かなりテンプレートですが、よろしくお願いします!
『
そんな瑠璃の特徴といえば、やはりその瞳だろう。日本人にしては珍しく透き通った青色をしているのだ。それが名前の由来でもあったりする。髪の毛も殆どが黒ではあるが、一部だけ黒にかなり近い色をした青が混じっている。
───おや、どうやら彼女のクラスの次の授業は体育らしい。
生憎にも天気は雲一つ見当たらない快晴。瑠璃にとっては地獄でしかないだろう。
そう、瑠璃ならば。
「......うん、お願いね。『コウ』」
そう言った瑠璃はその場で目を瞑る──5秒くらい瞑った後、彼女は目を開けた。その瞳は先程の透き通った青色ではなく、透き通った赤色。心なしか髪の毛も一部が赤色に変色していた。
「...あぁ、運動はオレに任せな。『ルリ』」
ニヤッと笑った『コウ』と呼ばれた彼女はそのまま体育に向かっていった。
これは、こんな『凉月瑠璃』の物語である。
◯ ◯ ◯
私、『凉月瑠璃』にはもう一人の私がいる。一人称は『オレ』で『コウ』と名乗る人格が。そう、私は所謂二重人格だ。
私がこのコウに気付いたのは5歳の時。その頃私は孤児院にいたんだ。この『瑠璃』って名前はそこの院長さんがつけてくれた。まぁ、そこでとある人からいじめられてたんだよね。その人は同じ孤児の子で、自分の親がいないという劣等感から私をストレスの捌け口にしてたらしい。当時の私はそれが怖くて怯えることしか出来なかった。でも...ある日私の中から私じゃない声が聞こえてきたの。
『...辛いだろ?苦しいだろ?ならオレと変われ。なんとかしてやる』
思わず誰?と辺りを見渡したけど誰もいなかった。すると、また聞こえてきた。
『オレは...そうだな、「コウ」とでも名乗ろうか。まぁ、難しいことは考えなくていい。とにかく、今を変えたいか?変えたいならオレと変わってくれ』
院長さんにも職員さんにも相談出来ずに溜め込んでいたから、藁にすがる思いで変わりたい、と言った。
『よし、ならオレと変わりたいと思いながら目を瞑ってくれ』
それに従って目を瞑っていると......何か起こった気がした。それを例えることは出来ない。実際経験しないとこれを説明するのは無理だって分かるはず...まぁ、そんな人いないんだけど。
『...あれ?』
別に意識を失ったわけじゃないし、寧ろはっきりしてる...だけど、身体が動かせない。感覚とかは共有してるのに身体だけ自由に動かせない。
「ルリ?聞こえるか?」
聞こえてきたのはコウの声。だけど、私の声でもあった。
「ま、見とけ。悪いようにはしないさ」
──そこからはすぐだった。コウが院長に相談してくれて、引き取り先を見つけてくれて私は...いや、私達はその引き取り先へお世話になることになった。ちなみに、私をいじめてた人のことも報告してくれて、孤児院を出る直前に謝ってくれた。そこで理由も聞いたよ。コウがそれについてめちゃくちゃ怒ってくれて、何故か嬉しくなったんだよね...
その後、ちゃんとコウは身体を私に返してくれた。正直、返してくれないんじゃないかって思ってて怖かったから安心した。
でも、ある日気になって聞いてみた。
「ねぇコウ...なんで、ここまでしてくれたの?」
少し黙って、困ったようにコウは言った。
『なんでってなぁ...わからん。ただ、「ルリはオレが守らなきゃ」って思うんだ。それだけだよ』
私はそこで笑ってしまった。大爆笑だ。だって...そんなクサい理由だとは思わなかったから!
『わ、笑うなぁ!!』
そして色々あって生きてきて、コウの特徴が掴めてきた。私と違って勉強は全然出来ないけど、代わりに運動ができる。性格は運動部活動生みたいで活発的。だけど私と本とか漫画とかの趣味が一緒で親近感を覚えた。コウも私なのにね...でも、どっちかって言えばお姉ちゃんって感じがするなぁ...みたいなことをコウに言ったら
『オレも確かにお前のことは可愛い妹のように感じてる』
って言われた。何故か悲しくなった。
そんな私達は今学校から下校中。先生からもらった進路希望調査が今日の課題なのだ。
「うーん...どうしようかなぁ...」
『この辺りの高校はしっくりこないのか?ルリの成績なら余裕だろうに』
「そうかなぁ...でも確かにしっくりはきてないかも」
『県外の高校も手だぞ?とりあえず帰ったら高校調べしてみようぜ!』
「...そうだね。そうしよっか!」
私はまだ見ぬ県外の高校というものに心を弾ませながら家に向かう。
どうせなら漫画みたいな青春送りたいよね...伝説の下校中の買い食いとかもしてみたいなぁ...バスや電車通学も少し憧れるよね!フフッ、楽しみだなぁ!
『...おいルリ、気を付けろ。何かに後を付けられてる』
「え?」
思わず振り替えると、一人の男性がいた。顔つきは鋭くて、かなり背が高くて、体格もすごい。あれラグビー部の人ぐらいあるんじゃあ...いや、そうでもないや。
「...あの。少しお時間よろしいでしょうか」
考えてたら、いつの間にかその男性が私達の目の前に来ていた。
『...辺りに人はちらほら。最悪叫べば助けは呼べるな』
何考えてるのコウ。まぁ確かにこの人怖いかも......でも、不良とかそんな感じの気配はしないかな。スーツ着てるし。
「構いませんが...手短にお願いします」
『お、おいルリ!?』
「ありがとうございます。あまりお時間は取らせません」
するとその男性はスーツの右の胸ポケットから小さめの紙を取り出して私に差し出した。
「私はこういう者です」
「......美城プロダクションの...武内さん?」
『やべーやつだってルリ!!はやく逃げろ!!』
コウの指示は無視して、私は武内さんに貰った名刺をを見つめる。
美城プロダクションが何かよく知らないけど、私達に何か用があるのかな?
「...あの、アイドルに興味ありませんか?」
「『...はい?』」
ここから、新たな知らない風が吹き始めた気がした。