中忍選抜二次試験のサバイバル演習もいよいよ五日目の最終日を迎えた。
「いよいよ今日で軟禁生活も終わりか。俺の扱いはどうなるんだろうな」
この試験に突破した受験者は次の第三次試験に進む事になるのだが、俺は今現在大蛇丸に狙われている身という事も有り、このまま試験を続行するか棄権させるかを本日言い渡される事になっているのだ。
「私としては三代目が続行させる判断を下されたとしても棄権して欲しいわ」
大蛇丸の恐ろしさを身をもって知っているアンコは俺の身を案じてそう言ってくるが、俺も大蛇丸の執念深さは分かってるつもりなので、この場を逃げられたとしても決して諦める事などせず、後々も俺の体を手に入れるまで狙い続けるだろうと思っていた。
「アンコの気持ちは分かるけどな。でも、いつまでも逃げる訳にもいかないしな」
「アンッ、だ、駄目よサスケ。そろそろ結界を解く時間に、ンッ」
アンコの背後に回り込んで乳房を揉み解しながら、呪印に込められた大蛇丸の意思に向かって絶対お前の思い通りにならないという意思を込めて、俺は呪印を刻まれたアンコの首筋を甘噛みをする。
「二人とも、間もなく結界が解けますのでそこまでにして下さい」
仕事モードに戻った夕顔に咎められたので最後までする事は無かったが、俺は今後も一族復興を続ける為にも何としても大蛇丸に打ち勝とうと決心を固め、五日ぶりに部屋の外へ出た俺はすぐさま三代目が待つ部屋へと連れて行かれる。
そして三代目から大蛇丸の行動が予測しやすくなるという観点から、俺はこのまま試験を続行させるという事に決まった事を告げられた。
その後、別室で待機していたサクラ達と合流すると俺達は試験を突破した他の受験者達と共に試験官である月光ハヤテから次の試験内容についての説明を受け始めた。
「ゴホゴホ、ではこれから二次試験を突破したこの6チームで第三次試験予選を執り行います。ここからは個人戦になりますので自分以外の全員が敵になると思って下さい」
「試験の予選?どうしてそんなのやらなきゃいけないんだ」
受験者の質問に淡々と追加説明をするハヤテは最後に予選を棄権する者はいないかと尋ねる。
ここまで来て今更そんな事をする奴はいないとこの場に居る大半の者が考えていたであろうが、大蛇丸の部下である薬師カブトは体調不良を理由にして棄権の意思を伝える為に挙手をした。
「そうですか。他に棄権する人はいない様ですので、この場に残った17名で1対1の実戦形式の個人戦を行います。」
「ちょっと待った。ここに残った人数は奇数だから1対1で戦うと一人余る事になるんじゃないのか?」
テマリの質問にハヤテは、これから順次ランダム選ばれる組み合わせ発表後に残った者はその時点で予選を突破する事になると告げ、俺はその一人に選ばれる事を少しだけ願った。
「では第一回戦の組み合わせを発表します。最初の一組は……うちはサスケと赤胴ヨロイですね」
「ま、そうラッキーが起きる訳ないか」
それでも原作通りの組み合わせになった事はある意味ラッキーなので、俺はヨロイと向き合いどこまで手の内を晒すか思案する。
「「サスケく~ん!!頑張ってね~!!」」
「さ、サスケ君……怪我だけはしないでね」
(うう、私も応援したい。でもリー達の手前声出して応援する訳にもいかないし)
「アイツがうちはサスケか……結構男前じゃない」
サクラ達この場に居るくノ一の応援を背中に感じていると、この状況を気に入らないのかナルトは相手のヨロイを応援し始めた。
「クソォー!!そっちの頭巾サングラス!!サスケなんてぶっ飛ばしちまえってばよ!!」
「そうだそうだ!!サスケのスカした顔を殴りとばしてやれ!!」
ナルトに便乗する形でキバもヨロイの応援をし始めるが、ナルトよりは周りの空気が読めるのかサクラ達が本気で殺気を向けている事を察して赤丸と共にナルトの側を離れて行った。
「チッ、耳障りなガキ共め。言われなくてもうちはサスケは俺の手で倒してやる」
ナルトがサクラ達に袋叩きに遭ってるのもお構いなしにハヤテから試合開始の合図が告げられると、ヨロイは先手必勝とばかりに走り出して俺のチャクラを吸い取る為に手を伸ばして来る。
