「あ、今年はウチ、ハロウィンやんないから」
ロッテンアイアンのリーダーたるエクハザールの一言は、まるで炸裂した手榴弾の様に響き渡った。
コレには他の最古参メンバーはどよめき出す他なかった。
「待って待って、待ってつかぁさいって、リーダー。
いきなりソレはダメでしょ…僕らもうハロウィンやる気で待ってたんですよ!?」
そういうのは本フォースの参謀…みたいな立ち位置気取ってるけど、ぶっちゃけ突然トロールしたり裏切ったりとかするせいでフォースの時限爆弾みたいな扱いをされている男の娘、トビだった。
ちなみに彼(彼女?)の性自認はすでに滅茶苦茶である。
そしてエクハザールはソレに対して「えぇ?」と、訝しげな顔を隠そうともしなかった。
「いや、やる気だって…もうネタないじゃんネタ」
「ネタ切らすも何もないでしょ、ハロウィンに。
ただ子供にお菓子配ればいいんだから」
「やだよ、そういってウチは野郎のおっさんしかいねぇじゃん。若い子もう他んとこに流れちゃったよ。
俺もうやだよ、おっさんにトリックオアトリート言われるの」
「いやいやいるって若いヤツなら。
サリウラとかササキ君とかさぁ」
そう反論したのは、ロッテンアイアンどころかGBN内でも屈指の影の薄さを誇る事で有名なMA使いのノヴェン太である。
最近、どうにも愛機の縮小傾向が強い。
「その二人のためだけにハロウィンを大々的に開催するって?もうそれ二人からしてもいい迷惑だよ。
…というかソレ以前に!まぁじでもうハロウィン擦るだけのネタが無いの!ネタが無い!ハロウィンやるなら個人個人でやって下さい!」
どうやらこの度、リーダーがハロウィンを渋るのはネタ切れが一番の要因らしい。
「だぁかぁらぁハロウィンにネタ切れも何もあるかって!」
「あるよ!もう俺鎧武コスなんかしねーぞ!?
つかほんと、ハロウィンしたいなら…GBN公式のイベント、行け!ウチは独自ハロウィンイベなんか、やらん!
第一、人こねぇだろうがよー」
「人来るから!人!
G-tubeの配信だってこの前ウチので同接一万人は行ったじゃん!」
そういうのは、ロッテンアイアン…もう面倒臭いのでRIと略すが、その最古参メンバーの中でも一際若い戦車使いのレンダだ。
尤も、最近は戦車に飽き始めており、普通に2脚機体を用いているのだが。
そして彼の反論にエクハザールは明らかなキレ顔で対応する。
「それは!テメェと!トビが!俺のチャンネル勝手に乗っ取って!勝手に配信したからだろう、が!
あの後から俺が配信するとな?やれ「トビちゃんとレンダ君より同接少ないですね(笑)」だの、やれ「何で同接1000人なんですか(爆笑)」だの何だのと言われて、もうマァジで腹立つんだからな!?」
「某プロゲーマーチームのリーダーみたいな事いってらぁに」
とうとうエクハザールはその場に仰向けに倒れ「ヤダヤダヤダ!ハロウィンやりたくなーい!」とダダをこねはじめた
「デンちゃんに見られたら嫌われるぞ」
そうリーダーを静かに諭すのは、RI最強と名高い砲撃長ことイプシロンだ。当初は喋らないキャラで倒していたが、最近はプラカードの仕様変更で調達が億劫になり、もう大体普通に話す様になった。
最近自分にはビームライフルとビームサーベル以上の武器は必要ない事に気がついたらという。
「もう泥酔姿見られたから、何しようが「パパくさい」以上のコメントなんてされへんわ」
そしてデンとは、本フォース所属のELダイバーの片割れである。
「そんな子じゃないでしょ。
第一まだリーダーん家にいたんですかあの子」
「諸々の問題全部解決したら、実家に預ける話も何故か流れたんだよ。
おかげで最近専用の森ビル建てちまったわ作業スペースに」
「専用の森ビルってワードの強さよ」
いきなり出てきた謎の言葉に苦笑いしたのは、RIのブリディッシュニンジャことショーセーだ。以前はデースとかのカタコト日本語で有名だったが、もうとっくに日本語を流暢に話せることと、その他のカタコトキャラは(G-tuberだけでも)他に有名所がいっぱいいるので、普通に日本語を喋り始めた。
半年前にとうとう日本へと移住して、最近は横浜の赤レンガ倉庫で開催されているドイツ祭りに参加した。
「シルバニアファミリーの家あるだろ?
