その日、目覚めた場所はいつもの自室では無くどこかの病院のベッドの上であった。
何故こんな所にと疑問を覚えたが、それより更に驚くべき事が自分の身に起きてしまっていた。
「あ、ようやく目覚めたのね。先生、うちはサスケ君が意識を取り戻しました。」
「うちは……サスケ?それって俺の事?」
俺がうちはサスケに憑依転生して数日が経過した。
どうやら今はイタチによるうちは一族の殲滅任務が終わった後であり、俺事うちはサスケは三代目直轄の暗部に保護されて病院に搬送されたとの事だった。
入院中に三代目からイタチによる虐殺事件の事や事後処理に関して色々説明を受けたが、原作を読んでイタチの真実を知っている以上、イタチに対して復讐なんて感情は起きて来ない。むしろ木の葉の上層部、特にダンゾウや相談役二人に対してのヘイトが溜まってしまう。
「と言っても俺が真相を叫んでも証拠が無い以上誰も信じないだろうし、それどころかダンゾウに口封じされる可能性が高くなるなるだけだろうなぁ」
明日からはまたアカデミーに通う事になるのだが、転生したとはいえあくまでも漫画の知識が有るだけの自分では授業内容を理解出来るかどうか今から不安で一杯だ。いっその事アカデミーを辞めてしまおうかとも考えたが、自分の立場上それをする事も出来ず溜息しか出てこない。
「下手したらナルト以下の落ちこぼれになったりして……って噂すればなんとやらか」
土地勘を養う為に里を散歩していると川辺に一人座り、水面を見つめる原作主人公うずまきナルトの姿が目に入った。里でのナルトの立場を考えると声をかけて仲良くなるべきなのだろうが、そうすると今後の原作の流れにも影響が出てしまいかねない。どうするべきかと考えていると、ナルトに近寄る複数の人物が目に入った。
「おいナルト、そんな所で何やってるんだよ。明日手裏剣術のテスト有るの忘れたのか?」
「暇なら僕達と明日のテストに備えて手裏剣の練習しない?ね、シカマルも良いでしょ?」
「俺は本当は面倒くせぇからやりたくないけど、チョウジやキバがやる気満々だから仕方ねぇか」
「お前ら……そんなに言うなら付き合ってやるってばよ!!さ、皆俺について来い!!」
「お前が仕切るんじゃねぇ」と掴みかかるキバと喧嘩しながら去って行くナルト達を見つめ、俺はその場で只立ち尽くしていた。
「何だアレ?普通にナルトに友達いるじゃねえかよ。もしかして本当の意味でボッチだったのはサスケの方だったのか?」
まあ、原作やアニメでもナルトはシカマル達と一緒に居た描写は確かにあったがと思いつつナルト達の去っていった方向を見つめていたが、ふと視線をずらすと物陰からもう一人ナルト達の姿を見つめる人物の姿が目に入った。
「次々と原作キャラに出会う日だな……おい、日向ヒナタ。そんな所で何やってるんだ?」
「ひゃ!!さ、サスケ君?こんな所で何を……入院してるって聞いてたけど……」
「昨日退院して明日からまたアカデミーにも通う予定。で、俺の質問には答えてくれない訳?」
質問に質問で返されたので再度訊ねると、言いにくいのかモジモジしてハッキリと答えてはくれない。まあ、ナルトが好きで影から見つめてたなんて、人によってはストーカーと言われてもおかしくは無い為言える筈もないだろう。
「なあ、ところでさっきアイツ等が話してたんだが明日手裏剣術のテストが有るって本当か?」
「え?う、うん。私も自信ないから練習しないといけないんだけど……あ、サスケ君は手裏剣術得意なんだよね?先生も流石だって褒めてたしやっぱり凄いよね」
残念ながら手裏剣が得意なのは転生前のサスケであり、今の俺は投げ方はおろか持ち方も知らない素人同然の忍たまである。
「ま、まあな……な、なあ日向は今暇か?もし暇なら少し手裏剣の投げ方を教えて……やるけど付き合ってくれないか?」
「わ、私が?で、でも……あ、あれ?ナルト君達何処に行っちゃったんだろ?」
そう言ってナルトを探す為に辺りを見回すヒナタであったが既にナルト達の姿は影も形も無なった。
「ほら、早くしないと時間が勿体ないだろ。なるべく人目に付かない所で練習しようぜ」
多少強引だがヒナタと手裏剣術の修業をする事になった俺は、人目に付かない場所として南賀ノ神社の境内までやって来た。
「さ、まずは日向の腕を見たいから早速何枚か的に向かって投げてくれ。」
「う、うん……え~と、まずは基本の十字手裏剣から」
手裏剣を構えて的の前に立つヒナタの後ろで、俺はチャクラを練って目に集中させる。すると黒い瞳が段々と赤く染まっていき両目が写輪眼へと変化を遂げた。