「決めた。やっぱりお前を倒すならコレじゃないとな」
ヨロイの手が俺の体に触れる寸前に顎を蹴り上げると、体ごと宙に浮いたヨロイをリーからコピーした影舞葉でその背後に追尾する。
「ま、まさかアレは僕のっ!?」
リーの驚愕する顔を視界の端で確認しながら、俺は包帯で敵と自分を括り付け回転しながら落下する表蓮華とは違い、地面に落下しながら連続で打撃を与える体術、獅子連弾をヨロイの肉体に叩き込んだ。
サスケがヨロイを数秒で沈めて予選を突破する中、リーはサスケの体術が自分の動きをコピーして更にアレンジを加えた技を繰り出した事に驚きと嫉妬を感じていた。
「サスケ君、あの時僕の体術をコピーしたんですね。そして蓮華を自分流に改良までするなんて」
「正直言って俺も驚いた。だがリー、俺の見立てに贔屓が無ければ動きのキレとスピードは本気のお前の方がうちはサスケより上だろう」
中忍試験が始まる直前の勝負を受けたのはこの為だったのかとリーは悔しがるが、一緒に試合を観戦していたネジは一連の動作を冷静に分析しており、リーが錘を外して奥の手を使いさえすれば体術ではサスケに優るであろうと告げた。
「それでもショックな事に違いありません。サスケ君、この借りは必ず本戦で返させて貰います」
サスケとの再戦を熱望するリーを尻目に、ネジは次の試合の組み合わせを見てまだ自分の出番では無い事を確認する。
「次の試合は油女シノと秋道チョウジのルーキー対決か。うちはサスケ同様、早めに試合を終わらせて欲しいものだな」
第二試合の結果はシノの秘伝忍術である奇壊蟲がチョウジのチャクラを喰い尽してしまい、チョウジは倍化の術を使う事すら出来ずに敗北してしまった。
続く第三試合は砂隠れのカンクロウの扱う傀儡が対戦相手の剣ミスミの全身の骨を砕いて勝利を決め、第四試合の山中いの対春野サクラの試合が始まろうとしていた。
「サクラ、悪い事言わないからアンタも棄権したら?」
「冗談じゃないわ。予選を勝ち残るのは私よ!!」
試合の序盤はサクラが幻術を駆使していのを翻弄するが、単純な戦闘面で決め手が欠けているという弱点から一瞬の隙を突かれて逆転を許してしまい、最終的に両者ダブルノックアウトの勝者無しという結末を迎えてしまう。
その後テンテンに勝利したテマリとキバに勝利したナルトが本戦出場を決め、残るはネジ、ヒナタ、シカマル、リー、我愛羅の5名となり第七試合の組み合わせが電光掲示板に表示される。
「ヒナタ様、アナタでは俺には勝てない。無意味な真似は止めて直ぐに棄権するべきだ」
「そうかもしれない……だけど、私もいつまでも守られるだけなのは嫌だから」
互いに同じ柔拳の構えをして対峙する二人に試合開始の合図がされると、ヒナタは柔拳対決をするかと思えば一旦距離を取って印を結ぶと分身の術を発動させてネジを攪乱しようとする。
「なんの真似だ。俺がその程度の分身を見抜けないとでも思ってるのか」
予想外のヒナタの行動に思わず形だけの敬語を止めたネジは分身に脇目も振らずヒナタに近付こうとするが、それに臆することなくヒナタは腰のホルダーから手裏剣を取り出してネジ目掛けて投げつけた。
「あくまでも距離を取って戦うつもりか。日向宗家の人間が柔拳を捨てるとはな」
「宗家なんて関係ない。私は自分が今まで身に付けた技や術で戦うだけ」
次々に飛来する手裏剣や苦無をネジは最小限の動きで交わしてヒナタを挑発するものの、それでもヒナタは接近戦を避けて一定の距離を保ちネジに近付こうとはしない。
「無意味な真似をいつまでも続けるとは、それでも宗家の人間ですかヒナタ様」
「ネジ兄さん、柔拳に……宗家に拘ってるのはアナタの方ではないの?」
ヒナタに逆に挑発されたネジは業を煮やして強引に詰め寄り、ヒナタの点穴を突く為にチャクラを込めた二本貫手を突き出す。
しかし、それを待っていたのかヒナタは足に込めたチャクラを一気に放出してネジに体当たりして密着すると、間髪入れずに臍の下に掌を押し付けてチャクラを放とうとする。
(休止の点穴……ここっ!!)
