ロクでなし魔術講師と異世界憲兵 作:mocomoco2000
「フハハハハ!今回の発明は上出来だ!これを着れば何と通常の10倍の身体能力を得ることができる!」
高笑いするどこかの学校の制服の上に白衣を着た青年は台車で押すように出してきたその服………というより人型の装甲は派手で何より重そうだった。
「着るというより装着するという方が合っている服………服か?それ」
「エルドレッド、買ってき………オーウェル、何を作ったんだ?」
白衣のオーウェル呼ばれた青年と同じ制服を着た、人の腕みたいなものを持つエルドレッドと呼ばれた青年は呆れた顔をし、買い出しに行ってたであろうフード等付けたりした改造民族衣装を着た少年も、オーウェルを呆れた顔で見ていた。
「おお!スキターリェツ!今回の発明はスゴいぞ!これはこの前のマキシマムパワードスーツⅣを越えるスーパーマキシマムパワードスーツⅠ!あれから軽量化を進め、さらに進化したんだ!」
「Ⅴじゃないのか」
「それで?オーウェル、軽量したのか?前より重そうに見えるが」
エルドレッドに頼まれたモノを人の足みたいなものが無造作に置かれた机に置いて、そのパワードスーツを眺める。
「この前のマキシマムパワードスーツⅣで私はかなりの重症を負ったが」
「切り傷程度だったろ」
エルドレッドは腕を置いて呆れた顔を継続している。そんな彼の言葉を無視しながら話を進める。
「あの凄まじい斬撃を考慮して今回は強度を高めることにした!それでこのスーパーマキシマムパワードスーツⅠはスキターリェツの魔剣の斬撃を通さないほどの強度にすることに成功したのだ!だが、重さは前回の10倍になったが、それは些細な問題!」
「大問題だろ。お前、この前のやつも重いせいで動けなくて的になってたろ。つか軽量化を進めたんじゃねぇのかよ」
「それが些細な問題なのだ!このスーパーマキシマムパワードスーツⅠはこの"遠隔操作出来る君"を使うことで私の思考をトレースして動かすことが出来るのだ!」
「おい、それ学会で発表しろよ。もしくは論文に際に出せよ。普通に考えて大発明だろ。学生の領分越えてるだろ」
「さあ、行け!スーパーマキシマムパワードスーツⅠ!今度こそスキターリェツを越えるぞ!」
オーウェルは遠隔操作出来る君のボタンを押すがスーパーマキシマムパワードスーツⅠは全く動かない。
「何?私の理論は完璧の筈だ。何故動かない」
「………いや、オーウェル。お前バカだろ」
「どういう意味だ?」
エルドレッドはある方向を指を指す。そこには拳を踏み込んで突き出した状態のスキターリェツがいた。彼の拳の先にはスーパーマキシマムパワードスーツⅠの背部があり、背部に取り付けられた配線とか付いている精密機械っぽい何かに、深々と赤い短剣が突き刺さっていた。
「アアアアア!!!!!しまったあああ!!!!!」
「重要なもんは内部にしまえよ」
赤い短剣は粒子となって消え、それを見届けたスキターリェツは
「広い研究室とはいえここは室内。悪いが早期決着させてもらった。戦闘による実験は屋外でお願いする」
と言って、また何かあれば呼んでくれと述べた後部屋を去っていった。
私、スキターリェツは現在5つになった。まだまだ未熟な身であるが、着実に力をつけている。
4つになった時に私の村はバグXの予言通り無くなった………と言っても本当に滅んだかは分からない。あの日私はスリープ・サウンドと呼ばれる魔術により深く眠らされ、御者の荷馬車に積まれてしまった。流石の私でもあれには驚いた。目覚めたら荷馬車に揺れていたのだから。直ぐに御者に話を聞くと、たまたま村の近くを通ったら金を渡すから私を運んでほしいと言ったらしい。それは凄く切羽詰まった状態だったらしく、勢いに負けて乗せたそうだ。
ある程度話を聞いた私は横に置いてあった民族特有の紋様が刺繍された袋を開けて中身を確認したら手紙とそこそこの金と隠してあったはずの短剣が入っていた。
手紙を読むと、違う集落の同族から宗教弾圧の兵団が向かっているという情報を入手したらしく、何人かで確認したらもう近くまで迫っていたとのこと。闇に隠れて一気に接近………という作戦だったのだろう。さらに囲うように陣形を組んでいたようで逃げ場がなかった。
まだ完全な陣形を組まれていなかったため、馬の扱いに長けた者数人は女、子供を乗せて抜け道を突破することにしたそうだ。その結果は不明であるが、生き残っていることを願おう。
残った子供は私だけになり、両親はあえて私を起こさなかった。どうやら私の訓練はバレていたらしい。その異常さに怯え放牧のような措置をしていたとのこと。
