氷創の英雄 ~転生したけど、特典の組み合わせで不老不死になった!~   作:星の空

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第11話

 【オルクス大迷宮】

それは、全百階層からなると言われている大迷宮である。七大迷宮の一つで、階層が深くなるにつれ強力な魔物が出現する。

にもかかわらず、この迷宮は冒険者や傭兵、新兵の訓練に非常に人気がある。それは、階層により魔物の強さを測りやすいからということと、出現する魔物が地上の魔物に比べ遥かに良質の魔石を体内に抱えているからだ。

魔石とは、魔物を魔物たらしめる力の核をいう。強力な魔物ほど良質で大きな核を備えており、この魔石は魔法陣を作成する際の原料となる。魔法陣はただ描くだけでも発動するが、魔石を粉末にし、刻み込むなり染料として使うなりした場合と比較すると、その効果は三分の一程度にまで減退する。

要するに魔石を使う方が魔力の通りがよく効率的ということだ。その他にも、日常生活用の魔導具などには魔石が原動力として使われる。魔石は軍関係だけでなく、日常生活にも必要な大変需要の高い品なのである。

ちなみに、良質な魔石を持つ魔物ほど強力な固有魔術を使う。固有魔術とは、詠唱や魔法陣を使えないため魔力はあっても多彩な魔術を使えない魔物が使う唯一の魔術である。一種類しか使えない代わりに詠唱も魔法陣もなしに放つことができる。魔物が油断ならない最大の理由だ。

俺達は、メルド団長率いる騎士団員複数名と共に、【オルクス大迷宮】へ挑戦する冒険者達のための宿場町【ホルアド】に到着した。新兵訓練によく利用するようで王国直営の宿屋があり、そこに泊まる。

部屋の割り当ては、

南雲と香織、飛斗と代赤、白音と満愛、雫と間桐、士郎と遠坂、迦楼那と十門司、姜弩姉妹、十六夜と金糸雀、俺と何故か谷口である。

ちっさいオッサンが頭の中に存在する奴が同室なのだ。俺の素顔を見たら暴走するのが目に見えて分かる。が、采配した愛ちゃんに物申した所、気心のしれた者ならいいのですが、泉奈ちゃんは余ってしまったので取り敢えずは一人だった谷口さんの部屋にしておきました。と、ちゃん付けの時点で、愛ちゃんは俺が女だと認識しているので諦めた。部屋に入ったら誰も居なかったので暫く寝る事にする。

まぁ、抱き枕がないので直ぐに起きるだろうが。

 

✲✲✲

 

目が覚めたのだが、寝る前と後で何かが違う。

俺は何か、否、誰かを抱いて寝ていた様だ。しかも、何かあったのか呼吸も荒い。

取り敢えず離れるのだが、この背が低い子が馬乗りになる。

そこで、此奴が谷口だとわかった。

「はぁ、はぁ、はぁ、我慢できない。こんな見た目なのに男、しかも獣耳っ娘と来た!!はぁ、はぁ、逃がしゃせんで!泉奈ちゃん。」

ただ、目に光が灯ってない所謂ヤンデレの眼をしていた。

それを見た俺は産まれて初めて怖気が走った。

「イタダキマ────」

鳩尾に軽く衝撃を与えて気絶させる。

「一体あの怖気はなんだったのだ?」

まだ時間があったのでもう一度寝る。

 

✲✲✲

 

「────うぅん、私って………?」

気絶していたようだが何も思い出せないので回送してみる。

私、谷口鈴は異世界に飛ばされて天之河君の戦う宣言と周りの流れで戦う事となったのだ。

そして、1週間戦闘訓練を受け、明日からオルクス大迷宮にて実戦という殺しに慣れなきゃならない。

飛ばされた直後はムードメーカーとして自負している私でも不安でいっぱい。正直、泣いてしまった。

しかし、神山?から、ハイドリヒ王国に下山する時素顔不明の生徒である氷室泉奈さんが手を握ってくれたので幾分か和らいだ。

不安な時に手を繋いだりすると落ち着くって話は本当なんだね…

 

閑話休題

 

今は寝る前のことについて思い出す。

確か、同室のものが泉奈さんで、素顔が不明なので私の中の天使と悪魔の囁き合いの末悪魔が勝ち、泉奈さんの素顔を隠しているパーカーのフードをとった。

フードに隠されていた顔は女の子そのものだった。ただし、頭に付いている突起物に触れるのは気にしては行けないのだろう。

少し興奮してしまい、ついうっかり胸に触れる。しかし、胸がなく首を傾げながら泉奈さんの股に触れる。そこにはアレがあったのだ。

その時、私に雷が落ちたのだ。

美女、美少女趣味である私にとって泉奈クンは優良物件ではないか!!

泉奈さんをまさぐりまわしていたら、泉奈さんが抱きついてきたのだ。直ぐに離れようとしたががっしりと捕まっているため動けず逆に目の前に泉奈クンの胸があり、寝てる間にかいたであろう汗の、しかし、男としてはほんのりと甘い匂いがして来て私は変な気分となり泉奈クンの尻尾に触れてしまう。

「んにゃっ」

少し触れただけでこの反応。私は暴走して────

 

「っ!?やっちまったぁー!!!これ嫌われてないよね!?大丈夫だよね!?」

やばい、何がやばいって?それは分かるはず。

私にどストライクな泉奈クンに嫌われたら私は将来誰と結べばいいと言うのだ!?

これは何があろうと手に入れなければ!!

そう決意して泉奈クンの方に振り返ったら、眼をパッチリと開いた泉奈クンが私をガン見していた。

「あぁぁぁ、終わった………」

 

✲✲✲

 

何か煩かったので眼を開くと谷口が両手を頬に当てていやんいやんしていた。

今度は何か決意したのか此方に向いて俺と目が合い固まって、

「あぁぁぁ、終わった………」

「いや、何がだよ?さっきの奇行は黙っとくから、俺の素顔についても黙っとけよ?訳ありなんだから。」

「はぁーい」


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