「ガハッ!?く、クソッ!!」
決まれば一撃で相手動きを止めて戦闘不能にしてしまう休止の点穴に柔拳を叩き込んだヒナタだったが、正確な位置から僅かにズレてしまったのか、吐血はしたもののネジの体の動きを止める事は出来なかった。
「そんなっ、なら今度こそ確実に」
「遅い!!八卦六十四掌!!」
ヒナタが再度点穴を突くよりも一瞬早くネジはヒナタの全身64ヵ所の点穴を突く秘技、八卦六十四掌を繰り出すと、ヒナタはそのまま前のめりに倒れて動かなくなってしまった。
「はぁはぁはぁ……少し甘く見過ぎていたか」
試合終了の宣言をされた後医療班に連れて行かれるヒナタを見つめていたネジは背後に殺気を感じて振り向くと、そこには赤い目をしてネジを見据えるサスケの姿があった。
(フー……危ない危ない。思わず飛び出しそうになったぜ)
精神を落ち着かせる為に一旦写輪眼から通常の目に戻した俺は、次の試合が始まるまでの間これまでの試合で観察した各受験者の戦いぶりや使用した術を頭の中で反復する。
今のところコピーする候補としてはカンクロウが傀儡を操るのに使うチャクラ糸とネジの八卦六十四掌であり、本来写輪眼では点穴の正確な位置は視えないのだが、俺は今までの経験でチャクラの流れや色の濃さでおおよそだが点穴の位置を判別する事が可能になっていた。
(それも白眼を持つヒナタが居たからこそ、細かい補正が出来て身に付けられた技術なんだよな)
俺がサスケになって一番付き合いが長い事もあってか、ヒナタは俺にとって最も親しい間柄と言っても過言ではないだろう。
勿論サクラ達も優劣を付けられないくらい親しい関係だと言えるが、ネジに痛め付けられて倒れる姿を目にした際に、もし万が一ヒナタが目の前で死んだとしたら俺は万華鏡写輪眼を開眼する事は間違い無いだろう。
そんな事を考えてる内に第八試合の組み合わせが発表され、ここまでの試合経過から予想通り我愛羅とリーが戦う事になり、俺は再度写輪眼を発動させた。
「ゴホッ、では第八試合のロック・リー君と我愛羅君の試合を始めます」
万華鏡写輪眼の開眼条件は写輪眼の開眼者が家族や友人など近しい者の死を体験し、それに対する深い悔恨や悲しみを抱くことだそうです。
※今回のアンケートの目的は活動報告に記載しています(5/20で終了しました)
(具体的に言えば死亡退場するキャラを決めます。後に蘇生もしません)
サスケの中忍試験本戦までの師匠
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三代目火影
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綱手
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自来也
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はたけカカシ