違うクラスの女子に目をつけられたのだが √ひより   作:曇天もよう

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最近、私の中でひよりがいいなと思っていたので、書いてみました
本編に比べると比較的早い進行度で進む、基本はひよりとの話がメインなので、そこの違いはありますが見ていってください


始まり

四月某日。桜が満開を迎え、心地よい春風が吹く今日、ここ『高度育成高等学校』の入学式が執り行われていた。

期待を胸に抱き、楽しそうにしてる者、退屈そうにしている者、様々な者たちがいたが、桐生司はどちらかと言えば後者であった。

 

小学校や中学校と変わらぬ毎日がここでも待っているのだろう、そう考えると、特にこれといってワクワクとするようなこともなかった。

それに加えて、中学生や小学生と同じく過ごして来た友人たちはこの学校へは入学していなかったため、話し相手がいないというのも、桐生がイマイチ楽しめない一因を担っていた。

 

そんな桐生は現在、一年D組に配属され、担任である茶柱佐江より、この学校について説明を受けていた。

 

この高度育成高等学校は一般的に考えられる高等学校とは大きく異なっているシステムが多い。

例えば、在学中について、全校生徒は学園敷地内に配置されている寮での生活を義務付けられており、特例を除き外部との接触を固く禁じられている。それは例え肉親であろうとも適応され、学園側より許可を得なければ連絡を取ることはできない。そして、当然のことながら、学園側の許可なく学園敷地内から敷地外へ出ることはできない。

 

それでは不自由か多すぎる、とても楽しい学園生活を送れるとは思えない、そう思うことだろう。しかしながら、学園の外に出ることができないことを配慮し、学園敷地内にはありとあらゆるジャンルの店などを配置している。それは本屋からカフェ、簡単なモール…はてはプールなども存在し、さながらそれは小さな町のようだと言われていた。

そしてこの学校の大きな特徴と言われているのはクラスポイントシステム、そしてプライベートポイントシステムとされる。

クラスポイントは各クラスに所有されるポイントであり、これがクラスの運命を握っているとも言える。

もう一つのシステム、プライベートポイントは桐生たち学生にとって、学園生活を左右するとても大切なシステムであった。プライベートポイントが指し示すように、このポイントはクラスなどでは共有されず、あくまで個人のポイントとされる。このポイントは1ポイント=1円と換算し、学園内での食事やプライベートな遊びでお店へ出かけた際に支払いとして使われる。

 

そんなポイントを入学初日にして10万ポイントもらった多くの生徒たちは、クラスで軽い自己紹介を皆終えると、早速何をして遊ぼうかと足取り軽く教室を後にして行った。

 

 

 

 

 

 

多くの生徒が多数の場合は娯楽が揃うショッピングモールである、「ケヤキモール」へ向かう中、桐生は一人別の目的地へと向かっていた。

 

廊下には人気がなく、桐生の歩く足音だけが響き渡るだけであった。少し夕日が見えて来ており、窓ガラスから差し込む日の光によって伸びる影が長くなって来たのを見ながら歩いていると、やがて桐生の目的地が見えてくる。

 

大きな扉、他の建物と比べても特に大きい外観に息を飲まれながらも、その扉をゆっくりと桐生は開く。そして開いた先に広がっていたのは一面茶色に統一され、広くゆったりとした開放感のある空間であった。そこには古びた物や新しい本の独特な匂いが、部屋中に広がっていた。

 

「…パンフレットに載っていたから早速来て見たが、とても広いし、すごい本の数だ…」

 

高度育成高等学校の紹介をするパンフレットにはこの図書館について大々的に紹介されていた。広くゆったりとした空間、8万を超える蔵書、それが学生となれば365日借り放題であるという紹介であった。

大の本好きである桐生にしてみれば、それはとても魅力的な場所であった。

 

「ようこそ、図書館へ。君は一年生かな?」

 

周りを見渡していた桐生に、司書のような女性が話しかけてくる。女性は桐生に図書館での注意事項、本の借り方やもしも借りたい本がなかった時に予約をすることができることなど、丁寧に教えてくれた。

桐生は女性に感謝を伝え、まずは座れそうなテーブルを探し荷物の入ったカバンを椅子に置いておく。単に荷物といっても、学校初日である今日は、学校からの資料、今日配られた書類などで一杯であり、ずっと持って歩くには重く、疲れるからであった。

 

荷物を置いた桐生は、早速広い図書館の中を歩き、どこにどんなジャンルの本があるかなどを見始めた。形は入口方面から見て扇型になっており、どうやらその右手に文学、歴史書など、真ん中に化学や物理書、まだ向かっていない左手あたりにミステリーなどの小説類がまとめられているようであった。

 

右手側から回って確認していた桐生は小説がポツリポツリと増えて来たことに、嬉しさを感じながら、早速借りて帰る本を探していた。

 

アクション、SF、冒険、恋愛と様々な本があることに感動を覚えながらミステリーのジャンルへと向かうと、そこには一人の少女が本棚の高いところに向かって手を伸ばして本を取ろうとしているのを見つけた。しかしながら、背の高さが足りていないようで、もう少し本には手が届きそうにはなかった。

 

必至に少女は取ろうとしているようで、足先は少しプルプルと震えているようであったため、桐生はその少女の取りたい本を代わりにとってあげることにした。幸いにして、桐生は男子の中でも背が高い方なので、あっさりと本を取ることが出来た。

 

「はい、お目当ての本だよ」

 

「ありがとうございます、私は背が高くないのでとってくださってとても助かりました」

 

「困ってる時はお互い様だからな。俺もミステリーとか好きで、よく図書館に来るけど、あと少しで届きそうなところにある本は取りたくなるもんだから分かるよ」

 

「ミステリーが好きなんですか?」

 

桐生が少し話したことにすごく興味を示して来た少女、椎名ひよりと桐生司のこの出会いは、この学園における二人の立場だけでなく、クラスをも巻き込んだ大きな転換点となるのであった。




え?ただでさえ、本編のペースが遅いのに、また新しいの出したのかって?
…本編のペースも上げて頑張ります…
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