互いの自己紹介を終えてツナは自分の今置かれている状況をユキカゼに話す。
「なるほど〜でござる〜。つまり沢田殿は別の世界からやって来たという訳でござるな」
「うん、そうなんだけど。元の世界に戻る方法ってないかな?」
ツナの質問にユキカゼは腕を組み首を傾げながら考える、それと同時に耳や尻尾が動いたり揺れたりしていた、ツナはそれを驚きながら見ていた。
(やっぱ本物なんだあれ)
うんうん、と頭を傾げていたユキカゼを眺めていたツナ、するとユキカゼの耳と尻尾がピコン!!と力強く立つ。
(何か思いついたのかな?)
「そうでござる!!リコに聞けば何かわかるかもしれないですごさるよ!!」
「本当に!!」
ユキカゼの言葉につい大声で言ってしまうツナ、そんなツナにユキカゼが続けて言う。
「ビスコッティやガレットには勇者召喚の儀式があるのでごさるよ」
「勇者召喚?」
ユキカゼの話によるとビスコッティやガレットでは今頻繁に戦が行われているらしくそれを不審に思ったユキカゼともう一人の人物、親方様ことブリオッシュ•ダルキアンとビスコッティに帰国する最中だそうだ。
そこで追い詰められたビスコッティが異世界より勇者召喚を行ったそうでもしかすると召喚した勇者を元の世界に戻す方法を知っているかもしれないとのこと。
そのためにはまずははぐれたダルキアンを探し合流しないといけないそうだ。
「じゃ、早速探しに行こうよ」
「そうしたいのはやまやまなのでござるが土地神を放置するわけにもいかないのでござる」
「土地神?……土地神?!」
ユキカゼの言葉に驚きを隠せないツナ土地神と言えばその名の通り神様であろう。
「土地神って何処にいるの?」
ツナの質問にユキカゼは。
「ああ、沢田殿は知らなかったでざったな。土地神は今あそこで眠っている熊でござるよ」
「マジでーーーーーー!!」
ユキカゼの言葉にまたもツナは驚き慌てふためく、理由はどうあれツナは言ってみれば神様を殴ったことになる。
「どうしよう!!天罰とかくだらないよね!!」
ツナの慌てように驚くユキカゼであったがツナに魔物の説明をしていなかったことを思い出し。
「大丈夫でござるよ、土地神は優しい者たちばかりでござる。それに沢田殿は魔物化していた土地神を助けたのでござる」
「感謝されこそはしても天罰などはくだらぬでござるから安心するでござるよ」
「?魔物化ってどういうこと?」
聞き覚えのない言葉にツナはユキカゼに聴く、魔物と言えばRPGとかでよく聴く言葉ではあるが……。
「魔物化とは土地神や精霊がかかる呪いみたいなものでござるよ、今回はあの土地神に刺さっていた刀が原因みたいでござるな」
「そうなんだ……、もう大丈夫なんだよねあの土地神は」
「沢田殿のお陰でござるよ、拙者ひとりではできなかったのでござる。」
ツナとユキカゼが話していると。
『ん。んんん?』
眠っていた土地神がむくりと起き上がったのだ。
「あっ!」
「お目覚めでござるか?」
『そなた達は……そうか私は魔物となってしまっていたのか…。君たちには迷惑をかけてしまったな』
熊の土地神はそう言うとツナとユキカゼに頭を下げる。
「い、いや俺はたまたま居合わせただけだし」
「拙者も気にしていないでござるよ、拙者は拙者の仕事をしたまででござる」
『それでもお礼を言わせてもらいたい、ありがとう』
土地神はまたも礼を言いツナとユキカゼに頭を下げる、それにツナは少し困惑していたり、ユキカゼは照れ笑いを浮かべていた。
その後土地神は元の自分のいた森に帰ると言い二人の元を去って行った、その際ツナとユキカゼは土地神の姿が見えなくなるまで見ていた。
その後二人ははぐれた親方様を探しに歩き出したのだが…。
「済まないでごさるな沢田殿、拙者が未熟故に」
「い、いや大丈夫だよ!!ユキカゼ軽いし!!」
ユキカゼが脚を負傷しているのはツナも超直感で見抜いており、その状態で歩かせるのも悪いということでツナがユキカゼをおぶって歩くことにしたのだが。
(せ、背中になにか柔らかいものが!!き、気にしたらダメだ!!)
ツナの心の中は穏やかではなかった、そんなツナを他所にユキカゼは話を続けた。
「しかし、沢田殿は何やら良い匂いがするでござるな」
「えっ、そ、そうかな?自分じゃわからないけど…」
ツナの言葉にユキカゼは少し考えた後。
「沢田殿の匂いはなんだか暖かいのでござる、安心するというか不安な気持ちを和らげてくれるような。それに」
ユキカゼそう言って頭をツナの背中に当てると。
「それにこの背中も見れば小さく思えるでござるがこうして身を委ねてみると、とても沢田殿の背中が大きく感じるのでござるよ……不思議でござるよ。」
「そ、そうなんだ。」
ツナの大空の炎の本質は全てを優しく包み込む大空、その本質をユキカゼはどこかで感じ取ったのかもしれない。
しばらく無言で歩くツナ、そして気がつくと。
「す〜、す〜。」
「あっ、寝ちゃったのか」
寝ているユキカゼを見て優しく微笑むツナ、起こさないように慎重に歩くツナ。しかし異変は起きた。
「ゆ、ユキカゼ……く、苦しい…」
「暖かいで……ごさるぅ〜」
(寝言はいいから起きてくれ!!)
ツナは知らなかった、ユキカゼは寝ている時には誰かに抱きついて寝る癖があるのだ。運の悪いことにユキカゼの腕はツナの首の近くにあった為必然的にユキカゼはツナの首を絞める形となってしまっていたのだ。
(ヤバイ……意識が……)
ついにツナは倒れてしまい意識を失ってしまう、そのとき視界の端に犬のような狐のような生き物と誰かの脚が見えツナの意識はそこで途切れてしまった。
ツナの参戦は砦戦を予定しています。ヒロイン今だ迷走中感想待ってます。