(よ、良し!!原作通り虐殺現場で写輪眼を開眼してたみたいで本当に助かった!!これでヒナタの動きをコピーすれば何とか……)
手裏剣を持つ指から足先まで、ある意味舐め回す様な視線でヒナタの一挙一動を見てその姿を脳裏に焼き付けていると、ふとある考えが沸き起こった。
(そういや……サスケってイタチへの復讐と同時に一族の復興も野望の一つとして掲げてたんだよな。俺は復讐はする気はないけど一族復興くらいならやってもいいかもな)
一族復興の為には何をすればいいか?それは勿論、優秀な子孫を多く作る事である。
その為には……ナルトには申し訳ないがこのチャンスを逃す訳にはいかない。脇目も振らずに手裏剣を投げ続けるヒナタの背後に歩み寄るとその手を掴んでヒナタの背中に自らの体を押つけた。
「さ、サスケ君!?急に何するの?そ、そんなにくっ付いたら私投げられない……」
「いや、さっきから見てたけど中々的に当たらなくて困ってる感じだったからさ。こうして手取足取り教えた方が上達すると思って……」
ゴルフ場で若い子にセクハラする教官の様にヒナタの指に自らの指を絡め、もう片方の腕で離れようとするヒナタの体を押さえつけつつ腰から腹の部分を撫で回していく。
もう少し年齢が高ければヒナタも危機感を覚えたのだあろうが、お互い7歳の子供であるという事が幸いして純粋に俺が手裏剣指導をしてくれている勘違いしてくれた様で、顔を赤く染めながらもその身を委ねるのであった。
空が赤く染まり始めた頃。当初の目的であった手裏剣修業は完全に中断し、南賀ノ神社の本堂の中で俺は将来湯船に浮かぶほど大きくなる予定のヒナタの胸を撫で回しながら、首筋や耳たぶを舐めたり甘噛みをしてその反応を楽しんでた。
「あぁ……あ、ああ……んんぅ。だ、駄目……サスケ君こ、こんな事もう……」
「何言ってるんだ?修業の後はちゃんとマッサージしなきゃ明日に差し支えるだろ?」
「で、でも……こんな……Hなこと私……ひゃんっ!!」
どうやらようやく自分が性的な悪戯をされていると理解したヒナタであったが時すでに遅く、服の中に手を潜り込ませて直接胸の突起をやや強めに摘まんでやると刺激が強かったのか、大きな声を上げると同時に体を震わせる。
「うっ……ううぅ……ど、どうしてこんな酷い事をするの?お願いだからもう止めて……」
日向一族特有のその白い目に涙を浮かべ、未だ胸への愛撫を止めようとしない俺へと弱弱しく懇願するヒナタであったが、こんな中途半端な状態で止めてしまえば後で自称木の葉最強の一族の長に何をされるか考えただけでも恐ろしい。一旦胸への愛撫を止めてヒナタと向き合う様に座り直すと、その怯える体を優しく抱きしめながら耳元で謝罪の言葉を告げる。
「日向、悪かった……俺、兄さんに父さんや母さんを殺されてどうかしてたんだ……だから、もう少しだけこのまま抱きしめさせてくれないか?」
「えっ……そ、そうだったんだ。で、でもそれとこれとは話が……」
「日向……いや、ヒナタ。俺はうちは一族の生き残りとして一族を復興させるのが使命だと思ってる。その為にはどうしてもお前の力が必要なんだ。だから……ヒナタのこれからの人生を俺と共に歩んでくれないか?」
サスケの様なイケメンでなければ許されない背筋がムズ痒くなる台詞を耳元で囁くと、ヒナタは自分の事を必要だと言われた事に加え、告白にも聞こえる臭い台詞にこれまで以上に顔を赤くして動揺していた。
「で、でも……わ、私は……な、ナルト君の事が……す、好きなの。だからサスケ君とは……」
「そうか……でも忘れないでくれ。俺はヒナタの事をいつでも受け入れるって事を」
若干芝居が大根になって来たのでボロが出る前に打ち切ろうと思い、乱れたヒナタの服装を整えて日向の屋敷まで送って行く事にした。その際好感度を確認する意味を込めて手を差し出すと、一瞬戸惑ったものちゃんと手を取って貰い、うす暗くなった神社を後にして一路ヒナタの家まで歩みを進めた。
ちなみに、翌日行われた手裏剣のテストはお手本を見せてくれたイルカ先生の動きをコピーした事で何とかトップの成績を確保する事ができ、ナルト達居残り授業組入りをする事を回避する事が出来たのであった。
三度目の正直ということで、今度こそ完結まで行ける様に頑張ります。
※サスケが今後手を出す予定のキャラ一覧※
春野サクラ(原作での嫁)
日向ヒナタ(ナルトの嫁)
山中いの(サイの嫁)
テマリ(シカマルの嫁)
テンテン(誰の嫁?)