”していた“モノ”と呼ぶべきか」
「付随…ね…」
彼はロンメルの言葉を噛み締める様に反復した。
そもそも“エボニーカイザー”とは何なのか。
…ソレはデンをモビルドールへとサルベージする際に副産物として出現したデータファイル…及び、“データファイルの中に存在した人型機動兵器の設計図”である。
それも只の人型機動兵器ではない、今の人類が英知を結集させたところで到底再現し得ないような技術が幾つも使われているのだ。そして更に不可解なのがその設計の規格にメートル法等の現行人類の基準(及びそれに酷似したもの)が使われている点である…技術だけさえ見ればまだ未知の規格と基準が使われている方が納得が出来ただろう…異星の生命体の存在が証明されただけである。
――――とは言え、デンと共にエボニーカイザーも出所は結局GBNだ。
誰かの妄想が、GBNの膨大なデータの海に紛れていたところをデンと一緒に引き込まれた…話はそれで片付く、結局の所デンの問題とは何ら関係が無かった。
―――――――――――――――――――はずだったのだ。
現に“声”はカイザーの付随物より観測されたのだから…。
何なのだろう。エボニーカイザーとは?何処から来たのか?ソレが何を秘めるのか?
きっとその全てを…そうじゃなくても、その欠片でも、開発者たちはもう知っているのかもしれない…………だが、エクハザールはこれ以上カイザーの情報を聞く気にはならなくなっていた。
…余りにも恐ろしすぎる、これ以上はデンが異形の怪物に見えてしまいそうだ。そんな恐怖を心の内側に押し込み、何でもないような表情で口を開いた。
「…すみません大佐。
結論を…お願いします…」
中身は聞きたくない、その一心とまでは行かないが片隅でそう考えての一言だった。
ロンメルは彼の内心を悟ってか深く頷き、
「…分かった。
デン、及びエボニーカイザーのこれ以上の解析は危険が伴う…打ち切りが決まったよ――――」
「ッ…」
そして…。
彼はより一層、最早これ以上ない程に表情を暗くして…残酷な結果を口にした。
「最悪の場合、私達は…デンを
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誰も居ない、誰も残らない
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<アーカイブ.02/5:42:23>
――――――――――――――――よう、聞こえてるだろ?
気付いてないと…?バカな奴らだ、足音鳴らして…真後ろに立ってりゃ誰だって分かるだろう。
お前も…世界の一部何だろ?
大多数と自分の為に…たった一人の何でもない命を踏み潰す事の出来るクソッタレ共の一部。もしお前が俺が思ってる奴らとちょっと違ったとしても、否定はしないだろう?言い分は分かるって、お前もお前らの明日が大事だもんな。俺だってそうよ、普通の人間だもん…ただ、お前らとはちょっとした壁か柵がある。実際の所どっちが内側で外側か…そんなの知ったこっちゃないが俺らから見りゃお前らは外側、俺らが内側だよ。
狭いのさ…俺の世界って。
…681。
何の数字か分かるか?…ハッ、分かってたまるかよ。
やったことあるか?突如崩れた瓦礫を…ソレを全部掘り起こして、冷たい腕一本を引っ張り出したことをさ…俺は何度もある。何度だって、冷たい同じ手を引っ張って引っ張って…出てきた身体も冷たくて。その都度、空が赤く染まって…。覚えちゃいないだろう…その瞬間の出来事を。
…俺が何か間違ってるか?
お前らと変わらねえだろ、踏み潰す数が違うだけで…俺は何故悪者扱いされなきゃならん?そういうお前らが大層気に入らない…殺してやりたい。
お前がお前らの為に俺らから奪うのならば…その前に俺らはお前らから奪う。
いくら奪ってもいい…“その”ためにどれだけのお前らが、俺らが道連れになろうとも。
楽園へとたどり着くのは…お前らじゃない、俺でもない。
あれ?これダイバーズの小説書いてるんだよね?
…ってなるのはこの話を書こうと思ってから覚悟してたよ。