途中で父親が剣を教えなくなったのもそれが原因だったのだろう。遺跡に入って行くのも知っていたらしく止めようとしたが、いつもケロッと帰ってくるものだから怖くなって言えなくなった。ちなみにこの時隠密が甘かったか……まだまだ未熟だなと私はかなりズレた感想を抱いていた。
両親はこの子を起こしたら絶対にここに残って戦うと予想した。だから眠っている私にさらに深い眠りにつかせるスリープ・サウンドをかけて眠らせた。
それで、たまたま近くを通った御者に私を預けた。両親は最後まで悩んだらしい。この村………民族のために戦わせるかと。私のシミュレーション戦闘を見た父親はこいつに戦わせたらまだ勝機があるかもしれないと考えた。2人で話し合ってる最中に御者の荷馬車が来たそうで、その瞬間、2人の思考は一致した。この村より私の未来を優先したのだ。
手紙の最後の方はくしゃくしゃになっていて親らしいことが出来なくてごめんなさい、本当にごめんねと書かれていた。所々水で濡れたように滲んでいて、読み終えた私は悲しいというより悔しい気持ちや苛立ちが滲み出た。もっと親孝行しとけば良かったと。私はずっと滅びを少しでも和らげるよう動いてきた。親の気持ちも考えず、見ていなかった。親はずっと私のために考え、見つめていた。なんて親不孝な子供だ。
確かに前世は生まれた時から親はおらず、軍直属の施設で育ったため親の気持ちなぞ分からない。ある程度動けるようになったら強制的にひたすら訓練をしていたというのもあるが、今回はそうではなかった。人のためと言いながら全くその者たちを見ていない。
「同志はいつも前ばかり見ている。たまには後ろを見てみなよ」
前世で空色のケープを羽織った女性が言った言葉を思い出す。確かに耳が痛い。言われていたというのに気づけていなかった。
両親は村に残って戦うことにした。民族の誇りにかけて。だから私は両親の誇りにかけて生きていこうと決めた。らしくないとも思った。常に冷静にを心がけている私とは思えない感情論。だが、その感情がどこか居心地良く感じた。
それから私は荷馬車に揺れてドナドナしていた。鍛練は怠らず、馬の休憩中に剣を振るった。たまに魔獣に襲われたが即座に殲滅。御者もそこそこの手練れであるが、乗せて貰ってるからには何か貢献をしたかった。
「本当に君は子供かい?」
と言われたがそれはスルーすることに。
御者の手伝いをしつつ馬車はどこまでも進んだ。月日は巡り、レザリア王国から馬車はアルザーノ帝国へ場所を移した。
そんなある日事件は起きた。
いつものようにドナドナされていたら前方で馬車が襲われているではないか。何やら白衣の男が馬車から降り、それを周りの者が押さえていて、盗賊のような連中は好き放題にやられていた。
意味の分からない状況だったが、とりあえず盗賊を倒すことにした。
こういうのは悪いやつであったとしても、恩を着せたら有益な情報とか流してくれるかもしれないから。
盗賊はさほど強くなく、正直訓練数ヶ月の士官候補生の実力だった。これくらいならまだ勝てる。
何気に今世初の対人戦であった。
助けた者はどうやら領地貴族の者だったらしく、しかも御者の顔見知りだった。あれよあれよと話が進み、私はこの貴族の護衛になった。養子になると貴族の面倒事に関わるからそれは避けといたよとサムズアップを決めながら御者は言った。貴殿は一体何者なんだ?
これが私、スキターリェツと天災オーウェル=シュウザーの出会いだった。
はい、皆大好きオーウェルさんです。
私も結構好きで、一番好きな男性キャラは?と聞かれたら「バーナードっす」と言うくらい(おい)
女性ならロザリーです。ああいったキャラスゴく好きです。
真面目に書こうと思っていてもあのキャラが出たら全てぶち壊していくよね。流石天災。
そして安定と信頼の文才。本当にすみません、頑張って書いても急展開になる。話を書くのってスゴく難しい(でも止められない)
で、追記ですがタイトル変更しました。ずっとしっくり来てなかったので。
さらに新たにタグにオリキャラを入れました。最初に出てきた腕を持つ青年を出すためです。
最後にですが、お気に入り付けて頂いた方、ありがとうございます。お気に入りの数字が1となってた時には「ファ!?」と声をあげてしまうほど驚きました。こんなハチャメチャな話についてきていただけるなんて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからも日々精進……頑張っていきたいと思います。