ロクでなし魔術講師と異世界憲兵 作:mocomoco2000
これは子供ではない、子供の面した怪物であると。
"提督"が以前某セロAは飾りの野球バラエティゲームで、最初の育成を間違えて何度もリセットしたという話を聞かされたことがある。提督曰く最初の選択が重要なのだと。バラエティじゃない方の2016であれば、実は男さんに会わないと強くなれないとか(修正が入ったと何か叫んでいたような気がするが)、バラエティの12でひたすら工業地区へ歩いたり、刑事の奥さんの話をしないといけないとか、まずやらなければならないことがある。
つまり何が言いたいのかというと、
「オギャア………オギャアアアアアア」
赤ん坊として転生したからには赤ん坊らしいことをせねばならんということだ。間違えても泣かない、急に歩くといったことをすれば"天才"ではなく、"天災"として見られてしまう。そのことを危惧しながら隠れて己の育成をせねばならない。0歳だから何もしなくていい?いや、もう戦いは始まっている。
あのバグXは言った。この村は4年後に滅ぶと。
どう滅ぶか分からないが、何をしても滅ぶと言っていたから多分"多勢に無勢"のようなものと考えるべきだろう。
青年(今は赤ん坊である)が生まれたこの村の国は宗教浄化策といったものを行っているらしく、民族を滅ぼそうと躍起になってるとかなんとか。
なるほど、確かにこれは滅ぶ。どう足掻いても滅ぶ。この村の人口も少なく、さらに遊牧民族で守りが弱い。攻めが強いのかと言われたらそうでもなく、強い奴もいるよー程度の強度だった。
とりあえず、今は情報を入手しつつ、陸軍で培った筋トレ(赤ん坊でも無理にならない程度)をし続けた。
半年が過ぎ、この村の状況を把握した。どうやら青年(赤ん坊)が生まれたからこの村の人たちは足を地に着かせてるらしい。しばらくは比較的安全な街の近くに拠点を置いて赤ん坊のための食事やらなんやら買って、ある程度育ったらまた移動するとのこと。
半年経ったので親の前で歩いて見せたら大層に驚いて、
「こいつは将来有望だなぁ」
と呟かせた。英才教育を受けさせなくても色んな情報を流してくれることを期待しての行動である。実際、両親から色々な情報が流れてきた。特に重要だったのが、"魔術"というものだった。この世界には魔術というものが存在しているらしい。怪我をした時に
「《天使の施しあれ》」
と母親がそう言うと、擦り傷が嘘のように消えたからだ。それを知った青年(赤ん坊)は筋トレをした際に傷ついた筋肉を無理やり回復させれる………超回復の短縮が図れるのではないかと考えた。結果は成功。それに味をしめたのかますます身体作りに性を出した。
ちなみにだが、その際にマナ欠乏症(その頃は魔力切れと呼んでいた)を知り、やり過ぎは良くないと分かった。何事も程々が一番。
さらにちなみになのだが、彼には名前がない。というのも、生まれた時に両親が名前を付けようと色々話をしてたら喧嘩になり村の人たち総動員して止めないといけないほど暴れたらしい。そのせいで、名前の事はタブーとなり、青年(赤ん坊)の事は皆"坊"と呼んでいた。それを知った坊は両親は村の中でも上位の武力を有しているのだなとズレた感想を抱いていた。
生まれて1年が経った。この頃になると父親の真似事と称して棒を振るようにした。陸軍在住時や、憲兵として派遣、鎮守府守衛や提督護衛の任に就いた時も欠かさず剣を振るっていた。1年振らなかったせいでかなり溜まっていたのだろう。この世界で初めて振った瞬間、気づけば朝だったはずなのに夜になっていた。(ちゃんと食事はしたらしい。覚えてないが)
それを見た父親は引くどころか
「お前は将来優秀な剣士になれるな!」
と褒めてくれた。この父親は色々とズレてるらしい。その日から父親が帰ってきたら剣を習う事になった。母親からも本当は教えたらダメだけどもしも用として覚えとくだけ覚えときなさいと簡単な魔術も教えてくれた。基本回復系の魔術だったが、剣にしか能のない者にとってありがたいものだった。だってダメージを受けても魔力切れにならない限りずっと戦い続けれるのだろう?最強ではないか。
2歳になった。タイムリミットまで後2年。体格もあるだろうが、憲兵時代の動きと比べたら笑いが止まらない程度に育った。要するに弱い。恐ろしく弱い。