アレをビルっぽく改造したから」
「単にビルでええやろ」
「味気ねーだろ。
………ま、とにかく!ロッテンアイアンの独自ハロウィンイベはやりません!以上!」
「なんでよ、クリスマスは『リア
今し方やってきて、割りかし今の今まで誰も聞かなかった事を聞いてきた彼女は最古参メンバーの紅一点、そしてレンダの姉のウニである。元は女海賊キャラで売り込んでたが「やっぱ某Vと被るのヤダわ」と、近年は悪の組織のセクシー系女幹部キャラとして売り込んでいる。
相変わらず胸はまな板である。
「それは人来るからええねん。
ウチのハロウィンイベほとんど公式か他の所に吸われてんじゃん、閑古鳥が群れを成して鳴いてるんよ。
そもそもな、ウチらそこまで有名所でも無いし…元々ロッテンアイアンなんて「GBNの平沢進」みたいな扱いだったやん」
「いや平沢進のライブには人来るんよ。
だからウチのハロウィンイベにも人来るって…平沢のXフォロワー30万人やぞ」
「どんな理屈だよ、バカ過ぎるだろ。
ていうか、もうホーンマ、やるだけ無駄だって…ウチのハロウィン。
人来ないのにやるとか…」
「そんなに集客が大事ですか!?」
「大事だよ!
収支マイナスなのはワンチャン許すけどさ…さぁ?大々的にワーワーやって、それで見向きもされないとか…そんな星飛雄馬のクリスマス会みたいなの、正直辛ぇわ!」
「今時、星飛雄馬を何人の若者が知ってるよ…」
とどのつまり「何がハロウィンじゃあい!」という訳である。
「誰も知らんでしょうねぇ。
というか話変わるけどサ!君らもっとセリフに特徴付けてくれません!?特にノヴェン太とか!」
「俺名指しかよ!?
いきなりメタいな、おめーよぉ!」
突然のメタフィクション発言に狼狽えるノヴェン太。
確かにショーセーがデース語録を辞めたせいで字面でのキャラ付けが迷子になり、誰が喋っているのか全く分からなくなる状況は発生している。
ちなみにこの展開が出たということは、作者自身がネタ切れを起こしているというサインだ。
「言うて、何だかんだで分かるんじゃないですか?
ほら、僕は僕が喋ってるって分かるし」
「そりゃお前だけだよ、敬語なの。
…まあその流れでショーセーさん、久しぶりにカタコト日本語やってみて」
「急な無茶振りを…。
――――ハァーイ!ワターシ、世紀末ニンジャーのショーセーデース…辞めていいかい?コレ」
「うん、いいよ…俺も悪かったわ。
なんか俺ももう世紀末テンションできる気がしねーわ」
「お前が世紀末出来なくなってどうするんだ、リーダー。
――――で?結局ハロウィンはやるのかね?中止か?」
「中止も何も最初から企画もしてないよ砲撃長。
なんか毎年こんなやり取りして、結果謎の後押しで始めて…で、毎年あの始末やんハロウィンイベ。
タダでやれる訳じゃ無いんだからさ…」
「えええええ!?タダじゃなかったの!?」
「アホぬかしてんじゃねーよ、しっかりビルドコイン色々に使ってんだわ。
…ちょっと俺もうそろそろ組み立てするから落ちるわ。おつ」
「おつー」「え、ちょ」「リーダーちょい…」「お疲れー」「お疲れ様」「おっつー」
そしてエクハザールはログアウトした。
…今になってようやくガンプラの話題が出たのは正直本作においてかなり問題であると思われる。
「なあ、トビー…」
「何?」
「…ハロウィンの日に、また乗っ取り配信しようぜ」
「賛成」
「お、俺も混ぜろよ…というかエック以外全員でやるぞ」
「いいねー、わたしやりたーい」
「僕は流石に降りておく」
「私もだ…趣味じゃ無い」
こうして、最古参メンバーもまたオーストラリアサーバーにおいて散り散りになったという。
今度ちゃんとガンプラしまーす。
デン編は別に移した方がいい?
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いいと思う。
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しなくて大丈夫。
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おちんちんらんど(無効票)