武内プロデューサーってもっと寡黙な感じにしたほうがいいのかな...?
結論から言おう...親から許可が貰えた。
これはマジで驚いたね。かなり反対すると思ってたお父さんが割とすんなり許可出すんだもん。理由を聞いたら...
──やりたいようになってきなさい。
それだけだった。え、もしやお父さんお母さんってめっちゃいい人なんじゃ...いや元からいい人ってのは知ってるんだけども。
『いやー、ルリが上目遣いでおねだりをして無理やり許可をもぎ取るケースにならなくて良かったなぁ』
「なにそのケース!?いざってなったらやらせるつもりだったの!?」
『まぁな、オレもオレでアイドルをやりたくなったわけだしさ。なら主人格のルリがそうするしかないだろ?』
「そ、そうだけどぉ...」
現在、私達は下校の途中。つまり、昨日の約束を果たしに来たんだ。言うまでもなく、返答はYes。こちらからも是非お願いしたい、ということも添えてだ。
私はそれと同時に嬉しくなってもいた。コウが...あの私ばかり優先するコウが自分のしたいことを初めて示してくれた。これは何としても叶えてあげたいよね。
「...あ、武内さん!」
「どうも...瑠璃さん」
『一応時間ピッタシ...か?』
みたいだね。でも...待たせちゃったのかな?
「それで...ご返答のほうは...」
「是非、やらせて下さい。よろしくお願いします」
学校でもしないような90度きっちりの綺麗なお辞儀。ふっ、我ながら綺麗なお辞儀だ...
「...ありがとうございます。では、こちらを」
武内さんからなんかでかい封筒を渡された。そして割と厚い。
「...これは?」
「前々日簡単に説明した『シンデレラプロジェクト』についての資料です。宜しければ、目を通して頂きたいのですが」
「分かりました」
──ほうほう、なるほどね。ふむふむ...うん、理解出来たけど理解出来ないわ。
普通スマホゲームとかPCゲームとか始める時になんか同意するの出てくるじゃん。あれは私達読まないタイプだから...あれ、今は関係ないかな?
「何か質問などありませんか?」
「質問...ですか...」
そうだなぁ...
『ルリ、ちょっち変わってくれないか?』
「あ、うん分かった...武内さん、一回コウに変わりますね」
「分かりました」
私は目を瞑り、コウの意識と私の意識を入れ換える...うん、よし。上手く入れ替われた。
「...よっし、ルリからは無いみたいだし、オレから質問だ。美城プロダクションは東京にあるだろ?ならオレ達は必然的に東京に行くことになっちまう...そこでの家はこっちで探す感じか?」
あ、確かに。衣食住が確率してないとアイドルする以前の問題になっちゃうよね。
「いえ、こちらの方で用意をさせて頂きます。ただ、女子寮ということで、多数のアイドルとの共同生活することになります」
女子寮かぁ...それなら大丈夫なのかも...
...待って、私達って今からすぐ東京に行く感じ?転校しなきゃならない感じ!?
「あー...確かにそれもあるな。聞いてみるか...武内さん、オレ達は今すぐにでも東京に行かなきゃ駄目か?」
「いえ、プロジェクト事態の開始予定は来年の4月頃からですから、凉月さんが通っている中学校を卒業してから開始ということになります」
「へぇ...」
えっと...今が11月だから...え、後5ヶ月後?
......それまで身体作っとけよってことですか......
「なら、どのタイミングで行けばいいんだ?」
「その時になればご連絡いたします...この事はご両親には?」
「一応アイドルやるぞーっては伝えた。反対はされなかった...が、一応一度武内さんと会って話をしておくべきだとは思う」
「そうですね...では、今日はもう遅いので後日に。部活等はされているのですか?」
「してないな。だが両親は忙しいから......いや待てよ?ルリ、確か両方とも今週は休み入ってなかったか?」
あ、確か土曜日が休みだったはずだよ。それでお母さんがめっちゃ喜んでたね。“神は私を見捨てなかった!!”とか言ってたよ。
「どれほどだよ......あ、武内さん。土曜日は空いてるそうだ」
「では、土曜日の午前11時頃にお伺いします」
「?...あぁ、分かった」
「では、家まで送りましょう」
あ、なるほど。さりげなく私達を家に送って家の場所を把握しようってことか。
「ルリー、そろそろ戻るぞー」
『あ、うん。分かった』
目を瞑り意識をまた入れ換える......うん、戻ってきた。
「それでは凉月さん。行きましょう」
「あ、はーい」
「ところで武内さん。なんでいつの間にか名字呼びに?」
「いえ...瑠璃さんとコウさんを一緒に呼ぶときにはこちらが良いかと思いまして...駄目でしょうか?」
「あ、全然大丈夫です。そういう解釈での名字呼びは全然OKです!」