毎日両親に隠れて(天災と思われないようにするための配慮)憲兵時代の自分の幻想と剣を振るったが、全く勝てない。もう万を越える勝負をしたが、勝てるイメージが付かない。初めは一瞬で首を跳ねられた。千を越えた辺りで一合は打てたがその一瞬の隙で首を跳ねられた。
気休めに砲撃による戦闘を想定してソ連少女と対峙してみたが、それも一瞬で殺られた。これではダメだ。そう焦りを感じた坊は何か策はないかと考える。このままでは己の命も守れないぞと。こんな時に転生チートがあればと思うこともあるが、切望するほど欲しいとは思わなかった。あったら楽だったろうなと感じる程度。
そんなある日、変化が訪れた。坊もそこそこ育ったということで村は移動を開始したのだ。
そしてしばらく停泊する所の近くによく分からない遺跡があった。軽く調べた父親らから
「あの遺跡は危険な異形がうじゃうじゃいる。入るなよ」
と言っていたので、入ることにした。提督曰く
「入るなよ入るなよと何度も忠告するっていうのはフリというやつで、入れって意味なんだよ」
らしいので。1歳過ぎ辺りで遊牧民族だからか坊を放牧するようになった。そのため自由時間がかなり増えたのだ。母親から教えて貰った身体強化の魔術……フィジカル・ブーストをかけて坊は大人に見つからないように遺跡に入っていった。
遺跡に入って直ぐに付いていた光る石を持ち、途中で落ちていた簡素な剣を拾ってしばらく進むと、二足歩行の魔物と出くわした。
魔物は坊を見たとたんニヤリと笑い、腰に差していた剣を引き抜こうとしたが引き抜けなかった。
「…………やはり遅い。これでは士官時代の私より遅い………もっと精進せねば」
魔物の右手がバッサリと切り落とされていたのだ。
「■■■■■■■■■■■■!!!!!」
奇声のような声を上げて左手で殴りかかろうとしたが
「………"見性悟道"」
そう呟いたかと思った瞬間左手も切り飛ばされていた。
「………この剣………かなり脆いな、注意して使わなければ。そこの………魔物で良いか。魔物よ、その腰に差す剣、すまないが頂戴する」
と言ったと思ったら魔物の意識は途絶えた。魔物は思う、あれはガキじゃない………悪魔だと。
自身の実力調べをしているが、この遺跡はどうやらそこまで危険ではないらしい。大人たちめ。本当に入るなよ入るなよ詐欺ではないか。確かに危険だが、あんなに忠告するほどの危険さはない。物理の効かぬ亡霊さえ気を付ければ何とかなる。そう感じた坊はどんどん遺跡の奥まで歩いていった。ちなみに剣は3度折れ、4本目を魔物から拝借した。剣が折れるというのは己の扱いに問題ありと考え、振るい方もどんどん洗練されていった。
入ってからしばらくして、坊はそろそろ帰ることにした。
身体時刻が少し日が傾く頃と告げたからである。最後にと思って入った部屋にはなんと武器がズラリと並べられていた。どうやら武器庫のようだ。何百年も月日が経っているから殆どが錆びていたり、風化したいたり、脆くなっていたが、いくつかの武器は全く錆びておらず、新品のような状態で保管されていた。
坊は目に入った明るい赤色の短剣を握ると気に入ったような笑みを浮かべた。さらに奥にある翡翠色の直剣も気になり、手に取ってみる。かなり使い込まれているようだが手入れが行き届いていて、この剣を使った者はかなり思い入れがあったのだなとうんうんと頷いた。
欲しいが身体的に釣り合わない。残念だなと思いながら、渋々と元の位置に置いた。今回の収穫はこの赤い短剣入手と翡翠色の直剣の発見であった。己の腕はまだまだ未熟であると再認識した坊は短剣の切れ味の確認がてら帰りながら魔物狩りをするのだった。
それからは棒や短剣で憲兵時代の坊と戦ったり、武器漁りと称して隠れて遺跡に入ったりと充実した日々を過ごしていた。
そして、ついにタイムリミットの4歳になった。
何とか書ききれました。
急展開?タグに付けようかな………"急展開""見切り発車"って。
幼い頃ってどんなだったかなと思いながらこの話を書いてました。
私の幼い頃はまだ走ったりするのが好きなガキんチョで、転んでは泣いて、それで泥んこになって親に殴られまた泣いて………泣いてばっかだったな。あの頃はまだ純粋だったな。小学生……だったか?それくらいの時に始まったあのdwangoの動画サイトにのめり込まなければ。
教に入ってもないのにランランルーって叫んでいたな。懐かしい。
では次回、坊死す!